1 無名さん

狩屋マサキ腐へ

毎日1人であげてレスしてサイト探して大変だね(笑)
2 無名さん
んほぉおおおぉおおぉ!!!!!!おちんぎんほしいのぉおおぉおおおお!!!!!!!!
3 無名さん
誰?
4 無名さん
同名の管理人
今から必死の埋め作業が見られるよきっと(笑)
1人で恥ずかしいね(笑)
5 無名さん
同名(笑)
6 無名さん
糞スレなんか立てるなってあれほど
同名()
埋めたんは一人じゃないだろ
8 無名さん
>>1>>4
2のヲチスレから出てきたの?
9 無名さん
ここまで全部狩屋マサキ
10 無名さん
流すのに必死で他スレ一生懸命上げてるのも狩屋マサキ
11 無名さん
あげ
12 無名さん
24時間ずっと張り付いてると勘違いされてる管かわいそう
13 無名さん
ほらほら他のスレ上げて流していこうとしてるwww
14 無名さん
by ことね
日記でもコメントしましたが消されてしまったので、もう一度言いますね。

耳コピであろうとなかろうと歌詞の無断転載にあたるのではありませんか?
他にも公式の画像をアップしたりしていますがこれも無断転載です。
わかりやすく言ってしまうと犯罪なんですが……。
通報されたり訴えられたりしなければいいと思っているのですか?
「人をころしてもバレなければ平気」と言ってるようなものですよ(^_^;)
サイトを作るにあたり当然マナーサイトなどで常識は身に付けているとばかり思って様々なサイトを見てきましたが此方は違うようですね……(+_+)
15 無名さん
12:無名さん
24時間ずっと張り付いてると勘違いされてる管かわいそう
7/16 17:42

かわいそうだって
信者きも

おこ!!
16 無名さん
狩屋マサキは3世のさらに前の同盟の管理人でしょ
ここは普通の子が管理人だよ
17 無名さん
(>>1はヲチスレ見つけて仲間たくさんだと思い込んでる最近の晒され管だと思ってる)
18 無名さん
ヲチスレも過疎ってるやんけ!!
19 無名さん
ヲチスレの方が過疎ってるやんけ!!
20 無名さん
ヲチスレ過疎を指摘されると消える荒らし
21 無名さん
たった89レスしかついてないやんけ!!
こっちも過疎ってるからなとか言い訳すんなよー理由になってないからな
22 無名さん
( ~・ω・)~ワカメ~ユラユラ~
23 無名さん
過っ疎過疎やないか!
24 無名さん
影響力とかないやんけ!!
同盟で一人で頑張ってるのはどっちや!
25 無名さん
荒らしどこいったんや!
26 無名さん
.+*:゚+。.☆
27 無名さん
消えんなや!!ヲチスレでも反応あって楽しいからもっと楽しませろ!!
28 無名さん
ヲチスレ民って「住人が〜」とかってsageてるけど全部ブーメランになってるの気づいてないんだね
ヲチスレをヲチるの楽しすぎてやめられない
29 無名さん
>>16
普通の子…?
30 無名さん
子…草
31 無名さん
      ___   ━┓  ___    ━┓
     / ―  \  ┏┛/ ―\   ┏┛
    /  (●)  \ヽ ・. /ノ  (●)\  ・
  /   (⌒  (●) /. | (●)   ⌒)\
  /      ̄ヽ__) /   |   (__ノ ̄  |
/´     ___/     \        /
|        \          \     _ノ
|        |          /´     `\
32 無名さん
ぽぽぽぽ〜ん
33 無名さん
たーのしーい〜なーかまーが〜
34 無名さん
増えると思ったか馬鹿め
35 無名さん
あげ
36 無名さん
あげ
37 無名さん
ぽぽぽぽーん
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61 削除済
62 無名さん
aa
63 無名さん
eye eat
8月10日から放送予定
大学の友達から聞いた話だけど。

自動車事故にあって鞭打ち症になったAさんは、仕事も出来なさそうなので会社を1週間ほど休むことにした。
Aさんは結婚しているが奥さんは働いてて、昼間は1人だった。
最初の数日は気楽だったが、さすがに3日目くらいになると暇をもてあましてきた。
それでも、どこかへ出かけるには体がつらいので家でじっとしていなければならなかった。

そんなある日、お昼も過ぎた頃ぼんやりとテレビを見ていると、上の階の部屋からドスンドスンと音がして子供のはしゃぐ声が聞こえてきた。
学校が休みなのかと訝しく思ったけれど、気にも留めなかった。

そして翌日も昼頃から子供の声が聞こえてきた。
どうやら上の家には子供が2人いるようだ。
Aさんが住んでいるのは大規模なマンション住宅地だが、昼間は意外とひっそりとしており子供達の声は階下のAさんのところにもよく聞こえた。
しかしうるさく感じることもなく、むしろ退屈さと団地の気味の悪い静けさを紛らしてくれるのでありがたかった。

そして翌日、暇をもてあまして昼食を作る気もうせたAさんはピザを注文した。
30分ほどでやってきたピザは思ったより量が多く、Aさんは結局丸1枚残してしまった。
普通なら奥さんのために取って置くのだが、ふと階上の子供達のことを思い出し、親切心も手伝ってAさんは上に持っていってやることにした。

Aさんは自分の真上の部屋に誰が住んでいるのか知らなかったが、呼び鈴を押した。
気配を感じたが応答がない。もう一度呼び鈴を押した。

覗き窓から見られているような気がする。
かすかに「どなたですか……」という声がドアの向こうからした。
Aさんは階下の者であること、ピザが余ったので貰って欲しいことを話すと、ドアがかすかに開いた。
家の中はやけに暗かった。
5センチほどの隙間から女性が顔を半分覗かせた。
女性は冷やかに言った。

「ありがとうございます。でもいりません」

うす暗くて顔の表情がよく見えない。
Aさんは急に自分が場違いなところにいるような気がしてきたが、もう一度訳を話し、子供達にあげてくれるよう頼んだ。

ドアの隙間から生温かい空気が流れてきた。嫌な臭いがする。
ふと、女性の顔の下に子供の顔がふたつ並んだ。
ドアはほんのわずかに開いたまま、2人の子供のうつろな目がこっちをじっと見ている。3人の顔が縦一列に並んでいる。

「じゃあ、そう……いただくわ」

Aさんはドアの隙間にピザの箱を入れると、すっと真横から手が伸びてきて受け取った。
3つの顔はドアの隙間からAさんを見つめている。

「ありがとう……」

かすかな声が聞こえた。

Aさんはそそくさと退散した。気味が悪かった。
何か違和感が頭の片隅にあった。子供の顔が脳裏に焼き付いている。

(顔……)

背中がぞくぞく震えだした。

(……顔、並んだ……)

足早になる。一刻もあの家から遠ざかりたかった。
エレベーターがこない。

(……並んだ、縦に……)
ボタンを何度も押すが一向に来る気配はない。
非常階段に向かう。
ひどく頭痛がした。吐き気もする。
非常階段の重い扉を開けるとき、Aさんは背中に視線を感じた。

振り向くと、10メートルほど向こうの廊下の角に3人の顔があった。
ドアの隙間から見たときと同じように顔を半分だけ出して、うつろな目でこちらを見つめている。
冷え冷えした真昼のマンションの廊下に射し込む光は、3人の顔をきれいに照らし出した。

Aさんは首周りのギブスもかまわず階段を駆け下りだした。普段は健康のためエレベーターを使わず一気に4階まで階段を駆け上がることもあるAさんだが、地上までが途方もなく長く感じられた。

(縦にならんだ顔……ありえない……からだが……ない……そして、顔のうしろにあった奇妙なものは……頭を支える……手……)

その後Aさんは近くのコンビ二で警察を呼んで貰った。
警察の大捜査によればAさんの階上の家では、その家の母親と子供の死体が風呂桶の中から見つかったらしい。
死体には首がなかった。首はのこぎりで切断されており死後3日ほど経っていた。

その日のうちに夫が指名手配され、やがて同じ建物内で隠れているところを逮捕された。
母親と子供の首もその男が一緒に持っていた。
しかも男が発見されたのは彼の家ではなかった。
警官が血痕を辿っていったところ、彼が隠れているのを見つけたのだった。

警察によると、彼はAさんの家の押入れの中に潜んでいたそうだ。
68 無名さん
これはまだ私が日本に居た時の話なんで10年くらい前です。
もうすでにその寮は取り壊されているし、かなりの年月も経っているので文章にしてみました。
いまだに当時の細部まではっきりと覚えています。
私の人生の中でこのような体験はこの1回のみです。もう経験したくはありません。

当時23歳、私はフリーターでお金がなくなるまで遊んで、金欠になるとアルバイトという生活をしていました。
しかしある時、世間では入学入社シーズン。このままこんな生活してていいものか? と思い、正社員として安定した収入を求めました。
運良く知り合いに食品会社の社長を紹介してもらい、待遇も良かったしコネで入社することが決まりました。さっそく来月から働いてくれと。

しかし今住んでいるアパートから車では環7の朝の大渋滞で通勤不可能。電車もあまり好きではなかったので、会社の近くでアパートを借りることにしたんです。
しかし、いい物件が見当たらない。
それは会社が都心の割といい場所にあるためで、汚いアパートでも家賃9万。そんなに払えませんでした。

就職先の会社の社長とたまたま会話する機会があって、そのとき通勤時間のことやアパートのことを相談したんです。
そしたら社長が、

「職場の近くにあるうちの工場の拡大予定地に古い元看護婦寮があるから、取り壊しまでの4ヶ月は住んでていいよ。今1階は倉庫代わりに使っているけど2階は人が住めるから。電気と水道は通ってるからどうにかなるだろう」

とのこと。
69 削除済
タダ、そして車も止められるということで喜んでそこに決めました。
何よりいくら騒いでもそこに住んでいるのは私1人。苦情を言う人がいない。友達を呼んで宴会ができる。
そしてさっそく次の日にそこへ行ってみました。

広い敷地内にひっそりとある外見は古い寂れた施設といった感じ。壁に広がるヒビが時代を感じさせる。
これでは看護婦さんも住みたくはないだろう、などと考えつつ中に入ってみると中身は結構きれい。
しかし埃が溜まっていて、会社が倉庫として使っているわけでなくただの物置として使っているのがわかる。
きっとここは寮として使われる前は公共の施設であったのではなかろうか、といった作りでした。

ガスが来てないから風呂には入れない、キッチンは各部屋に小さいのがついてるから食堂などは掃除の必要なし、などと考えながらさっそく2階に上がり部屋の確認。
部屋数は25。廊下と各部屋の内装はどこも綺麗でした。

私は正面道路側の角部屋に決めました。
そこは日当たりがよく、畳と壁が新しい物だったからです。
その日は自分が決めた部屋と2階の廊下、階段を掃除して帰りました。

私が住んでいるアパートはまだ契約期間内でしたがすぐにでも引っ越したいと思い、暇な友人2人に連絡を取り、明日の引越しを手伝ってくれるという約束を取って布団に入りました。
しかし一睡もできませんでした。それは一晩中、今までに経験したことのない耳鳴りと頭痛に悩まされていたからです。

そして翌日、約束の時間になっても友人は現れませんでした。
約束の時間から1時間ほど過ぎたころ電話があり、それは友人からでした。
病院からでした。
話を聞けば昨日深夜、今日ここに来るもう1人と車で移動中に気分が悪くなり、運転に集中できなくなって壁に衝突したとのことでした。
怪我は大したことはなかったらしいのですが、引越しを手伝ってもらえなくなったことで動揺して、初めの異変で気付きませんでした。

家具といっても大きな物はベッドとタンスのみだったので、すべて分解して1人で車に乗せ(私の車はワゴンでしたが)4往復でなんとか自力で家具などを運び終えたときにはすでに夕方5時でした。
それから荷物を自分の部屋に運び入れ家具などを組み立てて、とりあえず引越しが完了したときには(昨日寝ていなかったため)すでに体力の限界に達していました。
私は食事も取らずに倒れるように横になり深い眠りに入りました。

――それから何時間経過したころでしょうか。深夜、苦しくて息が出来ない。
何か重い物が体の上に乗っているような感覚。だるくて体も動かない。
きっと疲れているからに違いない、引越しで精神的にも肉体的にも疲れているのだと考え、また深い眠りに入りました。

そして朝を迎え、胸に痛みがまだ残っているのは家具が重かったための筋肉痛だ、と考えることにしました。
その晩、友人宅で夕食とシャワーを済ませて深夜に寮に着きました。

しかし、あのなんとも表現しにくい不気味さ……正面玄関にある厚いガラスの引き戸の奥に別世界が広がっているような。
そのガラスに映った自分はその世界に閉じ込められているようだった。
しかし2階には自分の部屋があるし外にいてもしかたないので突き進み、階段を登って自分の部屋の正面へ。

なぜか怖くて自分の部屋のドアを開けることが出来ない。
普通なら、何もない廊下に1人で立っている方が怖いと感じるのに。

結局、部屋に入っても何も起こらなかった。
明日からは玄関や廊下の電気をつけっぱなしにしておこう、と考えながら寝ました。

しばらくして、また昨日と同じよう……ここまで書いたんだけどやはり人に語ってはいけないような気がしてきました。
あのときの恐怖がよみがえってきたからです。しかし続きはきっと書きます。
<後日談>

胸を何かに押されている感覚で目が覚めました。それも規則的に胸の上方、下方と交互に。
しかも昨日と違うのは、どこからか低いうめき声のようなものが聞こえる。
目を開いてなくても確実に誰かが部屋の中にいるのがわかる。
怖くて目を開くことはできない。すでに金縛りで体を横にすることもできない。

ただ、耳から聞こえる音と方向、胸から伝わる何かの重さだけで答えが出た。
音は明らかに人の声、それも2人。1人はお経を読んでる。もう1人は、はっきり聞き取れない独り言。
胸にかかる重さと声の方向と移動から、その2人は並んで交互に上下移動しながらしかも正座で私に乗りかかっていると感じました。

この結論に達したと同時にますます重くなってきて、思わず目を開いてしまいました。
そこにいたものは、胸の上で横に正座をしている髪の長い女性、そして天井方向に移動して浮いている老婆でした。

私が目を開けたのに気付いてか、その2人が私を睨み付けます。
そのあまりの形相に2度と目を開けるまいと思い、目を瞑ってその重さに耐えるしかありませんでした。

2人が居なくなった、と同時に私も疲れて寝てしまいました。気絶といったほうが正しいでしょうか。

次の朝、私は昨晩のことなど無かったかのように普通に目覚めました。
しかし胸に痛みが残っていて、シャツを捲って確認するとそこには横に4本のアザが残っていました。それを見てすぐに現実に戻されました。
財布と車のカギと上着だけを持って何も考えずに外に飛び出しました。

私の友人関係の中にはこのような体験をしたことのある人はいなかったので相談できる人はいなかったし、その前に本当に現実なのか? ということで昔からの友人が集まってくれて(興味本位からなのだが)みんなで私の部屋にその夜は泊まる事になりました。私を入れて8人でした。

みんなで酒を飲んで怪談話して、気が付いたらいつの間にかに私は寝ていて朝になっていました。
みんなは3時ごろに寝たそうですが、何も起こらなかったようです。
ここに1人で残っていても怖いのでわたしもみんなと一緒に出ました。
夜まである友人と2人であの夜のことを話し合った結果、私が疲れていて夜に苦しくなり、想像が錯覚を見せたと結論が出ました。

そして今夜、一緒に部屋に泊まってくれることになりました。
部屋で酒を飲み、そのうち2人とも寝てしまいました。

深夜に息苦しさで目覚めました。あの夜と一緒でした。
すぐに隣に寝ている友人を起こそうと思ったがすでに遅く、体が動かない。
また声が聞こえ、すぐに私の胸に乗ってきたのがわかりました。

しかし今夜は少し違いました。
1人でした。声で髪の長い女性の方とわかりました。
隣に友人が寝ているし前回ほどの恐怖はありませんでした。
私は目を開け、私を睨みつけてる女性を睨み返していました。
ふと隣に寝ている友人を見てみると、老婆が彼の上で上下に移動しています。
友人は目は閉じていたけれど、顔は恐怖で引きつっていました。

朝、友人に起こされてすぐにここを出ようと真っ青な顔で言われたが、しかしなぜここだけ壁紙と畳が新しいのか疑問であったため、部屋を見回してみました。
友人は1人で廊下に出るのも怖いらしかった。

まず、畳の上に家具を載せた形跡がない。この部屋は角部屋で日当たりもよく空き部屋になるはずもない。移転が行われるのに畳を新しい物に取り替えるか。
このとき私は軽いノイローゼになってたのかもしれない。
すぐに友人に手伝ってもらって家具を廊下に出して、畳をすべて剥がしました。

コンクリートの床はきれいでした。
しかし中心だけが円形に拭かれていました。明らかに人の手によってそこだけが。
その拭かれている中心には、よく見ると黒い何かがそこにあったことがうかがえました。それはきっと血液でしょう。
すぐにそこを飛び出し、もう二度とそこに戻ることはありませんでした。

その後、引越し業者にカギを渡して荷物だけは運び出してもらいました。
後味が悪く就職も断りました。決してその敷地に入ることはありませんでした。

そこで昔になにがあったかなんて知りたくもないし興味もないです。
私にとってやっとこの事件が過去のことになったと感じたので、書かせていただきました。
これは僕が小学五年の時の話です。
五年生になると夏休みに一泊二日で学校に泊まって、自分達で飯を作ったり、何か作業(何したか忘れてしまった)したりしてプチキャンプみたいな行事がありました。

夜になると肝試しがありました。体育館から男女一人ずつペアで順番に決められたルートで校舎を歩いて、体育館から一番遠い南側の離れた校舎に行くんです。
僕は好きな子とペアになればいいなと思っていましたが、そんな都合よくペアになれる訳も無く違う子とペアになりました。
ただ、その子(Sさんとしておきます)は可愛い系のグループの一人で仲も良かったので、まぁ不細工な奴となるよりかはマシだなと思いつつ、自分達の順番を待っていました。

そして自分達の順番になって体育館を出ました。
当たり前ですが校舎は真っ暗でシーンと静まり返っています。

最初の理科室に入るところで、「お前先に入れよ」「嫌や。○○が先に行ってよ!」などと軽口を叩きつつもちょっとドキドキしていました。
理科室では先生が物陰から飛び出てきたりで、Sさんはキャーキャー言っていました。
僕はまぁ予想できていたし、身構えていたので声に出す程びっくりしませんでした。

理科室を抜けて、「びっくりしたねぇ」「別にぃ」等と言いながら廊下を進み2階に行く為に階段を上ろうとした時でした。いきなり

「キャハハハハハハハハハハハハハ!」

と大きな笑い声がしました。

油断していた僕とSさんは「うわああああぁぁぁぁぁぁああ!」と笑い声の方を振り向きました。
ちょうどその階段の隣の奥に職員トイレがあった為に、狭くて短い廊下がありました。そこに女の人が立っていてこっちを見て大声で笑っているのです。
真っ暗で階段の手すりが死角になっていたので、横を通っても気付かなかったのでしょう。
ビビりながらも、暗くて顔がよく見えない僕はその女の人に「びっくりしたぁ! 先生誰?」と声を掛けました。

しかし、女の人はまだずっと笑ってこっちを見ています。
「?」と思い、女の人に近づくと、(!? 先生と違う!? 見た事ない人や!)と気付きました。その人はこの学校では一度も見た事の無い女の人でした。

僕は恐怖とパニックで、無言のまま笑い続ける女の人を見ていました。
Sさんも僕と同じで無言のまま女の人を見ていたと思います。

すると突然、大声で笑い続けていた女の人がピタッと笑いをやめ、

「……違う」

と言って無言のまま、こっちを見ながらゆっくり真っ暗な職員トイレに入って行きました。

呆然と立ち尽くす僕の袖をギュっと引っ張って、Sさんが「早く行こう」と呟きました。
「あぁ」と僕とSさんは歩き始めました。
僕はSさんに「あの人見た事ある? 俺見た事ない」と聞くと、Sさんは「私もない」と返し、二人とも無言のまま歩いていきました。

その後、工作室や保健室などを通りましたが、先ほどの恐怖があったので大してびっくりもせず、みんなが待っている南校舎の会議室に着きました。そこには六十人ぐらい集まっていました。
僕たちの学年は百三十人くらいいたので、そのまま僕らも全員ゴールするまでそこで待っていました。
僕はさっきの女の人が誰か気になって、クラスの男子に「階段のトコで……」と聞いてみる事にしました。
しかし誰一人そんな人はいなかったと言うので、こいつら俺をからかいやがって、と思い女子にも聞いてみる事にしました。
しかし女子もそんな人はいなかったと言うんです。
逆に「○○君(僕)はいっつもそんな冗談言うよね」みたいな反応をされたので、同じペアのSさんが「私も一緒に見た」と反論しました。
しかしやっぱり誰も見た人はいませんでした。

僕は「マジかよ……」と思いつつ新たにゴールしてくる奴に聞いて回りましたが、そんな人は出てこなかったと言われました。
そして、そのまま全員がゴールして肝試しは終わりました。

不安な気持ちでいっぱいだった僕は、担任に女の人の事を聞いてみました。
「階段のところで脅かし役をやっていた人は誰か?」と聞いたところ、「階段に脅かし役はいない」と言われたので、僕が見たその女の人の特徴を(髪が肩より下まで伸びてて等)を言って、「そんな感じの人、今学校にいますか?」と聞いてみました。
「××先生の事?」と言われたんですが「いえ、絶対に××先生ではありませんでした」と答えると、担任は「○○、冗談言ってるやろ?」と言い出しました。

仕方ないのでSさんを呼んで来て同じ証言をしてもらうと、担任は「じゃあちょっと見回ってくる」と言って何人かの先生と校舎を見回りに行きました。
数十分後、帰ってくると「そんな人はいなかった」と女の人の件は終わってしまいました。僕は釈然としないながらもあきらめて寝る事にしました。

その後、結局その女の人が誰かは分かりませんでした。

一体あの女の人は何者だったのかとたまに考える事があります。
小学校の時は幽霊だ! と思っていましたが、今では変質者が紛れ込んでいたのかなと思う様になりました。ただそう考えるとちょっとゾクッっとくる怖さがあります。
今の時代だったら、僕とSの証言で多分中止なるだろうな。
仲間が免許を取ったということで、地元だと結構有名な心霊スポットの旧・弥彦山気象観測所に行ってみることにした。

先輩の話によると、施設自体は2階のそこそこ大きな建物で、1階の一部が土砂崩れかなんかで埋まっており、外装は白なのに内部は真っ黒になっていて、2階一番奥のフロアの天井に何かの器具をぶら下げるような大きなフックがあるらしい。
このフックの話は俺が言うまでもなく地元だと有名だけど、首吊りに何度も使用されているらしい。
俺も一度だけ新聞で見たことがあって、確か女の人がここで自殺(首吊り?)をしたという記事を見た記憶がある。

またその施設の近くには観測用に使われていた大きな鉄塔がある。
鉄塔の直ぐ下は50〜60メートルはある崖で、ここから飛び降りると下の山の森で、死体なんてほぼ上がってこないのは有名な話らしい。

まぁ前置きはそんなところで、実際こういう話が本当なのかと仲間4人と行ってみた。
場所は先輩から聞いているし問題はなかった。
が、行った早々トラブル発生。

旧・気象観測所は山の奥にある施設なので、どうしても弥彦山の山道を通らなくてはならないのだが、この道は冬の間は封鎖されていたのである。
ご丁寧にも工事現場に置いてあるような進入禁止のバリケードも置いてあった。
仕方がないので俺達はそのバリケードをずらして、車1台が通れるくらいの幅を開けて無理矢理進んでいった。

バリケード付近までは民家も若干あり明かりがあって心強いことだったが、バリケード以後は明かりは全くの0で、車のライトを消したら真っ暗な状態となる。おまけに両脇には木が密集していて、本当の山道に入ってきたことが分かる。
進むにつれて明かりは車のライトのみの状況は変わらず、木の量だけはどんどん増えていった。殆ど両脇が木。
そして山道ということもあってか、結構急カーブとかが激しくて運転している仲間は初めてのドライブで随分ビビっていた様に思えた。

この状態で進みながらしばらく立つと、道が分岐している所に出た。
ここが目印で、この辺りに旧・気象観測所の施設は有るらしい。
路肩に車を止めて下り、懐中電灯を辺りに向けるとそいつあった。

施設に着くにはちょっとした山を登らなくてはならない。
またこの施設の左側に例の鉄塔も建っていた。
とりあえず俺達はこの「ちょっとした山」を登り始めた。

木々が進行方向に生えているので、小さい木は倒したり、大きい木は避けて登っていった。

すると仲間の1人が、「あぶねー!」と大きい声で叫んだ。
俺は突然の声に驚いたが、よく足下を見てみると……とりあえず、下は崖でした。
木が本当にいっぱい生えていて全く先が見えないのでマジでビビった。
と言うか、この施設は山の切り崩しの上にあるようで、周りは全部崖です。土砂崩れでも有ったのか?

こんな状況を繰り返しながら、何とか登り切った。
目の前には例の施設がある。

施設は草のツタ(?)が窓、壁からグルグル覆っていて、さながらバイオハザードの館みたいな強烈なイメージがあり、土砂崩れの影響か土が2階まで達していて玄関と思われる物だけが1階部分として姿を見せていた。
まぁ2階からも入れるようだけど、やっぱり1階から進みたいとみんなで決めて、ツタが絡まっている玄関のガラスがないドアを開けて入った。

入って早々、凄い嫌な感じがした。それに変な臭いがする。

……と思ったら、入って直ぐにぼっとん便所があった。これですな、臭いの正体は。
トイレは男子用の便器が4つ、大便用のトイレが2つありかなりの荒れ具合だった。

トイレの隣は結構大きなフロア(20畳くらいか?)があり、何もなかった。
唯一、フロアにはドアがあったが、土砂崩れの影響かドアが全く開かないので無視。
また床がこれも土砂崩れの影響なのか、盛り上がっていたり陥没していたりして、とても真っ直ぐは進めない。

続いて玄関まで戻り、2階へ上がる階段を登った。
折り返しの階段となっており、登り切ると宿直室と思われる2段ベットが1つほど置いてあった。
他の部屋はコンクリートむき出しだったのに、この部屋だけは床が木だった。

更に前に進む。
が、この2階は1階よりも床の状態が悪く、進むのはとても困難だ。
床の状態が平らなコンクリートを選んで進む事になる。

大きなフロアを通過中、先ほどの臭いが段々酷くなってきた。
つーか、なんだこの臭い……あまりの臭いの強烈さに頭痛と吐き気がしてくる。
便所の臭いじゃなかったのか? もう今までに体験したことのない「臭い」というより「悪臭」に鼻がどうにかなりそうだ。

そして、いよいよフックが天井にあって首吊り自殺が頻繁にあると有名の部屋へ。

あー分かった。つーか、臭いの正体。
だってさ、人死んでんじゃん。
白色のダウンジャケットなんて着てるから黄ばみって言うか、何かヘンテコなのしみ出ているから白って言うかクリーム色って言うか、ある種、迷彩服じゃん。
それにさ、ブラブラしている下には何か変なのあるし。足から汁みたいなの滴ってるし。
髪の毛長いって事は女の人? 顔見たいけど垂れ下がっててサッパリわかんねーよ。人間て、こんなにクビ長いっけか?
つーか、懐中電灯持ってる自分もそろそろ手震えているし。そろそろ引き上げ時か?

……と、冷静ではいられず、大声で叫びながら本気で逃げた。

崖とかも気にせず、ほんとは鉄塔の方も見たかったけど、そんな余裕無しでした。
本気で逃げると、もうみんな車の中でガタガタ震えていた。今まで本物死体なんて見たこと無かったから、多分俺は本気で震えていたと思う。

急いで車を飛ばしてそこらの警察に行きたかったけど、地理感覚がないので地元まで帰って地元の警察に事情を説明した。
なんか色々聞かれて、バリケードの事とかコッテリ怒られた。

結局帰宅したのは午前4時半頃。
家に着いてシャワーを浴びたが、どうもあの臭いが鼻から取れなくて何度も自分の体を洗った。
でも臭いはまだ鼻に残っている。
臭いと共にあの女の人がぶら下がっている情景が出てきて、酒に酔ってもいないのに吐いた。
ちょうど2年くらい前、旅行に行きたいのでバイトを探していた時の事だ。

暑い日が続き、汗をかきながら求人をめくっては電話をしていた。
ところが、何故かどこもかしこも駄目、駄目駄目。
擦り切れた畳の上に大の字に寝転がり、適当に集めた求人雑誌をペラペラと悪態をつきながらめくっていた。

(不景気だな……)

節電の為、夜まで電気は落としている。
暗い部屋に落ちそうで落ちない夕日が射し込んでいる。
窓枠に遮られた部分だけが、まるで暗い十字架のような影を畳に落としている。遠くで電車の音が響く。
目をつむると、違う部屋から夕餉の香りがしてくる。

(カップラーメンあったな)

私は体をだるそうに起こし、散らかった求人雑誌を片付けた。
ふと、偶然開いたのだろうか。ページがめくれていた。

そのページを見ると、某県(伏せておく)の旅館がバイトを募集しているようだった。
しかもその場所はまさに私が旅行に行ってみたいと思っていた所だった。
条件は夏の期間だけのもので、時給はあまり……というか全然高くなかったが、住みこみで食事付きというところに強く惹かれた。
ずっとカップメンしか食べていない。まかない料理でも手作りのものが食べれて、しかも行きたかった場所。

私はすぐに電話した。

「はい、ありがとうございます! ○○旅館です」

「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集していますでしょうか?」

「え、少々お待ち下さい………………………ザ……ザ……ザザ……い、……そう……だ…………」

受付は若そうな女性だった。電話の向こう側で低い声の男と(おそらくは宿の主人?)小声で会話をしていた。
私はドキドキしながら、なぜか正座なんかしちゃったりして待っていた。

やがて受話器を握る気配がした。

「はい。お電話変わりました。えと……バイトですか?」

「はい。××求人でここの事を知りまして、是非お願いしたいのですが」

「あー、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから来れますか?」

「いつでも私は構いません」

「じゃ、明日からでもお願いします。すみませんお名前は?」

「神尾(仮名)です」

「神尾君ね。はやくいらっしゃい……」

とんとん拍子に進んだ。運が良かった。

私は前もって電話の用件などを忘れないように会話を録音していたので、再度電話を再生しながら必要事項をメモっていった。
住みこみということもあり、持っていく物の中に保険証なども必要とのことだったのでそれもメモした。

その宿の求人のページを見てみると、白黒で宿の写真が写っている。
こじんまりとしているが自然に囲まれた良さそうな場所だ。
私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということもあってホっとした。

しかし、何かおかしい。

私は鼻歌を歌いながらカップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。
日はいつの間にかとっぷりと暮れ、開けっ放しの窓から湿気の多い生温かい風が入ってくる。
私はカップメンをすすりながら、何がおかしいのかに気付きはじめた。

条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
暗闇に窓のガラスが鏡になっている。その暗い窓に私の顔が映っていた。

何故か、まったく嬉しくなかったのだ。
理由はわからないが、私は激しく落ちこんでいた。
窓に映った年をとったかのような生気のない自分の顔を見つめ続けた。

――次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。
激しく嗚咽する。風邪か? 私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。目の下にはくっきりと墨で書いたようなクマが出来ており、顔色は真っ白。まるで……。

バイトをやめようかとも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし気が乗らない。
そのとき電話が鳴った。

「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」

「はい。今準備して出るところです」

「わかりましたー。体調が悪いのですか? 失礼ですが声が」

「あ、すみません。寝起きなので」

「無理なさらずに。こちらに着いたらまず温泉など浸かって頂いて構いませんよ。初日はゆっくりしてください。そこまで忙しくはありませんので」

「あ、だいじょうぶです。でも、ありがとうございます」
電話を切って家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし電話を切ってから今度は寒気がしてきた。ドアを開けると眩暈がした。

(と、とりあえず、旅館まで着けば……)

私は通る人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。

やがて雨が降り出した。
傘を持って来ていない私は駅まで傘なしで濡れながら行く事になった。
激しい咳が出る。

(……旅館で休みたい)

私はびしょ濡れで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで老人のように。

(やばい、病気か? 旅館まで無事着ければいいけど……)

私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。

電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ、苦しい息をした。
ぜー、ぜー、声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。
ごほごほ! 咳をすると、足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。血がベットリ。
私は霞む目でホームを見ていた。

(はやく、旅館へ……)

やがて電車が轟音を立ててホームに滑り込んで行き、ドアが開いた。
乗り降りする人々を見ながら私はようやく腰を上げた。腰痛がひどい。
フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車に乗れば……。

そして乗降口に手をかけたその瞬間、車中から鬼のような顔をした老婆が突進してきた。
90 無名さん
どしん! 私はふっとばされホームに転がった。
老婆もよろけたが再度襲ってきた。私は老婆と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
悲しいかな、相手は老婆なのに私の手には力がなかった。

「やめろ! やめてくれ! 俺はあの電車に乗らないといけないんだ!」

「なぜじゃ!? なぜじゃ!?」

老婆は私にまたがり顔を鷲掴みにして地面に抑えつけながら聞いた。

「りょ、旅館にいけなくなってしまう!」
やがて駅員たちが駆けつけ、私たちは引き離された。

電車は行ってしまっていた。私は立ち上がることも出来ず、人だかりの中心で座りこんでいた。
そこで引き離された老婆が息を整えながら言った。

「おぬしは引かれておる。危なかった」

そして老婆は去っていった。

私は駅員と2〜3問答をしたがすぐに帰された。駅を出て仕方なく家に戻ることにした。
すると体の調子が良くなってきた。
声も戻ってきた。鏡を見ると血色が良い。
私は不思議に思いながらも家路に着いた。

荷物を下ろし、タバコを吸う。
落ちついてから、やはり断わろうと旅館の電話番号を押した。
すると無感情な軽い声が返ってきた。

「この電話番号は現在使われておりません……」

押しなおす。

「この電話番号は現在使われておりません……」

私は混乱した。まさにこの番号で今朝電話が掛かってきたのだ。
おかしいおかしいおかしい。
私は通話記録をとっていたのを思い出した。
最初まで巻き戻す。

キュルキュルキュル、ガチャ

再生を押した。

「ザ……ザザ…………はい、ありがとうございます。○○旅館です」

あれ? 私は悪寒を感じた。
若い女性だったはずなのに、声がまるで低い男性のような声になっている。
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集していますでしょうか?」

「え、少々お待ち下さい………………………ザ……ザ……ザザ……い、……そう……だ…………」

ん? 私にはそこで何かが話し合われているように聞こえた。
巻き戻し、音声を大きくする。

「え、少々お待ち下さい………………………ザ……ザ……ザザ……い、……そう……だ…………」

巻き戻す。

「………………………ザ……ザ……ザザ…むい、こご…そう……だ…………」

巻き戻す。

「……さむい、こごえそうだ……」

子供の声が入っている。さらにその後ろで大勢の人間が唸っている声が聞こえた。

うわぁ! 私の汗が滴った。
電話から離れる。すると通話記録がそのまま流れる。

「あー、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから来れますか?」

「いつでも私は構いません」

記憶にある会話。しかし私はおじさんと会話をしていたはずだ。
そこから流れる声は、地面の底から響くような老人の声だった。

「神尾君ね、はやくいらっしゃい……」
そこで通話が途切れる。
私の体中を冷や汗が流れ落ちる。外は土砂降りの雨である。

しばらく金縛りにあったように動けなかったが、私はようやく落ちついてきた。
すると、そのまま通話記録が流れた。今朝に掛かってきた分だ。
しかし話し声は私のものだけだった。

「死ね死ね死ね死ね死ね」

「はい。今準備して出るところです」

「死ね死ね死ね死ね死ね」

「あ、すみません。寝起きなので」

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

「あ、だいじょうぶです。でも、ありがとうございます」

私は電話の電源ごと引き抜いた。
乾いた喉を鳴らす。

「な、なんだなんだこれ、なんだよ!? どうなってんだ!」

私はそのとき手に求人ガイドを握っていた。
震えながらそのページを探す。
すると何かおかしい……ん?

手が震える。そのページは確かにあった。
綺麗なはずなのにその旅館の1ページだけしわしわで、何かシミが大きく広がり少し端が焦げている。
どう見てもそこだけが古い紙質なのだ。まるで数十年前の古雑誌のように。
そしてそこには全焼して燃え落ちた旅館が写っていた。
そこにこう記事が書いてあった。
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死者30数名。
台所から出火した模様。
旅館の主人と思われる焼死体が台所で見つかった事から、料理の際に炎を出したと思われる。
泊まりに来ていた宿泊客達も逃げ遅れて炎にまかれて焼死。

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(これ、なんだ……求人じゃない)

私は声も出せずにいた。求人雑誌が風でめくれている。
私は痺れた頭で石のように動けなかった。

そのとき、ふいに雨足が弱くなった。
一瞬の静寂が私を包んだ。


――電話が鳴っている。
戦前のある村での話だそうです。

その村には森と川を挟んだところに隣村がありました。
仮に「ある村」をA村、「隣村」をB村としておきます。
B村はいわゆる部落差別を受けていた村で、A村の人間はB村を異常に忌み嫌っていました。

ある朝、A村で事件が起きました。
村の牛が1頭死体で発見されたのですが、その牛の死体がなんとも奇妙なもので、頭が切断され消えていたのです。
その切り口はズタズタで、しかし獣に食いちぎられたという感じでもなく、切れ味の悪い刃物で何度も何度も切りつけて引きちぎられたといった感じでした。

気味が悪いということでその牛の死体はすぐに焼かれました。
しかし、首のない牛の死体はその1頭では終わりませんでした。

その後次々と村の牛が殺され、その死体はどれも頭がなかったのです。
普段からB村に不信感を抱いていたA村の人々は、その奇妙な牛殺しを「B村のやつらの仕業に違いない」とウワサし、B村を責めたてました。

しかし同じ頃、B村でも事件が起きていました。
村の若い女が次々と行方不明になっていたのです。
いつもA村の人々から酷い嫌がらせを受けていたB村の人々は、この謎の神隠しも「A村のやつらがさらっていったのに違いない」とウワサし、A村を憎みました。

そうしてお互いに村で起きた事件を相手の村のせいにして、ふたつの村はそれまで以上に疑い合い、にらみ合い、憎しみ合いました。
しかし、そのふたつの事件は実はひとつだったのです。

ある晩、村境の川にかかった橋でB村の村人たちが見張りをしていました。
こんな事件があったので4人づつ交代で見張りをつけることにしたのです。
夜も更けてきた頃、A村の方から誰かがふらふらと歩いてきます。
見張りの男たちは闇に目を凝らしました。そして橋の向こう側まで来たその姿を見て腰を抜かしました。
それは全裸の男でした。
その男は興奮した様子で性器を勃起させています。
しかしなにより驚いたのは、その男の頭は人間のそれではなく牛の頭だったのです。
牛頭の男は見張りに気付き、森の中へ逃げ込みました。

牛頭の男はA村でも牛の番をしていた村人に目撃されていました。
その牛頭の男こそふたつの事件の犯人に違いないと、A村とB村の人々は牛頭の男を狩り出す為、森を探索しました。

結局牛頭の男は捕まりませんでした……いえ、実際には捕まっていました。
しかし、男を捕まえたA村の人々は彼を隠し、みんなで口を揃えて「そんな男は存在しなかった」と言い出したのです。
A村の人々のその奇妙な行動には理由がありました。

A村の人々は牛頭の男を捕まえました。
その男は実際に牛頭なのではなく、牛の頭の生皮を被った男でした。
A村の人々は男の頭から牛の皮を脱がせ、その男の顔を見て驚きました。
その男はA村の権力者の息子だったのです。
この男は生まれつき知的障害がありました。歳はもう30歳近いのですが毎日村をふらふらしているだけの男でした。

村の権力者である父親がやってきて男を問い詰めましたが、

「さんこにしいな。ほたえるな。わえおとろしい。あたまあらうのおとろしい。いね。いね」

と、ワケの分からないことばかり言って要領を得ません。

そこで男がよく遊んでいた父親の所有している山を調べてみると、女の死体と牛の首がいくつも見つかりました。
異常なことに女の死体の首は切り取られ、そこに牛の首がくっついていました。
男はB村から女をさらい、女の首を切り取って牛の首とすげ替え、牛頭の女の死体と交わっていたのです。

権力者である父親は息子がやったことが外に漏れるのを恐れ、山で見つかった死体を燃やし、A村の村人に口封じをし、村に駐在する警官にも金を渡して黙らせました。
そして息子を家の土蔵に閉じ込め、その存在を世間から消し去ったのです。
しかし、村の女たちが行方不明のままでB村の人々は黙っていません。
特にあの夜実際に牛頭の男を見た見張りの4人は「牛頭の男など存在しなかった」と言われては納得いきません。
村人みんなで相談して、その4人は警察に抗議に行くことにしました。

次の日、川の橋に4人の生首と4頭の牛の生首が並べられました。

A村の人々は真実が暴露されるのを恐れ、B村を出た4人を捕らえ、真実を知っているにも関わらずB村の4人に全ての罪をかぶせ、私刑(リンチ)し、見せしめに4人の首をはね、さらし首にしたのです。
一緒に牛の生首を並べたのには、「4人が牛殺しの犯人である」という意味(もちろんデマカセではあるが)と「真実を口外すれば同じ目にあうぞ」という脅しの意味がありました。

この見せしめの効果は大きく、B村の人々はもちろんA村の人々も「この出来事を人に話せば殺される」と恐れ、あまりの恐怖にこの事件については誰も一言も話そうとはしなくなりました。
ふたつの村の間で起きたこの出来事は全て、村人たちの記憶の奥深くに隠され故意に忘れさられ、土蔵に閉じ込められた男と一緒にその存在自体を無にされたのです。
 
糞スレ