1 師おり

ねる

あしたくるからあ
2 無名さん
재일 을이
3 師おり
うあああああああ
最近変なものを手に入れてから妙な事が起こる。

語ってくれたのはカナダに住む安池さんという日本人の方だ。なお、この方は結構な体験談を持っていらっしゃるので追々数を増やしシリーズものにしていきたい。

久々に日本に帰国して骨董屋に寄った。趣味でいろいろなお皿や置物、古い茶器などを集めているいわゆる蒐集家だった。

この方かなりの変人。いわく付きのものから出どころはわからないいかがわしいものまで、値段を問わず買ってしまうどうしようもない人なのだ。

蒐集家をしてまだまもない頃、これまた出どころのわからない壷を手に入れた。最初に書いたようにある骨董屋で買ったものだ。

値段はものがはっきりしないとの理由から言い値で構わないとのことで30万に少し色をつけた値段で購入した。いい買い物ができたと喜んでいたが、その壷妙なのである。

壷には(封呪)と書かれた古くて長いお札が壷を縦に一周する形で貼られ、なおかつ厳重に鎖で何重にも巻かれ開かないようにされていた。

安池さんはそれでもそんなものほど興味を惹かれてしまうため当然買ったのであるが、その日以来生活にある変化が起き始めたのだ。

その変化とは気づくと壷が勝手に移動しているという点だ。いつの間にか一階から二階の和室へ、洋間からお風呂場へ、挙げ句は天井裏へ。見境なく移動する。

それだけでは終わらなかった。夜寝ているとカタカタと蓋が音を立て始める。気づくと自分は厳重に巻かれた鎖をとろうとしている。

そんなことが続いたためやむを得ず手放す覚悟をして骨董屋に売り戻したという。久々にあの骨董屋に出向いたが、あの壷はなくなっていたそうだ。

今ではどこの誰が所有しているのか、それさえわからないが、あの壷の中には何が入っているのやら。開けてしまったら、さぞかし恐ろしいことが起きそうである。

彼はその後も蒐集を続けているが、奇妙なものをまた手に入れたらその時はまた聞かせてくださると約束してくれた。
二年前、何やら声がすると恐る恐る窓を開けると、ベランダに一羽のインコが止まっていた。

手を差し延べるとちょこんと乗って来た。そしてインコは「コンニチワチイチャンデス」と言いチイチイパッパと歌いだした。

よく人に懐いている。飼い主さんはさぞ心配しているだろう。きっと冒険のつもりで外に出て迷子になったのだろう。

そんな事を考えていたら

「タスケテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ」

と喚き出した。

びっくりしてインコに「チイチャンどうしたの?」と尋ねてみた。

「コロサナイデコロサナイデオネガイオネガイ」

そしてまたチイチイパッパと歌い出した。

気味が悪くなった私はインコに「チイチャンお家かえりな」と外に放した。チイチャンのお家で何があったんだろうか。

怖くなってそのまま手放した事を少し後悔している
去年の夏はとても暑くて毎日のようにお茶を飲んでいた。

余計暑くなるけど、お湯を沸かして緑茶をいれて、氷で冷やしてペットボトルに詰めての作業をして。

私には霊感がある。当時、心霊現象に悩まされていた。それは、ご先祖様に対して供養が足りないという訴えだった。

親に話しても信じてもらえず、家族に次第に話さなくなった。霊の悪さにムカついて供養なんかしないと決めた私。何もできないと決め込んで日常を送っていた。

そんなある日。作ったばかりのお茶を飲んでいたのだけど、いたみやすいのか、不純物が現れていた。飲めないじゃん。

そのお茶を捨て、私は新しい冷蔵庫に入っていたお茶に口をつけた。二階の部屋に上がり、することもなく昼寝。窓辺に置いたお茶は直射日光を浴びて熱くなっていた。

昼寝から起きてお茶を飲もうとペットボトルに目を向けて、すぐに飲めないと判断した。一センチ近くの不純物が沈澱していたからだ。

揺らしてみると、霊の念の残骸だということがわかり、心中は複雑。ご先祖様以外の霊も供養を求めて寄って来ていたのだ。

お茶に移っていなくなるならそれに越したことはない。そんなつもりはないのだけど、また中途半端に飲みのこしたお茶入りのペットボトルを今度は玄関先に置いた。

しばらくして見に行くと、さっきの倍近い不純物がボトルに現れていた。飲む目的ではないにしろ、この量はどうなんだろう……。

ボトルを揺らしてみると、不純物はちぎれた人の形をしていた。霊視してみると、複雑さは更に増した。

そこに現れていたのはご先祖様関係ではなく、元カレの生き霊の残骸だったから。

今年の夏、買ったお茶を飲み切れずに常温にしてしまうけど、あの時のように不純物は現れていない。
国木田さんという公務員をやっている方がいる。その方の話。

ある日の晩、国木田さんは会社からの帰り妙なものを見たという。

居酒屋が立ち並ぶ裏通りをふらふらと歩いていた。たまにはいいかなと細い道を選んで近道をする事にした。

1メーターあるかないかの小さな細い道。坂道になっておりそこを昇るとまた平らな道に変わり、その先に小さなお稲荷さんがある。そこを曲がれば大通りに出る。

そのお稲荷さんに向かう時、向こうからふらふらと千鳥足で歩く人の足が見えた。

あっちへふらふら、こっちへふらふら、酔っ払いかと最初は思ったがなにぶん狭い道ゆえ、ふらふらとよろめくと顔を思い切りぶつける形になる。

心配して声をかけようとしたが、月明かりに照らされたその人の姿を見て思わずのけぞった。

体が右肩から左のわき腹にかけて斜めに首ごと抉れたスーツ姿の男らしき人が、ふらふらとこちらに手を前に出す形で歩いてきたのである。

国木田さんはあまりの恐怖に逃げられずその場にへたり込んでしまった。目をつむってしばらくするとその人はもういなくなっていたという。

あたりには腐敗臭が立ち込めてその場で吐いてしまったということだ。

それ以来あの道は通っていないが、実際のところは怖くて通れないという。
これは僕(と友達)が実際に体験した話です。

高校の当時僕たちがハマっていたのが、部活が休みの日に放課後に集まって、レンタルビデオ店から借りてきた『呪いのビデオ』シリーズを観ることでした。

ちょうどその年は雨の日が続いて、ジメジメした蒸し暑さを怖いDVDでも観て紛らわそうってことで始めたのですが。

「うわっ怖い」とか「今のは作り物だろー」とか「えっ今ので終わり!?」とか、ガヤガヤ言いながら観ているとそれなりに盛り上がって楽しんでいました。

そんなある日、いつものようにDVDを借りてきて観る予定が中止になってしまい、そのまま返却日前日になり、「観ないで返すのもったいないし…」とひとりで観ることにしました。

今でも忘れない…最後の投稿映像が画面一杯に映る人の顔だったのですが、僕はなんとも言えない嫌な感じを覚えてすぐにそれを返却しに行きました。

そして翌日、僕は部活の練習中に「何か」と接触し鼻骨を骨折。大会にも出られなくなりました。

そしてそれから数日後、同じ部活の友達が練習中に「何か」と接触し脚を骨折。同じく大会には出られなくなりました。

なぜ「何か」なのかと言うと、2人とも怪我をした原因が他の部員(30人ぐらい)が観ている練習中なのに解らないのです。それだけでなく一緒に練習していた部員も何故怪我をしたのか解らないのです。

ただ2人に共通していたのは画面一杯に映る人の顔の映像を観たことでした(友達の方は別の日に自宅のパソコンで同じ映像を観ていたらしいです)。

これは呪いか何かだったのか。それともただの偶然だったのか。確かめる術はありませんが、誰かが同じような目に遭わないことを祈るだけです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。他にも話があるので機会があればまた。
これは俺がホントに体験した話。

あれはちょうど七年前、俺は中学生だったんだけどさ。夏のお盆休みで親戚の田舎にあるおばあちゃんの家に泊まり行ったんだ。

おばあちゃんは心臓の持病持ちだったんだけどさ。別に寝込んでる訳でもないしいたって元気で優しい、いいおばあちゃんなんだ。

まぁ泊まって二日目の夜の話なんだけど。その日の夜は暑くて風もなくてとても寝苦しかったんだ。

で夢を見たんだけどさ……この夢がすっげー気持ち悪いんだよ。読者のみんなも俺が見た夢を想像しながら読んでほしいんだ。


まず目を開けるとそこが五畳半くらいの和室でさ。そのど真ん中に自分が寝てんだよね。周りを見たら喪服姿の人達が大勢いて俺を見下ろしてんだよね。

俺は怖くなって飛び起きようとしたんだ。でも金縛りみたいのにかかって無理なのよ。でもなぜか首だけは動かせるんだ。

それでふと右を見たらおばあちゃんが正座してるんだ。でもいつもの笑顔は微塵もなく怖いくらいの無表情で俺を見てるんだよね。

俺はおばあちゃんが手に何か抱いてるのに気づいた。目を凝らして見てみたら、それはおばあちゃんが昔から大事にしてる日本人形だって分かったんだ。

するとその日本人形はどこからか刃渡り50センチはあろうかという包丁を取り出したんだ。嫌な予感が俺の頭をよぎる……

すると次の瞬間、その日本人形は包丁を振り上げた。そしてその包丁を俺に振り下ろすかと思ったら、クルッと向きをかえておばあちゃんをグサリ……そして何度も繰り返し刺しつづける。

俺は声にもならない叫び声を上げた。おばあちゃんから血が噴水のように吹き出る、辺りが真っ赤に染まる。

と、そこで目が覚めた。起きた時間はまだ夜で、俺は汗だくで、とても喉がかわいていた。そして不覚にも泣いてしまった。

それほどあの夢は生々しくて怖かったのを覚えている。


翌日、俺が都会に帰る日になった。そして約一週間後。俺は親から衝撃的な事を告げられた。

そうおばあちゃんが亡くなったのだ。

>>9

俺は親に理由を聞いた。しかし、親はなぜか話したがらない。俺がすこしムキになって聞いたらようやく話してくれた。でも聞かない方がよかったと後で後悔した。

おばあちゃんは何者かに殺されたらしい……全身を鋭利な刃物でめった刺しにされて。

俺は親に夢の事を伝えた。もちろん人形の事も。親はとても驚いていた。そしてその後、おばあちゃんの日本人形はお寺で供養してもらった。

犯人はいまだに捕まっていない。だから今でもどうしても考えてしまうんだ。おばあちゃんを殺したのはもしかして……ってね。
私の父方の家系は除霊を専門にしていたので、継ぐ気のない私にも潜在的に「力」があり、幼い頃から亡くなられた方にご縁がありました。

生きている方と見分けがつきにくく、幼い頃は悩みの一つでしたが、大人になるにつれ見分けがつくようになりました。

さて本題に戻ります。

私の職場にはかなりプレイボーイなM先輩という方がいて、過去に泣かされた女は数知れず、今も彼女らしき人が数人…「うまく言い包めれば刺されるような事はない」がM先輩の座右の銘です。

ある日の休憩時間、M先輩が新入社員に「女の落とし方」みたいな話をしているときでした。

窓際でもたれかかるM先輩のすぐ後ろに、ショートボブの女の人がM先輩を物凄い形相で睨んでいました。M先輩が楽しそうにすればするほどぱっちり二重の目はつりあがり、充血していくのです。

私はそういうものに慣れ切っていて、話に参加する人数が一人話に増えたような感覚でしたが、何か違和感があるんです。

見れば見るほどおかしいんです。生きている人間がビルの三階に浮いているわけがないのですが、亡くなっている感じがしないんです。

疑問を抱きつつM先輩の話を聞いていましたが、M先輩の下ネタがピークを迎えた時でした。彼女と目が合いました。

彼女がとても驚いていたので「驚いた?」と聞いてみました。すると彼女は「見ないでよぉ」と可愛い声で言い、消えてしまいました。消える瞬間のはにかんだ顔がとても可愛かった。

消えるってことはやっぱり亡くなっているのだなと思い、M先輩の下ネタを聞き始めてからすぐでした。耳元であの可愛い声がしたのです。

「まだ生きてるよ。だってさ、アタシM連れていかなきゃだから」

何があったかは知りませんが、生きている人の念がこんなに恐怖感を与えるものなんだなと感じた瞬間でした。

ちなみにその後もM先輩は健在ですが、小さな怪我が絶えないそうです。
大谷さんという方の体験。

ある夜、喉が乾いた大谷さんは飲み物を買いに外へ出た。

シャッター商店街の入り口の手前にある自動販売機。そこで炭酸でも買おうと飲み物を選んでいるとき、ふいに後ろに気配がした。

なんだろうかと振り返ると2、3メートルくらい離れた場所に、赤い服を着た髪の長い双子のような二人が俯き気味で立っていた。

何か嫌な感じがし、そうそうに飲み物を買い家に駆け戻った。

あとで思い出したことだが、3メートルも離れているのに長身の大谷さんよりも背が高くて倍くらいあった気がするという。

急いでいてあまり正確ではないが、なぜか赤い服の印象が強く残っているため記憶に誤差があるようだが、

全く同じ服と全く同じ髪、全く同じ背の高さ、それだけでも不気味なのに異常な背の高さという信じられない光景が、無意識に忘れようとさせてしまっているのかもしれない。
倉田さんというOLの話。

ある日の夕方、定時で帰ろうとしたが上司に残業を頼まれてしまい、やむなく残業せざるを得なくなった。

デスクに向かいパソコンで書類を作成していると、後方にある窓の方から軽くノックするような音が数回聞こえた。

気にせず仕事を続けているが、あまりに続くので何十回目かに後ろを振り返って見た。

だが、そこには窓ガラスに映ったオフィスと自分の姿があるだけだった。

窓の中央には赤い逆三角の消防隊進入口のマーク。「なにもないじゃないか」と安心しまた再びデスクに向かいキーを打とうとした瞬間、気づいた。

(三階以上の階のみ)に設けられているはずの消防隊進入口のマーク。ここは二階。記憶をたどってもあんなマーク見た覚えはない。

疲れていたためあまり気にしなかったがどうもおかしい。もう一度振り返った。

そこには消防隊進入口の逆三角のマークではなく、よく見れば顔の皮の一部で端のあたりにぐちゃっとつぶれた眼球がこびりついていた。

慌ててパソコンとオフィスの照明を消し、倉田さんは階段を駆け下りた。
五年ほど前の出来事。宮大工を生業にしている五味さんは友達のためにいい物件がないか探していた。

どうやら友達が田舎から仕事探しのため都会に来るっていうんで、その間に住むためのまあ仮の住居を探してくれと頼まれた。

安く、住み心地の良い、風呂トイレの付いたそんなアパート。探してみるとないものでなかなか見つけられなかった。

仕方なしに2ヶ月あまり五味さんの家に厄介になっていたという。それから2ヶ月と少しの後いい物件が見つかった。

安く、住み心地は抜群、風呂トイレ付き。ここまでは揃っていたが、ちょっと安すぎるのと南向きの窓からの景色が汚いドブ川という点をのぞいて、なおかつ流れてくるドブの臭いに耐えさえすれば良い物件だった。

まあこんな物件はそうそうないし、また1から探すのもやだったから即決で住んじゃった。

1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と半月、そのくらいだったと思う。その時に奴から電話が来た。ちょっと慌てたような感じで電話越し

「五味、ちょっとね不思議なんだ。この物件。ある部屋だけねちょっと落ち着かないんだよな」

落ち着かないという単語が少し引っかかって五味さんは彼の住む部屋に向かった。

車で一時間、間取りは2LDK。畳の部屋。洋間とキッチン。それから風呂とトイレ。一時間かけて着くと、彼が階段の下で待っていた。

「ずい分待ったな」

するとその落ち着かないという部屋に案内された。入った途端、落ち着かないという言葉の意味を知った。

壁、床、天井、とにかく部屋中黴だらけ。青いのやら黄色いのピンクっぽいの。形も粉のようなものからキノコのようなわりと固形のものまで。

ありとあらゆる種類の黴がわんさか生えていた。まるで黴の密林。もしくはジャングル。

襖で仕切られたその部屋に入った瞬間、思わず襖を閉めて洋間の部屋に戻ってきてしまった。

「おい、業者かなんでも屋に頼んで掃除くらいやってもらえよ、金あるんだろ?」

すると西崎さん(友達)は平然と言う。 

「頼んだよ、もう何度も何度も。でもだめなんだ。一週間もするとこの有り様。もとに戻っちまう。だからきりがねえからもう頼まん」

>>14

五味さんは言った。

「もういいから俺の部屋に来い。しばらくは俺の部屋にいて、金ができたら越せばいい。だから解約しろ。おそらくこの部屋はずれだから」

その言葉に安堵したのか西崎さんはため息をついてその足で解約をしに向かった。

それから一年後、友達は五味さんの部屋から越していったという。

「他の部屋は全然大丈夫なのにあの部屋だけ黴が生えるのかな。やっぱりなんかあるのかなぁ?」

と言っていた西崎さんは、今は黴の生えない小綺麗なマンションを買ってかわいい奥さんと幸せに暮らしているということである。
私たちの学校はズバリ言うなら不気味です。学校の裏には大きな河があり、過去そこで何人もの生徒が命を落としています(遺体が見つからなかった方もいるそうです)。

他にも生徒が自殺したり、授業中に亡くなったりと30年で沢山の方が学校で亡くなっています。

前置きが長かったですね。今回はトイレでの体験です。

私はその日、一階のトイレに入っていました。トイレには私1人……だと思っていました。トイレの戸は全て開いていて物音ひとつしなかったのですから。

なのに、私が一番手前の個室に入ってすぐに奥から水の流れる音と戸の開く音が。そして、足音。その足音は私の入っている個室の前で消えました。

しばらく怖くて出れなかったのですが、このままでもしかたないと思い思いきって戸を開けると、

だ れ も い な い。

気のせいだったのかなと半ば強引に自らを納得させ、手を洗ってふと前にある鏡を見ると、肩に手が乗っていました。

血の気のない、真っ白で骨の浮いた手。顔も見えました。長い前髪の奥にあるのは充血した目。

何を伝えたかったのか。しかしその時の私にはそんなこと考える余裕はなく、ただただパニック。頭は真っ白。

無我夢中で飛び出すと先生がいて、事情を話すと『そういう事はあるものだ。もう帰りなさい』と言われ、びくつきながら帰宅しました。

後日、このことを友人に話すと友人の先輩も似たことがあったとの事。

何でも数年前、いじめを苦に自殺した子がいたそうです。場所はお察しの通り、一番奥の個室。

怖いと思った一方で、今改めて考えると哀しかったのかなと思った体験でした。

この話は以上です。ありきたりですが実話です。

次回は音楽室か我が家の話でもできたらと思います。お付き合い下さりありがとうございます。ではまた次回m(__)m
この話は僕が高校生だった時の話です。

当時付き合っていた彼女(Yとします)が霊感があったんです。

Yとデートしている時も、たまに一点を集中して見てたり、ここ通りたくないとか言ってきたり、たくさんこういう事がありました。

付き合い初めて半年が過ぎました。急に別れようと言われて、何が何だかわからないままで、悲しみもありましたが怒りの方が強かったと思います。

学校の帰りにいつも仲が良かった友達(Kにします)と橋の下で遊んでいるんですが、そこで僕がYなんて死ねばいいのに……って何回もつぶやいてたんです。

そうするとこんな話をKがしてくれました。

『ここってなジンクスがあってね、何回も何回も強く思いを込めて願望を言うとその願い事が叶うんだってさ』と。

その時僕は悔しくて本当ムカついていて、結構本気でYの事を死ねばいいのにって思って言っていました。でも実際Kが話してくれた事はあまり信じていませんでした……。

ですがそれから数日後、Yが死んでしまったのです。

バイト帰りに電車を待っていたらしく、そのときに線路に落ちてちょうどよく電車がきて死んだそうです。その電車は快速だったそうで、不幸が続いての事故?だったと。

その話を聞いた後、本当にあのジンクスかも…本当なら僕が殺したんだって、発狂しましたよ。学校も行かずずっと引きこもり。

ですが友達からのケアで1ヶ月したら学校には行けるくらいに回復していました。

Yが死んで半年位がたった頃、近づけなかった橋の下に部活が終わったあと一人でなごんでました。そしたら一人の赤い服を着たちっちゃい女の子がしゃがんでいました。

なぜか僕はどうしても何してるか気になって、近くに行って何してるのって聞いてみたんです。真っ正面に言ってみると、それはしゃがんでるんじゃなかったんです。下半身がないんです。

逃げようとしてるんでるんですが、体が動かないんです。しかもその女の子は……Yなんです……ずっと、殺してやるって……つぶやいているんです。

その時、橋の上でクラクションが鳴って、我にかえって逃げました。
私の妻が人づてに聞いた話をします。

その方を仮に荒井さんとします。その方の子供、仮にシンヤくんがそれを見始めたのはかれこれ数年前からだという。

当時、荒井さんは貧しいながらも大好きな旦那さんと一緒に暮らしていた。狭いアパート。絵に描いたような日々。

そんななか、二人の間にシンヤくんが産まれ、すくすくと育ちもう少しで小学一年生にあがるころ、お部屋で初期の白黒のゲームボーイで遊んでいたところ、いきなり目をまん丸くして窓の外を指差しこう言った。

「ねえ、ママ。ぱんださんがいるよ。こっちに手を振ってる」

ぱんだ?と聞いて、動物の?とたずねたが、その時はよくわからなかったようでシンヤくんもそれ以上は言わなかったし彼女も追求しなかった。

そんな日々が幾日か過ぎたある日の夕時、シンヤくんはまたも(ぱんださんがいる)と言った。

(ぱんだがいる)というそのセリフを忘れていたために、いつか聞いたそのおかしなセリフがいやに怖く不気味に感じた。そして気になって聞いてみた。

「ねえ、シン(シンヤ)くんが言うぱんださんって動物のぱんださんかな?」

そう言うと、シンヤくんは笑顔でこたえた。

「ううん、違うよ。あのね、目の玉がなくてね、穴ぼこがふたつ空いてるの。だからぱんださん。顔も手も真っ白でね。裸んぼなんだよ。絵本のホラーマンにそっくりなの」

その時、シンヤくんが見ているものが頭の中にはっきり浮かんだ。

最後のホラーマンという言葉。そして、目の玉がなくて穴ぼこだけ。我が子が見ているものとは衣服も身につけず裸の骸骨。しゃれこうべなんだっていうことが。

“その時、なんとなくですが、小さな笑い声みたいなものが聞こえたような気がしました”

その数年後、そのアパートを越してしまったので今はどうなってるか、シンヤくんが見ていたというあの骸骨らしきものは今でもいるのか。それはわからない。

ただなんの罪もない(パンダ)に何か例えようのない恐怖をしばらく感じていたということである。
友達の話。友達が盆くらいに体験した話。

俺と友達4人でキャンプへ行った。海でキャンプファイヤーやら花火やらを泥酔した状態で好き放題にやっていた。

俺は酔って眠くなり先に寝てしまった。俺が目を覚ますともう朝方だった。

しかし友達はあれだけ泥酔したにも関わらず、青い顔をして放心状態で起きていた。聞けば夜通し起きていたらしい。

何も言わずに片付けを済ませて車に乗り込む。すると1人が重い口を開いた。

「昨日、お前は寝てたから分かんなかっただろうけどよ…俺たち死にかけたんだ」

はぁ?と一言。

「砂浜少し行けば灯台のある防波堤があっただろ? 俺たち、その防波堤から身を投げる寸前だったんだ。

気が付けば防波堤の端に立ってて…海の方を見ると数え切れないほどの黒い影が俺たちを呼んでるみたいに手招きしてたんだよ」

俺は先に寝ていて良かったと思った。
私は看護師として働いています。患者さんにも入院生活の長い方がいると情もわいてしまい、そんな方が亡くなれば悲しみも大きい物です。

これは最近の話しです。

Aさんもそんな方々の中の一人ですが、末期の癌で大変苦しんでおられました。それでも普段は穏やかで優しいお婆さんで、苦しくても笑顔を見せて下さる方でした。

ただ…亡くなられるその日だけは、いつものAさんと違って物凄い形相で、ベッドの上に立ち上がり

「死にたくない!死にたくない!死にたくない!」

と何度も叫んで、医師や私達看護師の方を向き直したAさんは、その場で倒れこみ…その日の夜にお亡くなりになられました。

ただ…確かに私達の方を向き直したAさんの視線は、あの時私の目と重なったのを覚えています。

その夜のAさんの死亡処置に私が担当で入りました。複雑な思いでした。手際よく体を清拭し、綿積めをし、着物を着せて手を組み…

お顔を整え、最後は葬儀会社の方が来られて、搬送する車にAさんを乗せて去って行くまでをお見送りした後、悲しい気持ちを切り替えて仕事につきました。

勤務が終わりアパートに戻って床につこうとしていました。疲れていたはずなのになぜか寝付けにくく、目を閉じてても、時間だけが進んでいる感覚でした。

しばらくして、突然金縛りになり…疲れのせいだと思い、目を閉じたまま解けるのを待っていました。でも疲れとは違う恐怖感を覚え、窓ガラスがきしみ始めました。

ラップ音が始まり、ドアを開け閉めするような音も聞こえました。そして何かが…入ってきた事が分かりました。ゆっくりとでしたが、床から…

ズルズルッと何かがはいずって近付いてきたのが分かりました。

>>20

ベッドに何か…誰かが手を置いたのが肌で伝わり、体を動かす事ができない私は恐怖も絶頂になり、目を閉じる事が唯一の抵抗でした。

目を閉じた私の顔に息がかかり、「あぁっ…ああ…あ…」と何か言おうとしてるようで、ベッドに乗っかかった誰かが

「死にたくない!死にたくない!死にたくない!」と叫んできたのです。

その声は私が気を失うまで続いたと思います。もう朝は気だるさと頭痛で起き上がる事が出来ませんでした。

間違いなく…Aさんは私の元に来たのだと分かりました。あの時…病室でAさんの壮絶な瞳が私の目と重なった時、私は選ばれたのでしょうか。

毎日が怖くて仕方ありません。
ある日、男の元に電話が掛かった。

男『はい。もしもし』

 『あたしのお願い…聞いてくれる?…』

男『え?どちら様ですか?』

 『……………』

ガチャッ ツー ツー ツー…

男は、間違い電話か何かと思い、気に留めなかった。

2日後…

トゥルルルルルル トゥルルルルルル
ガチャッ

男『はい。もしもし』

 『あたしのお願い…聞いてくれる?…』

男『この前の方ですよね?掛け間違えしてますよ』

 『……………』

ガチャッ ツー ツー ツー

(なんだよ、すみませんぐらい言えよ)と男は思ったが、気にしても仕方ないので、大して気に留めなかった。

翌日…

トゥルルルルルル トゥルルルルルル
ガチャッ

男『はい。もしもし』

『あたしのお願い…聞いてくれる?…』

男『また、あなたですか。だから、間違えてますよ!』

『……………』

ガチャッ ツー ツー ツー

(何か、気味悪いな〜)と思った時…

トゥルルルルルル トゥルルルルルル

男『(まさか)…はい。もしもし』

『あたしのお願い…聞いてくれる?…』

男『悪戯ですか? 警察に言いますよ!』

『…………』

ガチャッ ツー ツー ツー

ホッとしたのもつかの間…

トゥルルルルルル トゥルルルルルル
ガチャッ

男『な、なんだ! いい加減にしないと、本当に警察呼ぶからな!!』

友人『は?え、どういう事』

男『なんだ…お前か』

友人『どうしたんだよ?』

男は、友人にここ数日の出来事を話した。

友人『それ…ちょっと面白そうだな。今からお前ん家に行くから、次、電話掛かってきたら、俺が出るよ』

そういうと、1時間程して友人が来た。

友人『どう、そいつから電話掛かって来た?』

男『まだだけど、止めといた方がいいんじゃないか』

友人『大丈夫だって。何か変な事言ったり、して来たら、速攻 警察に言えばいいんだから』

男『…俺…トイレ行って来るわ』

友人『はいは〜い』

その時…

トゥルルルルルル トゥルルルルルル
ガチャッ

友人『はい。もしもし』

『あたしのお願い…聞いてくれる?…』

友人『(こいつだなぁ)いいですよ♪何ですか(笑)』

『………………』


男がトイレから出た時に、友人の姿はなく、受話器から漏れるノイズ音だけが響いていた。
主婦、林さんという方のお話。

林さんが結婚する前、OLをしていた。会社からの帰り道、人気のない暗い路地を歩いていたという。

林さんはその道があまり好きではなかったが、プラス30分かけて遠回りをしても帰れるが、こっちの道のほうが近道なので嫌いやながらその道を通っていた。

途中、広くなっているいわば空き地のような場所があり、その日通るとどうやら何か建物が建つらしく、灰色の仕切りで覆われていた。

(建設中、〇〇建設)といったような看板が建てかけられていた。看板から目を離すと、(ぶらん、ぶらん)とまるでブランコを漕ぐような音。

なんだろうと思うが、音の出どころはわからない。まあいいかなと歩き出すとすぐ後ろから、(ぶらん、ぶらん)とはっきりとした音がした。

ハッと思い振り返る。すると建設中と書かれた看板の上のあたりおよそ5メーター近くある高いバリケードの壁一面に、首をくくった姿の女の影だけが端から端へまるで振り子のように行ったり来たりを繰り返していた。

その度にぶらんぶらんという音と何かが軋む音がしていたという。

林さんは目の前の恐怖に慌てふためき転びそうになりながら家に駆け戻った。それ以来遠回りをして帰っているそうだ。
これは夢。

わたしは夜の学校を歩いている。

わたしの前には黒い髪の少女。

わたしは少女の後ろを歩いている。

少女はささやく。

「ねえ、知ってる?」

なにを。

「この学校の七不思議」

知らない。

「一ツ目は屋上へ続く13階段。

昔、あの階段を上がったところは教師の目もあまり届かなくて不良たちのたまり場になってたの。そこである男子生徒が隠れてタバコを吸っていた。

そこへ教師がやってきた。あわてた生徒は逃げようとして階段で足を滑らせてしまった。彼は階段を一番下まで転がり落ち、首の骨を折って死んでしまった。

その日からよ。その階段は全部で12段。だけど上から降りながら数えるとなぜだか13段ある。よく見ると踏み締めた13段目は階段なんかじゃない。

そして言うの。

『13段目は俺だよ』

ほら、ちょうどあの階段」

少女の指した階段からムクリと起き上がる彼は、折れて後ろに垂らした首でこちらを見ながら少女の後ろを歩いていく。少女は気づいていないのか。

音楽室が見えてくる。

「ある音楽教師がいた。彼女はピアノが大好きでピアニストにはなれなかったけど、生徒たちと一緒にピアノを弾くのが生き甲斐だった。

ある日、一部の生徒がとても悪質ないたずらを仕掛けた。音楽室のピアノの鍵盤に剃刀の刃を挟んでおいたの。

そんなことは知らない彼女はその日も鍵盤に指をすべらせた。ピアノは血に染まり、彼女の指は動かなくなった。そして彼女は自殺してしまった。

そのピアノは血が染み込んだせいか音がならなくなってしまった。それなのに今でも夜になると音楽室からはピアノの音色が聞こえてくるらしいわ。あの音楽教師が弾いているのかしら。鍵盤を真っ赤に濡らしてね」

そうみたいね。だってさっきから音楽室からピアノの音が聞こえてくるから。

音が止まる。

ガラリ

音楽室の扉が開き、指から血を滴らせた女が出てくる。音楽教師は廊下に跡を残しながら少女についていく。

「トイレに現れる少女―」

三ツ目

「体育館を跳ねる生首―」

四ツ目

「動く肖像画―」

>>24


五ツ目

少女が一つ話をする度に少女の列に一人加わる。

「この学校はね、夜になると真っ黒な髪の少女が現れて死んだ者たちをどこかへ連れていってしまうんですって。彼女が何処から来て何処へ行くかは誰も知らないの。怖いと思わない?

これが六ツ目―」

七ツ目は?

「そうねぇ、次は……」

少女が振り返る。

これは夢。だって夢でないなら

わたし
こんなに血を流していて生きているはずがないもの。


「ツギハ、アナタノハナシヲシマショウカ?」
私は物心ついた頃から霊感が強く、眠っているとき霊が近くにいると怖い夢をよく見ます。

でもこれは霊とは多分関係ないと思います。夢って、自分の潜在意識からきているらしいです。それを踏まえて見てください。

今から6年程前…中学1年の頃見た夢です。

紫や赤やら黒やらの絵の具がぐちゃぐちゃになったような空間で、私はナイフを手に髪の長い女の子を追いかけていました。

私は「よくも〇〇(覚えてない)を殺したな!!」と言いながら。こころの中にはその女の子に対する怒りでいっぱいでした。

遂に追いつき、その子の腕を掴んで馬乗りになり胸から腹までめったざしにしました。ぶしゅっ、ぐちゅ、と気持ちの悪い音が響きます。

その子は既に事切れていたのに体がぐちゃぐちゃになるまで刺し続け、しばらくしてやっと落ち着きを取り戻し、はぁはぁと息を切らしながら呆然としていました。

顔を確認しようと思い、顔を隠していたその長い髪をそっとどけると、それは私でした。

私が私を殺した…

「いやぁぁあああぁあぁ!!」

自分の絶叫で目が覚めました。全身汗ぐっしょりです。

あの夢は6年経ち、私が専門学生になった今でも鮮明に覚えています。あの音、血の匂い、自分自身の死に顔…

今私は解離性障害というこころの病気で悩んでいますが、あの時の自分はただ弱い自分が憎かったんです。

あの夢は何だったんでしょうか。自分への憎悪の気持ちか、未来を示す予知夢か。

それとも私はいつか、自分自身に殺されたがっているのでしょうか。
これは私が中学3年の時の話です。

当時クラスにBという、よく人をからかう女子がいました。そして私にTという友達がいたのですが、その子がもっぱらBのタ―ゲットで毎日の様に笑われていました。

それがいじめと言えるのか微妙で、Bは基本面白く、クラスのム―ドメ―カ―的存在だった為、私は「Tちゃんも大変だね…」としか言えませんでした。

ある日、中学最後の夏休みにクラスで肝試しをしようと言う話(Bが提案)になり、学校から15分程の所に「でる」と噂の廃病院があったのでそこでやる事になりました。

6人組で学校からスタート、病院の上の階まで行って戻る事とし、私はT・B・Bの友達・男子2人で行く事になりました。

夜の廃病院なんてTVで見るのと実際に見るのでは全然違って、着いた時ゾクッとしました。

さぁ入ろうとした時、Tが突然「ここ嫌だ。入りたくない。戻ろう」と言いました。Bは「なに〜?Tって霊感あんの?だめだめ、ちゃんと行かないと罰ゲームだから」と笑いましたが

「嫌、みんなも入らない方がいいよ。やめよう」と聞きませんでした。私もこんな肝試しなんてやりたくなかったし、怖くなったので「…ごめん、私も入りたくない」と言いました。

場の空気がちょっとシラけ、Bはブチブチ文句を垂れてましたが、男子が「じゃあお前らは戻れ。俺達だけで行くから」と言ってくれました。

そしてB達は暗闇に消え、私達は来た道を引き返しました。途中「Tちゃんて霊感あるの?あそこそんなにヤバイの?」と聞きましたが、Tは「早くここを離れよう」と言うだけでした。

戻ると学校で待機していた皆に「ズルイ」と言われてしまいましたが、私はB達が心配でドキドキしてました。でもB達は普通に戻って来て、「あ〜マジビビった〜!」とか笑っていたので拍子抜けしました。


>>27

それから何事も無く学校が始まったのですが、クラスが何かおかしな雰囲気になっていました。皆何だか元気が無いというか…「夏バテみたい」とか「風邪ひいた」とか言ってましたが、特にBが酷くなっていました。

余りしゃべらなくなり、表情もどこか虚ろで、ある日全く学校に来なくなったのです。先生の話では極度のノイローゼで入院したとの事。

私は「絶対あの廃病院が関係してる!」と思い、Tに話してみると「どうせBはむやみやたらに歩き回ったんだよ。警告したのに」とだけ言いました。

私はそれ以上何も言えなくなりました。Tが少し笑っていたからです。そして私のクラスはBがいなくなって妙に静かになりました。

Tとは卒業して、それっきり会っていません。Bがどうなったのかは分かりませんが、あの廃病院は行ってみるとまだ残っていました。
二年ほど前でしたかね。友達とね、趣味のマウンテンバイクで旅行しようってちょっとした旅に出たんです。

目的を決めずに行き当たりばったりの旅でしたからね。苦労はしましたがそのぶん面白かったですよ。

多分西のほう。山奥のほうだったと思いますが、しばらく自転車でくねくねとした道を行くと看板があった。

見ると、ボロボロの木でできた看板で掘ってあったのが「五色沼」。多分そんな名前でしたよ。

まあやることないし暇だしっていうことで野宿をする場所を探すついでにその沼に行ってみることにした。それが間違いの始まりだったんですね。

沼に着いた。着いたはいいけど沼はもう埋められてて、なんだかただの囲いの中の泥の塊があるってそんな感じでしたよ。

つまらないなあと思ってね、引き返そうとするとちらっと水たまりが多少残ってる場所があった。

ちょっと見ようかなと思って柵を掴んで沼を身を乗り出すようにぐいっと覗きこんだ。そこにいた。というよりあったといったほうが正しいですが。

顔を水面に浮かしてこちらを見る。腫れぼったい瞼をした灰色に少し水色を足したような肌をした何か。

その瞬間、何も言えずただ無言ででも全速力で自転車で引き返しましたね。あの顔、今でも絵に描けるくらい鮮明に記憶してます。


そう言って試しにと描いてもらったが、氏が描いたそれはまるで魚に人間の顔を足したようななんとも気味の悪い顔だった。

嘘ではないですがまあ信じなくてもいいですよ。自分でさえ信じられないことですからと、彼は笑った。
これは私の友人(以後A)から聞いた話です。Aは霊感が強く、よく何かが見える!と言ってました。

そんなある日…Aが学校の帰りに人通りの少ないたんぼ道を自転車で走っていたとき…自転車のタイヤに異変が。

「タイヤの回りが悪いな。パンクかな?」

なんて独り言を言いながらタイヤを見ると、黒い布の様なものが絡んでる…しかもたんぼの方へと伸びてる。

恐る恐るその黒い布の様なものをたどって見ると…なんと!そこには顔中血まみれの女性が「にた〜」と不気味な笑みでこちらを見ているではないか。

黒い布の正体は布ではなくその女性の髪の毛。Aは物凄い恐怖を感じ、猛スピードで自転車を走らせ家に帰った。

高鳴る心臓が止まないまま自分の部屋にすぐ入った。しかし…カーテンの閉まっている窓の方から物凄い視線を感じた。

「まさか!ここは2階だし、覗けるわけがない」

と言ってカーテンをバッと開けた瞬間!Aは悲鳴と共に気を失ってしまった。

そこにはさっき顔中血まみれで倒れていた女性が窓に張り付いて、また「にた〜」と気持ち悪い笑みを浮かべて立っていたらしい。

その後Aには悪い事が頻繁に続いた。
これは、タクシー運転手の友人から聞いた話しなのですが。

ある夜、町から少し離れた田舎道でタクシーを走らせていました。

30分くらいした頃、目を凝らすとそこにはピンクっぽい服を着た女の人が手を挙げています。

「こんな夜中に女の人が一人でこんな場所にいるか?もしかして…」と思いつつも一応は客なので乗せる事にしました。

「あのーどちらまで?」すると女の人は、山の方向を指差しました。

その瞬間運転手は「うわぁエライの乗せてしまったなぁ〜こんなの絶対幽霊だ!」と思いましたが、もう乗せてしまってるので仕方なく出発しました。

しかしやはり気になってしまいバックミラーを何度も見てしまいます。

「どうせいきなりいなくなっててシートがびっしょり濡れてしまってるパターンだろ」と思いながら進んでいると、ナビではもう道がでなくなってしまいました。

「あの〜お客様、この先道が分からないみたいなので……!」やはりもう女の人はいません。

一瞬、血の気が引いたのがわかりましたが、予想もしていた事なのでわりと早く冷静になっていました。

すると上のほうから声がしました。聞こえずらかったのですが、耳を澄ますと聞こえてきました。

「見つけてくれてありがとうございます」

なんとそこには、首を吊った女性がいたのです……。
私は姉が羨ましい。4つ上の、今年二十歳を迎える姉。

私から見ても自由奔放な姉なのだが、気ままに行動しても何とかなっている。E判定の大学に、センター試験で受かってしまうほどだ。

そんな姉は今、健康の面で大学を中退し、彼氏と半ば駆け落ち状態で地元に引っ越し、アパートで同棲している。

姉がまだ実家に居たころの話。

午後5時になると、私の部屋でチリンチリンと鈴が鳴る、不思議な現象が起きていた。まだ明るい時間帯だったが、気味が悪い為、姉に部屋に一緒にいて貰うよう頼んだ。

数日間は、姉が雑誌やマンガを読んで、私が勉強する。そんな生活だった。相変わらず鈴は鳴っていた。

しかし、姉は何も言わず、そんなことがあっても一人で二階で寝ていた(私と姉の部屋は2階だったが、私は下の部屋で寝ていた)。

5日目。だんだん鈴の音が大きくなってきたなあ、と思っていたら、姉が急に掃除をしようと言い出した。

「お姉ちゃん、私、中間テストあるんだけど」
「急がないと危ないかもよ」

「何?鈴の話?」
「そう。急ぐよ、たぶん母さんのドレッサーだから」

私の部屋には母のドレッサーが置いてあり、物が山積みになっている。

早速、捜索を始めると、若いころに使ったのだろう、イヤリングやらネックレスが丁寧に箱に入って置かれていた。そんな中、汚い紙袋に入ったものが出てきた。

「これ、何だろ?」

私が手にすると、プツンとコンポの電源が切れ、耳鳴りがしだした。

「さわんないで」

姉が紙袋を取り上げると、チリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンとけたたましく鈴が鳴り出した。

>>32

紙袋は、初め見た時より黒く薄汚れていた。姉は、それを持ったまま部屋を出て、それっきり、鈴の音がすることは無かった。

後に、姉に尋ねると

「私には鈴の音なんて聞こえなかった。怒ってる声がずっとしてたよ。何て言ってるのか聞き取れたのが5日目。すぐ危ないと思って、解決しようと思った」

「何て言ってたの?」
「ずーっと、あんたに呟いてた恨み言なんだから、聞かない方がいいよ。呪詛になる」

「あれは何?どこやったの?」
「何でも知ろうとしないほうがいいよ………あれは母さんに返した。元々母さんのなんだしね」

「全部、かえしたよ」

母はこっそり神社か寺に行ったみたいだった。全部とは?何を返したのか?恨み言?

大して怖い思いはせずに済んだのだが、大体の流れが分かってから、姉の行動を思い返すと怖くて仕方がない。
二階堂さんというアンティークショップを経営なさっている方から聞いた話。

ある日の昼下がり。この店ではあまり客足のない時間帯。会計でぼけっとしていると(かららん)と鈴の音が聞こえた。

なんのことはなくドアについている鈴が鳴っただけだ。お客さんが入ってきた。

立派な髭をたくわえた杖をついた初老の男性が、若い眼鏡を掛けた男性に付き添われゆっくり会計に近づいてくる。

見ると一抱えもある大きな袋を若い男性が持っている。会計に来るや否や初老の男性が買取をして欲しいと申し出た。

では、少々鑑定のため数分時間をいただきますと断りをいれ二階堂さんはその袋からものを出した。

それはたくさんの人形が飾り付けられたアンティークのオルゴールだった。

スーツやドレスに身を包んだ外国人らしき男性や女性を模した陶器の人形がダンスをしている華やかな装飾で、見た目にも豪華なつくりになっていた。

しばらくしたのち鑑定が終わり22万円という買取査定をした。

少し痛みがあり欠けている部分や塗料がはげている部分が見受けられたための少し低い値段となったが、老人はそれでも満足したようで引き取ってくださいと頭を下げた。

22万円を渡し帰りしな老人は一言。

(ああそうそう、このオルゴールは鍵がついてますが、その鍵は絶対にまわさんようにお願いします。次に買いなさるお客人にもそう伝えてくださいまし)

そう言い残し、老人は若い男性が運転する外車に乗り帰って行った。

なんだろうなあとは思うがまあ気にせずに幾日か過ぎたある日。年若い夫婦が例のオルゴールを気に入ったらしく即決で買っていった。

次の日、その夫婦が目の色を変えてものすごい形相でそのオルゴールを引き取ってくれと抗議してきた。

>>34

あまりの剣幕に唖然としたまま元のお金を払い、怒りのおさまらないまま憤慨しながら帰る夫婦の背中を見送った。

見るとあのオルゴールの人形の配列が違っていた。その時思い出した。このオルゴールを売ってきた老人の言葉。(鍵はまわすな)という約束を。

そうか。それを伝えてなかった。でも伝えなかったからといって回したところでなにがあるというのか。その真相は鍵を回してしまったあの夫婦しか知らない。

(そうそう。あのオルゴールね、今も倉庫にあるよ。売り物には到底できない。だってあれから同じようなことが何度もあった。回さないでと言っても客が聞いてくれない。なにがあっても知らないと言っても回してしまう。それで返品。だから倉庫に放り込んだわけ。あのオルゴール回したらなにが起きるんだろうね。俺は怖いから回さないけど)

話の終わりに彼はそう言って軽く笑った。
つい最近の話です。

親父に言われて代理で隣県のとある町の某地区に行く事になりました。

跡は継がないとは親父やじい様にも明言していますが、2人目の子供も生まれ金がかかるご時世(笑)行けば5万円やると言われ・・・。

何をするかと聞いたら簡単な話で神社にある御神体の様子を見てくるだけ、もし御神体のお札がボロボロだったら張替えしてくれればいい。

その神社はインターネットで探したらあって車で1時間程度、ガソリン代考えても5万円はお得と思い快諾してしまいました(今思えば軽作業で5万円という高い報酬を逆に怪しいと思えば良かった)。

その週末、その神社に行きました。その神社は郊外の住宅地にある普通の神社、そして神社は名ばかりの神主さん(後で聞いたら管理人)に神社のカギを借りて神社に向かいカギをあけ・・・

ギイイィィィ・・・・

間取りは正方形で10畳程、奥にひな壇がある、管理人さんは緊張した顔で宜しくお願いしますと言って外に出てしまった。

よ〜く見てみると何か古めかしい布でグルグルと巻かれた長い棒が1本、古そうな座布団みたいなものの上に置かれています。

『・・・・ヤバいやつじゃね?』

何となく直感的に思いました。人の本能や直感ってのは案外とアテになるもので(笑)

何かでこぼこした木の棒らしきものに凡字みたいな文字が書かれた古めかしい布がグルグル巻き、しかし負のエネルギーみたいなのを感じました。

『何でこんなのに・・・・?』

管理人に聞くとやはり木の棒だそうで、しかし既にゲームでいう呪いのアイテムでしたが、ただ近くにいなければ問題ないとの管理人の話でした。

以下は管理人から聞いた話。

・この木の棒は江戸時代、その地域で起きた飢饉に関連するもの。

・持っていなくても近くにいるだけで大変な事になる、管理人さんの兄がソレで亡くなったらしい。元々は神主の家系、今はいない兄が由来を知っていた。

・神社では毎年豊作祈願を別の神社から神主を招いて行う。

・死に方が不思議で栄養失調による餓死、いくら食べても痩せていく、管理人はその話を兄から聞いている可能性大。

何と無く原因が分かる気はしました、親父ももう分かっているだろうけど、何で木の棒なんだろ?

また私の考えが正しければ豊作祈願は皮肉な話。真相は分からず仕舞いです。
私の実家は、私が中三の時に建て直しをしたのですが、その間少し古い借り家に仮住まいをしていました。

母の職場も私と妹の学校も遠くなり、おまけにボロくて隙間だらけ。隙間から虫が入り、見たこともないような変な虫が枕元を歩いているような家でした。

ですが、ハウスメーカーの方が骨を折って探してようやく見つけてくれた物件です。虫とボロさ以外は不自由はなく、家が出来るまで有り難く住んでいました。

虫の他にも出るものがあり、それまで心霊体験などしたことのない私ですが、夜中に女性の姿を見ました。

台所と廊下の間の窓ガラスにぼんやりと。私の顔の写り具合と比較して、明らかにこの世のものではありませんでした。

泣きながら母に言うと、母が玄関の周りに塩を撒いてくれました。

何故玄関かと言うと、大屋さんが、玄関の脇に生えていた大きな桐の木を切ってしまったからなんです。木の精が出てくる、なんてのはよくある話ですから。

母の塩が効いたのか、それから女性の姿を見ることはありませんでした。

しかしつい最近、妹が急に「あの借り家でね、私も見たんだ」と言い出しました。見たものの様子を聞くと、ぐちゃぐちゃに腐った生首だとか。

時期的には家が完成する直前なので、母が塩を撒いてからかなり後になります。

もしかしたら桐の木の精の供養が足りなかったのかなーなんて笑い混じりに話していると、母が重い口を開きました。

借り家のあった場所の近くに、昔の処刑場の跡があるそうです。勿論、処刑場跡なんてでかい看板は作りませんから、妹と私は全く知りませんでしたが。

もしかしたら、今からでもお祓いをする必要があるかもしれません。
ちょうど1年くらい前の話です。

ボクは実家暮らしをしてるんですが、友人と飲んで家に帰った時の事。

家で酔いも醒めないまま、ぽーっとテレビ見ながらくつろいでました。ほろ酔いの頭で、明日は学校もあるしもう寝ようっと思い、寝る支度を始めました。

寝る前にいつもボクはタバコを吸うのですが、部屋の中は空気が悪くなって嫌なので、ベランダで吸うためにガラス戸を開けました(ちなみに部屋は3階にあります。ベランダは畳2畳分くらいあってかなり広いです)。

タバコを吸いながら外の寒い風に震えていたら、どこからかカチャン、カチャンと音がします。

不思議に思いながらも、以前から祖父がやっている家業でシートを干すためのロープが当たって似た音がするので、さして気にしませんでした。

しかしそれにしても規則的に音が鳴り続いている。ボクは気になり始めました。

カチャン、スルスル。
カチャン、スルスル。
カチャン、スルスル。

カチャ!!

!? 何かが、かかった…。

その音を便りに後ろを向くと、フックがかかっています。その先にはロープが垂らしてあり、さらにその先、焼け爛れた顔の老婆がニヤニヤと笑いながら立っていました。

ゾクッと寒気を感じた時にはもう遅く、老婆は笑ったままありえないようなものすごい速さでロープを伝って登って来たのです。

やばい、やばいやばいやばい!!!

ボクはフックをとにかく外そうともがきましたが、手が悴んでいたし、おかしい事にフックは投げてベランダの手摺に引っ掛けられるような輪の大きさではありませんでした。

その間にも老婆はどんどんロープをよじ登り、ボクはとにかく部屋に入ってガラス戸を閉め鍵をカチャンとかけ、奴が入って来られないようにしました。

しかし、外をガラス戸越しに確認しても、奴が来る気配がありません。

ああ、よかった。きっと諦めたんだ。しかし今のは何だったんだ…と振り返ると

ボクの顔の至近距離に焼け爛れた顔がニヤニヤ笑っていたのです。

そいつは骨と皮しかないような体で、ボクと同じくらいの背の高さでした。何かが焦げたような臭いを感じながら、ボクは意識を失いました。

それ以来、ボクはカチャンという音を立ててしまったあとはしばらく後ろを振り返る事が出来ません…。

だって今も後ろに…。
私は生まれつき、少し霊感があります。

私は当時、マンションに住んでいたんです。そこは田舎で、裏には大きな林がありました。

そこでは首吊りや薬などでの自殺者が多く、大人達からは近づくな、と言われてました。

ある時、友達が『林に入ってみない?』と言ってきました。私も好奇心旺盛な時期で、一緒に入ることになりました。

林に入る道は少し坂道になっていて、進むに連れて体がすごく重くなっていったんです。

〈あ…男の霊がいる〉

私は瞬時に理解しました。ここはきちゃいけない、と。

「ねぇ…戻らない?」

しかし、友達は「なんでや〜!入り始めたばっかやん!」、聞きませんでした。

私は諦めて、知らんぷりして進むことにしました。

体はさらに重くなり、頭痛や吐き気が増しました。友達も私の異変に気付き

「大丈夫?戻る?」と聞いてきました。

「いや…大丈夫」

何故私はそんなこと言ったんでしょう? 大丈夫じゃ無いのに。肩が重い。

ゆっくり振り返ると、さっき見た男が肩に乗っていました。

「きゃぁぁ!」

悲鳴をあげたのは私ではなく、友達でした。

急いで友達のほうへ行くと、少し道と外れて空き地がありました。そこの一角を指差し、友達は震えていました。

「あ、あ…あれ」

彼女が指差した先には、ヤバそうな薬瓶がありました。そして…

「血、じゃない?」

そう、その横には血がたくさんありました。

そこから私と友達は逃げ帰りました。

近くの公園に着いたとき、私の携帯と友達の携帯が同時に鳴りました。

〈非通知〉

そう記された電話に出る気はしませんでした。

しかし…友達は出てしまいました。

電話で何が聞こえたかはわかりません。ただ、友達は震えていました。

友達は、泣き出して帰っていきました。

電話で何を聞いたんだろう? そう思いながらも、一人は気味が悪いので帰りました。

霊感がある母が言いました。

「厄介なのに憑かれたね」

>>39

そう言い母は仏間へと行きました。

その日の夜中、友達は自殺しました。

遺体が発見されたのは…林の中。薬があった場所で自殺していました。

私は彼女のお通夜に出席し、その帰り道に電話が鳴りました。

〈非通知〉

私は急いで帰りました。

母は険しい顔をしている私を見てこう言いました。

「Aちゃん(友達の名前)は、地獄に逝っちゃったよ」

それから、3年が経ちますが、私は今も母の言葉の意味が分からないでいます。

今も、友達の事やあの時のことを思い出すと、電話が鳴ります。

ほら、また電話が鳴る…。
これは私の友人(以下A)が体験した話です。

数年前、Aを含めた数人で鍋パーティーをする事になったそうです。

決められた時間に主催者の家に行ったんですが、一歩入った瞬間に変な違和感があったそうです。

Aはもともと軽く霊感があってたまに『見える』事もあるそうで…なので慣れていたし、そこまで嫌な感じもなかったし、ここで周りに話して場の空気を悪くするのも嫌だったんで黙ってたそうです。

鍋パーティーが始まり、仲間とお酒を飲みながら談笑してるといつの間にかAはさっきの違和感を忘れていました。

そしてふと部屋の隅に目をやると、手の平がベッタリはりついてたそうです。慌てて見直すと消えていて、お酒も入ってるし見間違いかなぁと思っていました。

数分後、今度はTVの画面にまたさっきの手の平が…。でもさっきとは違い、親指を折り曲げて(手で数字の4を表すみたい)いました。

そこでもAは、周りに言うとパニックになると思っていたので黙っていました。気分を変えようと窓の外を見ると、今度はそこに親指と小指を曲げて数字の3の形をした手が…

さすがにAも気持ち悪くなってきて、仲間を見たが誰も気付いてる様子はありません。そうしているうちに今度は仲間の肩越しにピースサインの手が見えました。

その瞬間Aは背筋に悪寒が走りました。

初めて見た時は手が開いた状態、次は親指を折り曲げて、その次は数字の3の形、そして今はピースサイン…5、4、3、2……まるでカウントダウンしてるみたいに…

さすがに怖くなって帰ろうと玄関を見ると、そこに人差し指をピンと立てた手が浮いている。

とうとう1まできた。この次何か起こってからだと遅いと思い、友人には何も告げずに慌ててその家を出たそうです。

次の日その場にいた友人に話を聞いたけど、誰もそんな手を見てないし何か変わった事もなかったそうです。

もしあの時Aが最後までその場に居たらどうなってたのでしょうか…。
子供の時に父から聞いた話です。実話らしく、かなりリアルです。

父が子供の頃(昭和20年代)、近所の悪ガキ数人と墓地で遊んでいた時の事です。

その中のお調子者の一人が、立派で大きなお墓によじ登り、事もあろうか悪ふざけで小便をしたそうです。

彼は仲間に小便をひっかけようと、お墓の上で回ってたところ、足を滑らせてお墓から落ちました。

びっくりして皆で駆け寄ったところ、頭からたくさんの血と、脳みそか何か分からないけど潰れた豆腐みたいなものが飛び出していたそうです。

彼は一命は取り留めたものの、歩くことも話すことも出来ず、ほとんど廃人になってしまいました。

時々、唯一、発する言葉が「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」だったそうです。
私の同僚、仮に大河原とします。が、体験した話。

大河原の大学時代の友人に染谷くんというのがいた。頭もよく気遣いができとても優しい。そんないい人を絵に描いたような性格をした染谷くん。

久しぶりに駅でばったり会ったという。特徴のある顔にすぐ気づき

(なんだあ、染谷じゃないか。久しぶりだな、家この辺なのか?)

そう聞くが、返事が返らない。うんうんとうなずくのだが、なんだか元気がなさそうだ。

(まあせっかく会ったんだしさ、積もる話もあるし時間があれば今から茶でも飲みに行こうよ)

そう切り出すといいよと小さな声で染谷は言ってついてきた。

駅の改札を出たところにある小さな喫茶店に入り、一番奥の席に座った。相変わらず染谷は気だるそうな顔で背中を丸めてうなだれている。

(どうしたいどうしたい?)と聞くと、染谷はポツリポツリと話し出した。

(なんだかね、最近ある日を境にもうすべてがいやになっちゃってね、元気が出ないんだ)

(病気なんじゃない?)と言うが、違うと言う。じゃ憑き物?と言うとはははっと乾いた笑いを浮かべ染谷はまたうなだれる。

運ばれてきた珈琲を啜っていると、染谷は珈琲と一緒に運ばれてきたケーキに添えてあるミントの葉を見てニヤニヤと笑っている。

大丈夫かよと思いながらも気遣うようにまあなんとかなるよと確証もないことを言うと、黙りこくる染谷に続けて大河原さんは言う。

(最近なんか罰当たるようなことしたんじゃない?)

(…ん、うん、まあ芋虫かな…)

芋虫と聞いて頭に?を浮かべたが、次の彼の言葉ですべてを理解した。

(芋虫をね、ストレス発散に何匹も何匹も踏みつぶしたり高いマンションの上から落としたりしたな)

(ああそれ、多分障りだよ。芋虫が障ってる)

>>44

その手のことに詳しかった大河原さんは瞬時にわかった。染谷には芋虫が憑いてる。

(まあわかったところで自分にはどうもできないし、そういうお祓いみたいのができる知り合いもツテもないし何もできないけど無事を祈るよ)

それだけを伝えると、大河原さんは厄介払いをするように面倒ごとはごめんだとばかりに二人分の支払いをすませ、先に用事があるからと喫茶店を出た。

喫茶店の窓からなんとはなく見た染谷さんは、ケーキの皿に手を伸ばしミントの葉っぱを嬉しそうに食べていたという。

それ以来彼のことを聞くことはない。

今はどこでどうしてるかわからないが、自業自得とはいえ、何もしてやれなかったことだけが悔やまれると同時に、知らないふりをした自分が心底情けなかったという。
某女性霊能者が知人の家を訪ねたときのこと。

そこは四方をぴったりとビルに囲まれた路地の奥にあり、日中でも陽が当たらないので家の中は真っ暗なんですが

茶の間の蛍光灯を点けた瞬間に浮かび上がったのは、部屋中にぎっしりとうずくまっている幽霊の集団でした。

まさに立錐の余地もないほどでありながら、知人はそこを平然と歩いていきます。

それらの霊体は、人と干渉するとはっきりしなくなりますが、またすぐに浮き出してきます。映写機の投影映像の中を横切っている感じと形容すればいいのかな。

しかし霊能者は、いかに実体が無くとも姿が見える以上は、その頭を踏みつけるような真似は出来ないということで、適当な理由をつけて引き返しました。

後に彼女は、幽霊とは虚像のような存在だと語っていましたが、霊感の強い人間はそんな体験も多いんでしょうか。

自分は凡人で良かったと思います。
当時社会人1年生だったAさん(女性)は、就職した職場の関係上、あるマンションに越してきました。

なかなかキレイで日当たりも良く彼女はその部屋にとても満足しました。

しかし、引っ越してから数日が経ち彼女は妙な視線を感じるようになりました。その部屋にいるときは常に…。

ただ、視線を感じるだけでしたので、彼女は気のせい、などと勝手に解釈して特に気にしませんでした。

視線を感じるようになってさらに数日が経ったある夜。彼女が浴室でシャワーを浴びていると、突然背後から、それまでとは違う鋭い視線を感じました。

それはもはや、視線と言うよりは、殺気に近いものでした。このままだと殺される…! 根拠は無くとも、彼女は本能的にそう思ったそうです。

そこで、シャワーを止め、すぐそばにあった浴室掃除用のブラシを振り上げながら後ろを振り返りました。しかし、振り返ったそこには誰もいませんでした。

彼女は念のため上も見ましたが何もいません。先ほどまで感じていた殺気はいつの間にか消え、それに伴い彼女も落ち着いていきました。

やっぱり、気のせいなのか。彼女はそう思い、また前を向きました。その瞬間、悲鳴が響きました。

浴室の鏡にうつったものは、額に深々と傷を受け、そこから吹き出した血によって血まみれになっている、生気のない自分の姿でした。

そして、その自分の目は塗りつぶしたように真っ黒で、白いところがありませんでした。

彼女は直ぐにこのマンションを出ました。
俺は4歳の時に変な夢を見てから霊が見えるようになりました。

それは、母親が晩御飯の支度を済ませて、俺に「ご飯出来たよ」という言葉から始まります。

そして俺に「電気消して来なさいよ!!」と強く言うのです。俺は嫌々…隣の部屋から届くはずのない電気の紐を引っ張ろうとしています。

ドアの隙間から隣の部屋を覗くと、そこは車の通りが多い道路で、何故かリングの貞子みたいな女が長ネギを1本持って、反対側の歩道に背を向けて立っています。

そしてその女がこっちに振り返る瞬間に目が覚めます。

不思議なのはここから…一年に一回はこの夢を見るんです。そして毎回同じなんですが、最後に振り返って夢の終わるタイミングが遅れてきてるんです。

最初は眉毛も見えない位だったのに、最後に見た夢は目が見えて、その目は真っ黒なんです。

その夢を見る度に霊感が強くなって、今ではハッキリと見えてたまに話しかけてくるんです。

これを読んだ霊感のある人がいれば、話しかけてくる霊の対処法を教えて下さい。

ちなみに今は俺のそばにいないように説得してます。
つい、最近起きた出来事をお話したく思います。

どうもここ一、二週間、だいたい6月第二週目くらいからとっても夢見が悪く眠ることも怖くなっていました。

内容もどんどん変わっていって、最初に見たのは自分が男の子でアイドルのおっかけをしてて、友達にそのアイドルの生き霊が夜な夜なやってくる方法があると言われて試してみたら、来たのは良いけどとても怖くて、しかも帰ってくれない夢。

そのあとは、友達の家に泊まりに行って、その家の呼び鈴が鳴って何故か私が見に行って覗き穴を覗いたら、髪の長い女の人がすごい勢いでこっちに近づいて来て、逆に覗き込まれる夢…。

そんな悪夢を見続けているうちに寝るのが怖くなってしょうがなく、最近仲良くしだした零感の人のお家に泊まりにいく事にしました。

彼とは1ヶ月前にゲームのイベントで会い、たまにゲームをしに家に行くようになりました。眠れない夜は彼のお家でゲームをして過ごせばいいのですから。

気付けば朝なんて事も多く、朝に仮眠を1時間程とって仕事に行く事もしばしば。それでも誰かが隣にいることに私は安心感を覚えていました。

…しかし最近彼もどうやら感じるようなんですよ。以前「血脈」と言うお話で書いたのですが、どうやらまた彼にも能力がついてしまったようです。

「応える」能力というのは人それぞれです。

>>48

以前の「血脈」では霊を感じたり見る「霊視」の能力が応えましたが、他にも霊を力やお経等で退けるために必要な「霊力」の出力や濃度が応えてしまったり、今回のように未来予知や察知能力に近いような「夢見」も例外ではありません。

それはイコール私が見ていた夢も気のせいでは無く、今はその彼さえ危険に曝されているということです。

別れはとても辛いもので、私が安寧を求めたら犠牲になってしまうから会わないようにするのであって…なんて事を言っても彼からしたら意味がわからないお話なのですが…。

そういうことは言っても理解してもらえないので、勝手に彼のお部屋の浄化と結界を張って会わないようにするしかありません。

ちなみに彼の方は上手くいったようで「嫌われたならしょうがない」と特に異常も無かったようでしたが、私はまだ夢を見ます。

だんだん話が大きくそして暗いものになっていくのを感じます。これからこの国にもしかしたら今までに見たことの無い禍が女の手によってもたらされるかもしれません。
茨城県にお住まいの仮名、不破さんという男性の方の話。

ある日の夕暮れ時、なんとはなくテレビをただぼんやりと眺めていた。

いつの間にか寝てしまったようで、気づくともう日も落ちかけて夕闇がすぐそこまで迫ってきていた。夢うつつなんとなく窓の外に目をやる。

そこにいた。窓の外、窓に鼻を押し当てて半ば潰れたようになっているピンク色の肌をした何か。

そして、不破さんはその何かに向かって先ほどつかっていた枕を投げた。その途端、その何かは消えてしまった。

しかし、あのピンク色の何かは不破さん曰わく人間ではないという。

なぜなら、ここが一番信憑性に欠ける部分なんだが、目が1つだったから。顔の全般を占めるほどの大きな目が真ん中がバンとあったからだという。

信じてはもらえないとは思いますが、事実僕は見ましたよ。不破さんは力強くそう言った。


これまたべつの方の話。日浦さんという絵本作家をしている方の体験。

ある日の昼下がり、町内をぶらぶらと歩いていた。アパートのゴミ棄て場に通りかかったとき、ひときわ目を引くピエロの人形を拾った。

毛糸でしつらえられた紫色の髪の毛、ボタンの目、カラフルな道化服。状態もきれいで出来もなかなか。

人形を集めていたこともあって一目で気に入りその人形を持ち帰った。その日の夜、変な夢を見た。

自分が寝ている。そのベッドの横に180センチはあろうかという大きなピエロの服を着た人が、腰を斜めにして自分をニヤニヤしながらのぞき込んでいた。

数回そんな夢を見たが、そういえば、あのピエロの人形を枕元に置いたときだけあの夢を見ることに気づいた。

気持ちが悪くなりピエロの人形をもとのゴミ棄て場に戻そうとゴミ棄て場に行き、緑色の袋に詰めてほかのゴミに紛らせた。

そして足早に家に向かって走ろうとした瞬間、すぐ背後から突き刺さるような冷ややかな視線を感じ、とっさに振り返った。

そこには夢で見たあの背の高いピエロの服を着た人が恨めしげに袋の縛ったところから頭を出し、こちらを睨んでいたのだ。

慌てて彼女は家に帰った。それ以来もうあんな変な夢を見ることはないそうだ。

一体あの人形はなんであったのか。そしてあのピエロは何者だったのか。

そう思うとわけのわからない恐怖にかられ、今もたまに思いだすことがあると鳥肌が立つという。
つい最近の話です。

職場の近くに立派な造りなのに、まったく売れない空き家(三階建て)があります。

昔、地域との交流イベントのビラを配りに行って、入口で逃げ出した事がありますが(第六感が危険と言います、様は鳥肌)。

ここ一年の間で、一度売れた?様で売り出しの紙が無くなり、室内の改修が入っていたのに暫くして、また無人に... 

今年のイベントの紙を配布に行った際、隣のお宅から近付いただけで、一階〜三階総てから凄い視線が。

見ましたが、勿論空き家誰もいません。余りの怖さに、すぐに離れました。

最近、誰も居ないはずの、電車から見てもなにもない部屋の窓に時々、人の顔が写っています。

ネットで検索しても、事故物件含めて何もヒットしない。でも、誰も話題にしないのには理由があるのでしょう。

今も、その家は綺麗なまま、空き家です。
突然ですが、呪○のビデオシリーズにまつわるというか、実体験なんで、まぁちょろっと投稿しますね。

今から、8年前。まだ若かった私たちは毎日のように「呪○のビデオ」シリーズを借りて見ていました。毎日のように飽きもせず。

まぁ二十歳を過ぎた若人が、何するわけでもなく、怖いもの見たさに身を寄せてたわけです。恥ずかしながらそんな毎日を送っていました。まぁ若気の至りと云うことでご容赦願いたいものです。

しかし、まぁ…うん。そうですね。異変。それは、最初は異変なんです。日常では考えにくい出来事が起こり始めるのです。でも、確実に可笑しい。いや、おかしいんです。

季節的には夏場だったので、部屋の窓を開けっ放しにして談笑をしていると、聞こえてくるんです。女の人の笑い声が。

いや、ね、言っても私が住んでた家は住宅地のど真ん中で様々な人が住んでいるのは分かるんです。

だけど、夜中11時を過ぎてから大きな声で、高笑いをしながら私の部屋に近づいてくる。なんてのは非日常な訳で、さすがにちょっと笑えなかったです。

その声が聞こえてから、私の周りに【女の人の笑い声】が頻繁に聞こえるようになりました。

その【女の人】は確実に近づいて来ていました。初めは家の外。そして家の周り。挙げ句、家の中。

近くに存在を感じ始めた頃には、私は消えているテレビを見れなくなってました。だって、何も映っていないテレビから女の人が睨んでいるんですから。

ちなみに、「呪○のビデオ」シリーズ1でした。移動する霊、だったかな? VHSで借りて最後の砂嵐で女の人がこっちを見てるっていうビデオ。

私はそれ以来興味本位で「呪○のビデオ」シリーズは見ないようにしています。最新のちょろっと見ましたが、ヤ○セばっかでヤバいのはあんまりなかったですね。
茨城県に住む内藤さんは昔こんな体験をした。

買い物の帰り、夜道をひとり歩く。見ると道の真ん中で誰かが耳をふさいでしゃがみ込んでいる。

すかさず駆け寄り「どうしました?」と声をかける。見ると、女性。

くるりと振り返り、一瞬耳から両手を離した瞬間

(ハハハハハッ…)
(ケラケラケラ…)
(うっひひひひひ…)

声質の異なるたくさんの嗤い声がし出した。

その女の人はすくっと立ち上がり迷惑そうにギロリとこちらを睨み夜の闇へと消えていった。

あの嗤い声は女の人が去ってもしばらくは続いていた。

まるでトラックで町内を回る竿竹屋のように少しずつ少しずつ、女が離れていくにしたがって声は徐々に小さくなってやがて完全に消えた。

あの女の人につきまとう声だけの何かがあるとしか思えない。

ただ、もう夜道を歩くときには見知らぬ人には話しかけるような安易な真似はしないと言う。
真壁さんはある日の夜、見てしまった。

真壁さんは眠れない夜は決まってベランダに出て、暗い道をしばらく眠くなるまでただぼんやりと眺めることにしているという。

その日の夜もなんだか眠れずにいたので暗い道をベランダでぼんやり眺めていた。

タバコを二、三本吸ったところで四本目を吸おうとタバコの先に火を点けようとした瞬間。勢いよく目の前を何かがよぎった。

ここはアパートの三階。この位置からだと水平に見えるものといえば鳥しか考えられない。しかしその見解は間違いだとすぐに思い知らされた。

先ほど何かがよぎっていった方向からまたもや何かが先ほどとは少しスピードを落として右手から左手、左手から右手、右手から左手へと何遍か行ったり来たりを繰り返す。

そのうちにだんだんスピードが落ちてきて最終的にはその姿がはっきり見えるほどの速さに落ち着いた。

空中を当たり前のように歩くそれ。今でも覚えてる。最初は逆立ちしてるのかなと思ったけど違った。

下半身と上半身があべこべになったやつが空中に見えない道でもあるかのように足音もなく歩く。

真壁さんはそのままの格好で後ずさり音をたてないように窓を閉めカーテンを閉めた。

あれ以来、どんなに眠れない夜でもベランダに出ることはしないという。
数年前、寺内さんという方が聞かせてくれた話。

寺内さんの実家の近くにある家。仮に斎田さんとする。その斎田さんの家には夜な夜な女の霊が出るという。

その女の霊とは旦那さんの前妻で事故で亡くなったらしい。その前妻が枕元に立ち、後妻にむかって(出ていけ)と言うのだという。

気味悪がった後妻は幽霊が出始めてから何週間かののち荷物をまとめて出て行ってしまった。

それ以来旦那さんはうつ状態になり、今はふらふらと街を徘徊する姿を時々見るという。

その時は決まってまるで隣に誰かがいるように手を横に出し、見えない誰かと手を繋いでいるように歩いている。時々横を向いて何事かを話しかけている。

奥さんはどうやらこれで形はどうであれ元の鞘におさまったのであろうと思う。


二児の母、内藤さんが以前夫婦で住んでいたマンションには少し変わった決まりがあった。

「夜中、零時以降七階に住む住人は絶対に台所側の小窓を開けてはならない」

今となればその変な決まりの意味がよくわかるのだが、越してきた当時そんな事は信じず守らずに七階に住む内藤さんは夏、小窓を網戸にして開けていた。

ふすまを開けたままぼんやりと台所の隣の部屋から布団に寝転がり窓の外を眺めていると、窓の外をすぅーっと人影が通った気がした。

(え?)と思い、なんとなくもう窓の外を見てはいけない、そんな気持ちがして、目を閉じたまま手探りで小窓を閉めに台所に向かった。

小窓の縁に手をかけて閉めようとしたその瞬間。(あへあへ)というようなおかしな笑い声が急にした。

いきなりのことに薄く目を開く。そこには焼けて縮れべっとりとした髪の毛を皮膚に撫でつけ赤く爛れた顔をし、げっそりと痩せこけた女がか細い声で笑っていた。

くぼんだその目がしっかりと自分を見据えていた。そしてトロリとした皮膚が溶け落ち窓の縁に肉片が糸を引きながらこぼれた。

>>55

そのまま内藤さんは気を失い朝になった。気づくと旦那さんに肩を揺すられ(どうしたんだ?)と不審がられた。

昨夜の出来事を話すと、旦那さんは住人同士の嘘か冗談だと思って言ってなかったが、そういう決まりがあるらしいことを説明した。

それ以来もう二度と零時以降は小窓を開けることはないという。

それからも小窓の外であのおかしな笑い声がたまにしたんだというが、その数年後旦那さんの転勤を機に引っ越したということである。

「そういえば、あの窓の縁に落ちた肉片。次の日の朝、見あたらなかったですね。多少、焦げ臭かったですがね。

心霊体験といえばこんなものしかないですが」

僕は十分ですと笑った。
二か月前にまで病院に勤めてました。病院って、やっぱり食事の制限とかかなり厳しいんですよね。特に糖尿病の人とかは。

家族からの差し入れや売店での買い物も駄目なんですけど、やっぱり人間だからお腹は減るんですよね。でもご飯は味が薄いし少ないしで、とてもじゃないけどお腹は膨れません。 

糖尿病と痴呆で入院してた今井さんてお爺さんも、そんなひとりでした。

毎日毎日、「お腹空いた。何か食べるものない?」とナースステーションに来て、職員が説明しても「お腹空いたよひもじいよ」と泣き出す始末。正直困っていました。

でも、あるときから急にそれがパッタリ無くなって、我々職員もかなり驚いていました。それと同時に「やっと解放された」と安心もしました。

ですが、数週間後の夜勤のとき、職員のひとりが真っ青になってナースステーションに飛び込んで来た事で、大変なことがわかりました。

「今井さんが!佐野さんの腕を!」

慌てて見に行くと、寝たきりの患者さんの腕の皮膚が破れていました。そして、傍らに皮膚のかけらを舐めている今井さんがいたのです。

どうりで最近、患者さんの皮膚剥離が多いと思っていましたが、皮膚剥離は正直日常茶飯事なので、あまり気に留めてなかったのです。

しかし実は、空腹に耐え兼ねた今井さんが少しずつ皮膚をはがして、(擦りむいた傷程度の大きさ)食べていたわけです。

その行為の気味悪さと、皮膚を舐めながら「お腹空いたよーお腹空いたよー」と呟く今井さんが、心底怖かったです。

婦長たちに報告し、さすがに問題になり、その後今井さんはほかの病院に移され、半年ほどして亡くなったと聞きました。
8年くらい前の話。連れと心霊スポットに行った時の話。

心霊スポットでは何もなく、その時撮った写真も何も写ってなかった。ただ、心霊スポット行った次の日から、俺だけがおかしくなったんだ。

とにかく、感情がコントロール出来ない。

ものすごく激しく怒りがわいてきて、壊したり傷つけたくて仕方ない。と思ったら、今度はどうしようもないくらい悲しくなって、理由もないのに泣いて泣いて仕方ない。

しばらく泣いたらまた怒りが出てきて、刃物とかドライバーとかで自分を刺したくて仕方ない。

そんな状態が3日くらい続いて、「こんなに感情をコントロール出来ない自分は生きてちゃいけない。死ななきゃ」って考えるようになった。

そんな中、兄貴と世間話してた時、今の自分の状況を話したんだ。そしたら兄貴が「これはお前には無理」って、俺の頭を軽く撫でた。

そしたら急に楽になったんだ。さっきまでの感情の起伏も全くなし。で、代わりに兄貴がトイレにダッシュして、吐く、泣く、吐く、の繰り返し。

しばらくして兄貴が戻ってきて、教えてくれた。「もの凄い怒ってる人と、もの凄い泣いてる人がいてる」と。

どうやら、怒ってる人と泣いてる人で意見が合わず、言い争ってるのに巻き込まれてたらしい。で、兄貴は「そんなのどっちでもかまわない」と思ってたら、落ち着いてきたらしい。

それからしばらくは二人とも兄貴についてたらしいが、「どっちでもかまん」て放置してたら、いつの間にかいなくなったらしい。

俺が唯一体験した怖い話だ。ただ、一番怖かったのは、二人も押し付けられた兄貴だったと思う。
うちの弟はたまに予知夢?を見ます。

小学生の時に『(母方の)おばちゃんちが火事になった夢をみた〜』弟が私に言いました。

『でも、おばちゃんち火事になってないよ(笑)』

後日、おばちゃんが燃やしたゴミが原因でおばちゃんちの敷地から裏山までが火事になり、消防まで出動した大きな山火事になりました。

その時は『ただの偶然かもしれないけど、すごいね』で終わりました。

弟は高校生になりました。離婚して離れて暮らすお父さんの夢を見ました。

仏壇から黒い影が出てきて、どうやらそれは死神らしく刀を持っていました。父に刀を持たせ、死神は刀で決闘を申し込みました。

『敗北は死を意味する』

何となく弟はそれがわかったそうです。

結果、父は死神との戦いに負けて仏壇に引きずり込まれていきました。

後日、父は風呂場で倒れているのが発見され(脳卒中で二日間発見されず)そのまま息を引き取りました。

これからの不幸がわかるのが一番怖い夢なのかもしれませんね…。
これは友人から聞いた話です。聞いた時は鳥肌がたちました。

県は伏せますが私の地元では有名な心霊スポットでの話です。

ある日の夜に、私の友人の先輩(仮にAとします)がその心霊スポットに行ったそうです。

Aはそっち系の話を全く信じない人で、幽霊なんていねーよ系の人らしく、全く動じないそうです。

その心霊スポットっていうのが、昼間はキャンプ場みたいな感じなんですが、夜になると人もいなく不気味この上ない場所です。

入口は右に階段、左に草が覆い茂った道なんですが、その左側に真っすぐ進むと湖みたいな所があり、そこで白い服を着た女の人が出るそうで、霊感0の人ですら見てしまうと有名です。

そこで先程のAが、俺が一人で行ってやるみたいなことになって、そのまま一人で左側の道に進んで行ったそうです。

しばらく歩くと何やら前から白い服を着た女の人が歩いて来たんですが、Aが気にせずに歩いて近づくといきなり女の人がAに向かって

「生きるか死ぬかどっちがいい?」と問い掛けてきました。

しかし気の強いAはビビりもしないで「あ!?生きるに決まってんだろ!!」みたいなことを言い放ったらしいです。

すると女はニヤッと笑い奥に消えて行きました。Aは「なんだ?」って感じでその場所を後にし、入口まで戻りそのまま家に向かって帰りました。

その帰りのことです。Aはバイクに乗ってたらしいのですが走ってる時に背中に重みを感じました。

Aは気になりバックミラーを覗くと、なんと先程の女が後部席に座っているのです!

するとその女が再度Aに向かって「生きるか死ぬかどっちがいい?」と問い掛けてきたそうです。

そこでめんどくさいと思ったのかAは女に対して「じゃあ死ぬわ」と答えました。その瞬間Aのバイクが転倒して事故を起こしてしまったそうです。

友人の話によるとAは死にはしなかったものの今も病院に通院してるらしいです。

これは自分的にかなり怖かった話です。投稿しながら鳥肌がたちました。
夫の実家で同居してるんだが、玄関横のスペースに10cmほどの日本人形が飾ってある。

これは義母が若いころに義父から貰ったもので、今はもう亡くなってる義父の形見のような物。それが一時期盗まれて無くなった。

義母はものすごく落ち込んで、「あんな所に飾るんじゃなかった」なんて言ってたが、1週間ほど経ったある日、その人形が玄関の外に立ってた。

義母は「人形が帰ってきた!」って大喜びだけど、私達夫婦は人形こえぇ…ってビビりぎみ。

玄関じゃ盗られちゃうからとリビングに飾ってたんだが、また事件が起きた。娘と同じクラスの子の母親が、まったく同じの人形を持ってきたんだよね。

娘の学校の行事関係で何度かその人を家に入れてたことはあるんだけど、凄い青ざめてて、その理由を聞いてまたビビった。

人形を盗んだのはこの母親だそうで、高そうだし可愛かったから盗ったんだと。

盗んだ後、我が家にまったく同じ人形があって、買い直したのか?と思ったらしいけど、私から「盗まれたのに玄関の前に立ってた」と聞いて焦って家に帰ったが、盗んだ人形は子供部屋にあった。

なら戻ってきた人形は?と混乱。そして今度は注意深く我が家の人形を観察すると、同じ所に傷があるのを発見した。

どういうこと?なにこれ怖い!と言う感じで、家に置いておくのは不気味だけど、捨てると呪われそうで怖いから…と思って、「盗んで申し訳ない」と我が家に持ってきたらしい。

…今、その人形が2体義母の部屋にある。どっちが本物?か分からないので、しょうがないから2体とも飾ってるんだけど…流石にこれには義母もビビってる。

私は義母の部屋に一人で入るのが怖い…。
学生の頃って、避難訓練って云うのがありますよね?

中学生の私は、毎年繰り返すだけのその内容と校長先生の長い話に飽きていました。

いつ始まるかは聞いていたので、その時間には教室に行かず友人数人と階段に隠れ、皆が校庭に出て行ってからくだらない話で盛り上がりました。

しかし、私達を含め結構な生徒が自主不参加だったようで、先生が見回りに来てしまいました。

私は咄嗟に近くのトイレに隠れ、見つからなかったのですが、友人達は何故か逃げもせず、お説教されながら下の階に消えていきました。

まだ明るい時間帯に自分しか居ない校舎(別の階には居たでしょうが)、心地いいような、怖いような、凄く不思議な感覚でした。

元々面倒臭がりなので、そのまま洋式トイレの蓋に座って携帯を弄って時間を潰していました。

大分時間が経ち、校長先生の話も終わり携帯の機械音のみが聞こえる中、突然

コンコンッ

と、扉がノックされました。

個室の扉は鍵を閉めなければ開いてしまう造りなので、「閉まってるんだから入ってますよ」なんて心の中で文句を言いました。

だけどすぐ、可笑しい事に気付きました。トイレのドアが開く音も、タイルの床を歩く音もしなかった。何より、音が聞こえた左側はドアじゃなくて壁。

瞬間、怖くなって個室を飛び出しました。でもドアの窓から、廊下を歩く1番怖い先生を見つけ、思わず隣の個室に隠れました。

まあ、聞き間違いだろう。そう自分に言い聞かせる間もなく、再度左の壁が

コンコンッ

とノックされ

「追い掛けてきた!」

と今度は迷わず廊下に転がるように逃げ出しました。

不思議なのが、トイレを出た瞬間別の空間のようにガヤガヤ騒がしく、知らぬ間に生徒が戻って来ていた事です。

扉を隔てたくらいで、沢山の生徒の声が聴こえなくなるでしょうか?

その後、そのトイレを独りで使う事もありましたが、特に何もありません。

友人にこの話をしたら

「霊ってそう云う時、上から見てるらしいよ」

と云われ、色んな想像をしてしまいました。
僕が今までで1番怖かった体験を投稿します。

夢って普段全然覚えてないのに、この体験だけははっきりと覚えています。

いつも通り僕の家で、僕と友達3人(A,B,C)と何気ない話で盛り上がってて、少し時間が経って遊びにいこうかって話になって、皆で商店街にいって普通に買い物してみたいな感じで。

気付いたらすっかり日も暮れて、僕が「そろそろ帰ろうか」って言ったんだけど、Bが「ちょっと待って!!向こうに凄い家あるで」って言い出して、皆で見にいってみようかって事になった。

商店街少し抜けたとこだっけな、気味の悪い館がぽつんと建っていて、周りは本当に廃墟?ばかりで何もない感じ。

AとCは「気味悪いし帰ろう」って言ったんだけど、Bが「せっかくやし中覗いていこうや」って、呼び鈴?みたいなの鳴らしたんだけど、当然のように誰もでてこなかった。

んじゃ帰ろうって話になったんだけど、Bが頑固なやつで、門乗り越えて中に入り出したんだ。流石に一人で行くのは危ないって事で、結局みんな入ったんだけどね。

少し歩くと玄関があって、入ろうとしたんだけど鍵かかってて、裏口探そうってことになってまた少し歩いてると

「ザッ、ザッ」

ってなんかほうきではく時の音みたいなのが聞こえてきて、振り返ると

全身真っ黒の老婆?みたいなのがいて。

「やばい!逃げろ」ってなって必死になって逃げたんだね。気付いたら商店街まで戻ってきた。

人通りも多いし安心してまた僕の家に戻ったんだけど、途中でBがいないのに気付いて、でもあいつのことやしすぐ戻ってくるやろうって思って先帰って。

少し経ってからBも帰ってきた。でもなんか様子おかしくて何話しても「ごめんなさい。もう二度としません」っていうばかりで、やっぱりあそこにいったらいけなかったんだって事に気付いた。

>>63

とりあえず今日は皆家に泊めて、Bは先に寝てしまったんだけど、僕らは普通に起きてて、コンビニいこうかってなって、家のドアノブに手が触れた瞬間

「ピンポン」

って呼び鈴がなって、恐る恐る小窓覗くと

あいつがいた。僕の方見て指さして笑ってる。

びっくりして後ろ振り返ると何故かあの館にいる。すると後ろから

「ごめんなさい。もう二度としません」

って聞こえてきて、振り返ると

僕も含めて4人が首釣りにされていた。

これは夢なんだなって実感した。そしたら耳もとで

「つぎはそっちにいくからね」
『苦しんでいる霊達がいたら全部救ってやればいいのに』と考えるのは、零感の考える思考というような体験談。

高校時代の事、友人Aが相談をしてきた。夜道で霊らしきものを見てから家で怪奇現象が多発している、どうしたらいいのか、というもの。

自分は、『私にあなたを助ける力はないのでお引き取りください』と心で念じればいい、と教えてやったんだ。

で、それから2週間ぐらいたって、Aの家に友人Bと遊びに行った。Bはありきたりな展開だが霊感がある奴。

家に着いて、ピンポンを押すとAが出てきた。するとBがAを見るなり「何をしたぁ!!」と叫ぶわけよ。

自分もAもびっくりしてさ。で、Aが「やっぱ見えるの?」とBに聞くわけだ。

詳しく聞いてみると、夜に寝ている時、なんか『助けて』という幻聴が響いてきたんだって。

だから、アドバイス通りに『助けられません』と念じようとしたら、急に来たから間違って『どうすればいいの?』とやっちゃったんだって。

そうしたら、『想像すればいい・・助ける場面を・・・そしたら行ける・・・』と答えてくれた。

どうせなら天国に行かせてやろうと思って、天国へ続く門みたいなのをイメージして開いてあげた。

そうしたら、確かにイメージの中に黒い影が入ってきて、門の中に行く感じが見えたと。で、『ありがとう』と聴こえたらしい。

話を聞き終えたBは、「アホか!お前、むやみやたらに霊なんか助けてやるもんじゃねぇぞ!最近体調に変化ねぇか?」と聞くと、

「最近、電気みたいなピリピリが凄い。寝てる時も瞼の上にピリピリピリピリ来る。起きてる時もピリピリがしてる。さらに、なんか服がひっついてる感じがする。そのたんびに手ではらったりして、落ちつきが無くなる」

と言った。

Bは、「だろうな。お前がむやみに助けちまったもんだから、この人は助けてくれるって思って、霊がガンガン大群で来てんぞ! つーか、天国の門なんか勝手に開くな!


>>66

ピリピリは霊がウロチョロしてるからで、ひっついてる感じは瘴気が身体についているんだ。

今、この世にどれだけ霊がいると思う? 変に情けなんかかけるとドドドッと押し寄せてくるぞ! 日本だけでうん万だ、キリがないんだよ」

「どうしよう、俺どうしよう」

とパニくるAに、Bは「結界を張って霊が近づけなくしてやる」と言い、なにやら儀式みたいなのを1時間ぐらいして、「張り終えた」と言った。

その後、Aの家に怪奇現象が起きる事はなくなった。

霊に対してイメージが通用するのか?と疑問に思ったけど、まあ『助けられません』という念の言葉が届くぐらいだから、通じるんだろうと思っておく。
内海くんという大学生の話。

内海くんはその日、友達の家に来ていた。それというのも友達とテストのための勉強をするためだ。

2人で各々ノートを開き黙々と教科書とにらめっこをしペンを動かす。と、なぜだかさっきからちらちらと軽い視線を背中あたりに感じる。

何だろうと思い、振り向くとそこには古い赤みがかった茶色の箪笥があった。天井すれすれまである大きな箪笥だった。

まあべつに普通の箪笥だし視線は勘違いだろうと思いまた勉強を続ける。だが、また視線を感じる。振り返るがなにもない。

そんなことが繰り返し何度かあったため、きりがないので視線を感じても振り返らないよう注意した。

だがちょうど六回目くらいに強烈な視線を背中に感じた。まるで背中全体を鋭利な刃物のようなものでなぞられたような感覚があった。

途端に耐えかねて振り返るがなにもない。ああ良かったと息をつく。そして何気なく上に目を移す。と、目の前の光景に心臓が飛び出そうになった。

天井と箪笥の隙間。たかだか数センチの隙間にビローンと伸びた顔があり、その顔についた小さな目がまばたきひとつせず内海くんを見つめていた。

そしてその場で昏倒してしまった。気づくと布団に寝かされ額には濡れたタオルが乗せられていた。

隣には友人がいて事の次第を聞かれ、先ほどのことを話すと友人は一言こう言った。

「あの箪笥は親父が資材置き場からもらってきたんだ。要らないっていうからもらった」

内海くんはこう返した。

「わるいことは言わないから粗大ゴミに出したほうがいい」

友人は何も言わずうなずいた。
10年くらい前の話だけど・・・友人に誘われて山奥の渓流に釣りに行った。

自分は釣りは不慣れだったが、友人は釣りに関してはベテランで、彼の案内に従って渓流をさかのぼって行った。

川の美しさに興奮しながら上流へと進んで行くと、やがて高さ10mはある滝にたどり着いた。この滝もまた非常に美しく、私も友人も釣りを忘れてしばらくその滝を見上げ見つめていた。

うっとりと滝を眺めていると・・・なんと・・・滝の上から水と一緒に裸の人間が落下してきた。

人間は落下の途中で岩にぶつかり、鈍い音をたてながら下に落ちた。岩にぶつかるたびに手足がおかしな方向に跳ね上がっていたので、意識は無かったと思う。

当然かもしれないが、下に落下した後もぴくりとも動かなかった。すでに死んでいたのだろうか・・・それとも落下によって死んだのだろうか・・・。

いずれにせよ、異様な光景に私と友人はどう行動すべきかとっさには判断がつかなかった。

しかし、とりあえず安否を確認しようとその人間に近づこうとしたとき、友人が「また来た!」と叫んだ。見上げると、また全裸の人間が滝から落下してきたのである。

この滝の上はどうなっているのか・・・思っていると、次から次へと別の全裸の人間が落下してきた。上手い例えが思いつかないが、流しそうめんのように全裸の人間が流されて落下してくるのである。

人間はどれも20代30代くらいに見え、男も女も流れてきた。壊れた人形のように岩にぶつかりながら落下し、滝の下に折り重なっていったのだった。

早く警察に連絡した方が良いと判断し、友達と共に川を下り、車に乗り数十分かけて来た道を戻り、電話が通じる様になってから110番した。

「10人以上人間が死んでる」

人数的にも場所的にも救急車は無理と言う事で、ヘリが飛んだ。やがて待っているとパトカーも到着したので、警官に事情を説明した。

>>68

しかし、しばらくするとヘリからは『大量の死体など見当たらない』との連絡が入った。そんなはずは無いと地上から歩いて川をさかのぼったが、死体はおろか滝すらも見つからなかった。

その後、私と友人は度々大量の人間の死体の幻を見る様になった。幻は一緒に居る時に二人で見る事もあったが、各々が一人で見る事もあった。

大量の死体は、農家のビニールハウスの中に満杯になっていたり、海岸に打ち寄せられていたり、到着したエレベーターにぎゅうぎゅう詰めにされていたり、様々な形で現れた。

滝での経験からもう通報等はしないが、忘れた頃に突然現れ、その時は非常に驚かされる。
昔馴染みの話。 

彼の親戚に、山奥の神社で宮司を勤めている人がいる。そこの社では人形供養もしているという。

あまり有名ではないのだが、それでも噂を伝え聞く者が絶えないようで、年を通じて供養依頼の荷が送られてくるのだそうだ。

「藁人形とかの類はないんですか?」

私がそう冗談めかして聞いたところ、宮司さんが答えるより早く、古馴染みが笑いながら答えた。

「いや時々あるみたいだけどね。そのほとんどが出し殻みたくなってて、何の力も感じられないっていうことらしいよ」

横にいた宮司さんは、苦笑しながらこう付け加えてきた。

「藁人形じゃないけど、本当にこれはヤバイって代物はあったな。薄汚れた箱が送られてきたんだけど、もう開ける前から嫌な気がプンとして。持ち上げたら、中でカタリと音がしたんで、心を決めて中を改めたんだけど」

「何が入ってたんですか?」

「空っぽだったんだ。間違いなく取り上げた時には、中に何か納まっていたのに。でも、とんでもなく嫌な感じがしたよ。触れた瞬間、全身に鳥肌が立ったからね。仕方ないから箱だけ供養してみたけど、さて効果はあったのやら」

宮司さんはそう言って肩を竦めた。
最近聞いた話をひとつ語る。

ある日の夜半、友枝さんはなぜか目を覚ましてしまった。

せっかくだからとトイレに行こうと立ち上がり、ぼんやりとした頭のまま廊下に出ると何かに躓いてしまった。

その途端にゅるりとした感覚と冷たい感触があり、片足がずっぽり何かにはまってしまった。

頭をしこたま打ちつけて頭にたんこぶができてしまった。額を押さえて何に躓いたのかを見るとそこにはひとつの壷がある。

その壷は祖母が大事にしていた糠漬けをよく漬けていた壷であることがわかった。

とりあえずこのままではたまらないので足を抜こうと壷を引っ張る。

ずぼっという音を立て足が抜け壷を何気なく見ると、壷の中にぐずぐずに腐った女の顔がありこちらを見てニタァと笑った。

その頬には先ほど自分がつっこんだであろう足の形がくっきり残っていた。

あぁという声を上げて壷を庭に放り投げた。

翌朝庭に放り投げた壷を探すがどこにも見あたらず、結局あの壷は今も見つからず仕舞です。

だけれどあのヌルリとした感触は今も足に残っていて思い出すたびゾクッとします。
仮にこの方を大野さんとします。

彼の営む店は若者向けの雑貨類を扱う所謂ファンシーショップ。

ある日、彼の店に業者が余った雑貨を安値で引き取ってくれないかという話を持ってきた。まあいいかと思い雑貨を引き取った。

ダンボール箱数箱だったが中身は全て人形に関係する雑貨と一体の西洋人形だった。

なん箱かは人形専用の洋服やら靴やらドールハウス、小さな部品などであった。そしてひとつの箱に人形が入っていた。

状態もいいので早速店に置くことにした。しかし引き取った人形類を置いてから店員のひとりが怖いと言い出した。

なにが怖いのかを聞くと奥に置いてある大きな人形がなんだか怖いのだという。しかしどかすわけにもいかないのでいちおしの商品だと言いくるめなんとか我慢してもらった。

しかしおかしなことがある。客の出入りが少なくなったのだ。毎日たくさんの客で賑わっていたのに急にまばらになった。

そしてある日の夜にこんなことがあった。

アルバイトの子を帰してひとり受付に座り1日の稼ぎを記帳していると、ガタッと店の奥から音がした。商品が落ちてはまずいので見に行くと絶句した。

全ての人形の首や腕といったパーツが千切れ、中には完全にとれているものやあと少しで千切れそうなものが散乱していた。

そして一番奥にあるあの人形を見るとその人形だけはきれいなままだったという。だがその人形の手に千切れた腕が握られていた。

その瞬間、背筋に悪寒が走り、次の日の朝、業者に再びただ同然で引き取らせたあとは何も起こらないという。

業者の人間はまるで当たり前のように電話一本で慣れた調子で引き取っていったことが気になるという。

人形の出どころを聞こうとしたがやっぱり聞けなかったということだ。
仲川さんという方の話。

深夜、デザイナーである仲川さんはひとり雑居ビルの中にある仮設事務所ではじめての夜勤をしていた。

電気が点いているのは事務所の一室だけで廊下は薄暗い。まあ暗いのには慣れてる仲川さんはパソコンに向かってもくもくと仕事をしていた。

事務所のドアの向こうには正面にエレベーターがあるのだが、そのエレベーターがチンといって開く。だが誰も乗ってはいない。そしてまた下へとくだる。

そんなことが何度かあって故障しているのかなあと思った。

だが、何回目かはわからないがチンといって再びエレベーターが上がって扉が開いたとき、見てはいけないものを見てしまった。

エレベーターの箱いっぱいに背の高い女が背をかがめるようにしてこちらをじろーっと見ていた。

しばらく目を離せなかったが、再びエレベーターの扉は閉まり下へとくだる。その瞬間、仲川さんは息もつかせぬような勢いで階段を駆け下りた。

それからは残業はせず、仕事が立て込んだ場合には家に持ち帰りやることにしたそうだ。
アメリカで聞いた話。

知り合いの猟師に連れられて、山へ狩りに出かけた時のことだ。

深い森の中で、生き物の内臓だけを見つけたのだという。ビクビクと脈打っているところを見ると、剥き出しの状態でも生きているらしい。

猟師はこれを見つけるや否や、油を掛けてさっさと焼いてしまった。

これは一体何なんだと尋ねると、「スティキンの内臓だ」と吐き捨てるように言う。

スティキンと呼ばれるこの怪物は、インディアンに古くから伝わる森の魔物らしい。

こいつは人を見つけると、襲い掛かって殺してしまう。そして自分の内臓を吐き出すと、殺した人間の内臓と入れ替えて、その人物に化けてしまうのだそうだ。

そうやって部族の中に入り込み、内部から一人ずつ食べていってしまうのだと。

だから、こういった生きた臓物を見つけると、すぐさま焼いてしまう。内臓を焼かれると、本体のスティキンも死ぬからだという。

「これ以外の手段じゃ、呪術師の拵える特別な鏃でないと殺せないからな。内臓があるってことは、誰かが襲われたってことかもしれないが・・・。まぁ、本体に逢わずして退治できたのは、運が良かった」

猟師は苦い顔をしながら、そう言っていたそうだ。
8年前くらいの話。

当時アパートに住んでいて、そこに住み始めて長かったんだけど、どうもそこのドアスコープが気になっていた頃があった。

きっかけは私が玄関の掃除をしているとき、なぜか見られているような妙な感じがしてキョロキョロしていて、ふとドアスコープを覗いたら、シーツか何かをかぶった人がいた。

びっくりして目を離して、しばらくそこを覗けなかった。でもどうも気になり、それから忘れた頃に覗くと、ちょくちょくその人(?)を見るようになった。

やっぱり怖いけど特に何もしないみたいだし…と思って、ほぼ好奇心と勢いで覗くようになっていた。

ある時覗いてみて、少し指で手を振ったり招くようにしてみた。するといきなり激しくドアを叩かれ、開けようとしてきた。

鍵はかけてたけど、慌ててチェーンをかけた。無理矢理開けようとしてきて、少し開いた隙間から白い布が見えていた。

5分くらいしてようやく静かになった。怖さで涙と汗が止まらず、取っ手を握ったまましばらくじっとしていた。

もう嫌だったけど、少しだけドアスコープを見ると、真っ赤に充血した目と目が合った。すぐにガムテープで塞ぎ、ベッドに潜りこんで寝た。

すぐにでも部屋を変えたかったけど、当時お金のなかった私は、ここの家賃を払うのですら精一杯だった。しかたないので、頻繁に友達を泊めたりするようにしていた。

それから2年ほどして、今のマンションへ引っ越した。それで、前のアパートの掃除をしに行った。やっぱりちょっと怖かったので、早めにすました。

帰るときに、アパートに一礼して帰ろうとしてたんだけど、ふと、ここからどんな風に見えてたんだろうと思って、外側から覗くと、ぼんやりと白い物体がウネウネとしていた。

だんだんとこっちに近づいて来て、怖くて走って逃げた。

なぜだか最近また、ドアスコープに白い人が映るようになっている。今度目が合ったらもう戻れない気がして怖い。
※本当にあった話しです。もし気分が悪くなったり、異変があっても自己責任でお願いします。

今から、三年くらい前の話しです。

私は、自給自足に憧れていて、会社を退社し、引っ越しをしました。

野菜を中心に育ててました。時期は春すぎ。毎日雑草の手入れ、虫の駆除、水やり等を行ってました。

慣れてきたとある日に、何もなくいつものように作業してました。でもその日に恐ろしい事が起こりました。

雑草を抜いていると、小さくて白紫で丸い物が地面から出てたので、抜いてみようとしました。

それを触ろうとした瞬間、動いたのです。私はちょっとビックリしましたが、虫かと思い再び抜こうとした瞬間、それは地面から出て来たのです。

私はそれが何か直ぐに分かりました。何故かと言うとそれは、指だったのです。

白紫で指は変な形をしていて、地面から出てきました。手首までしかなく、ヤバい。と思い直ぐに逃げようと思ったのですが、腰が抜けて立てませんでした。

私は、その手首を見ながらゆっくり後ろに逃げてましたが、指で動いてこちらに向かってくるのです。

その時、体が動かなくなり金縛り状態になりました。初めての経験でかなり焦りました。

手首はだんだん私に近づいてきて、とうとう私の長靴に触れたのです。徐々に私の体にあがってきたのです。怖さのあまりに私はチビリました。

お腹の辺りで、その手首は止まり凄い力で握ってきたのです。声が出なかったので心の中で、止めて、どっかに行って。と心の中で叫んでました。

お腹が痛くて痛くて、気を失いました。気付いたら辺りは暗くなって夜になってました。お腹はまだ痛くて服を捲ってみたら、なんと手の跡がありました。

近くに神社があり急いで行きました。その神社の人にお祓いをしてもらいましたが、悪霊らしく完璧には祓えなく、毎日お祓いに行ってました。 

約半年くらい神社に行きやっとお祓いに成功しました。お祓いに行ってた時も手首が現れてはお腹辺りを握っては消えの毎日でした。

いまだに手の跡は消えてません。
知り合いの話。

深夜の峠道を車で走っていると、行く手のバス停に誰か立っていた。

赤い服を着た女だった。一人きりで、荷物の類いは持っていない。同色の大きなツバ広帽子を被っているので顔は見えなかった。

こんな夜更けに奇妙だなと思ったが、それ以上は気に掛けず、横を通り過ぎた。

幾つかのカーブを下った後、次のバス停が見えてきた。何気なく目を遣って、ギョッとする。赤い服の女がやはり一人で立っていたのだ。

見たところ、先程目にした人物と寸分違わないように思える。どうにも気味が悪くて、出来るだけ目を向けないようにし、バス停を通過した。

それから峠を下りきる道中、全部で四ヶ所のバス停があったらしいが、その何れにも赤い服の女が立っていた。

平野に出るとバス路線を外れて走り、ファミレスに入って時間を潰した。あのまま真っ直ぐ家に帰ると、憑いてこられる気がしたからだそうだ。

明け方になり空が白み始めてから、ようやっと帰宅する気になれたという。
これは僕の姉が体験した話です。

ある日、姉は旅行で彼氏ととあるホテルに泊まりました。有名ではないけど安くて、当時姉はあまりお金が無かったのでとても助かったそうです。

そのホテルの部屋につき、しばらく休憩してから一階にお土産を売っている店があったので、買いに行く事になりました。

その前に彼氏がトイレに行き、帰って来てからエレベーターに向かう途中の廊下に、男の人と女の人の絵がありました。

姉は「男の人と女の人がキスしている絵」に見えたのですが、彼氏には「男の人が女の人の首をもいでいる絵」に見えたと言いました。

この時点で姉は彼氏の様子がおかしいと気づいたそうです。

そのままお土産を買い、部屋に戻るともう遅い時間なので寝ることになりました。

その部屋には大きなベッドがひとつあり、その上に戸棚がありました。するといきなり彼氏がその戸棚を開けようと言いはじめたのです。

姉いわく、その時の彼氏の顔は別人のようだったそうです。

姉は危ないと思ったのでそれを止めました。すると彼氏は「あ〜あ…」と言うと、何事も無かったように爆睡し始めました。

次の日、姉が昨日の事を聞くと、彼氏は「昨日、トイレいってから記憶が無ぇんだ…」と言ったそうです
この話しは山口県下〇市で1ヶ月前の話しです。

僕は釣りが好きで、よく1人で夜釣りに行く事があります。だいたい夜8時くらいに釣りに行き、3〜4時間して帰る感じです。

この日も、いつものように仕事が終わり、飯を食べて、釣りの用意をして車で出発しました。だいたい車で15分くらいの場所で、辺りは真っ暗。

橋の下で釣りをするのですが、昔は自殺が多々あったと聞いた事がありました。そんな事は全く気にした事はありません。

釣り場に着いて駐車場に車を止め、トランクから釣り具を出し、頭にライトを着けてから階段を下りて行きました。階段を下りちょっと歩いたらそこが釣り場です。

早速、釣り開始です。狙いは根魚です。一投目でヒット!20センチのメバルです。それからもいい感じに魚は釣れ、13匹くらい釣りました。

そろそろ帰ろうと思った時、またヒットしました。でも、引きが強くて時間をかけてリールを巻きました。

僕は魚じゃなくて、藻とか海藻が引っかかっていると思ってました。3分くらいかかり、水面に上がってきました。

ラインを持ち、引き上げ、周りは暗いので頭に着いているライトを付け針を外そうとしたら、海藻の中に白っぽい手みたいなのが見えました。

悲鳴をあげたと思います。

見間違いと思いましたが、怖かったのでラインを海に入れバシャバシャしたら海藻もとれたので、一安心して帰りの準備をして、車までは何故かダッシュ。

後ろは振り向かずとにかく走り車につきました。

早くここから離れたいと思い、釣り具を車のトランクになおそうとしました。

竿に付いている針に・・・、手だけが付いてあり、とっさに竿を投げ竿は捨てようと思い、残りの釣り具はトランクに乗せ直ぐに車に乗りエンジンをかけ出発。

ふと竿を見たら手は無く、手を探してみたけどどこにもない。恐る恐る車から降り竿を取りましたが気味が悪いので、草むらに捨てました。

次の日、友達に話したら、もう二度とあの場所には行かないと言ってました。もちろん僕も二度と行きません。

いったい、あの手はなんだったのだろうか?
神社が好きな為、色々な神社を見て回ったりするんだが、あるとき訪れた、比較的大きく歴史もある神社。

賽銭箱にお金を入れお参りし、境内をマジマジと見ていたんだが、何を思ったか、俺は神社の縁の下を覗き込んだ(人生初の覗き込み)。

すると、多数の基盤の柱の中の一つに、五寸釘で打ち付けられたお札付きの藁人形を発見。

だいぶ前に打ち付けられたのか、お札はボロボロ釘は錆び・・・なのに、藁人形だけは全く風化していない。

しかし、それを見て俺がゾっとした対象は、藁人形ではなく、その位置。

俺が立っているところからそこまでは、有に2m半はある。その距離を、猫位の大きさでギリギリ通れる高さの狭い縁の下を、這いつくばって進み打ち付けたという事。

それを想像した瞬間、いてもたってもいられなくなり退散。

俺が知らないだけで、意外と神社の縁の下にはそういったものがあるのかもしれんが(分からん)。

それで何か起こったわけでもないので、今では思い出してはほんのりとした怖さを体感している。

人が一番怖いよね。
これは友人の話です。

学生の時はお金がなく、漫画やゲームなど少しでも安く買う為に古本屋で中古で買う事が多かった友人。

その日も、好きな漫画を古本屋で購入。

友人は、なるべく安く買う事がモットーで、人気作なのに珍しく100円のコーナーに置いてあり、飛び付いたそうなんです。

続きが読めるワクワクで、急いで帰宅。部屋で漫画を読み進めたそうです。

数ページ読み進めたところで、ちょっと開き難いページがあり、ゆっくり丁寧に開いたら…

その漫画のヒロインの顔が黒く塗り潰されていたそうです。

ヒロインの顔だけ全部。怖くなった友人は読むのを止めたそうです。

それからは、なるべく新品で買うようにしている。そう言ってました。

一度、誰かの手に渡った品物。それには、どのような思いや気持ち、憎しみ、喜びが詰まっているのか?

あなたは考えた事がありますか?
これは最近、独り暮らしを始めた友人の話。

友人は少しばかり霊感があるそうで、たまに幽霊を見る事があるのだとか。

独り暮らしを始めたものの、あまりお金もなく安いアパートを借りて生活をする日々。布団で寝ていると寒気がして気分が悪い日が続いたそうです。

風邪かな? 最初はそう思っていたみたいなのですが、日を追うごとに男の幽霊がうっすら見えるようになってきたそうです。

徐々に幽霊はハッキリ見えるようになってきて、さすがに気持ち悪くなった友人は知り合いに相談をし、力があり除霊など出来る僧侶を紹介してもらいました。

ある程度有名な僧侶らしく、友人も安心だと喜んでいました。

僧侶はアパートに近づく前から、何かを感じ取っていたようで浮かない顔。アパートに着くと「確かに強い霊がいますね」そう言ったそうです。

「すぐにでも除霊を始めましょう」

僧侶がそう言うと儀式のような事を始め、お経を読み出した。

友人は一部始終を見ていたそうですが霊はどこかに消え、いなくなったようでした。

「これで大丈夫でしょう」

お経を読み終えて僧侶が言いました。友人は安心して、その日の夜は眠りについたそうです。

深夜2時くらいでしょうか、何だか寒気がして起きてしまい、温かい飲み物でも飲もうかと電気を付けた時に…

耳元で

『まだいるよ…』

自分の真横に幽霊がいたそうです。

僧侶でも除霊しきれない幽霊に怖くなった友人は、入居したばかりのアパートをすぐに出ました。

今は、とりあえず実家にいるそうです。

あれからは幽霊は見てないと言ってました。そして、独り暮らしするのが怖くなったとも…

何事もなかったのは幸いでしたが、友人の心には深く傷が残ったようです。

皆様も独り暮らしには、お気をつけ下さい。
黒澤さんという方がいる。その方の話。

ある夜、黒澤さんは煙草を買いに外へ出た。煙草の自販機は近場にあるため歩きでその自販機まで行くことにした。

その途中、ツカツカと何かが後ろをついてくる足音がする。振り返るが、誰もいない。

そしてまた歩き出すと同じようにツカツカと足音がし出す。自分が走るとその足音も駆け足になる。

嫌な気分がしたが、自販機まで来てしまったため急いで煙草を買い、家まで駆け足で帰ろうと数歩歩いたときに気づいた。

先ほどの来るときには聞こえていたツカツカという足音が聞こえない。

(ああそうかやっぱり気のせいだったのかなあ)と思い、駆け足で帰ろうとすると急に何かに足首をつかまれそのままアスファルトに倒れ込んでしまった。

痛さに悶絶したが、痛みがひいたときなんだろうと恐る恐る倒れたまま背後を見ると

そこには信じられないような話ですが、肉まんみたいな形で頭の先が尖ってる体から手足が出た何かがこっちを見て、妙な声色でえへらへらと笑ってやがるんですよ。

もう怖くて怖くて、そこからはどこをどう帰ったか気づくと自分の部屋のリビングにいました。

あれはなんなのか。知るすべはない。


これまた別の方、宇野さんという会社員の方の話。

宇野さんは夜中、猛烈な尿意で目が覚めた。冬のため部屋は寒く上着を羽織ってトイレに向かった。

廊下をツカツカと歩く。その晩は遅くまで妻も飲み会に出かけていたため家は自分以外いない状態だった。

そして廊下の突き当たりを曲がりその先にあるトイレまで来る。そしてノブをつかんだ。その瞬間キーンと耳なりがした。

あまりの耳なりに耳をおさえていると急に背後からツカツカツカツカツカツカと早足の足音が聞こえ、ドンと自分の背中にぶつかりトイレのドアを突き抜けて何者かの背中がドアに吸い込まれるように消えた。

その背中は喪服を着て髪を後ろでまとめた女性らしき背中であったという。恐る恐るトイレを開けるが別段変わった様子はなくあの喪服の女性もいなかったという。

だが、それ以来夜中トイレに行く際にはあの女性を見てしまわないかヒヤヒヤするという。
これは少し異質な話ではないかと思う。

阿刀田さんが一人暮らしをしようと思い、家を出る際新居にしたのがその部屋。

格安。駅から徒歩十分。西向きの日当たりのいいアパートの一室。絵に描いたように広く快適なまさにいい部屋だった。

しかし、ひとつおかしな点がある。

せっかくの西向きの部屋なのに出窓がダンボールで何重にもふさがれて覗けないようになっていて、大家さんから絶対にそのバリケードは外さないようにと注意を受けた。

おかしなことがあるなあとは思ったが、二階でもあり誰かが入ってくるのはまずないし、バリケードに関しても窓が壊れているのかなくらいにしか思わなかった。

窓があけられないのが難点だったが反対側にもベランダがあるので気にはしなかった。

だがなんとなく気になってしまい1ヶ月、2ヶ月くらい経ったとき、そっとそのバリケードの一部をはがしてみることにした。

カッターでほんの一部分を切り取ってみた。すると、その出窓の中に何か位牌のようなものがあって、その前にコップに入った水のような液体が入っていた。

そして位牌には何やら難しい漢字があった。戒名みたいな。

その晩から毎夜毎夜うなされて嫌な夢を見るようになった。必ず横に髪の毛の白いおばあさんが正座をしておそらくだが、阿刀田さんに向かって何かをつぶやいている。

それで、毎夜毎夜同じなもんだからいよいよおばあさんの言ってることがわかった。

「窓をもとに戻せ、窓をもとに戻せ」そう言っていた。


考えてみれば窓あのままにしちゃったんですよ。それから窓をちゃんともとに戻して切り取った部分をふさいでから、越しましたね。

あの出窓の即席の仏壇みたいなのなんなんですがね。
滋賀県に旅行に行ったときの話。

無計画で行った俺たちは、当日の昼過ぎにある激安民宿を予約した。琵琶湖から少し離れた、田んぼに囲まれた民宿だった。

バーベキュー、釣り、湖水浴を終えて夜8時ごろ、のっぺりした顔のご主人に迎えられ入ったんだが、ホントに少し広い家を宿にした感じだった。

その玄関に大きな蛙の置物。疲れていた俺たちは、近くの中華料理屋で夕飯を終え、部屋に戻った。

よく見ると部屋には、蛙の掛け軸、蛙の小さい置物、蛙模様の障子、『蛙』と書かれた湯のみ……

また、部屋までに廊下を通るんだが、民宿をしてる家族がくつろぐ居間がチラッと見えるんだ。

その居間の入り口に大きな黒いゴミ袋が3つあって、中がゴソゴソいってた。気持ち悪いと思ったが、俺たちは疲れもあり、気付いたら眠りについていた。

どのくらい寝ただろうか、夜中なのはわかる時間に目が覚めた。部屋には民宿周りから聞こえる無数の蛙の鳴き声。

ドン ドン ドン

部屋の外で音がする。床を叩くような音。なんだ?と思い、ドアに耳をつけて様子を伺った。

その音は一度俺たちの部屋を通り過ぎ、突き当たりで引き返し、またドン ドン ドンと移動する。時たまゲップのような音がする。

廊下に豆電球がついていてうっすら明るいので、そっとドアを開けて見てみた。

ぴょん ぴょん ぴょん

ご主人が跳ねながら廊下を移動していた。ゴロロ ゴロロと言いながら。

ゾッとする光景に思わず顔を出して見ると、廊下の先の玄関に、奥さんとおじいちゃんが無表情で立って、ご主人を見つめていた。

ぴょん ぴょん
ドン ドン
ゴロロ ゴロロ

ご主人が二人の元に着いたと同時に、奥さんが蛙座りになった時点で見るのを止め、ドアを閉めた。

また玄関から、

ドン ドン ドン、ゲゲゴォ

と聞こえてきた。

布団に潜り、イヤホンで音楽を聞きながら朝を待った。

次の日、朝一で帰ることにした俺たちが部屋からでると、友人が「やけに生臭くないか?」と言う。

>>85

このまま支払いせずに帰りたかったがそうもいかないので、金を用意し玄関に向かうとご主人がいた。相変わらずのっぺりした顔だった。

普通に「ありがとうございました。またお越しくださいね」と言っていた。玄関を出たら、後ろからゲェッと聞こえた気がした。

その日も1日釣りする予定だったが、「体調がすぐれない」と言い、そのまま帰宅した。友人も喉の調子が悪く、「風邪かな」と言っていた。

もう蛙はダメだ。
私がまだ学生時代の話です。彼氏のところに遊びに行った時の話です。

その日は彼の運転で山口県のとある山にある展望台に行きました。もううろ覚えの記憶なんですが、何組も観光客の方が来ていました。

素晴らしい眺めの場所でしたが、なんだか右側に違和感を感じました。

…ん?なんだろう。

車に戻ってしばらくそこで話していると隣の車が発進していき、右側の駐車場ががらんと空いて見通しがよくなりました。

あれ?なんであそこが?気になる場所がありました。

「ね、あそこ変じゃない?右側の。なんであの場所だけオレンジの線で斜めに色ずけされてるの?」

右から三番目だけがなぜかオレンジの線で囲われ、斜め線で注意がうながしてありました。

「あ〜あれね、出るって言われてるんだよ。あそこに停めたら股の間から人間の手が出てきたとか、ハンドルがきかなくなるとか、アクセルをふまされそうになるとかね。だから誰も停めないんだよ」

彼はなんの気なしに話していましたが、私には怖く感じました。

ここは山の上の展望台。運転を誤れば確実に死んでしまいそうな場所だったからです。

後から来る人来る人を見ていましたが、どれだけそこが空いていても誰も停めません。

ただの噂なのか、それとも本当のことなのかわかりませんが、あの時感じた嫌な感じは間違いありません
短いけど彼女が体験した話。

彼女は幽霊とか信じるタイプだけど、その友人Aはどちらかというと信じない人。じゃあ見てみようかってことで、一緒に某有名な心霊スポットに行ったそうな。

何でも、女の幽霊を見ただとか、ナースの幽霊がとかなんとかの廃病院。

ひとしきり徘徊したが特に何もなく、車に戻って一息ついてたら、彼女が急に叫んだ。Aが何事かと思って問い詰めると、ルームミラーに何か変な影が写っているそうだ。

見てみると、血だらけで服装もぼろぼろな女が、暗闇の中から走ってくる。

流石にAもびびり、車のエンジンをかけドライブに。彼女はもう半狂乱で、「早く車出して!」とぎゃーぎゃーわめいたそうな。

サイドブレーキ外して、いざ!と思った時、Aが急に困惑した表情でルームミラーを見つめている。彼女はと言えば、そんなのんきそうなAに腹が立ち、「どうするのよ!早く出してよ!」とキレる。

しかしAは、車を出すどころか女が来るのを待ち、窓も全開にして「早く乗れ!」と叫んでる。

もう彼女ガクブルで、幽霊乗せる気か!いくら信じてないからってそこまでするか!と思ったが、Aは何を思ったかサイドブレーキをひき、車を出て女のほうへダッシュ。

免許持ってない彼女は、車の中でガクブルして、もうだめだ!呪われる殺される!とか思った。

そしてとうとう後ろのドアが開き、Aがその女を乗せるような音・・・と一緒に、

「すみません助かりました!ありがとう・・・ありがとう・・・!」

って女の声がして、彼女ぽかーん。

友人すぐ運転席に戻り車発進と思ったら、今度は男の怒声みたいなのが後ろから聞こえてきたが、Aは構わず出発。すぐ警察署へ。

もうここら辺りから彼女も気がついたらしく、どうやら血まみれの女の人は、レイ/プされかけてぼこぼこに殴られたらしい。

命と貞操を守りなんとか逃げ切ったところに、自分たちの車があったんだと。

「もしあのまま逃げてたら、その女の人殺されてたかも・・・」だそうだ。

Aは幽霊をはなから信じてないから、そういう行動が出来たのだろうと。

警察まで行って帰り道、Aは「もう死んでるやつに殺されるなんて馬鹿らしい。こっちは生きてるんだ」とか言ってて、彼女も彼女から話聞いた俺も、すげー頼りがいある女だと思ったよ。

幽霊も怖いけど、生きてるやつのがやばいって話でした。
今から4年前の姉の修学旅行で起きた話です。

当時姉は北海道S市にある女子高(ここではO高校とします)に通っていて、その修学旅行で沖縄にきていました。

ひめゆりの塔などの見学で霊感のつよい子(Aとします)が高熱をだしたり、具合悪くなる人も多数いました。

ついて一息し部屋で荷物を片付けているとき

『バンバンッ』

とノックが聞こえました。

すぐに戸を開きましたが誰もいなく、不思議に思いながらもまた片付けに戻りました。

しかしそれが何回も続き、さすがに腹のたった姉は玄関戸の前で待ち伏せをしました。

ノックが聞こえた瞬間に戸を開きましたが誰もいなく、夕食の会場に向かいました。

食べてる最中先程のことを話すと、他の部屋でも同様なことがあったようで、そしてその犯人は同一犯。

目撃した人によると真っ赤な服を着た髪の長い女だったとのことで、みんなで食後に捜すことにしました。

赤い服ならいやでも目立つはずなのに見つからず、とうとう最終日でも見つからずじまいでした。

帰り際、Aがこっそり教えてくれたのは

『…みんなには怖がると思って言わなかったんだけど、ノックした部屋全部に入ってた。

それと、あの人の赤い服。もともと赤い服なんじゃなくて頭から真っ赤な血で染まってた。

ノックの仕方も体全体を打ち付けて気味が悪かった。あそこまで気味の悪いのは見たことがない』
山仲間の話。

風の強い夜、山で野宿していると、どこからか悲鳴が聞こえた。外に出ると風音に紛れて微かに、しかし確かに苦しそうな人の声がしている。

声の主を捜そうとして耳を澄ましてみたが、どうも様子がおかしい。まるで風に乗っているかのように、悲鳴は谷間の空中をぐるぐる飛び回っている。

一緒に宿していた杣人が言う。

「聞くな、どうしようも出来ん。あれは昔、鬼隠しにあった者が、鬼にゆっくり喰われてるんだ。十年ほど掛けてゆっくり喰われるらしい。里じゃ十年殺しって呼んで恐れてる」

「今は大丈夫。あの悲鳴が聞こえている間は、新しく人が獲られることはない」

杣人は最後にそう言って口を閉ざす。

悲鳴はゆっくりと山奥へ去っていき、じきに聞こえなくなったという。
4,5歳の頃、家のすぐ近所で知らないおばあさんに

「さゆりちゃん!大きくなったねぇ」と話しかけられた。

私の名前はさゆりじゃないので「ちがうよ」と言い返し、おばあちゃんから離れた。

そして中学校に上がるまで、忘れた頃に知らないおばあちゃんに「さゆりちゃん」と話しかけられることが続いた。

社会人になり、地元(東北の田舎)から離れ、東京での生活に慣れ始めた頃、住んでるアパートのそばで、知らないおばあちゃんに

「さゆりちゃん!大きくなったねぇ!」と手を取り握られた。

幼い頃からの記憶が残ってたためゾッとして、「すみません、人違いですよ」と言ったが

「さゆりちゃんでしょう。だってあなた、さゆりちゃんよ?」と優しい笑顔で言われた。

「人違いです!」と言ってその場を離れた。

優しそうなおばあちゃんだったため、逃げるように去ったことに罪悪感はあったが、ひどく嫌な気持ちだった。

その2年後、東京を離れ地元に戻った。実家で暮らし、仕事から帰ってきて寛いでいたら、知らない市外局番の電話番号から携帯電話に着信があった。

間違い電話だろうと思い、何の気なしに出たら

『さゆりちゃん!おばあちゃんよ〜。今度、遊びにいらっしゃいよ。さゆりちゃんね、その時、お母さんに…』

私は心底ゾッとして、「間違い電話ですよ!!」と言って電話を切った。

それ以来もうここ数年、さゆりちゃんと間違われることはないけど、私は今も誰かのさゆりちゃんなんだろうか。

それとも、話しかけてきたのは全部違うおばあちゃんだったので、みんな亡くなったりしてしまったんだろうか。

私の、ほんのり怖くて、心底ゾッとする経験です。
同じ職場で働いてる友達と遊ぶ約束をしていた。

時間になったら待ち合わせをしようという事で、職場付近の人気があまりない場所で友人を待っていた。

時間にかなりルーズな奴で今回も遅刻だった。

私は二回くらい友達に電話しメールもいれたが返事がないので、10分後に電話して出ないなら帰ろうと思い、もう一度電話をしてみた。

そこからおかしい事が起きた。

二回掛けた時の彼のメロディーコールは(プルルルルル)と標準だったのに、10分後に掛けた電話のメロディーコールは

(ギィ゛イ゛ーイ゛ー)と黒板に爪を引っ掻いた感じの音が、受話器越しに大音量で流れた。

気味が悪いと思ったが、いつメロディーコール変えたんだ? ていうか、メロディーコール変える余裕あるなら連絡しろよー。

なんて思いながら、電話に出るのを待った。しかしそこからが本当に気持ち悪かった。

一定時間鳴らしていると留守番になるが、その留守番に案内するアナウンス声が

「○○オ゛ル゛ズバン゛ザービズゼン゛ダーニ゛オ゛ヅナ゛ギジマ゛ズ」とかなり甲高い声で流れた。

私は怖くなって切ってしまったが、ワン切りで友達から連絡が来てかけ直した時は普通だった。

きっと電波障害かなんかしらんが幽霊的なものではないだろう。と信じたい。
畑(はた)さんという方に聞いたおぞましい話。

畑さんが小学生の頃、一時期繰り返し見ていた夢がある。どんな内容の夢かというとそれは殺されてしまう夢だという。

いつも同じ女、赤い口紅だけが妙に印象的で、どんな服を着てどんな顔でといったことはわからないが、ただ赤い口紅を塗った唇だけが印象的な女が、闇の中をどこまでも追いかけてくる。そんな夢だという。

女の手にはきまって長い刃物が握られており、その長い刃物を引きずりながらどこまでもどこまでも追いかけてくる。

女は歩いているにも関わらずどんなに走っても距離が縮まらず、それどころか走っている自分より速いのだという。

アスファルトなのかわからないが、女が歩くたびカタカタと嫌な音をさせながら刃物が地面を擦る音がする。

女はただただ自分を追いかけてくる。気づくといつも汗塗れになって目が覚める。

そんな事が続くが、小学生の自分には対処のしようがない。

ダメ元で親に話してみると近くにそういうことに詳しい人がいるらしいので、その人のところに連れて行かれた。

頼りの人はお寺の住職さんだった。相談すると自分は夢違いにあったのだという。

夢違いまたは夢互いというのは、なんらかの原因で夢の中で違う次元と繋がってしまい、その次元に魂が飛んでしまう現象らしい。

住職はお経を読み、塩水で清めた風呂に入り、ここ1ヶ月は枕を高くして寝なさいと言った。

すると、不思議なことにそれ以後、その夢を見ることはなくなったという。

今もあの夢の中の女のことを思い出すとぞっと寒気がするという。
俺今年入ってから離婚だの交通事故だのでツイてなかったから、親が心配して親戚の自称霊能者のとこ行って話聞いてきなって言うのよ。

渋々行ったよ。出てきたのはくたびれた60過ぎたおばさん。母親の姉。俺を見るなり、

「あらーM(俺)、あんたのお母さんから話は聞いてるから、あたしがご先祖様にアドバイス聞いてくるね」っつって、仏壇に向かって拝み始めたんだ。

なにやらゴニョゴニョ唱えているおばさん。俺は正直退屈でしょうがなかったからあたりを見回してみた。

仏壇を正面に見ると、右側の壁の上部に遺影が五枚掛かってる。知らない顔だが多分先祖だろうと思って、まじまじと見て驚いた。

全ての遺影の目が怒ってるのよ。それも視線は皆おばさんに向けられてる。

本気で驚いたら動けなくなるってのはホントなんだな。怖いけど俺の目は遺影からそらせないの。

そんな俺を尻目におばさんは「あ〜そう、うんうん」みたいに拝みながらつぶやいてる。お前は誰と会話してるんだよ。

しばらくたっておばさんがこっちに向き直って、俺にあれこれアドバイスしてくれたけど、正直何も覚えてない。

だって遺影の視線はまだおばさんに向いてたし、五枚のうち二枚は表情まで変わってたから。

まさに『烈火のごとく怒る』っていう言葉が当てはまる顔。お礼もそこそこに逃げ帰ったよ。

今は幸い何事もないが、おばさんを慕う人も多くて親にも言えずにここに吐いてみた。
今回は私はよく覚えていないのですが親戚のおばさんに聞いた話を。


前も話した通り、私は学生で霊感が途切れたんです。特に小学校の頃は人と見分けつかないくらいハッキリと見えていたので、霊と遊んでたことも数多。

あれはまだ3、4歳の頃だったみたいなんですが、親戚の家にはよく隙間があったんですよ。今でもですが隙間って見ちゃいません? ドアの隙間とか。

それで私も見てて『おめめさんがいるよ』と言ったそうです。

おばさんにも他の大人、従兄弟たちにも何も見えないようで気味が悪いのですぐ閉めたそうです。

それから隙間がある度におめめさんは現れ、私がよろうとするのを止めるというのが続いたらしく、近くの寺に相談すると

『悪霊ではないから心配はいらない。土地神のようなもので、信仰がなくなって形がとれなくなったから強い力のある子に惹かれているんだよ』

と言われて、坊主に聞いた近くの社すら崩れた古い神社のようなそれを、気持ちばかりで直して供物をあげ、祈ったそうです。

これで大丈夫だろうと安心していた次の夏休み。

両親は後から来ることになって従兄弟やおじさんがご馳走をとりに出かけている時、私はジュースを頼んでおばさんのお手伝いをしてお菓子を食べながら休んでいました。

すると私がまた隙間を見るものだから、おばさんは嫌な予感がしたみたいでどうしたの?と聞くと

『おめめさん、おめめだけじゃなくなったね』

ゾッとしたそうです。

おめめさんとはなんなのか見えない親戚にはわからなかったけれど、その一言で目であることがわかり、さらにそれだけではなくなった…つまりは体が出来てきている。それが社に留まらずまだ家にいる。

それに恐怖していると私が

『おばちゃん、おめめさんがね、来てほしいって。行ってもいいかな?』

おばさんはとっさに私を抱き締め、ガタガタ震えながらおじさん達が帰ってくるまでいたそうです。

私はとんと覚えていませんでした。その後

『いや、それはあんたの守護霊のせいで近づけなかっただけで体乗っとる気満々だったよ』

とKに言われ、おばにはあれ以来隙間見る度あんたを思い出すとぼやかれてしまいましたが。
私…何度も言いますが見えなくなってるんですよ。感じる力は強いですが、霊はいるのわかるので心霊スポットとか絶対行かないんです。

なのに…会っちゃったんです。その話をします。


私が小さい頃の友達と久しぶりに遊ぶことになって昔の山に行ったんです。

そこは有名ではありませんが縄文の遺跡のあるところで、だけどそんな気配はなく小さい子には最高の遊び場でした。

そこには電信柱くらいある土管がたくさん積まれていて、私たちはそこに座って話をすることにしました。仮にGとT、あと霊感の強いKもいました。

空は曇っていましたが雨が降るということもなく、たわいのない話で盛り上がりたまに雪合戦とかしながら楽しんでいるとあっという間に夕刻。世間でいう誰そ彼時。

そろそろ解散しようと思っていると急に吐き気がしたのです。内臓が一気に下がるような気持ち悪さ。

GもTも心配そうに私の背中をさすり、Kはキョロキョロ辺りを見回していました。そして

『…なんだ?どっちからきてるんだ?』と睨みつけるようにブツブツ言っていました。

するとGが『おじいちゃんだ…』

ある一点を見て言うと今度はTが『おねえちゃん!?』そう涙を流して言います。全く同じ所を見つめて。

私も気持ち悪さに耐えながら見ますが黒い靄しか見えません。しかし悪いものだということはなんとなくわかりました。

『どっちでもない!菊丸、苦しいだろうけど片方ずつ引き摺って逃げるよ!!あいつはマズい!』

私も今にも吐きそうになりながらもTの手を握りしめて走りました。

あいつから離れると吐き気は収まり、Kに聞くと

『あれは山で昔死んだ奴の集合体だよ。近づく度に顔が増えてったからヤバいと思った』

私も見えなくなってからあんな吐き気に見舞われたのは初めてだったので、よほどだったのだろうと息を飲みました。

他二人は私の背中をさすってた位から記憶がないらしく、泣いてたこともわからないと。

ちなみに二人のおじいちゃんとおねえちゃんは病気と事故で数年前他界しておりいるわけないんです。

あの時Kがいなかったら…私は吐き気で役立たずだったので本当に思います。


それにしてもまさか今になってあんな体験するとは。しかし私も懲りないので、次は駅前にいる霊の話を投稿しますね!

まぁ今は見えないけど。
愛知県のI市にいた頃の話。

当時働いてた職場にK氏という男がいた。自分より3つ年上で同僚だが特に親しい訳でもなく、たまに世間話をする程度の間柄。今思うと少し病んでいたのかもしれない。

当時、そのK氏と同じ寮に住んでて、よく煙草をたかられた。まぁ煙草ぐらいならと気にはしなかったが、煙草をたかる時の態度が卑屈というか申し訳なさそうに

「Sさん、申し訳ないけど煙草もらってもいいかな…」と、本当すまなそうな顔をして。

最初は普通にあげてたんだけど、度々たかりに来るので、さすがに腹が立ち、投げつけるように渡した事もあった。

しばらくしてK氏と話す事があって何の話をしたか覚えてないけど、K氏が突然

「Sさんはストレスとか溜まらない?」と聞かれたので、「多少溜まるけど、あまり気にしない」みたいな事を言ったら、K氏が

「自分はストレス溜まったら、ドアを包丁で突き刺すんだ」と言ってた。

内心、何言ってんだコイツは?と思ったけど「見せてあげるよ」と、そのドアを見せてもらった。

…開いた口が塞がらないとはよく言ったもんだ。そのドアには無数の、鋭利な物で突き刺された後があって、何が気持ち悪いかと言うと、そのドアを見せ、さも得意気な顔で

「普段からストレス発散してるから、ストレスが溜まっても爆発する事がないんだ」「Sさんもストレス発散した方がいいよ」と言ってた事。

その時冷静に、こいつストレス発散する対象物が無くなったら、人を刺すだろうなと思った。

色々あって、その職場を離れ、今は関西で仕事をしているが、ネットで怖い話とかを見るとふと、K氏の事を思い出す。

あれから約20年経つが、今でもストレス解消にドアとか突き刺しているんだろうか…。
けっこう前の話。

沢を釣り上がってると、上流からかすかな腐臭が。コレはなんか死んでんなと思いながら遡上すると、案の定、淀みに浮くイノシシがあって酷く臭い。

死体の崩れに違和感を感じながらそれを通り過ぎたんだけど、後ろから名前を呼ばれたんだよ。

「何?」と何気なく返事をしてしまい、しまった!と、もの凄い悪寒がしたんだが、直後に足首になにかが絡みついた。

もうガックガクですよw 多分酷い顔だったと思うんだけど、なるべく後ろを見ないようにして絡みついたのを振り切って、なんとか帰ったのね。

もう慌てて車飛ばして家に帰ったあと、足首を見たのよ。左足になんか縄みたいもので強く締め付けたような跡がある。

しばらくガクブルで、その日は眠れない夜を過ごしたけど特に何にもなかった。ところがこの跡、なんか治らないの。

で、一週間過ぎたころ、異変が起きた。家を出ようとしたとき、また名前を呼ばれたんだよ。「なにー?」と返事をして鳥肌が立った。

これはいかん。と、ダメもとでじいちゃんに相談してみたの。そしたら、じいちゃんは船でしかいけないxx島に渡って、縁が切れるまでそこに居ろって言うのよ。

なんでも、物の怪のたぐいは海を渡れないとか。

まあそれで、渡ってしばらくは腐臭とか、黒い影が「(僕の名前)が居ない…」と言いながら探し回ってる夢とかに悩まされましたが、足の傷跡?が消えたらそれも無くなりました。

よかったよかったという怖い話でした。

島は無人島じゃなくちゃんと生活できる島です。じいちゃんの従兄弟殿がクルーザー持ってて、しばらく海釣り三昧でした。
幼い頃、まだ暗い明け方ふと目が覚めた。

よくみると古くて透き通った芸者さんが、悲しそうな表情でぐっすり眠っている父の枕元に座ってた。

幼心にも『えっ、なにこれ?』と思ってじーっとみてたら、芸者さん、つつーっと血の涙を流してすうっと静かに消えていった。目の前で本当に煙のように消えていった。

それから数日後、父と母が大げんかを始めた。浮気したのいいがかりだの、そんな痴話喧嘩がその日を境に絶え間なく繰り返すようになった。

子供心に『ああ、あの女の幽霊がなんか仕掛けよる』と思った。でもそんなの親に言える訳がない。

親の不仲は数年に渡り続き、遂に一家離散になりかけた頃、不思議な縁で高名なお坊さんと知り合いになったので、おそるおそる相談してみた。

すると「お父さんを連れて行かれないよう護ってあげなさい」と、お経巻をくれた。お坊さんの説明によると、やっぱり父に憑いた女の霊の仕業だという。

「お父さんのお母さん、あなたからみてお祖母さんが大変心配してる」と。

早速極寒の早朝5時、毎日決まった時間にその女の霊の成仏を願って読経を始めた。

お坊さんに言われた通り49日間、どんなに熱が高い朝でも具合が悪い日でも一生懸命読経を続けた。

すると、父にコバンザメのようにしがみついてた我が家に悪影響を及ぼす人たちが、一人、また一人と父から離れていった。

父に一番タカってた愛人とその家族も、過去にトラブルを起こした家から裁判を起こされ、うちの父どころではなくなり離れていった。

それと反比例して、父と母の夫婦仲、私達家族仲は良くなっていった。

無事に49日間の供養が終わった日、『ああ、これであの女の霊は成仏してくれたんだ』と思って寝たその夜、女達が円座をつくって何やらやってる夢をみた。

一人の女が円座の女性達の顔を覗き込んで、「お前か?」「お前か?」と訊いてまわってる。その様子を眺めてる私に気づくと、「お前か!」と鬼の形相で迫ってきた。

「次は・・・お前の番だ!!」と激昂されたところで、怖くて目が覚めた。

>>99

それから数十年後、私は最初の夫を失い、子どもを急な病で失う目に遭った。常識では考えられない出来事が立て続けに私の身にだけ起こったとき

『ああ、あの女の霊はとんでもないものへと変わってしまったんだ』と哀れな気持ちになった。

父母はこれまで以上に仲睦まじくお互いを労って暮らすようになり、急な難病で孫を亡くしたことで、家族一族の幸せをなにより一番に考えてくれるようになった。

何の祟りか知らないけれど、親の因果が子に報いたんだろうと想わざるを得なかった、そんな私の数十年に渡る実体験でした。