1 無名さん

独り言1077

>>>10571
>>100
ペロペロ!
2 無名さん
いちおつ
>>>10577
こっちね
4 削除済
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
その友人は実家を出て一人暮しをするため引っ越すことになりました。

彼にしてみればやっと一人暮しをできるといううれしさでいっぱいの引越しのはずでした。
友人らに引越しを手伝ってもらい引越しそばなどを食べたり、他愛もない話で盛り上がっていました。
暗くなってきたので友人らは各々の家へかえっていきました。

初めての一人暮しの夜・・・新しい生活の始まりにわくわくしながら、眠りにつこうと畳の上に布団を敷き寝床に入りました。
しばらくしてふと目が覚めてしまったので、眠気眼で窓の外を見ていました。
そのアパートは結構古く築何年なのかもわかりませんが、彼にとってそんなことはどうでもよかったのです。
窓の外には青白く月明かりがてっていました。

(……寝るか)

そう思ったとき、彼は異変に気づきました。
布団の中から窓を見ると、誰かが窓枠に手をかけているでありませんか。
泥棒か? と思い近くにあった灰皿を手に持ち、慎重に窓際へと近づきました。

「!!」

しかし、窓際には誰もいません。

(寝ぼけてたのか……)

彼は再び布団に入り眠りにつきました。

次の日の夜、彼は布団に入った後に、昨日のことが気になったのか、視線を窓際へと送りました。
しかし、別段変わったところもなかったので、眠りにつこうと思い目を閉じました。
ところが、なぜか彼は目が覚めてしまいました。
彼は、上半身を起こし、ふと寝ぼけ眼で窓を見て驚きました。

今度は窓枠に上半身をのせ誰かが入ってこようとしているではありませんか!
彼もこれにはさすがにびびってしまい、なんともできず布団にもぐりました。
しかし「泥棒だったらまずい」と気を取り直し、布団から飛び出しました。
しかし既に窓には誰もいません。
(しまった、中にでも入られたか?)

と思い、彼は慎重に部屋の中を捜しましたが、人の気配も入られた様子もありません。

(だったら、あれは何だったんだ……)

彼はこのときほぼある確信を持っていました。
「あれは幽霊に違いない」と……。

次の日。
さすがに怖くなった彼は友人の一人に事情を話し、部屋に泊まってもらうことにしました。
しかし、その日は何事もなく朝を迎えました。

「夢でも見てたんだろ」

翌朝、友人はそう言って帰っていきました。

また次の夜。
彼が寝ようと思ったとき、異様な寒気に襲われました。

布団をかぶり、なんとか寝付こうとしたその時、また窓のほうが気になるのです。
彼は勇気を振り絞り窓に目をやると、髪はボサボサで青白い顔をした女が窓枠に手をかけ、今にも部屋に入ってこようとしています。

(あぁっ! もうだめだ!)

彼は頭から布団をかぶり、必死に考えました。

(こういうときはどうすれば良いんだ! 考えろ、考えるんだ!)

彼は必死でした。
気が付くと、いつの間にか気配は部屋の中に入ってきていました。
そして、ゆっくりと彼の布団の周りを歩き回っているのです。

「……!」 

恐怖で何がなんだか分からなくなった彼は、

(そうだ、こういう時は南無阿弥陀仏だ!)
そう思い大きな声で

「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」

と必死に、何度も何度も唱えました。
しばらくすると、彼の周りから足音は消えていました。

(……よかった)

そう思った瞬間、バサッと布団がめくられ、さっきの女が彼にニヤリと笑いながらさげすんだようにこう言いました。

「ソンナコトシテモ無駄ダヨ」

彼はその後すぐに気を失ってしまったそうですが、今も元気だそうです。
もちろんすぐに彼が引っ越したのは言うまでもありません。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
この話は実際に新聞に載ったという前ふりで聞いた話ですが、私は実際にその新聞を見ていないし何年前かも分からないので、話を怖くさせるスパイスだと思って聞いてください。

ある高校生の男女各4人が、一人の家に集まって怖い話をしていたそうです。
夜もふけてきた所で、肝試しに行くことになりました。
でも本当の目的はむしろ、男女ペアになって行くという事のほうが楽しみだったので、場所は安直に彼らの通う高校に行くことにしたそうです。

しかしこの高校は築100年近くたっていたので、行って見ると思ったより迫力があります。
早速男女ペアになって、一組づつ学校の周りを一周することになりました。

構内には入れなかったので、周りを一周するだけならせいぜいかかる時間は20分ほどです。
まず最初の1組が出発しました。皆でひやかしたりしながら、にぎやかに去っていきました。

しかし、20分たっても30分たっても戻ってきません。
2人っきりで何をしてるんだろうかとひやかしながら、2組目が出発しました。
しかし、やはり彼らも帰ってきません。

3組目が出発することになりました。
このころにはさすがに深刻になってきていて、絶対周ったら戻ってくるし、他のやつらも見つけたら連れてくると約束して出発しました。
そしてこの3組目も戻ってきません。

一組目が出発して、既に時間は2時間以上立っていました。

とうとう女の子は泣き出しました。
残ったもう一人の男の子が、「俺が行ってくる。もし30分たっても俺が戻ってこなかったら警察へいけ。絶対待つなよ」と言い残して駆け出しました。
そしてその子も戻ってきませんでした。
残された女の子は泣きながら、それでも1時間待ったそうです。
そしてその足で、警察へと向かいました。
警察官が探しても見つかりません。
しかし夜もすっかり明けたころ、とうとう7人は見つかりました。
その高校にはグランドの端に、古くなった旧体育館があるそうです。
そこのトイレを開けると、7人全員が首をつっていたそうです。

女の子の証言から、自殺する理由がないと思われたのですが、結局他殺の痕跡はなく、受験生の集団ヒステリーとして片付けられたそうです。
その学校には、これといった怪談話もなかったそうです。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
俺の地元は宮城の仙台なんだが、大学4年の頃に友達と面白半分で「幽霊はデジタル化されるのか?」 という実験がしたくて、地元で有名な八木山橋にビデオ撮影にきた。

八木山橋についてはググってくれればわかると思うので、軽く説明させてもらうと、
1.昔はつり橋で、自殺の名所だった
2.つり橋じゃなくなっても自殺者が後を絶たなかったので柵を作った
3.橋の下は竜の口という谷になっており、10年程前に閉鎖(がけ崩れの危険があるためと好評してあるが、自殺した人の遺体が回収しきれずに多数あるためのとの噂も)
興味がある人は検索してくれ。

ビデオを撮影した時期はちょうど今ごろ。
時間は午前1時を過ぎてた頃だったと思う。
友人の車で八木山橋に向かい、橋から少し離れたところに停車して歩いて橋に向かった。

当日は天気がよく、星が綺麗に見えてたのを覚えている。
橋に着いて車が来ないタイミングを見計らって撮影を開始。
友人はフェンスを背にして、仙台の夜景をバックにポーズを取ってた。
俺はビデオを三脚に固定し、10分ほど撮影してたが途中で飽きてタバコをふかしてた。

さらに暇になったので、カメラ固定で録画ボタンを押してるまま、俺も友人の隣に行って一緒にタバコをふかしたりふざけあっていた。
30分ほどしたら二人とも飽きてしまったので、停止ボタンを押してビデオを止め、友人のアパートへと帰った。
この帰る時点での時間は午前1:35くらいだったと思う。

友人宅に戻り、早速上映会開始。

・・・案の定画面には友人がアフォなことしてる姿が映ってた。
撮影して野次を飛ばしてる俺の声ももちろん入ってる。
10分ほど経過して、飽きた俺が友人と二人で写ってる場面になった。

この直後、画面右に白い物が写ってた。
背景が夜景だけに、光の加減で写ったのであろうと最初は思ったが、動きがどうもおかしい。
よく見ると、何か布のように見える。

その布はだんだんと左によっていき、その全貌が見えてきた。

白いスカートだった。
だんだん左に行くにつれて、全貌が見えてきた。

白いワンピースをきた女性が画面の中に入ってきた。
入ってきた位置からして丁度↓のような感じ。

カメラ→■

   ○←女性 
→友人● ●←俺 
________
  フェンス 

もちろんであるが、当時の俺たちはそんなのを見なかった。
女性はうつむき加減で画面におり、白いワンピースに裸足、長い黒髪だった。
カメラに背を向け、俺と友人の間をすり抜けると、フェンスの手前まで歩いてきた。

そしてそのままフェンスを登り始めた。
フェンスの上部は「ねずみ返し」のような構造になっており、さらに鉄条網があって、普通には超えられないようになっているが、それが無いかのようによじ登って行く。

そしてそのまま橋の下に落下・・・。

画面を見てる俺と友人は呆然。
その時には何が起きたのか分からなかった。

画面では俺と友人がアフォなことをして、見てる俺たちは凍り付いていた。
女性が落ちた10数秒後、また女性が画面右から現れた。

最初と違う点は、以下の通り。
1.ワンピースが血まみれ
2.髪の毛がボサボサ
3.皮膚の所々が裂けてる&腫れあがってる
4.内臓(多分小腸?)を引きずってた

表情は相変わらず分からない。

間違いなく「落ちた」と分かるような姿で再び現れ、またもや俺と友人の間をすり抜けてフェンスによじ登り、そのまま落ちていった。

そしてまた画面右から現れ・・・と、どんどん悲惨な状態になって現れては落ちての繰り返し映像になった。友人に被ってた(;´Д`) 正確には俺と友達の間ね。

何度落ちただろうか。
白かったワンピースは赤茶色に染まり、見るも無残に敗れていた。
左足も折れてたような気がする。
今まで見たどんなグロ画像よりもグロいのが画面に写ってた。

また落ちるのかと思ったら、フェンスを登る直前に動きが止まり、画面を振り向いてきた。
その時に初めて顔を見たのだが、両目が無かった。

正しくは「両目がある場所が空洞になっていた」感じかな。
そしてそのまま画面に向かって歩いてきた。

カメラは人の胸の高さ150cmくらいに固定してたので、女性が近づくと画面一杯に女性の服が映った。
写った部位は丁度乳〜鎖骨らへん。この部分も血まみれ&変色してグロかった。

女性が画面に近づいたと思ったら、カメラのアングルがスーっと上に上がった。
感覚としてはカメラを持ち上げた感じ。
そしてそのまま女性の顔のドアップが画面いっぱいに女性は何かぶつぶつ呟いていたが、よく聞き取れなかった。
口がボソボソと動いて、間違いなく何かしゃべっていた。
そしてそこで撮影が切れたようで、砂嵐になった。
当時は帰るまでキチンと撮影状態にあったので、なぜ勝手に撮影が終わってるのか、なぜ砂嵐になってるのか見当もつかなかった。

この映像を見た後、二人でしばらく凍ってたが、とりあえず寝て明日教授に見せようと結論を出したところで、お互いに寝た。
友人は二階の寝室へ、俺は布団+タオルケットで寝た。
精神的に疲れてたせいか、すぐに眠れたと思う。

ふと目が覚め、首を動かして時計を見たら4時ちょっと前だった。
俺は寝る時に横を向いて寝る癖があるのだが、その時に人生で初めて金縛りにあった。
テープは今も友人が保管中(先日実家に戻った時にその話題になって確認済み)

首を動かして時間を確認し、またもとの位置に戻した時に金縛りにあった。
目の前には足が見えた。

目しか動かせる状態で、視線を↑に向けると白いヒラヒラしたのが見えた。
「あー、ビデオに写ってた女性か」俺は冷静にそんなことを思ってしまったのを覚えている。

目は閉じようと思っても閉じられなかった。ただ、瞬きだけはできた。
スカートを確認し、視線を目の前の足に戻した所で、女性の足を血がツツーと流れ落ちてくるのが見えた。
布団はみるみる染まって行き、だんだんと染みが広がっていく様子が分かった。
横を向いてる俺の耳〜頬にかけても、血?が垂れてきてた。

血と分かった理由は、明らかにヌルっとしていて、生暖かかったからだ。
それがポツポツと垂れてくるのが分かる。

もう((((;゚Д゚)))ガクガクブルブルしてしまい、パニック状態だった。

もう帰ってくれと思った時に、目の前にビデオでアップになった女の顔が現れた。
正確には、「俺の枕もとに立ってたが、立ちながら俺の顔を覗き込むようにして見て来た」そんな感じ。
鼻と鼻がくっつきそうな距離まで近づかれて、何かをブツブツ言い始めた。
この距離でいても、鼻息どころか声を出した時の息さえ感じなかった。

最初は何を言ってるか分からなかったが、徐々に聞き取れてきた。

「・・・見てたよね?・・・ずっと見てたよね?・・・何で?・・・何で?」

この言葉を聞き取れた所で気を失ってしまったらしいorz 
気が付いたら時計を見た時から30分程時間が経っていた。
布団には血の後はおろか、足跡も何も残っていなかった。
恐る恐る布団を出て、友人の部屋に報告に行った。

友人の部屋に入ると、友人は部屋の隅で膝を抱えてうずくまってた。

「('A`)スンマセンデシタ・・・・」

こんなことを繰り返してた。
友人を連れて下の部屋に下りて、明るくして落ち着かせたところで話を聞いた。
友人は寝る時には仰向けになって寝る癖があるらしく、当時もあお向けで胸元までタオルケットをかけて寝ていたそうだ。

ふと夜中に目が覚めたら金縛りにあってたらしい。
動けない!と思った時に、両足を誰かにつかまれたそうだ。
その手は血のようなものでヌメってたらしく、非常に気持ちが悪かったと言ってた。

その掴んでる手がどんどん上に上がってきたそうだ。
足首→もも→腰→胸元・・・と、どんどん布団の中から這い上がってくる感じ。
 ___ ←布団
 ○□= ←何か
●■=  ←友人

丁度こんな感じで布団と友人の間を上がってくる感じ。

視線を胸元に移したら、何かがこっちを凝視してたそうだ。
それで怖くなり目を閉じたらしい。

その直後にガバっと一気に這い上がってきて、顔を付き合わせるような感じになったらしい(そういう気配がしたそうだ)。
びっくりして目を開けると、目の前にはビデオに写ってた女性がいた。
俺の時と同じように、何かブツブツとしゃべってたらしいが、友人には聞き取れなかったらしい。

友人の記憶はそこでプッツリと途切れて、俺が部屋に来た時になぜ部屋の隅にいたのかさえ覚えていなかった

その日のうちに大学の教授にビデオを送り、この体験を話した後で「自己責任で見て下さい」と付け加えた。

数日後に教授から電話があり、「お前たちだけしか写ってないぞ?」と言われた。
夜中にも変なことは起きなかったようで、俺と友人の話は鼻で笑われたorz

それ以来このビデオは誰にも見せておらず、友人が今も保管している。
俺も友人もその日以来その女性の霊?には合ってないし、変な体験も無い。
・・・その日以来霊感が少しばかり強くなった気がするけど(;´Д`)
以上が俺が昔体験したヤバスな出来事。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
今日も残業を終えて、いつもの帰り道、時間は23時を少しまわっていただろうか、最寄の駅である吉祥寺を降り、ネオンと若者たちの嬌声をあとにしながら、自宅のある井の頭に向かう。

ファッションビルの横の路地入ると、薄暗い旅荘などの看板を横目に坂道はゆっくり下っていく。
突き当たりは、都内でも有数な大きな公園で、そこまで来ると、先ほどの吉祥寺の喧騒が嘘のように水辺に浮かぶ鳥の羽音と少しばかりの木々のささやきが聞こえるだけである。

点在する水銀灯下のベンチでは、まだ肌寒いであろうこの季節の中で二人が肩を寄り添っている。
遊歩道を池の手前まで来ると、そこの茂みの所でなにやらうごめく影を見つけた、その影までは離れてはいたがよく見ると、男性の後姿だった、なにやら探しものをしているようだった。

昼間であれは単に通りすぎてしまうであろう光景だったが、この深夜帯である、ふと、立ち止まって「こんな時間になにをしているのだろう」とタバコに火つけながらその後姿をしばらく見ていた。
潅木や植え込みを掻き分けて何かを探し回り、時としてゴミ箱さえも覗いているようであった。
ただ、その動きがどことなくぎこちなく、足でも怪我をしているのかとも思えた。

タバコをもみ消して、まあ、こえをかけるほどのことでは無かろうかととまた、歩き始めた。
池を横断する時に、なにかに追い越される感覚があったが、いまそこを歩いているのは自分ひとりである。
池を渡り、小さな売店のところを抜けると先にはもう住宅街が見えてくる。すると、今度はもう目と鼻の先でしゃがみ込んで何かを探している男の姿がそこのあった。

一瞬立ち止まったが、思わず声をかけてしまった。
「なにか探し物ですか?」
男は、こちらには後姿のまま、はりのない声で「ええ、片方なくしてしまって、ずっと探しているんです」
靴かなんかですか・・。と声をかけると「ええ、まぁ」とあいまいな返事が返ってきた。

私はその男に背を向けて、反対側の植え込みの下あたりを、形だけでもと書き分けてみた、暗い中で何か見つかるはずもなく、1,2分も経ったろうか、私は「ありませんねぇー」と言いかけながらうしろを振り向くともうその男の姿は無かった。
その時になって初めて、先ほど池の手前にもいたであろうその男のことを思いつき思わずそこを駆け出してしまった。

100mも走ったろうか、警報機がなって、遮断機が降りた踏み切りまで来て、息が切れて立ちどまった。
そこはもう自宅の見える踏切だった、向こうには商店の明かりと自動販売機の明かりが見えている。
少し震えながらもタバコにひをつけると一掃落ち着いた、「さっきのはなんだったんだろう」
踏み切りはなかなかあかなかった、そして電車が来る気配も無かった。

その時、後ろから何かが追いつく気配があった、しかし振り向く勇気は無かった、それが真後ろから真横に並んだ、前を向いたまま金縛りのようにもう動けなかった。
そして聞こえた「探してくれてありがとう」えーと思ってよこを向くと男が立っていた。

しかし男には首から上と足が無かった。

私は今入院しています、もう二度とあの道は通らないのでわかりませんが、あの男はまだあの公園今でも探し物をしていると思います。

「なぜって」

だって、まだあの事件の頭と足は見つかっていないだろう?
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
自分は霊感ないけど、勤めている店の店長に聞いた話。

北陸地方に赴任した店長は、○県の有名大型スーパー内のフロアに所在する支店勤務になった。
このスーパーは以前墓場だったものを更地にして建設したらしい。
店長が勤務していたのは生活用品を重点的に扱っているショップだが、布団等を展開している什器の壁面の隅が異様に汚く、照明が切れているわけでもないのにそこだけ陰鬱な雰囲気が漂っていたそうだ。

スタッフは何故か誰も商品整理に行きたがらない。
什器の配置が悪くて雰囲気が暗く見えるのかもしれない、と思った店長は汚れた壁面の隅を隠すように什器を配置し直した。
するとその日から壁面の照明だけが何度交換しても三日と持たず切れてしまうようになった。
不可解に思い始めた店長に、休み明けで出勤した一人の霊感スタッフ(←氏子の娘だそう)が告げた。

「あそこの壁は霊の通り道だから、塞いじゃ駄目ですよ。今、何体も上に集まってきてて天井凄いことになってますから」

店長は慌てて什器の配置を元に戻したそう。

店長は、何かの気配を感じる? くらいの少々の霊感はあるらしい。
閉店間際に客の居なくなった店内で学生スタッフと談笑中、店長は冗談で

「ここね〜出るんだよ」

と学生スタッフを悪戯に脅かして笑った。

直後店のFAXが鳴った。
出てきた用紙は差込口からバラバラに千切れて排出されていた。
試しにFAXで書類のコピーをとってみたが、何度やっても紙がバラバラに千切れて排出される。
その日店を閉めて帰ろうとした店長を、霊感スタッフは密かに注意したらしい。
「冗談でもああいうこと云って笑ったらヤバイですよ。さっき女の人が店長のすぐ横に居て、凄い顔で睨んでました」

どうもそのショップ、というかスーパー内には複数の地縛霊がいるらしく、午後四時になると必ず赤い服を着た女の子が現れ壁に消えたり、ショップとショップの間の細い通路に、でんぐり返しのような状態で床に額を擦り付けうずくまってる異様な男の子を双方のショップスタッフが目撃したり。

こんなこともあった。
ショップの脇には非常階段に隣接する通路が設置されていた。
そこに什器や商材のストックを置いていたが、管理者から怒られたので、全て片付け通路を空けた。
するとそこが「霊の通り道」だったらしく、塞いでいたものをどけることで「霊の通り道」を必要以上に広くしてしまったらしい。

次の日からは霊感の有無に関わらず、スタッフ全員が何のフィルターもなくクリアな状態で「見える」ようになってしまったそうだ。
霊を客と間違って「いらっしゃいませ〜」って云ってしまったり、「すいません」って呼ばれて振り向くと誰も居なかったりって状態が一週間ぐらい続いたらしい。什器は再び通路に戻された。

店長がいうには、いわくつきの場所に建てられたわけじゃなくても、ショップって必ず一体くらいは霊がいるらしい。
今の店にも、子供の霊がいるそうで、閉店近くになると一人で業務する自分は、いつか遭遇してしまうんじゃないかと(((( ;゚д゚))) 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
昨日テレビを、吸い寄せられるように付けたらですね、「芸人都市伝説」っていうやつがやってました。
私、オカルト系(怖い話)が結構好きでして、修学旅行では、怪談話ワンマンショーをやったほどなんですけれども。
夏になったら、怪談企画をお届けしたいと思っております。
それでまあ、その中でダイノジ・大谷さんの都市伝説が面白かったので、ご紹介いたします。

「霊能力者の見分け方」

目をつぶって集中して、頭の中で自分の実家をイメージしてください。
そして、イメージの中で玄関から実家に入って、家の中の窓を全部開けてまわって、全部あけ終わったら、閉めてまわってください。
それをイメージしてる間、家の中で誰ともすれ違わなかったら、貴方には霊感はありません。
もし、家族や動物など、誰かとすれ違ったら、貴方には霊感がある。
もしくは霊に取り憑かれている可能性があります。

・・・という話を大谷さんが色んな人にしていたところ、ある女の人が言いました。
「やってみたら何か知らないおじさんが出てきて、しかも足首をガッと掴まれて、何言ってるかよく分からないけど、『オケッケ、オケッケ』(舌足らずで「オ」なのか「ア」なのか判断できない)みたいなことを言ってる」と。
それを聞いた大谷さんは「それはかなり霊感が強いのかもね」なんて答えて、話を切り上げようとした時、

ピリリリリ、ピリリリリ

女の人の電話がなりました。「親戚のおじさんが亡くなった」という電話でした。
そして、葬式に行ってみると亡くなっていたのは『あの』おじさんでした。
びっくりした女の人は、他の親戚に事情を話すと、「おまえは小さい時にバレエをやっていたろう? それを応援していたのが『あの』おじさんで、会ったこともないおまえにシューズを送ったりしていたんだよ。
おまえが踊るところを見たがってたし、『オケッケ、オケッケ』っていうのは『踊って、踊って』って言ってるんじゃないかねえ……」

葬式の終わった夜、女の人は金縛りにあったそうです。
そして、夢には実家の光景と『あの』おじさんが。
またしても『オケッケ、オケッケ』と足首を掴まれるも、一度経験しているし、親戚の話からおじさんがなにを言いたいのかも分かっていたので、夢の中でも落ち着いて

「おじさん、私はもう小さい頃にバレエは辞めたから、もう踊れないんだよ」

とおじさんに言いました。
しかし、おじさんは足首を離さず『オケッケ、オケッケ』と繰り返します。
先ほど書いた、「オ」なのか「ア」なのか判断できないその声をよーく聞いてみると、明らかに「踊って」とは言っておらず・・・


「代わって、代わって」


・・・つまり「おまえが代わりに死ね」と言っていました。
目を覚ました女の人の足首には掴まれた後のような、アザができていました。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
ある都市郊外の小学校。六年一組の教室。
ここに気が弱く、いつもいじめられている少年がいた。
彼の名は性格を表わすかのように内木といった。

物語はこの教室の一角から始まる。それは休み時間のことだった。

「このやろー!」

ボカッ!

「うああっ!!」

体格のよい、このクラスの番長的な存在、蛭田。
内木は彼に思い切り殴られた。口元に血を垂らし、内木はか細い声で言う。

「ひ、蛭田くん・・・ぼく何にも悪いことしていないのに、どうして殴るんだよう・・・」

蛭田は内木の顔にツバを吐いた。

「そんなこと知るかよ!とにかくムシャクシャしたときはテメエを殴れば気が済むんだよ!パンチバッグの代わりだぜ!ギャーハハハハ!!」

蛭田の子分の二人の少年、高橋、中村も一緒になって笑った。
内木は何も言い返せず、ただ泣いていた。

「う、ううう・・・」

「あいつら・・・」

そんな様子を苦々しく見つめている少年がいた。彼の名前は牧村。
彼も元はいじめられっ子であった。高学年になるにつれ体つきが大きくなり、六年生になってからは自分はいじめられることがなくなっていた。
しかし彼は内木の辛さが痛いほどに分かった。そして助けてやることのできない自分を恥じていた。

内木を殴り気の済んだ蛭田は内木の元を離れた。
牧村が内木に歩み寄って行く。
「大丈夫かい、内木くん」

「う、うん・・・」

口の根元を切り、まだ血が垂れている。牧村はティッシュを渡した。

「ありがとう、牧村くん・・・」

「・・・内木くん、先生に言おう。もうそれしかないよ」

「で、でもそんなことをしたらボクは余計に・・・」

「だからと言って、このままじゃヤツらのイジメはエスカレートする一方じゃないか。ボクも一緒に先生の所に行くから」

内木の顔には戸惑いが見える。

「さあ行こう、内木くん」

内木は小さくうなずいた。

職員室、彼らの担任、岩本のもとへ二人は行った。
先生なら助けてくれる。そう願い二人は岩本に全てを打ち明けた。だが岩本の反応は冷たかった。

「なんだ内木、おまえそれでも男か!そのくらい自分で解決してみろ!先生にそんなことですがるんじゃない!」

内木はただ下をうつむいていた。

「そんな・・・」

牧村は岩本の答えに落胆した。
二人は職員室を後にした。だが運の悪いことに、職員室から出てくる様子を蛭田に見られてしまった。
「あいつ・・・先生に言いつけたな!」

その経緯も手伝い、牧村の危惧していた通り徐々にイジメはエスカレートしていった。

休み時間、内木がトイレに行こうとしても行かせてもらえない。
授業中、がまんの限界にきていた内木は股間を押さえ苦しんでいた。彼の後ろの席に座る蛭田が言う。

「おい、内木、授業中に便所なんて行くなよ。みんなが迷惑するだろ・・・」

だが内木には、蛭田のその言葉に返事ができるゆとりが無かった。

「おい、分かってんのかよ!」

とがったエンピツの先を内木の背中にザクリと刺した。

「ヒッ!!」

彼はたまらず、小便を漏らしてしまった。

「ああ、汚ねえ!先生、こいつションベンもらしたぜ!!」

かねてよりの計画だったのか、牧村の止める間もなく、すかさず蛭田の子分、高橋と中村が内木のズボンを下ろして下半身を露にしてしまった。

「アッハハハハ!!」

「きたなーい!」

心無いクラスメイトたちの嘲笑と侮蔑の言葉が内木を切り刻む。

「あああ・・・」

内木はしゃがみこんで泣いていた。牧村は無念そうに彼を見つめる。
彼にはこの状況で内木をかばうほどの度胸は無かったのである。

イジメは蛭田と子分二人だけではなく、やがてクラス全体に伝染していった。
給食の時、当番の配膳に内木が並んでいると、当番の者はわざと内木の食事を床にこぼし、それを土足でふみつけ、それを皿ですくいあげ、彼に渡した。
戸惑う彼に、当番の者は複数で内木の口をこじ開け、無理やり食べさせた。

そのおり、いや彼はいじめられている時、牧村にすがるような視線を見せた。
しかし、牧村にはクラス全員を敵に回しても内木を救う度胸は無かった。
その視線に気づかないふりをして、そして自分は決していじめる側に転じないことだけで精一杯であった。

彼は知らない。
イジメを見て止めなかった者。その者もイジメを行っていると同様だということを。

そしてある日、この日はクラスで実力テストが行われる日であった。
担任の岩本は前日にエンピツを削ってくるようにと生徒たちに伝達していた。内木はその言いつけを守り、ちゃんとエンピツを削ってきた。
蛭田の子分、高橋がそんな内木の筆箱を開けた。

「どうだ、内木ちゃんとエンピツを削ってきたか」

高橋は削ってあるエンピツ数本を握った。

「あ、高橋くん、何を」

「なんだよ、削ってねえじゃんかよ!!」

ボキィ!

高橋は内木のエンピツすべてを叩き折った。

「ああ!」

この時は牧村も勇気を出した。自分の削ったエンピツを持った。

「内木くん!ボクのエンピツを!!」

だが、その牧村の肩を蛭田が押さえた。
「牧村」

「う・・・」

「このクラスで内木の味方をする者はお前だけだぞ」

いつの間にか、クラス全員が牧村を睨んでいた。
驚くことに、女子に至るまで全ての人間が牧村を睨んでいた。

「テメエも内木と同じように総スカン食らいてえのか?」

「うう・・・」

蛭田に睨まれ牧村は動けなかった。
これ以上、内木の味方をすることは許さない。蛭田はそう言っている。

牧村は内木にエンピツを渡せなかった。

やがて担任の岩本がやってきた。
答案用紙は配られ、今は裏返しで机の上に置き、岩本の「始め」の指示を待つだけである。
その前に岩本は一人一人の机を見て回った。

「どうだ。エンピツは削ってきたか。・・・ん?」

岩本は内木の机で止まった。

「なんだこのエンピツは!」

内木は勇気を出して言った。

「た、高橋くんに折られてしまいました・・・」

そう蚊の鳴くような声で訴えた。岩本は高橋を見た。

「高橋、本当か!?」

「ええ〜ボク知りませんよ〜」

うすら笑いを浮かべて、高橋は否定した。

「じゃ、じゃあ牧村くんに聞いてください」

「おい、牧村、お前知っているか」

内木は牧村を祈るように見つめた。同時にクラスの睨む視線が牧村に集中する。
ここで内木を弁護すれば、明日から自分も内木と同様にいじめられる。
そう思った牧村の口から出た言葉。
「知りません・・・」

その言葉を聞いて内木の顔から血の気が失せた。

「そ、そんな・・・」

「バカ者!」

バシィン!!

追い討ちをかけるように岩本の平手が内木の顔に叩き込まれた。

「クラスメイトに責任を押しつけるなんて最低な行為だぞ!お前はテスト白紙で出せ!!」

クラス中の嘲笑が内木の耳に響く。
内木の頭の中はもう絶望で一杯だった。

そして何事もなかったようにテストは始められた。
筆記用具のない内木にはテストに答えを書くことができない。真っ白な答案用紙の裏面をただ見つめていた。

やがて彼は回りに見つからないように、折れたエンピツを自分の右手に刺した。心の中で彼はこう叫んでいる。

「ちくしょう!ちくしょう!ちっきしょう!!」

声にならない叫びを、自分の手に叩きつける。彼の右手は血に染まった。

「ううう・・・」

血に染まった自分の手のひらを内木は見つめた。

テストも終え、その日の授業はすべて終えた。
牧村は内木に合わす顔もなく、すばやく帰ってしまった。

蛭田たちは岩本に「高橋くんに折られた」と言った事が気に入らなかったらしく、内木を袋叩きにするため彼を探した。
しかし内木はどこにもいなかった。まだ机には彼のランドセルもある。
しばらく内木を待ち伏せしていた蛭田たちだったが、夕刻を過ぎても内木は現れず仕方なく彼らも帰ろうとした。

「今日の分も、明日やってやればいいじゃん。帰ろうぜ」

子分二人もそのまま蛭田に続いて帰宅した。
その日、岩本は当直だった。この小学校は当時まだ教員が交代で当直を担当していたのである。
岩本は本日に行われたテストの採点を行っていた。

「阿部・・・75点と・・・ん?」

白紙の答案用紙があった。しかし裏面に赤い文字で何か記されている事が分かった。

「なんだ?」

岩本は答案を裏返すと息を呑んだ。
そこには血文字でこう書かれていたのである。

「みんなころしてやる」

「これは血文字?内木め、悪ふざけしおって!明日は灸をすえてやらねばならんな」

やがて校内見回りの時間となったため、岩本は懐中電灯を片手に校内を回った。
見回りをはじめてしばらく経ったころ、ある一室から物音が聞こえた。

ゴトリ・・・

「なんだ?」

岩本はその一室に入っていった。理科準備室である。

準備室に入ると、何故か岩本の持つ懐中電灯は消えてしまった。
スイッチを何度押しても点灯しない。やむなく彼は愛用のジッポライターを着火した。

ボッ

「うわ!」

少し明るくなった室内で岩本が見たもの。それはヒトの形をした人形だった。

「な、なんだ。人体標本か・・・驚かせやがって・・・」

そう岩本が安堵したその直後だった。

ガターン!!
一つの首吊り死体が岩本の背後に落ちてきた!
太いロープで自らの首を絞めぶら下がる死体であった。

「げぇ!内木!!」

岩本は驚きのあまり、思わず持っていたジッポライターを手放してしまった。
ライターは床にポチャンと落ちた。何かの液体がまかれていたようである。灯油だった。

ボォン!!

「ウギャアアアア!!」

理科準備室は火の海となり、翌日、内木と岩本の黒コゲの死体が見つかった。

理科準備室からは、それから不思議な声が聞こえだした。

「ころしてやる・・・みんなころしてやる・・・」

牧村のクラスでは当然、その話が噂となる。
休み時間、牧村はクラスメイトとヒソヒソとその話をしていた。

「おい牧村、知っているか?理科準備室から内木の声が聞こえるらしいぞ」

「うん・・・」

「『ころしてやる・・・』とか言っているそうだぜ・・・オレたち呪い殺されるのかな」

準備室から内木の声で『ころしてやる』と聞いたのは一人や二人ではない。一組の人間、何人も聞いていた。
いじめていたのは全員。牧村も例外ではない。いつ自分が教師の岩本のように殺されてしまうのか、たまらない恐怖であった。

「バカヤロウ!お前ら何言っているんだ!」
牧村たちの話に蛭田が入ってきた。彼も少なからず怯えの表情が見える。

「こ、腰抜けは死んだって腰抜けだ。何もできやしねえよ。ハッハハハ」

「ん?」

牧村には蛭田の首に何かが見えた。

「な、何だ?」

目を凝らして見つめると、それはロープだった。
しかし、蛭田も周りもそのロープに気づかない。牧村にしか見えないのだ。
ロープは蛭田の首に巻かれ、その端末は上に伸びている。そしてその端末を握っていた者。不気味な笑みを浮かべて、ロープを握っていた者。

内木だった。

「うわあ!」

牧村はその光景を見るや、脱兎のごとく教室から出て行った。
寒くもないのに歯がガチガチと震え、恐怖のあまり失禁もしていた。
55 削除済
そしてその日、蛭田は下校中に四トントラックにはねられ即死した。

理科準備室からは、まだ内木の声がかすかに聞こえていた。

「ころしてやる・・・みんなころしてやる・・・」

クラスの誰もが口には出さずとも思っていた。次に殺されるとしたらアイツらだ、と。
蛭田の子分だった二人の少年、高橋と中村。
二人は朝から怯えた表情をしていた。
彼らも蛭田が死んだのを見て、内木の復讐の呪いがどれだけ恐ろしいかを知った。
今度ころされるのは自分たちだ。彼らの冷や汗は止まる事はなかった。

そして牧村には再び見えたのだ。
高橋、中村の首にロープが巻かれているのを。そのロープを笑みさえ浮かべて握る内木の姿を。

そしてその日、高橋はグラウンド整備用のローラーに巻き込まれて即死。
中村は清掃の時間中、三階の窓を拭いているときに転落し、死亡した。

牧村は翌日から学校へ行かなかった。
自分の部屋に閉じこもり、出ようとしなかった。

(次はボクだ!次はボクなんだろう!内木くん!)

布団の中でブルブルと震える牧村。死の恐怖に押しつぶされそうだった。

(あの時、『知りません』と言ったのは謝るよ!ごめん!だから助けて!ボクをころさないでよ内木くん!!)
しかし蛭田、そしてその子分の高橋と中村が死んでより、理科準備室から内木の声は聞こえなくなった。
また死者も出ず、内木の自殺から異様な雰囲気であった六年一組の教室に静けさが戻りつつあった。
牧村も落ち着きを取り戻し、内木の復讐の呪いは終わったのだと解釈し、再び学校に登校した。

この日は遠足である。
集合場所でもある一組の教室に牧村は久しぶりに入った。
今までの不登校の負い目を拭い去るかのように牧村は元気良く教室のドアを開けた。

「みんな、おはよう!」

クラスメイトたちは久しぶりに登校してきた牧村を温かく迎えた。
牧村が内木の復讐を恐れているのは誰もが知っている。

「よう牧村、久しぶり!」

「何よ、牧村くん、少し太ったんじゃない?」 

クラスメイトの反応にホッとしつつ、牧村は背負っていたリュックを降ろした。
クラスメイトたちは遠足の期待に浮かれ、バスの到着を今か今かと待ちわびていた。

だが、牧村にはまた見えてしまった。
クラスメイト一人一人、全員の首にロープが巻かれている。女子も例外ではない。全員にである。
誰一人、そのロープに気づかない。牧村にしか見えないのだ。
クラス全員の首にロープを束にして持っている者。それは内木だった。
「う、内木くん・・・」

空中に浮かぶようにして、内木の姿がある。ロープの束を持ち、笑う内木の顔がある。
これから自分をイジメぬいた者たちを皆殺しに出来る喜びか、内木の顔は喜色満面である。

内木は牧村を見ない。クラスメイトたちの首に巻いたロープを嬉しそうに見つめているだけだ。
牧村は自分の首にもロープがあるかを見た。牧村の首にロープは無い。
しかし彼は狂ったかのように首からロープを取り払うべく暴れだした。

「う、う、うわあああ!!」

突如に暴れだした牧村に、クラスメイトたちはあっけに取られた。

「牧村、どうしたんだよ?」

首に内木のロープが巻かれていると知らない牧村の友は怪訝そうに牧村に詰め寄った。

その言葉に牧村が顔を上げたときである。
その友の背後にはまだロープの束を持ち笑っている内木が牧村を見ていた。牧村と内木の目が合ったのである。

「ギャアアア!!」

牧村はリュックも置きっぱなしで教室を飛び出していった。
恐怖のあまり涙は流れ、小便と大便が垂れ流しであった。牧村は半狂乱状態で家に駆けた。
まだ終わっていなかった。内木の復讐は終わっていなかったのである。

その日、六年一組を乗せたバスは山の側道を走行中にガードレールを突き破り、谷底に落下した。
運転手、バスガイド、そして六年一組全員が死亡した。
ついに牧村以外は全員死んでしまったのである。牧村は怯えた。

「次はボクだ・・・次はボクだ・・・内木くんは最後にボクを殺す気なんだ・・・」

内木の復讐に怯える日々を牧村は送った。いっそ自分も死んだら楽になれると考えたほどである。
しかし彼は自分で死ぬことが出来なかった。

そして十年・・・

牧村はその後無事に小学校を卒業し中学、高校と進んでいった。もはや彼の頭の中にも内木の存在は徐々に薄れてきていた。牧村は現在二十二歳となっていた。
そんな彼の元に、一通の不思議な手紙が来た。牧村はその手紙を見て愕然とした。

『六年一組同窓会のお知らせ』

「そ、そんなバカな!」

牧村がそう思うのは無理も無かった。
六年一組で生きているのは彼だけである。あとは全員が死んでいるのだ。その彼の元にどうして同窓会の通知が来るのか。

しかし、彼は同窓会の会場に向かった。
牧村にはこの同窓会の知らせを無視する事が出来なかった。何かに手招きでもされるかのように、牧村は会場へと歩いた。
会場はかつて牧村が通った小学校。忌まわしい思い出ばかりのこの小学校へ牧村は卒業後一切近寄らなかった。しかし今、牧村は再び校門をくぐった。

時間は深夜0時。同窓会を行う時間としては適当ではない。それでも牧村は行った。
季節は寒い冬。牧村はコートの襟を立て、白い息を吐きながら、会場の教室へと歩いた。
カツーンカツーン。深夜の校内に牧村の靴音が冷たく響いた。

やがて牧村は見つけた。『六年一組同窓会会場』と案内の紙が貼られた扉を。
牧村はドアのノブを握った。ドアの向こうはシーンとしている。誰の気配も感じられない。

ギイ〜

牧村は会場に入った。
このとき牧村は気づいていないがドアに『六年一組同窓会会場』と貼ってあった紙、それが牧村が室内に入ると同時に剥がれ落ちた。
その紙はくるりと半回転して床に落ちた。それはかつての答案用紙。あの日、内木が自らの血で書いた文字が書かれている紙だった。

(みんなころしてやる)

会場、そこはかつて内木が首吊り自殺を行った理科準備室であった。室内は暗い。同窓会などやってはいない。
牧村は暗闇の中、ただ立っていた。そして徐々に見えてきた。

まるで綱引きにでも用いられる太いロープ。その端末は輪状となって結ばれている。それが天井からぶら下がっている。
その輪の向こう、うっすらと人影が見えてきた。牧村を見て、不気味に笑う者。

「待っていたよ・・・牧村くん・・・きみのロープだ・・・」

「うわあああああ!!」
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
あれは忘れもしない小学五年の夏休み前のことだ。
古い学校でな、創立88年って位のボロボロの学校だったんだ。
一応改築やらなんやらで生徒の手の届くような場所はコンクリートで塗り固められていたが 天井付近や天井は木造だった。今思うと変な感じだったよ。
んで、これまた年代物なプールがあるんだが、事件はそこで起こった。

いや、もう起こってたんだ。
今思えば始めに起きてたのが、プールで泳いだりなんだりとしていると足を捕まれる人が何人か出たんだ。
まあ怪談の類じゃよくある話だし、俺がいたクラスでそういう被害にあったって言う奴もお調子者な奴やちょっと意識過剰な奴とかだった。
先生も「フザけてるせいでいたずらされるんだろう」と笑い飛ばしたりしていた。

はっきりとした形として現れたのが、俺のクラスがプール授業の日だった。
その年に入ったばかりの新米の女のA先生(20歳かそこらで美人だった)が授業見学のような感じで来ていた。
授業は普通に行われて自由時間になったので担任やその見学に来てたA先生もプールに入ってみんなと遊んでいた。

突然A先生が溺れた。
正確には足がプール横にある溝に挟まって浮かんでこれなくなったらしい。
俺は近くにいなかったのでその場は見合わせていないが、担任や、近くにいた男子でなんとか足を溝からはずして、プールの上に引き上げたらしい。

A先生は無理矢理足を引っ張ったので捻挫(だったか?)とにかく怪我をしたということで保健室まで担任が連れて行った。
保護者がいないので俺らもプールから上がって着替えるように言われた。
俺の学校は、女子更衣室があったが男子更衣室がなかったので男子は教室で着替えていた。

着替えをしてる最中、A先生を引き上げたうちの一人が「うちのプール、溝なんてあったか?」と言った。
俺も溝なんて初めて聞いたし、そんなものあるなんて知らなかった。
クラスの連中も同意見だったようで誰も溝の存在は知らなかったらしい。
今考えると、人の足がハマるようなサイズの溝を学校が放置しておくだろうか?

そんな話をしながら着替えを終え、女子たちも戻ってきた。
A先生にいつもベッタリとくっついていた女子2人組みは半泣き状態になっていた。
女子も溝の件について同じような話をしていたらしく、男子、女子でお互いの話を繋ぎ合わせてみようということになった。

A先生から離れて遊んでた俺や数人のクラスメートは、A先生の溺れる状態を遠巻きみ見てるだけだったので自然と聞く立場になる。
溝から引っ張り上げた男子数人は声を揃えて「確かに溝はあった」。
足はプールの壁と壁の間に引っ掛かっていたし実際先生のくるぶしと足の指先を掴んで引っ張りあげた奴も同じ証言をしていた。

しかし女子の話によると、先生を助けた後にどんな溝かと確認したら、そんな溝は一切なかったという。
ただの平面で、プールの底面から壁に当たったらそのまま真横の壁のみだったという。
プールの側面を全体調べたわけではないがA先生のいた場所には溝はなかったそうだ。
そもそもプールの水深はA先生が溺れるほど低くはない。当時身長150cm満たない俺でも肩は出るくらいの水深だ。
女性とはいえ、そんな俺よりも背が高かったはずのA先生が足がプール如きの溝に挟まったくらいで溺れるだろうか?
ああでもない、こうでもないと男女で揉めてる所に、A先生にベッタリだった女子2人(この子らもちょっと関係あるのでB、Cさんとする)のうちのBさんが、半ベソかきながら

「・・・・・顔があった」

と言った。

その言葉を聞いたCさんが凄い怖い顔をしながら

「Bちゃん!!」

と叫んだ。あの顔はたぶん一生忘れられない。怖かった・・・。

顔とか言われて何が何だかわからないし、ちょうど男女が揉めて騒いでる中だったせいもあって誰も聞いてなかったようだが、CさんのBさんを一喝する声のせいで全員が静まった。

「顔ってなに?」

誰かが聞いたけど、BさんもCさんも二人でボソボソと言い合いをするだけになって返答はこなかった。

二人とも元々微妙に人と接しないような性格をしてて二人だけの世界を共有してるような雰囲気がいつもあったので、これ以上二人に触ってもしょうがないっということになりそのまま流すことにした。

とりあえずA先生を心配している女子と好奇心強めな俺と男子数人で、保健室まで見舞いにいくことになった。
A先生は保健室にはいなかった・・・
保健の先生曰く、足の怪我が酷くてここでは応急手当しかできないので病院まで搬送してもらったと言う。
子供ながらに俺たちは不信に思った。

A先生は2日後に学校に戻ってきた。
ちょっと話を前に戻す。A先生が戻ってくる前の話だ。

学校では放課後になればプールが自由解放されていたが、A先生が溺れた日は学校側が調査のためだとかいう理由で解放されなかった。
しかし、俺や溝から先生を助けたクラスメートで本当に溝はあったのか?という好奇心を抑えきれず、放課後にちょっと忍び込むことにした。

プールのフェンス自体はそんなに高いもんじゃないので、簡単に乗り越えられた。
中に入ると、プールの水は全て抜かれていた。
溝は・・・・・なかった。

話をA先生が戻ってきた日に戻す。

A先生はおかしくなっていた。
はっきりとではないが顔も違う感じになっていて、前の印象はなかった。
ソレは日に日に状態が悪くなっていった。
色々変な行動があったが一番印象に残ってるものは、給食運搬用の台をリアカーのように押しながら俺の教室の前で止まり、BさんとCさんに目を向けて手招きしていた。無表情でだ。
担任の先生が苦い顔をしながら教室を出て行き、A先生をどこかに連れて行っていた。

六年生の水泳授業の時に、A先生が俺たちの授業の時のように見学にやってきたらしい。
前科もあるのでA先生は他の先生にプールに入るのは堅く止められたらしい。
その日のA先生はおとなしく座っていたらしかったが、溺れてからおかしくなったA先生にフザけてちょっかいをかけようと六年の男子生徒が

「せんせー。溺れた場所ってあそこー?」

とか聞きながらA先生に近寄ったら、A先生の足にはとうもろこしを押し付けたような後がいっぱいついていたそうだ。
ちなみにA先生はその場でニコニコしてるだけで何も言わなかったらしい。
その話を1年違いの兄弟がいるクラスの誰かが聞きつけて、うちのクラスでは瞬く間に噂になっていった。
足を小さな子供の霊に捕まれた跡だとか、溝が異次元と繋がっててそこに行った証だとか。
話が広まりまくって担任の耳にでも入ったのか、担任が「人の陰口を叩くな」と怒っていた。

数日経ったある日のこと。
俺と友達数人で、さぁ帰ろうかと授業道具をランドセルに押し込んで教室を出た。
廊下の奥の方で誰かがうずくまっているように見えた。
出口に行くにはその廊下を突っ切っていくしかないので、そのまま廊下を進んでいった。

A先生だった。
A先生はなぜか廊下に大量の教材を撒きながらペタリと座り込んでいた。
うずくまってるように見えたのはこのせいだと思う。

「あら、おはようございます」

A先生は放課後なのに朝の挨拶を俺たちにしてきた。
A先生は気分がいいのかどうかわからないが、授業はどうだとか、学校は楽しいかとか、いじめはないかなど色々聞いてきた。

わりと普通に話せる様子だったので、思い切ってA先生に足のことを聞いてみることにした。
ただ、まさか足をいきなり見せてくれとも言えない(恥ずかしいし)ので、「靴のサイズいくつですか?」とか、子供なりに遠まわしに聞いていった。

なんて言ったのかは覚えてないけど、友達が機転を利かせて足を見せあうように仕向けた。
A先生は溝にハマった足の方をズボンをちょっとまくりあげて見せてくれた。
たくさんのデコボコの跡があった。

確かにとうもろこしを押し付けた跡、に見えなくもない。
でもあれは口を「イーッッ!」って引っ張ってそのまま足に押し付けたような歯型だった。
前歯や八重歯みたいな跡がクッキリついていて、大量の歯型を押し付けたような跡だった。

A先生がソレを見せて、俺たちが認識した瞬間を見計らったかのようにクスクスと静かに笑いだした。

怖くなった俺たちは一気に校門まで逃げ出した。
全員事もあろうに上履きだった。それほど必死だったんだと思う。

「あれ歯型だよ!」

「ドクロの歯のとこ押し付けたみたいな跡!」

「あの人ヤバイって!」

上履きで出たけど誰も戻ろうとは言わず、その日はそのまま上履きで帰った。

次の日、A先生は至って普通だった。
おかしいままだけど昨日の事は何も知らないといった素振りだった。
ただ、ここから学校全体への異常が始まり出し……

OK。すまんかった。パソおかしすぎ・・・・('A`)
続きいきます↓

次の日、A先生は至って普通だった。
おかしいままだけど昨日の事は何も知らないといった素振りだった。
ただ、ここから学校全体への異常が始まり出した。

図書室の本が全て逆さまに並んでたり、校庭のど真ん中に理科室のビーカーやフラスコが大量に割れてたり、朝来るとカラスやハトが必ず学校に何匹か入ってきていることも何週間か続いた。
タチの悪いいたずらって事で学校側は用務員に夜の見回りとかをさせていたが、結局犯人は見つからず、変ないたずらが続いていた。

俺のクラスでは「きっとA先生が犯人だ!」と話が持ちきりになっていた。
歯型の一件以来、俺と友達が話の中心になっていた。
そういった噂めいた話は人の好奇を引くせいか、A先生観察隊など名乗り出す連中もいた。
学校から家まで跡をつけるとか言っていつも見失っていたが・・・・

忘れもしない7月22日。A先生が死んだ。

死因は変死らしいが、詳しい原因はわからない。家で死んでいたそうだ。
ただちょこっと新聞にも載っていた(母校バレるんで調べないでほしい。検索かけても出てこなかったから大丈夫とは思うが)。
クラスの女子がA先生のこと書いてる、と言って新聞の切り抜きを持ってきていた。
小さな枠に「小学校の教師変死」という見出しで6〜7行書かれてた。

なぜ死んだ日を明確に覚えているかというと、その次の日(7月23日)に水泳の授業があって、Bさん、Cさん、俺と、A先生の足を見た友人が揃いも揃って、プールからあがるとあのA先生についていた歯型がついてた。
足を引っ張られたとか、溝が出てきたとかはなかった。

みんな気味悪がって俺らを避けてくれた。
余談だがそのせいでその日楽しみにしてた給食のチーズハンバーグが俺と友人だけなかったのは忘れんぞ!

俺ら自身も気味悪くて、皆で相談して担任に相談しにいった。
担任は俺らの話を聞くなり、すぐに車を出してどっかの寺に連れてかれた。
「どこ行くの?」とか聞いても「後で話す」の一点張りだった。
寺につくと、急いで本堂のような場所に連れてかれた。

一休さんに出てくるような住職みたいな人に、「こいつらかぁ!こいつらかぁ!」と言われてTVでよく見る渇を入れる棒みたいなので、俺と友達が肩を叩かれた。
俺はワケもわからずとりあえず怯えてた。
BさんとCさんの方は住職が一瞥して「魅入られたか・・・」とボソリと呟いた。

その後、俺と友人、BさんCさん、と分けられ別々にお経を唱えられた。
お経の種類が違ったのかもしれない。

お経が終わったあと住職の爺さんに

「人の噂は人の恨みになる。好奇心で近づくな。喋るな」

と教えられた。妙に心に染みた。

Bさんは残って、俺と友人とCさんだけが担任の車に乗って学校に戻された。
そのあと職員室の奥にある応接室の方に連れてかれて、担任から事情を聞いた(小五の頃だから詳しいことは聞けなかったけど)。

「ここからは先生の独り言だから、ただの戯言だ。でも口外はするな」

という前置きだった。
子供の俺でもちょっとした緊迫感が伝わってちょっと怖かった。

「憑き護」って知ってる人いるかな? 読み方はツキゴ。
担任曰く、A先生はその憑き護だったらしい。
憑き護っていうのは簡単に言うと生きた守護霊みたいなものらしい。
普通に生きてて、人を護ったりするけど、かと言って霊でもないらしい。
土地守とかに近い存在らしくて、要するに不幸を被る避雷針みたいな人なんだそうだ。
どこかの家計にそういうのが強く現れるのがあるらしく、鬼門、霊道、etc。
とにかく霊的なモノで、普通の人には手がつけられないような場所にそれとなく住ませるそうだ。
京都の方や奈良とかに憑き護は多く住まされてるとも聞いた。

担任の話に戻る。

理由は不明だが、プールでの怪異は大昔からあって足を捕まれたりとかは本当にあるらしい。
それで溺れて大変な事件になったとかも結構頻繁にあったらしい。
困った学校側がA先生が憑き護だったのを調べて学校に採用したそうだ。

そして問題の日、A先生はたぶん憑き護として俺たち生徒の避雷針代わりに「プールの何か」に捕まれたみたいだ。
その後は実際には病院に搬送されたのではなく、俺たちにお経を唱えてくれた住職のところに行ったそうだ。

その「プールの何か」がよっぽど強かったのか、A先生が耐え切れなかったのかはわからないが、とにかくA先生はソレに負けたらしい。
学校としては憑き護によって怪異から解放されると思ったようだが、逆に憑き護がダメになってしまったとのことだ。
はっきり覚えてないが話を聞いた時、俺と友達、Cさんは泣いたと思う。
A先生の足についた歯型を見た後の学校で起きたいたずらはたぶん、憑き護のA先生が護りきれなくなり今までおとなしくしてた何かが暴れたせいだと子供ながらに解釈していた。
今でもそう思う。

最初のうちはA先生はヒーローみたいな存在で俺たちを護ってくれてたんだよ。とか誰かに話そうと思ったが、俺は今まで守ってくれてた人をおかしな人呼ばわりしたりいたずらの犯人に仕立てあげてたのだ。そう思うと心が痛くなった。
誰かに話す気はすぐに失せた。罪悪感が強く残った。忘れもしない。

担任もそれを俺たちにわかって欲しくて、たぶんこの話をしたんだと思う。
学校ではA先生を採る前などは、プール開きの日にお祓い。何か変なことがあると夜にお祓い、など一時しのぎを繰り返してたそうだ。

翌日、Bさんは行方不明になった。
正確には家族ごといなくなったそうだ。夜逃げかな?

「魅入られたか・・・・」

といった住職爺さんの言葉はBさんに向けての言葉だったのかもしれない。

その後俺たちの中でこの話をしなくなったし、クラスでA先生の話が出ても無視することを徹底した。
今でもこの学校はあるし、俺が卒業するまでに溺れた人が結構いたからたぶんプールの怪異もまだ続いてると思う。

文章繋がりにくかったらすまん。なに分慣れてないもんで。
以上です。長く待たせてすまんね。
再起しまくりで疲れたんでパソコンちょっと休ませます。
<後日談>

おはようございます。
パソコン長時間稼動させてたのが原因らしく、調子はよくなったようです。
もう1台のパソコンはネットワーク不調、ノートは不明ですが動きませぬ・・・・('A`)

「憑き護」についてですが、説明不足だったようです。
話自体が長くなってしまったので省いたせいです。すまん。

俺も物心ついてからそういったモノに興味を持って色々気になって調べようと思ったのですが、検索したり図書館で文献など探しても出てきませんでした。
二年ほど前に小学校の同窓会があり、当時の担任も出席していたので、話しにくかった事ですがもう月日が経ってたので憑き護について聞きました。
ただ、担任も人にちょこっと聞いただけなので詳しくわからないそうです。

「憑き護」……現代の通称で忌み言らしく、表に出て来ない言葉だそうです。
今の時代では憑き護本人が、憑き護だという事実は知らないそうです。人によっては親から子に継がれて知ってる人もいるのかもですが。
大昔には憑き護は別の名称で呼ばれており(その名称を話すと地域が限定されてしまうので伏せます)厄災や飢饉などが起きた時に生贄として扱われていたそうです。

憑き護といってもピンからキリまであるらしく、避雷針として効果の強い人はそのまま何もないように生活していくそうです。
ただ詳しくは不明ですが、お寺だか国の何かだかに憑き護の家計は記録されてるらしく、霊の発祥が強い場所に何らかの理由を与えてその近くに引っ越させたりしているらしいです。
あと、一定期間に強く念が発生する場所には会社の出張とかで合わせて、期間の間だけその場に居させて念を鎮めさせるとかも聞きました(会社で意味のない出張をさせられた経験のある人は実は憑き護かも)。

効果の弱い人の場合、家系の古い人が自分が憑き護の家系だと知っている時には、避雷針の立場になる前にお寺などに連れて、表向きには心の修行ということで滝打ちや禅などを行わせて、実際にはお寺にいる間に避雷針として強くするそうです。
効果が弱くて家系についても知らない人は、残念ながらA先生のようなパターンになったりすることが多いそうです。
勿論普通に生活できたりもするようです。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
千葉県のA市にあるビジネスホテルにはある恐ろしい噂がある。
長い間関係者の間のみで語られてきた噂なのだが、最近偶然にもその噂を耳にする機会があったので、今回語らせてもらう事にした。

この話をしてくれたのは、中学校からの友人でもあるKさんだった。

「602号室には絶対泊まったらいけないよ」

私が仕事の都合でそのビジネスホテルに泊まる事になり、ちょうどその場に居合わせたKさんが私にこう忠告をしてくれたのがきっかけだった。

二年前までKさんはこのビジネスホテルの従業員をしていた。
宿泊客が帰った後に部屋の中の掃除をしたり、備品のチェックをする仕事である。

石鹸や歯磨きを持ち帰ってしまう客や、ベッドをぐしゃぐしゃにして帰っていく客、酒を飲んで騒いだあげくにゴミを散らかして行く客など、さまざまな「後汚し」を元の状態に戻すのは結構大変な仕事らしい。
仕事をはじめたばかりのKさんもその大変さにかなりまいっていたという。

そんなKさんの唯一の救いが「602号室」だった。
602号室は先輩から「ここはやらなくていいから」と言われていて、ああ、この部屋には何かあるなとは感じていたものの、先輩達も602号室についてそれ以上口を開くこともなく、やらなくてもいいのならばそれでいい、とKさんは最初はそう考えていた。

異変に気づいたのは仕事をはじめてから一ヶ月ほど経ったころだった。
一ヶ月も続ければ仕事に慣れてきて、Kさんにも余裕がでてきたからだろうか、先輩達の602号室に対する扱い方に、何らかの恐怖が混じっていることに気づいたそうだ。
602号室の前を通るときも、ドアからできるだけ離れて歩き、両端の部屋の掃除をするにも、いつもなら優しい先輩達が新入りに押し付けているのだ。
その顔には明らかな恐怖が現れていたと、Kさんは言った。

しばらくして、Kさんにもようやく後輩ができた。
Tさんという小柄な女性で、少し真面目すぎる所があったという。
Kさんも先輩達と同じように「602号室はやらなくていいから」と教えた。
ところがTさんは「きちんとやらなくゃいけないんじゃ・・?」と真面目な顔で言ってきた。

確かに考えてみればKさんや先輩達は今まで、一回も602号室を掃除したことはなく、それでも不思議なことに602号室には何人もお客が泊まっている。
部屋が汚くされているのならば、苦情がフロントに届き、何らかの叱責が伝えられるはずである。
今まで見逃してきたその奇怪な状況に、Kさんの好奇心が刺激されたのか、深く聞くまいとしていた602号室のことを、仕事中一緒になった先輩に聞くことにしたという。
最初は何でもないからと言葉を濁らせていた先輩も、Kさんが何度も何度もしつこいほどに聞くのに観念したのか、こう言ったという。

「あそこにはね、出るの」

予想はしていたが、Kさんは本当に「出る」なんて事があるのかと、心底驚いたらしい。
確かに一ヶ月以上も働いていたホテルに「出る」部屋があり、それを信じている従業員達がその部屋を避けている。
現実の中にあるはずなのに、現実感が欠落しているような状況である。
しかも、先輩はこう付け加えたという。

「出るのは幽霊じゃなくてね、なんかもっと気持ち悪いものらしいの。はっきりと見た人はいないんだけど、見たら殺されるっていうから・・。私も前にいた先輩から聞いた話なんだけどね。あの部屋を掃除しなくてもいいのは、その気持ち悪いものがしているかららしいの。どんなに宿泊客が汚くして出て行っても、次のお客さんが入るまでには綺麗になっていて、備品もそろっているって話・・・・。実際、なんの苦情もきていないところをみると、本当みたいなのよ。あの部屋、もう十年ぐらい、誰も掃除していないはずなのにね」

ベッドを直しながら、先輩はKさんにそう語ったという。

Kさんが「泊まってるお客さんには何もないんですか?」と聞いたらしいが、先輩は

「何も無いはずは無いわよね。でも宿泊客のその後なんか調べるわけにもいかないし、こんな事、お客さんに知られたらまずいでしょ?それにね、宿泊した後はもうお客さんじゃないんだから、どうでもいいんじゃない?」

と言ったそうだ。
それからしばらくして、Kさんはこの仕事をやめた。
やめた理由について聞くと、Kさんは暗い表情で次のように言った。

「後輩のTさんね、亡くなったの。とっても真面目な子だったから、ある日、602号室の掃除をしてしまってね。私が彼女の悲鳴で部屋の前に駆けつけたときには、彼女は泣きじゃくりながら壁に頭を何度も何度も叩きつけて、”ごめんなさいごめんなさいごめんなさい”って謝ってた。何かとてつもなく恐ろしい物をみたのか、精神を病んでしまってね。最後は病院から抜け出して、電車に頭を吹っ飛ばされて・・・・」

私はすぐ、別のホテルの予約をとった。

Kさんが語ってくれた602号室の恐ろしい話。それが本当なのか確認することはできないが、Kさんは絶対に嘘をつく人間ではない、という事は私が保証しよう。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
受験生のころ、古本屋で英語の参考書を買った。
少々黄ばんで角が傷んでいたがカキコミが少なく、激安だった。
受験生の愛読書として長年定評のある参考書だった。

帰宅して読み始めると、解りやすく買って良かったと上機嫌だった。
当時寝る時はウォークマソで英語のCDを聞きながら眠りに付くのが習慣だった。
いつも通りCDを聞きながらベッドに入っていると、グォ・・・ゴゴ・・と電話の混線みたいな雑音が入り始めた。

最初は小さい音だったが、次第に英語が聞き取れないくらいの大きな音になった。
買ったばかりのウォークマソが故障したのか? まさか? と、何度も電源切って入れて、リピート再生したりした。
やっと順調に英会話が流れるようになった。

いつの間にか眠ってしまった。その日久々に夢をみた。
ひどい夢だった。学帽をかぶった学生や、紺のブレザーの高校生が洗濯物のように一列に並んで、首をつっているのだ。
僕はその光景を遠くから見ていた。
首吊り学生達は、白めをむいて、口々に英単語らしきものを叫んで揺れていた。

その夢は連日続き、CDも相変わらず雑音が入るので聴くのを辞めた。
勉強が手に付かなくなってきたので兄に相談した。

「そのCDもってこいよ。オレのプレーヤーで聴いてみる」

兄がCDをかけた。やっぱりところどころ雑音がグォ・・・ガガ・・ウオオ・・。

「リスニングできないほどの音じゃないじゃん。気になるならCD買い換えるしかないな。ところで、リスニングの成果は上がってるのかよ」

「うん、ほとんど暗記できてるよ。毎日聴いてたから・・」
「じゃ、これは何ていってる? 一番最初の会話」

" I've heard he〜・・"" Well, he commi〜・・"

「あれ、こんな会話あったかな? 一番最初のは天気の話のはずだけど? It is the hottest summer that Tokyo has had in 30years...」

「ぜんっぜん違うだろーよ。ダメダメだな〜オマエ、もう一回聴け」

" I've heard he's dead" " Well, he committed suicide by hanging himself"

「彼、死んだんだってね。そうよ。首をつって自殺したのよ。だろ」

「な、なんだよそれ! そんな例文あるわけねーだろ」

「まー確かに悪趣味な例文だ(w」

「そんな例文なかったってば! 今まで!」

「言い訳するなよ。勉強不足なんだろ」

突然、CDプレーヤーから大きな雑音がした。

グォグオオ・・グオー!ウオオオ・・・アアアアアアーーーヒーーーッヒヒ!

最後は人間の笑い声のようだった。

「今の雑音・・・人間の声みたいじゃん! 何かあるんだよ! 変だと思ってたんだ。そうだ、あの本を買ってからオカシイんだ!」

直ぐ部屋から例の参考書を持ってきて、兄に渡した。

「別になんともねーじゃん」

兄はパラパラと本をめくった。

「いや、それを買った日から雑音が始まったし、変な夢もみるようになったんだ」

「受験ノイローゼじゃねーだろうな。さっきの雑音だって別に・・・」

くまなく調べようと、兄は表紙を外して裏返した。
そこには・・
『今度落ちたら死にます、お父さんお母さんごめんなさい』


『モウ、ツカレタ・・・オワリニシヨウ』


『○X大学地獄に堕ちろ! 堕ちろ堕ちろ!』


『受験戦争を恨みます。僕の18年間は不幸でした。バイバイ』

様々な筆跡の受験生達の呪詛がビッシリと刻まれていた。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
普段付き合いのいい同僚が、何故か海へ行くのだけは頑として断る。
訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。
ここからは彼の語り。ただし、酔って取り留めのない話だったので、俺が整理してる。

まだ学生だった頃、友人と旅に出た。たしか後期試験の後だったから、真冬だな。
旅とは言っても、友人の愛犬と一緒にバンに乗って当てもなく走っていくだけの気楽なもんだ。

何日目だったか、ある海辺の寒村に差し掛かったころ既に日は暮れてしまっていた。
山が海に迫って、その合間にかろうじてへばり付いている様な小さな集落だ。
困ったことにガソリンの残量が心もとなくなっていた。

海岸沿いの一本道を走りながらGSを探すとすぐに見つかったのだが、店はすでに閉まっている。
とりあえず裏手に回ってみた。玄関の庇から、大きな笊がぶら下がっている。
出入りに邪魔だな、と思いながらそれを掻き分けて呼び鈴を鳴らしてみた。

「すんませーん。ガソリン入れてもらえませんかー?」
わずかに人の気配がしたが、返事はない。

「シカトされとんのかね」
「なんかムカつくわ。もう一度押してみいや」
「すんませーん!」
しつこく呼びかけると玄関の灯りが点き、ガラス戸の向こうに人影が現れた。

「誰や?」
「ガソリン欲しいん…」
「今日は休みや」
オレが言い終える前に、苛立ったような声が返ってくる。

「いや、まぁそこを何とか…」
「あかん。今日はもう開けられん」
取り付く島もなかった。諦めて車に戻る。
「これだから田舎はアカン」
「しゃーないな。今日はここで寝よ。当てつけに明日の朝一でガス入れてこうや」
車を止められそうな所を探して集落をウロウロすると、GSだけでなく全ての商店や民家が門を閉ざしていることに気付いた。
よく見ると、どの家も軒先に籠や笊をぶら下げている。

「なんかの祭やろか?」
「それにしちゃ静かやな」
「風が強くてたまらん。お、あそこに止められんで」
そこは山腹の小さな神社から海に向かって真っ直ぐに伸びる石段の根元だった。
小さな駐車場だが、垣根があって海風がしのげそうだ。

鳥居の陰に車を止めると、辺りはもう真っ暗でやることもない。
オレたちはブツブツ言いながら、運転席で毛布に包まって眠りについた。

何時間経ったのか、犬の唸り声で目を覚ましたオレは、辺りの強烈な生臭さに気付いた。
犬は海の方に向かって牙を剥き出して唸り続けている。
普段は大人しい奴なのだが、いくら宥めても一向に落ち着こうとしない。
友人も起き出して闇の先に目を凝らした。

月明りに照らされた海は、先ほどまでとは違って、気味が悪いくらい凪いでいた。
コンクリートの殺風景な岸壁の縁に蠢くものが見える。

「なんや、アレ」
友人が掠れた声で囁いた。
「わからん」

それは最初、海から這い出してくる太いパイプか丸太のように見えた。
蛇のようにのたうちながらゆっくりと陸に上がっているようだったが、不思議なことに音はしなかった。
と言うより、そいつの体はモワモワとした黒い煙の塊のように見えたし、実体があったのかどうかも分からない。
その代わり、ウウ…というか、ウォォ…というか、形容し難い耳鳴りがずっと続いていた。
そして先ほどからの生臭さは、吐き気を催すほどに酷くなっていた。

そいつの先端は海岸沿いの道を横切って向かいの家にまで到達しているのだが、もう一方はまだ海の中に消えている。
民家の軒先を覗き込むようにしているその先端には、はっきりとは見えなかったが明らかに顔のようなものがあった。

オレも友人もそんなに臆病な方ではなかったつもりだが、そいつの姿は、もう何と言うか「禍々しい」という言葉そのもので、一目見たときから体が強張って動かなかった。心臓を鷲掴みにされるってのは、ああいう感覚なんだろうな。

そいつは、軒に吊るした笊をジッと見つめている風だったが、やがてゆっくりと動き出して次の家へ向かった。
「おい、車出せっ」
友人の震える声で、ハッと我に返った。

動かない腕を何とか上げてキーを回すと、静まり返った周囲にエンジン音が鳴り響いた。
そいつがゆっくりとこちらを振り向きかける。

(ヤバイっ)
何だか分からないが、目を合わせちゃいけない、と直感的に思った。
前だけを見つめ、アクセルを思い切り踏み込んで車を急発進させる。
後部座席で狂ったように吠え始めた犬が、「ヒュッ…」と喘息のような声を上げてドサリと倒れる気配がした。

「太郎っ!」
思わず振り返った友人が「ひぃっ」と息を呑んだまま固まった。
「阿呆っ!振り向くなっ!」
オレはもう無我夢中で友人の肩を掴んで前方に引き戻した。

向き直った友人の顔はくしゃくしゃに引き攣って、目の焦点が完全に飛んでいた。
恥ずかしい話だが、オレは得体の知れない恐怖に泣き叫びながらアクセルを踏み続けた。
それから、もと来た道をガス欠になるまで走り続けて峠を越えると、まんじりともせずに朝を迎えたのだが、友人は殆ど意識が混濁したまま近くの病院に入院し、一週間ほど高熱で寝込んだ。

回復した後も、その事について触れると激しく情緒不安定になってしまうので、振り返った彼が何を見たのか聞けず終いのまま、卒業してからは疎遠になってしまった。

犬の方は、激しく錯乱して誰彼かまわず咬みつくと思うと泡を吹いて倒れる繰り返しで、可哀そうだが安楽死させたらしい。

結局アレが何だったのかは分からないし、知りたくもないね。
ともかく、オレは海には近づかないよ。

以上が同僚の話。
昔読んだ柳田國男に、笊や目籠を魔除けに使う風習と、海を見ることを忌む日の話があったのを思い出したが、今手元にないので比較できない。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
この話には“呪われる”という表現が含まれています。
以下、自己責任で進んで下さい。


俺は昔新聞配達員やっていたんだが、その頃の話だ。
入ったばっかりの頃、俺の区域の先輩から嫌なことを聞かされたことがあった。
なんでも昔、俺が担当する区域に、おかしな入れ(新たに購読者が増えることね)があったらしい。

当時の配達員が1ヶ月契約でとってきたらしいんだが、その家の人と会ったことがない、って変な話だ。
でも新聞は毎日入れれば次の日にはポストがカラになっているから、当然人がいると思ってそのまま配達を続けていた。
古びた1軒屋で、家の裏には墓地があり、西側になんかでかい石碑、東側に道路?だったかな?そんな場所だったらしい。

まぁ実際配達やってみればわかるんだけど、いちいちかまってらんねーのね、怖いとかそうじゃないとかw
今にして思えばある意味幸運なのかもな・・・気にしないのが一番いいんだろうし。

話を戻そう。
月末近づいた頃、夕刊ついでに集金にいくことになって、インターホン押したんだけど家の人が出なくて、居留守か留守か?と思って帰ろうとしたら、中から音が聞こえたから誰かいることがわかったそうだ。
でも出る気配がない。しゃあないからほっといて夕刊配達の続きをして、その日からしばらくいかなかったそうだ。

5日くらい過ぎて、月末までに集金できないのはマズいからもう一回行ったんだって。
でも出る気配がない。ちょっと強引にドア叩いたら、今度はまったく反応がない。
・・・普通ドアなんか叩いたら住人怒るだろうけどなw
戸あくのかなーって、そっと引戸を開けたら・・・アレ開いちゃったよ、と。

中の様子はどんなだったのかは知らんが、夫婦が死んでたらしい。
現場検証では結構前から死んでたってことがわかったんだが、1ヶ月近く前から死んでたって話だった。
無理心中だったそうだ。

じゃあなんで新聞抜かれてたのか?おかしくね?と先輩は言っていたが、まぁもしかしたら誰かがぬいてったんじゃ、と俺は思った。
「まじっすかー」とか2人で冗談ぽく笑ってたしw
でも冗談じゃないことが起きた。
・・・そのことに気が付くのはだいぶ後になってからなんだけど。

1年たった頃、俺の先輩も店出てって、聞いた話もすっかり忘れた頃、入れが入った。
夫婦が死んでたの家だった。
俺はもう全然その話覚えてなかったから、ああまためんどくさいとこ入ったなー程度にしか考えてなかったよ。

その家初めて入れに行ったときは、新しく家が建ってて、出来上がったばっかって感じだったんだけど、裏手にある墓地と近くの石碑がすごい古くて、アンバランスさが逆に怖かった印象がある。

1週間して、代配(休みの日にかわって配達してくれる人)が配るときにそのことを伝え忘れてた。
新規入れがある、ってことだけは教えてたけど。

そんで夕刊終わるころ店にフラっと顔出したら、Nさん(代配の人)に話があるって言われて店をでた。
やべー、まずいことやったか俺?と思ったわw

したらNさんいままで見たことないような真剣な顔して、
「あの家はやばい。まじでやばいよ、気をつけたほうがいい」と言って来た。

俺「え?なにが?」
Nさん「だから。あの新規入れあるでしょ、あそこあんまりいないほういいよ、入れたらさっさと離れたほういい」
俺「・・・幽霊かなんか出る?」
Nさん「それだったらまだマシなんだけど・・・まぁT君(俺)あんま気にせんだろうから大丈夫か」
俺「えええ?何すかソレw 何気にひどくない?」
みたいなこといってた覚えがある。

Nさんがそんなこといってたのは、俺は配達中なんも考えないタイプだったかららしいがw
その2日後くらいだったかな。
配達途中に入れ間違いに気が付いて、間違った家探してたとき、
「あ、もしかしてあそこか?」って思い立って、例の墓地の家行ったときだった。

新しく建った家は引戸じゃなくて、もうドアポストになってたから、新聞はそこに刺さったままだった。
時間は確か5時12分。俺それだけははっきり覚えてる。
さすがに俺も人間だから、ちょっとこえーなーと思いながら新聞抜こうとしたときだった。
スポッって抜いた瞬間、

『コンドハマチガエナイデネ』

って声がドアの向こうから聞こえた。
92 削除済
背筋ゾワーなって、もう走ってた。

家の人かもしれないけど、俺家の人見たことないし、何よりこんな朝っぱらワザワザそれ言うために起きてるはずもないし。
声が耳に張り付いて離れなかった。

そんでその日、ちょっとおかしなことが俺の周りで起きた。
夕刊カブ乗ったらなぜかパンクしてて、別のバイクのって配達したら、何もない道でいきなりこけたりした。
朝の時点ではパンクしてる様子もないし、普通にまっすぐ乗ってるだけでこけるとか今まで全然なかったし。
次の日からもうあの家すげー行きたくなくて、かなり気分滅入ったわ。

朝刊配達中には、マンションから帰ってくるとスポーツ新聞1部だけサドルの上にのってたり、あわせてた時計が気が付いたらずれてたり(しかも5時間とか中途半端に)。
墓地の家はダッシュで配ってたけど、もう絶対忘れんようにしようって思って、前の家の時点で新聞用意して即効終わらせてた。

でもやっぱ怖かったらから、その日から3日後にNさんに話してみた。

俺「Nさん・・・なんか最近やばいっす。ていうか俺あの家から変な声聞いた」
Nさん「え?・・・マジで?じゃあこないだこけたっていうのもアレ?」
俺「わかんないすけど・・・多分そうかも」
Nさん「あー・・・まぁ憑かれたわけじゃないと思うんだけど・・・ちょっとまってて」

っていうと、白い短冊みたいな紙切れに赤いマジックでサラサラかいて俺に手渡した。
達筆らしく、俺には何かいてあるかまったくわかんなかった。
Nさん「とりあえず、これポケットに入れておきな。あとはもうその声とか忘れればいいよ」
俺「ええええ・・・?そんなん無理っすよ・・・」
Nさん「いいから忘れた、ってことにすればいいから」

俺「わけわかんないけど・・・そういうことにしておきます」
Nさん「あ、そういえばこの話誰かに言った?店長は知ってるような素振りあったけど」
俺「いや誰にも・・・。つかヨタ話とか思われんのやだし」
Nさん「そりゃよかった。・・・じゃああの家の周りの墓地と石碑なんだかわかる?」
俺「へ?いや全然」

Nさん「石碑は戦時中の慰霊碑だよ。そんであの墓地の一角つぶしてあの家が建ってるっぽい」
俺「はぁ!?なんだそれ・・・てかなんでそんなことわかるんですか」
Nさん「だってあの家初めていったときモロ見たしね、家の下から出てくるの」

さすがに鳥肌が立った。

俺「・・・ま、まじすか」
Nさん「なんの理由かはしらないけど、ワザワザ墓地つぶして家立ってるってのも変な話だよね」
俺「そんな話マンガじゃないですか・・・。戦争中の病院跡にある小学校とか・・・」

そんなことだったかいうとNさんは笑ってた。

あとあと聞いてみたところ、Nさん自身は霊感強くて、昔からよくそういうの見てたそうだ。
親戚にはお払いやってる人らもいて、そういう親戚からちょろっと身を守る術を習った、とかいってた。
Nさん「あの家自体昔なんかあったって聞いたけど、ほんとっぽいね。店長ボソっと「やべーな」とかいってたw」
俺「ざけんなあのハゲw」

ちなみに店長はハゲではない。ヅラだったけど。

俺「俺が聞いた声ってのは幽霊かなんか?」
Nさん「さー?わかんないけどそうなんじゃない?でもあの場所はまずいってのだけはわかる。家建てて、玄関作っちゃったから、そこから霊が出入りしてるんじゃないかな」
俺「うっわ・・・住んでる人だいじょぶなんですかね・・・」

Nさん「ああ、まったく気にしてなければ全然問題ないよ。ああいう類のものは、意識しなければ見えないし聞こえない」
俺「・・・ってことは俺Nさんから「意識しろ」っていわれた気がするんですけど」
Nさん「あ、そうか。ごめんw」
俺「ちょw」

それ以来特に何も起こらなくなった。
だけど最後にNさんに言われた一言が俺は忘れられない。

『この話あんまり人にいっちゃだめだよ。ていうのも、言われた人に霊がつく場合があるからねえ。なんかこういうのは聞いた直後っていうのが一番ヤバイ。
ほら、ある語呂を覚えてると早死にする、とか。その話覚えてるといずれ呪い殺される、とかあるっしょ。忘れちゃえば一番いいんだけど、きいたあとって全然忘れられないでしょ?
しかも話が強烈だったりすると尚更。要は実界じゃないものを意識しちゃうってコトだからさ。
呪いとか幽霊っていうのは言葉からにじみ出ちゃうものらしいよ。
・・・まぁすっごい強烈な呪いとかもあるらしいけどねw
あとT君が経験したことだけど・・・さっき玄関からでてきてるて言ったでしょ。あれもやばいね。へたしたらT君が媒介になって幽霊の通り道みたいになるかもね。
・・・話さないほうがいい。・・・墓地より・・・どっちってかって言うとあの慰霊碑がものすごい危ないから』

俺は生きているが、ネットを介してこれからどうなるのかちょっと楽しみではある。
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝ 
╔╗╔╦══╦╗╔╦══╦╗╔╦══╗ 
║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║╚╝║╔╗║ 
║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║╔╗║ 
╚╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╩╝╚╝