1 無名さん

管理人怒りのダンシング

適当晒しより
只今バカ丸出しボロ出まくりの
http://w.z-z.jp/c.cgi?http://w.z-z.jp/c.cgi?http://id26.fm-p.jp/569/kirigayakazu/index.php?module=viewtop&action=ptopcu
の専スレ名前はまだない
次スレ>>100
2 無名さん
だれも書き込まないよー
3 無名さん
いちおつ
援護!
4 無名さん
せめてまとめてから立てて
すぐ分からなくなる
5 無名さん
くどすぎる規約文と長すぎるポエムと広告下げのトリプルパンチ
規約文の中身は作品批判をしないことと自己責任であることをくどいぐらいの長文で記載
遠慮なく言ってくださいと自分から言っといて遠慮なく言うと喧嘩腰でガチギレ
広告下げの指摘を警告文と解釈?
下げたつもりはないけど下げた
でも文書いてあるしでも誰も読まないよね
つまり意図的に下げてんじゃん
規約読め読め言う割にフォレスト規約は読まない
ちなみにフォレストに広告下げに関しては記載されてる
名前はまだないタイトルは好きに変えてちょ
6 無名さん
>>1
新参おつ
7 無名さん
私怨で立てたの?
邪魔だお
私怨っていうか馬鹿が立てたんだと思うお
下げ梅するお
9 無名さん
降臨おつかれさまっす
10 sage
下げ梅
私は結構知り合いがたくさんいましてその中のIという人間に聞いた話をします。

Iがある日の夜友達数人を誘ってある噂のトンネルに行ったそうです。

歩道もあるトンネルなので歩道を通って行こうと言うことで、近くの空き地に車を停めトンネルの中に入っていった。真夜中ということもあり車一台通らない。

トンネルの中ごろまで来たとき友達が言います。

『おい、あの非常灯さっきも見たぞ』

そんなバカなと思いつつ見ると、友達が言うように先ほど見た非常灯がありました。

何時間経ったかわかりませんが、多分2時間くらいさまよい同じことを繰り返すうち明かりが見え、やっとトンネルの出口が見えトンネルから抜け出たということです。

早々に車に飛び乗りそれぞれの家々に帰ったそう。

噂ではそのトンネルにいる幽霊に気に入られると、悪戯なのかどうかはわかりませんが出口を遠ざけられ迷わされるということです。

追記ですが、幽霊は空間さえ自在に歪ませたり変えられるのかと思うとぞっとします。

以上Iの話です。
12 無名さん
下がってねえよアホが
13 無名さん
察しなよ
前に働いてた職場、お客さんのところで思いっきりトラブってどうしようもなくなった事があるのよ。

大抵そう言う時は職場の先輩に電話して色々教えてもらったりするんだけど、その時もそうしたわけ。

で、電話に出た先輩の声がなんかくぐもった感じで聞き取りづらかったんだよね。ちょっと体調が悪いとか言ってて。

けど先輩の助けもあってなんとかなったんだよ。

その後に会社帰るとなんか慌ただしい。話聞くとなんとその先輩が近所の百貨店の立駐から飛び降り自殺。

立駐の監視カメラにも写ってて、持ってた携帯は落ちた衝撃で一部破損してたけど無事だったらしく、その履歴から最期に会話したのが俺と判明。

ただ、問題は俺が先輩に電話した時刻。飛び降りてから5分後。まあ、落ちたせいで携帯がぶっ飛んだ可能性もあるけど。

実話だけど特に怖くも無いか。

その後、俺が居た事務所(全国都市に事務所あるんだけど)に緘口令。通夜葬式、お墓の場所について聞いてもお前が知る必要無いの一点張り。

翌日にはその先輩の社用システムのアカウント削除。少ししてその先輩が使ってたデスク&PC廃棄。一週間後新品到着。荷物は一部遺族に渡したようだけど殆ど処分。

先輩の写真が載った社内報(事務所においてある)廃棄。はっきりいっていなかった人扱い。俺が先輩の話をしようとすると会話が流されて強制終了。

別の事務所の同期にちょっと話すと、どっかから話したことが漏れたのか、上司に呼び出されてわけの分からん説教。

ここらへんが納得いかなくて転職したけど、げに恐ろしきは人間なり、ってね。

名前聞いたら結構有名な会社っす。
15 無名さん
やだ〜管理人たんじゃない
みんな〜ピースよ〜(^ー^)ノ
16 管理人
やめてよ!
なんで上げるのぉ(;ω;)
18 無名さん
埋めたん頑張れ!
19 無名さん
がんばえぷいきゅあ
20 無名さん
噛みつきたんどうして許せないスレに行っちゃうんだよさみしいよお
21 無名さん
適当にいたのに何故か許せないスレ行って見なきゃ良いとかほざいちゃうお前まじこのスレ管だろって奴いたわ〜
22 無名さん
噛みつきたん戻ってきて(´・ω・`)
23 無名さん
埋まったから戻ってきてお
24 無名さん
>>20
だって同一人物じゃないもん
でも認定レス大歓迎
25 無名さん
きた!!
26 無名さん
いえーいピース
27 無名さん
噛みつきたん?
28 無名さん
そんなマン汁たらされちゃ放置できぬ
29 無名さん
このサイトの小説は面白いの?
30 無名さん
痛いんじゃないの
31 無名さん
世界中のどんな小説よりも面白いよ
最高の小説だよ
ノーベル文学賞ものだよ
32 無名さん
妬みって自分より微妙にレベル高いやつとか低いのに恵まれてるやつなんかに対して起こる感情でしょ
どうやったらここの住人やゴミ二次に対してそんな感情が抱けるのか教えて
33 無名さん
太宰治の続編も江戸川乱歩の続編も新約聖書の続編も書けそう?
34 無名さん
住人に対してなんて話してた?
35 無名さん
このスレ管理人に妬む要素あんの?
36 無名さん
出張禁止だよクソが
37 無名さん
適当スレ覗けばわかる
38 無名さん
図々しいメンタル力は羨ましいかな
39 無名さん
どっちにしろ移転が終わらないとこっちも盛り上がらないよね
移転終了次第また新しく一からスレ立てよう
40 無名さん
たしかに謝りません症候群と喧嘩腰の合併症状は憧れる
41 無名さん
管理人に管理人って名前しか無かったからややこしいんだよ
何でまとめてから立てなかったんだ
感謝されると思ったんだろうけど迷惑だぞ
42 無名さん
まだ適当でよかったお
43 無名さん
迷惑!
44 無名さん
と言うかいきなりクソスレ立ってて笑った
専スレって言葉が出てきただけで誰も同意してなかった気がするんだけど…そもそも移転作業中だから叩ける要素もここに晒されただけの状態で盛り上がりが続くはずないのに…
45 無名さん
埋めたんどこ?
46 無名さん
他力本願ブスは整形しろ
ここで待機してるよ
移転したら専スレになりそうだしこのままでもいいかなって思ってたけど下げ梅する?
48 無名さん
>>47ちゅっちゅ
そうだねこのまま埋まりそうかな
友人から聞いた話です。
身に降りかかる系で、実際喰らった友人もいるので関わりたくない方は読まない方が良いかもです。

友人Aはある雪の降る日に受験勉強をしていました。Aは当時高校3年生で1月のある晩だということでした。
夜も更けてきた頃、窓の外からノックをする音が聞こえます。

コン、コン、コン

3回です。
特に何も考えなかったAはそのまま窓をノックし返します。

コン、コン、コン

Aの部屋は2階です。窓の外にはベランダもありません。
雪の降る夜、そんなところにいる人はいるはずがありません。
しかしAは何も考えずにそのまま勉強に戻りました。
その時、Aはあることを思い出しました。それは数日前にAが友人Nから聞いた話でした。

----------------

この話を聞いた人間には必ず降りかかかる。聞きたいなら聞くな。
おまえが一人きりになった時、必ず一人きりになった時にそれは来る。
人間がいるはずもないドア、例えばベランダのない4階の窓、一人暮らしのワンルームマンションのトイレから聞こえるんだ。

コン、コン、コン

というノックの音。必ず3回なんだよ。
それを聞いたものは恐怖は覚えない。何故なのか分からないけれど恐いという感覚はないらしい。
けれど、ここからが大事なんだ。


>>49

そのノックの音を聞いたら必ずノックされた回数だけノックされたドアを叩け。それが冷蔵庫のドアでも必ずな。
おい、「間違えたら起きられない夢」と一緒にするなよ。
叩かなかったらおまえに親しい誰かに不幸が降りかかかる事になる。とても親しく大切な誰かにだ。実際オレにも来た。
重要なのは、「ノックされたら同じ回数だけノックし返すこと」だ。それだけでいいんだ。

さっきも言ったが、その瞬間におまえには恐怖はない。さらにどんな騒音にも負けないリアリティでその音は聞こえるらしい。
オレの時は3回だったし確かに恐くなかった。

でもな、オレの友達のGに来た時のことなんだが。
Gはノックしなかった。オレの話を思い出してノックしなかったらどうなるか試してみたらしいんだ。
確かにGの時にもあり得ないところからノックされたらしい。
そして数日経った後、親戚からの電話でGの祖父が亡くなったとのこと。Gも悔やんだけれどオレ(N)も悔やんだよ。

----------------


ここまでが私がAから聞いた話です。
ここまでなら「なに作ってんだよ、バ〜カ!」で済まされる話ですが、ここからは私の体験談です。

話を聞いたのは大学のサークル合宿という絶好のシチュエーションでした。


>>50

もちろんそれまで酒を飲んでいたため酔っ払っていて、Aの話が終わった後に2、3本の怪談を聞くと無性に眠くなり隣の部屋に行き横になっていました。
しかしここはサークル合宿、当時3年生だった私はさすがにそのまま寝るわけにもいかず、後輩が気を使ってくるのを待っていました。

案の定しばらく横になっていると引き戸をノックする音が聞こえます。
先ほどAの話を聞いたばかりなので絶対誰かが私を騙そうとしていると思い、ダッシュで戸を開きました。
そこには間抜けな面をした後輩(男)が立っていました。ここまでなら笑い話で済みます。

みなさんの期待通り、その後窓の外からノックされました。恐怖心は全くありませんでした。
もちろんその後、同じ話を聞いた仲間からはバカにされました。

後日談ですが、話を聞いた8人のうち5人がノックを聞いています。
皆さん、怖がらずにノックしてください。
「猿夢」という話をご存知だろうか?
とある電車に乗り合わせた人が、独特の方法で順番に殺されていくという物だ。

さてこの「猿夢」だが、この手の話に多い「読んだ人にも災難が降り掛かります」的なコメントもなく始められていて文章も読み易く、僕はページを開くなりサクサク読み進めていった。しかしそれが間違いだったのかも知れない。

この話を読んでから4日目の晩、僕は「続き」とも言える恐ろしい夢を見たのである。
二番煎じは一番を超える事は出来ない。それは重々承知だが、僕の見た夢をここに書き留めておきたい。

夢の中で僕は名古屋市内のとある遊園地のスロー・コースターに乗っていた。
今はもうなくなっているだろうか? それは子供向けのアトラクションで、園内の一部をゆっくりと回って来る。
幼い頃の事なので細かい事は良く覚えていないが、大体3〜5分の内容ではなかっただろうか。
降り場の手前に小さなトンネルがあって、そこを抜けるとビデオカメラを構えた父。その隣には僕らの名前を呼びながら手を振る母の笑顔があった。
これは父からの虐待が始まる前の、最も幸せだった頃の大切な思い出だ。

夢の中で僕は2人掛けの一番前の席に座っていた。
隣には幼かった頃の姉がいる。あの頃僕は姉を見上げてはしゃいでいたのに、この夢の中では僕だけ20歳。この年齢差では年の離れた兄妹どころか下手をすると親子のようだ。しかし僕は懐かしいあの頃の夢を楽しむ事にした。
僕らの乗ったコースターはゆっくりとコースを回り、やがてトンネルに差し掛かった。

(このトンネルを抜ければ、優しかった父にもう1度会える)


>>53

僕はそう思った。
しかしトンネルを抜けると、そこはあの遊園地ではなかった。
今まで僕が乗っていたコースターは電車に変わり、僕は「5号車の自由席」に乗っていた。隣にいたはずの幼い姉はもういない。
席は前の方で、喫煙車両である4号車とを繋ぐデッキのドアが開くと煙草の匂いがした。
僕は新幹線で移動する事が良くあるので夢がそこに繋がってしまったのだろう。全く、夢はいつも「いいトコ」を見せてくれない。僕は舌打ちした。

窓の外を見慣れた景色が過ぎていく。
ただ現実と違うのは車内があまりにも静か過ぎる事。そして2人掛けと3人掛け、左右どちらのシートを見てもどの列にも窓際に1人ずつしか掛けていない。そして皆異様に顔色が悪かった。
無気味だなと思いつつ、僕はいつの間にか抱えていた鞄からMDプレーヤーを取り出しお気に入りの曲を聴いた。
と、新幹線が減速し始める。

(おかしいな? 京都に着くにはまだ早過ぎる。もしかして岐阜羽島にも停まるのか?)

僕は駅名を確認しようとヘッドフォンを外したが間に合わず、聴き取る事が出来なかった。
見知らぬ駅で停まる新幹線、突然車内に響く叫び声。どうやら後ろの方の席で何かあったようだった。
しかし物凄い声だったにもかかわらず誰1人反応しない。
何があったのか? しかし僕の視力では後ろまで見えない。
乗り降りする人は誰1人なく、新幹線はまたゆっくりと走り始めた。

5分と経たないうちにまた減速。次の駅名は聴き取る事が出来た。

「吊るし上げ」


>>54

新幹線はまた知らない駅で停まる。そしてまた叫び声。
慌てて後ろを振り返ると、初老の女性が吊るし上げられていた。
相変わらず良く見えないが首に紐が掛けられているのだろう、首の辺りに手をやってもがいていた。手足がシートや壁に当たる音がバタンバタンと聞こえる。

僕はやっとこの夢が何であるか分かった。
恐らくこれは「猿夢」だ。一刻も早く目を覚まさなくてはならない。
しかし僕は自由に目を覚ます事が出来ない人間であるため、しばらくその夢を見る事になってしまった。

とりあえず今何人が殺されているのか、僕は何番目なのかを知っておきたかった。
僕の乗る5号車の後ろ4分の1程は空席のようだ。しかし実は既に殺されていて、そこには「猿夢」のように「活け造り」や「抉り出し」された人が座って(?)いるのかも知れない。
僕が座っているのは前から6番目。まだまだ順番が来るには早いがさっさと目覚めなくてはならない。
しかしなかなか目覚める事が出来ない。その間に何度も聞こえる叫び声。

と、いつもドリンクやサンドイッチを売り来る車内販売の女性がニコニコしながらカートに内臓を乗せて押していくのが見えた。

(もう駄目だ。早く目覚めろ、目覚めろ、目覚めろ)

順番を確認するのに僕はまた後ろを振り返った。
すると後ろに座っていた何人かがスッと消え、同じように席もなくなった。
前から6番目にあったはずの僕の席は真中あたりに来ていた。
慌てる僕に、すぐ後ろに座っていたリーマン風の男が言った。

「目覚めたから席が消えたんだよ。アンタも早く目覚めないとすぐに順番が来る」

僕の8つ後ろの席から血が流れているのが見えた。
大丈夫まだ7人余裕がある。早く目覚めてもう2度とこの夢を見なければいい。

次の駅が来た。

「串刺し」


>>55

と大変な事になった。自分の番が来るまで後7人あると思っていたのに、その駅で一気に5人串刺しになって殺されてしまったのだ。
次は僕の後ろのリーマンの番だ。しかし彼はシート越しに穏やかな口調で話し始めた。

「オレはもう目覚めなくていいんだ。会社はリストラされたし、妻は……」

ガクガク震えながら彼の身の上話を聞いているうちに目が覚めた。

目覚めた時は冷や汗をいっぱいかいていた。あんなに長い夢だったのに時計を見るとほんの20分程しか経っていない様だった。
猿夢……あまりにインパクトが強過ぎたためにこんな夢を見たのだろう。あの話自体がこの電車への切符なのかも知れない。

とにかくもう2度とあの夢を見ないようにしなくては……本当に恐怖のあまり心臓発作で死んでしまうかも知れない。
僕はいくつかのバイトを掛け持ちしていたのですが、その一つに学校の近くにある居酒屋でのバイトがありました。
そこでは同じ学校の生徒が多く働いており、必然的に仲良くなりよく遊びに行くようになりました。
特に仲良くなったのが同じ下宿生活をしていたIとTでした。

ある日、僕の家で飲んでいた時のことでした。
Iが突然「心霊スポットでも行こうか」と言い出しました。
話を聞くと、同じ学科の友達からの情報で地元では有名ないわゆる「よく出る」スポットだそうです。

僕達は酒に酔っていたのも手伝って、行こう行こうということになりました。
その時、僕達はIとIの彼女(A子としておきます)とTと僕の四人でした。
僕とIはA子が運転する軽自動車に乗り、Tは原付で行くことになりました。

そこはK市にある廃墟になった病院でした。
病院は白色の三階建てで、横に広い大きな施設でした。
壁は所々剥れて窓ガラスは割れ、あちこちに落書きがしてあります。

僕達は正面玄関の前に車を止め、持参した懐中電灯で中を照らしました。
いかにもといった感じの建物でしたが、「幽霊より族の方が怖いよな」と冗談を言い合いながら僕達は中に入って行きました。

正面玄関のドアはガラスが割れて鉄の枠だけになっていました。
そこをくぐるように抜けると正面に受付がありました。
受付の中は書類のようなものが散乱し、受付の横にあるロビーにはジュースの缶や瓶が散乱していました。

見ると、受付を中心に左右に通路が続いています。
左右の通路にライトを当てると、左側に診察室、右には食堂や売店の文字が見えました。
僕達は誰ということもなしに左側の診察室の方に足を向けました。

通路の両側には診察室があり、内科・耳鼻咽頭科等々部屋毎にプレートが貼ってありました。
僕達は内科の診察室の中に入ったのですがやはり荒らされており、医療器具らしき物もあっていかにもという感じでしたが、ここも落書きがひどくて怖いという感じはしませんでした。
僕達は少しがっかりしてそこを出ました。

>>58

もう帰ろうかと思ったのですが、せっかく来たのでもう少し探検してみようということになり、ロビーの前に二階に続く階段があったのでそこを上がってみることにしました。

二階は意外と綺麗で落書きもあまりありませんでした。
左右の通路を照らしてみると、そこは入院用の部屋として使われていたようです。
僕達は右側の通路を選び、一番手前の部屋を覗きました。
部屋にはパイプベッドが四つ、正面に時計が掛けてあるぐらいで、何も変わったことはありませんでした。
僕達は次々に部屋を覗いていきました。

幾つ目だったでしょうか、僕はあることに気がつきました。
部屋の時計がすべて二時で止まっているのです。

僕は自分の時計を見ます。時刻は二時を指していました。
恐ろしくなった僕はそのことを皆に話しました。
しかし皆は、「偶然だろ」と取り合ってはくれません。

更に奥の部屋へと進んでいきます。
やはりどの部屋の時計も二時で止まっていました。
流石に皆も気味が悪くなったのでしょうか、戻ろうということになりました。

その時です。

通路の反対の方から、「カツン、カツン」という音がはっきり聞こえてきました。
タイルの上をヒールかブーツで歩くような……。

皆で顔を合わせると一斉に走り出しました。
僕は部屋の時計を横目で見ながら走ります。時計は確かに二時を指していました。
階段を駆け下り玄関を抜けて一目散に車に向いました。

それでも「カツン、カツン」という音は徐々に大きく聞こえてくるのです。
まるで頭の中でこだまが響いているように。僕達が走るよりも早く、徐々に近づいてくるように……。

>>59
慌てて車に乗りこみエンジンがかかった時、車が少し「ガァクン」と動くのを感じましたが、そんなことは気にもならず一刻も早くそこから逃げ出したい気持ちで、A子に「早くだして!!」と怒る様にIが叫びました。
ものすごい勢いで車は病院の敷地から抜け出しました。
一人で原付に乗っているTのことが心配でしたが、その時はそれよりも早くそこを抜け出したいという気持ちで一杯でした。

敷地を抜け狭い一般道に入った時、車の横をTの原付が走り抜けていきました。
僕は大分冷静さを取り戻していたのでTの姿を見てホッとしましたし、もう大丈夫だろうとスピードも落として走っていました。
しかしTはフルスロットルで走り抜けていき、あっと思う間に横転してしまいました。

幸い擦り傷程度で済みましたが、ヘルメットを脱がすと顔色は真っ青でした。

彼は見たのです。
僕達の車の後に髪の長い女がへばりついていたのを……。

僕は車にTを乗せて代わりに原付に乗り、取り敢えず僕の下宿先に行こうということになりました。
その夜は流石に一人でいるのが怖かったので皆僕の家に泊まっていくことになりました。

朝になるとTも大分落ちついてきたので、それぞれ家路につきました。
僕も昨夜のことは忘れよう、と思った時でした。

家の電話に留守電のライトが点滅しています。
そういえば昨日は気がつかなかったな、と思いながらボタンを押したのです。

「一件です……」


「ころしてやる」


「……午前二時零分です」

押し殺したようなダミ声が部屋に響き渡りました。

恐ろしくなった僕は受話器を手に取ろうとすると、今度は電話が鳴りました。

恐る恐る受話器を上げると、電話はTからでした。
Tは僕に震える声でこう言いました。

「……もしもしおれ、実はいま家に帰ったら留守電に……」
今日ここで、私が9年前から苦しみ続けている後悔と恐怖の記憶を、この話を見た人にほんの少しづつ持っていってもらえればいいなと思い、ここにこうして書かせてもらいます。
実際に何かが憑くわけではありませんが、そう記述する事で、私自身の記憶の影がほんの少しだけ明るくなるので……。

9年前の体験。
それは、私が某保険会社に入社して3年目に突入した矢先の出来事でした。
私は係長になり4人の部下が居て、その中の3人(I君T君Yさん)とは週に2回は欠かさず飲みに行くほどの仲でした。
残りの1人はこの物語には関係無いので省略させてもらいます。

その日も私達4人は行き付けの居酒屋で食べた後、割り勘で支払いを済ませ、帰る途中でした。
いきなりI君が、りんご1個がちょうど入るくらいの大きさの、見るからにぼろぼろな木箱を取り出して見せました。

それは変な仕掛けのある箱で、以前流行ったルービックキューブのように、色(木目)がきちんと合うように揃えると開くという箱でした。
I君が言うには、この箱は父からもらった物で、随分昔の物らしいです。なんでも戦争前からあったそうです。

「父は開けられないし、どうせ戦後の焼け跡で拾った物だからと、僕に譲ってくれました」

と言っていました。
その箱を、彼は2世代隔てた今でも未だに開けられずにいるという事でした。

僕はその箱を見た時から、なんとなく言いようの無い悪寒を感じていました。
僕は霊感がある方なのでしょうか。時々、上半身と下半身の釣り合いが取れていない人とか、足の足りない(もしくは無い)小動物等を見かけることがあるのです。
なので僕は、T君とYさんが代わりばんこにその木箱の節目をずらしたり引っ張ってみたりしているのを見ていて、なぜか冷や冷やしていました。
開け放ってしまう事を、僕の霊感が恐れていたんだと思います。

>>62

結局、その時は木箱は開きませんでした。
店を出て帰りのタクシーが捕まるまでの5分間ほどしか時間が無かったので、さすがに無理でした。

その後、その日は全員何事も無く帰宅しました。

次の日、I君が前日私以外の2人に好評だった木箱を会社に持ってきて、昼休みにデスクワークをしていた私の元へYさんとT君を連れてやってきました。
私はその途端、付き合いが悪いと思われるのを覚悟で、彼らに忠告しました。
「その箱は、開けない方がいいと思う」と。

I君は訝しげな顔をしながら、僕に「兄と同じ事を言うんですね」と返しながらも、得意げに「きっと近いうちに開けて見せますよ」と言って、デスクワークをしている私に気を使い、それきり昼休みは話しませんでした。

そしてその日の仕事が終わった後、4人で桜見をしようということになり、近くの公園でYさんのお母さんから差し入れを頂き、筑紫のお吸い物をすすりながら桜を堪能していました。
そんな時、T君が

「この素晴らしい風景を、4人一緒に写真に収めておこう!」

と言ってポラロイドカメラを出し、一際幹の太い立派な桜をバックに写真を撮りました。

見事な写真が撮れました。
でも、変なのです。

夜だから余計な光が入る心配も無いし、開けた場所だからフラッシュが反射して変色する心配も無いんですけど、写真が、なんとなく薄い赤色を全体的に帯びているのです。

T君は「こういうこともあるさ」と言って、もう1回全員で写真を撮ることになりました。
しかし、またしても同じ現象が起こったのです。

T君は、

「広い範囲で撮るから余計な物が入るのかもしれない。フィルムに余裕はあるし、1人づつ撮ろう」

と言って、私、Yさん、I君、T君の順番で撮ることになりました。

>>63

まず、私の撮影です。
コレは上手くいきました。

次のYさん。
上手くいきました。

問題はその次のI君でした。
1度目で撮れた写真は、さっき撮ったのより、なんとなく赤みが強くなっているように見える写真でした。
そこでもう1回。
今度は、なんだかI君の周りに、赤ではなく黄色に近い色の薄いビニールのような物が、なんとなく写っている写真でした。

気味悪がりながらも、I君はもう1回撮るようにT君にお願いしました。
そして出てきた写真を見て、T君は「なんだあ、なんか変だ!」と言って、私達の方に駆け寄ってきてその写真を見せました。

その内容はかなり凄惨なもので、I君の手や顔はほとんど隠されるほどに、数え切れないほどの黄色い手がI君の体に四方八方から絡んできて、さらに黄色の手に絡まれていない下半身の部分も、鮮烈な赤色に染まっていました……。

I君はこれを見せられた後、1つの事実を告白しました。
その内容は、次のようなものでした。

「今日、昼休みの後、印刷室でコピー機を回してる間に木箱をいじっていたら、ついに木箱が開いたんですよ。だけど、中からはぼろぼろの布袋が出てきて、それに『天皇ノタメ 名誉の死ヲタタエテ』と書いてありました。開けてみたら大量の爪と髪の毛の束が出てきて、不気味だから焼却炉に捨ててしまいました……」

私達はすぐにその写真をお寺に持って行って、その話をして、写真を供養してもらえるように頼んだんですけど、お寺の住職さんは

「あなたのした事は、とても危険なことです。あなた方の持ってきたその写真を供養しても、霊の怒りは静まりません。その木箱を持っていらっしゃい。それを供養してあげれば、中に閉じ込められていた魂も救われます。ぜひ持ってきてください」

と言って、寺の住職にひとまず今日は帰るようにと促されました。
>>64

しかし、結局I君と会うのはその日が最後になりました。
I君は、お寺に行ったその日の帰宅途中に自宅近くで自動車に衝突され、胴体が切断され、下半身は炎上する車のタイヤに巻き込まれたまま一緒に焼け焦げ、上半身はそこから20メートルほど離れたところにあったそうです。即死だったとの事です。

その日、私とT君とYさんは、死んだI君の母親から木箱を譲ってもらい、それを寺の住職さんのところに持って行きました。
しかし、寺の住職さんは

「この箱は怨念そのものです。それも、もはや人のものではなくなっています。この霊たちの怒りを静めるのは難しいです。供養して差し上げたいですが、時間がかかります。それでもよろしいですか?」

と言いました。
しかし、I君が霊に憑かれる行いをしてからたったの半日で命を落としたのを見ている私達は、それではいけないと思い、自分達で読経を覚える事にしました。

その年の12月、私達が霊の恐怖を忘れかけていた頃になって、Yさんが火事で亡くなりました。
発火の原因は、ストーブの不完全燃焼だったらしいです。

残された私とT君は気味が悪くなり、会社に転勤を希望しました。
事が起きたこの地を離れれば、霊たちも私達のことを追って来れないのではないか、と思ったからです。
しかし、考えたくありませんが、すでに私と彼のどちらかが憑かれている可能性もあるわけなので、お互いの了解で、別々の場所に転勤させてもらう事にしました。
しかしその考えは甘かったと、後から思い知らされる事になるのです。

>>65

それから9年が経過しました。まさに悪夢のような9年間でした。
T君は転勤後、2年目にして結婚。しかしその後、1人目の子供が生まれて半月で肺炎で亡くなり、2人目の子供も流産で亡くなりました。
それと同じに、2度にわたる流産でT君の妻も体を悪くし、脳に腫瘍ができ、植物人間になって次第に体力が衰えていき、最後には死に至る重い病気を患いました。そして6年目の秋に亡くなったと言います。
そしてT君自身も、精神的に参っていたのでしょう、翌年の春に会社の屋上から飛び降り自殺をしてしまいました。

それから2年が経ち、現在に至ります。
この頃になって、私は頻繁に激しい動悸に見舞われるようになりました。
さらに、夢で先に逝った3人が出てくる事も度々あります。

私はこの先どうなるのか、わかりません。
今の持病の動悸も、恐怖によるストレスからくる一時的なものでありたい、と思いますが、私を除いた3人がすでに他界してしまっていることから、私ももう、長くないかもしれません。

この長く読みづらい素人文書を最後まで読んでくださった人は、私に憑いている霊を鎮める手助けをすると思って、手を合わせて簡単な読経をお願いしたいと思います。

「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」

と。
68 無名さん
めんどくせー下げ梅だなおい
69 無名さん
埋めたん頑張れ!
雨がシトシト降るある明け方、徹夜でレポートを書いてた俺は目を覚まそうと風呂に入ったんだ。

いつものようにシャンプーをしてコンディショナーをつけて洗い流してたんだけど、なぜかいつまでたってもヌルヌルが取れない。
おかしいなって思いながらもそのまま流し続けてたんだけど、いきなり手に異常な程の毛量を感じて目を開けたんだ。

そしたらシャワーから真っ赤な血が噴出してて、手には長い真っ黒の髪の毛。
びっくりして後ろに飛びのいたら何かにぶつかった。
恐る恐る後ろを振り向くと、そこには白い着物を着て顔をしわくちゃにしながら笑いかける女が。


この話を聞いた人は注意しなければならないことがあります。

お風呂に入って頭を洗っている時、「だるまさんがころんだ」と口にしてはいけません。
頭の中で考えることも絶対にヤバイです。

何故なら、前かがみで目を閉じて頭を洗っている姿が「だるまさんがころんだ」で遊んでいるように見えるのに併せて、水場は霊を呼び易く、家の中でもキッチンやお風呂場などは霊が集まる格好の場となるからです。

さて、洗髪中に1度ならず、頭の中で何度か「だるまさんがころんだ」を反芻してしまったあなたは気付くでしょう。
青白い顔の女が、背後から肩越しにあなたの横顔を血走った目でじっとみつめていることに……。

さて、あなたは今からお風呂タイムですか?
何度も言いますが、いけませんよ、「だるまさんがころんだ」だけは。
この話は自己責任でお願いします。

大正時代・昭和初期と鉄工所の景気が非常に良かったそうだ。
或る町に、やはりそれなりの景気を誇る鉄工所があった。

何代か続いたけど、結局時流に取り残されて潰れてしまった。

経営者である男は負債を整理していたが、結局売れるものを全て売っても負債は片付かなかった。
責任感の強かった男は、わが子を里子に出してでも返すべき金を返そうと考えた。

結局、男はまだ幼い1人娘をG県某村に里子に出した。

里子に出された女の子はさつきちゃんと言う。
さつきちゃんはまだ11歳で、お嬢様として育てられていた。

里親は彼女を奴隷のように扱いとことんこき使ったが、お嬢様育ちのさつきちゃんがまともに働けるわけはない。
彼女にとって辛い日常が続いた。

少しずつ仕事も覚え、村での生活に少し慣れてきたのが里子に出されてから3年後。さつきちゃんが14歳の頃だった。
慣れかけてきた生活が、ある日を境に地獄に変わった。

或る晩、彼女は夜這いを掛けられた。
もちろん処女だった。

彼女は恐怖と絶望を感じ、自ら命を絶とうと考えた。

が、すこし考えた。

「このまま死んでしまっても、私が生きた証はなにも残らない」

彼女はなにか1つのことをやり遂げてから命を絶とうと考えた。

が、毎日の労働もあり、彼女に許された自由は「考えること」だけだった。
その自由の中でなにかをやり遂げなくてはならない。

彼女は今まで自分が会った人々を「感謝する人」「恨む人」にわけるという作業を、「なにか1つのこと」に選んだ。

1日1人ずつ「感謝する人」「恨む人」を決めていく。
自分が今まで出会った人全てを振り分けたとき、命を絶とうと決めたのだ。

果たしてそれを実行していく。

が、彼女は昔お嬢様として育てられ、社交界にも通じていたので、今までに会った人の数が果てしなく多い。
最初は地道に続けていたが、次第に考えなくなる日が多くなった。

結局彼女は自分が決めたことを完遂することなく生き続けた。
そしてあの日から4年経った18歳の頃、彼女にもようやく幸せが訪れた。
恋に落ちたのだ。

相手は隣の家に住む青年で、年は21歳。マジメで誠実と知れた人物だった。

さつきちゃんの労働態度は極めてマジメだったため、この頃には里親にも非常に気に入ってもらっていた。
2人とも近所での評判もよかったので結婚することが許された。

そしてさつきちゃんが18の頃、2人は結婚した。
ようやくさつきちゃんにも幸せが訪れた。

そして新婚初夜を迎えた。

さつきちゃんはそこで見てはいけないものを見た。
旦那となる男の背中には、4年前にさつきちゃんがつけた傷跡がある。

そう、夜這いを掛けて彼女に死を覚悟させたのは他でもないこの男だったのだ。

さつきちゃんは困惑した。
大好きだけど恨むべき人。恨むべき人だけど大好きな人。
目の前にその男がいる。

彼女はこの男を殺そうという結論に達した。
そして自らもまったく同じ方法で命を絶とうと。

彼女は翌晩、早速実行に移した。

方法は至って単純だった。
彼が寝込んでから手足を縄で縛り、猿轡をした上で、人気のない井戸に捨てるということ。

そして男を井戸に放り投げた後、自らも猿轡をかけ、手足を縛り井戸に身を投げた。
が、彼女が落ちたところには水がない。この井戸は枯れ井戸だったのだ。

男は井戸に落とされた際に頭を打って死んでいたが、彼女は男がクッションになり、死ねなかった。

手足を縛っていて猿轡をしているために、なにもできない。
彼女は飢えて死ぬのを待つのみとなった。

何日か過ぎると体力の消耗を感じ、少しずつ死を感じた。
極限状態になりかけたとき、彼女はあることを思い出した。
自分が「感謝する人」「恨む人」を決めていたこと。

彼女は決心した。

自分はこのまま死ぬ。
が、死んだときには「感謝する人」には大いなる祝福を、「恨む人」には大いなる災いを与えようと。

それから1週間後に彼女は息絶えた。
が、彼女の想いは今も生きている。

この話はさつきちゃんにとって知られてはいけない過去である。
この話を知った人は「恨む人」にあたり,大いなる災いが降りかかる。

災いを避ける方法が1つだけある。
自身も「感謝する人」になればよい。

これから毎朝起きたときに、G県の方を向いて「さつきちゃん、私はあなたの味方です」と心の中で唱えて欲しい。
彼女が死ぬまでの1週間という期間、これを続ければ大いなる祝福が受けられる。

1日でも忘れたときは、貴方に大いなる災いがふりかかるでしょう。
呪いの生き人形。
稲川淳二氏が、TV等の心霊特集に欠かせない存在になった切欠の心霊体験談がこれです。
この話は稲川淳二氏自身ももちろん、TV、雑誌、漫画等も今だに敬遠しています。

それはなぜか……祟りがあると噂されているからです。
いや、正しく言えば今だに関係した者達に祟りが起こっているからです。
はっきりいって私も此処に書くのは恐いです。皆さんも心して読んでください。

生き人形の呪いは昭和53年6月から始まりました。
その日、稲川氏は日本放送の深夜のラジオ番組の仕事をしていました。
今日は前半を先に録音し、後半を生でとるという方法で番組は作られる事になっていました。
録音が始まるまでソファーに座っていた稲川氏は、大声で泣いている男の声を聞きます。

「いったい何がおこっているのだ」

廊下に出てみると、二人の男性がかなり離れた場所にいました。
その一人、うずくまっている男が声をあげて泣いているのです。
泣いている男性は「南こうせつ」さんでした。
その南氏をなだめているのが稲川氏の知り合いのディレクターでした。

皆さんは「わたしにも聞かせて」を御存知ですか?
「かぐやひめ」のレコードに入っていた謎の少女の「台詞」です。
霊の声が録音された心霊現象として伝説になっている事件でした。
南さんはその声を聞いて泣いておられたのです。

スタッフが南氏に、その不思議な声を聞かせたところ彼は泣きだしたそうです。
……その声の主、それは南氏がラジオの放送で知り合った少女の声らしいのです。
彼女は楽しみにしていた南さんのコンサートの前に病気で亡くなったのです。
その声の主が誰か気付いた南氏は、悲しくなり泣いていたのでした。

>>75

真夜中。稲川氏のラジオ番組は終了しました。
南氏の事があったからでしょう。あのディレクターが一人で帰るのは恐いからと稲川氏を待っていました。
稲川氏はそのディレクターとタクシーで帰宅する事になりました。

帰宅中、後ろの席に座る彼は高速道路で不思議なモノを見てしまうです。
それは奇妙な標識……いや、標識にその時は見えたのですが。

「高速道路に標識??」

再び前方に同じモノが現れました。
……それが標識では無い事に直に気付き恐怖しました。

着物を着た女の子が高速道路の壁の上に立っていたのです。
小さな女の子が。
稲川氏がソレが子供であると気付くと同時に、その女の子は「ぶぁ〜」と膨らみ、物凄い勢いで車の中を突き抜けて行きました。
稲川氏は突然の出来事に声ひとつあげる事ができませんでした。
しかし不思議な事にそれを見たのは、いや気付いたのは彼だけだったのです。

そして次の日の朝、彼の奥さんが不思議な事を言いだしました。

「昨日泊られた方はどうしたの?」

昨夜タクシーから降りたのはもちろん彼だけです。
当然部屋に入ったのも彼ひとりです。
彼女は、彼の後を付いて入ってきた人の足音を絶対聞いたと言い張るのでした。
そしてソレが一晩中歩き回って五月蝿かったと……。

次の日、一緒に帰ったデレクターが首をかしげながら彼にこんな事を聞いてきました。

「そんなわけないんだけど……誰かと一緒に降りたっけ?」

>>76


が、公演開始数時間前に出演者が次々に倒れてしまったのです。
喋る事はできるのですが、金縛りのようになって身体が動かないのです。

初日は昼と夜の2回公演だったのですが、昼の公演はやむなく中止。
初日で関係者の方が多かったので、昼と夜の部を一緒にしてもらう事にしました。

「とにかくお札を集めよう」

彼等は近くの神社やお寺をまわり、あらゆる種類のお札を持ってきて控え室に貼ってみました。
効果があったのでしょうか? なんとか夜の部の舞台を始める事ができました。

しかし、やはり公演中にも次々に怪奇現象が起こりました。
人形が涙を流し、居るはずない黒子がもう一人居たり、そして突然人形の右手が「ビシッ!」と吹き飛んだのです。
パニックになりそうになりながらも出演者達は演技を続けました。

人形を棺桶に入れるラストシーンをなんとかむかえる事ができました。
が、棺桶に人形を入れた途端に底が抜け、人形の首、腕、足が千切れてしまったのです。
ドライアイスを焚いたような謎の冷気をもった白い煙が舞台一面に広がり……夏だというのに信じられない冷気に開場がつつまれました。

「幽霊がこわいからって、途中で舞台を投げ出すわけには行かない」

稲川氏達は恐怖におののきながらも、決められた最終日までなんとか舞台公演を続けるのでした。
なんとか無事に全ての公演日数を終了できました。


>>77

「もう二度とこの劇はしたくないなぁ」

全ての劇団員達はそう思っていました。当然稲川氏も同じ気持ちでした。
しかし最終公演を終え打ち上げをしている稲川氏達に、劇場からとんでもない依頼が入ります。

「……追加公演をしてくれ」

次にここでやる事になっていた舞台が突然中止になったのです。だからいまやっている舞台を追加公演してもらえないかと。
スタッフと出演者達は大反対!
しかし人形使い前野さんの異常なほど強い希望により、追加公演をする事になるのでした(その前野さんのお父さんが急死されたのが次の日でした)。

舞台がなんとか無事に終了した数ヶ月後、この話をTBSの番組「3時にあいましょう」が聞きつけて怪奇シリーズで放送する事になりました。

人形使いの前野さんがあの人形を保管していました。
番組撮影のために人形を持って現れた前野さんは、少しおかしくなっていそうです。
その人形をまるで生きているかのように話し掛けていたり……。

やはり怪奇現象が起こりました。
まずは番組リハーサル中に照明用のライトが落ちてきた。そして生放送の番組中には人形の上にバックに吊っていたカーテンが突然切れて被さり……女性スタッフ達は恐怖で泣き出してまともな番組にはなりませんでした。

その後、その番組のスタッフ達に怪我をする人が続出し、この番組に関った関係者達はバラバラとTV局を止めていったそうです。

>>78

で、今度はその話を聞いたテレビ東京のスタッフがその話を番組にしようと、行方不明になっていた人形制作者、橋本三郎氏を見付けだします。
稲川氏は本当はこの番組に前回の事があったので協力したくなかったのです。もうあの人形とは関りたくなかった。
しかし、行方不明になっていた人形制作者の橋本三郎氏が見つかったので……と言うことで、しぶしぶ了解したのでした。

橋本三郎氏はなんと京都の山奥で仏像を彫っていました。
スタッフ達は橋本氏に会ってインタビューを撮ろうと京都に向かうのですが、インタビュアーの小松方正さんと手違いで京都で合えなくなるわ、スタッフもバラバラになるわで、結局インタビューは撮れなくなってしまうのです。

日を改めて今度はスタッフだけでインタビューを取りに行くのですが、今度はディレクターの奥さんが原因不明の病気で顔が腫れあがったり、切符を手配した人の子供さんが交通事故にあったりと不幸な事が続出。
スタッフ達もいい加減気味悪がったのですが、とにかく番組を完成させるために稲川氏をスタジオによんでインタビュー撮影をする事になりました。

が、稲川氏のインタビューを撮影しようとするとビデオカメラが次々に壊れたそうです。
3台目が壊れたので、しょうがないから16ミリフィルムのカメラで撮影します。

「これは、ある人形にまつわる話で……」

と稲川氏が語りだすと、本番中なのにスタジオのドアを思い切りたたき続ける音が。
ドアを開けるがそこには誰もいませんでした。

京都での取材やらなんやらでかなり制作費を使っていたのですが、これはほんとにヤバそうだからと、結局その番組制作は中止になりました。
今でもこの時の影像は「テレビ東京倉庫」に眠っているようです。

>>79

流石に稲川氏も恐くなり、人形を持って知り合いの霊能者に相談に行きます。

「なんかいやな予感がするよ……見たくないね」

と言う彼女に、布に包んだままでいいからと無理に頼み込み霊視してもらうのですが。
布に包まれた人形を持った途端に顔色が青くなる霊能者。

「この人形は生きているよ。それもたくさんの女の怨霊が憑いている……取り憑いている中でも強いのが女の子の霊で、戦前に赤坂にあった青柳って料亭の七歳の女の子……この子空襲で右手と右足がとんでますよ。これにはお対の人形がいますね? このまま放っておくとその人形にも憑きますよ。早くお寺に納めたほうがいい。これは下手に拝むと襲われる……いいですね、お対の人形と一緒にお寺に納めるのですよ」

しかし、その後すぐにその霊能者は謎の死をとげるのです。
20年近く前のこと、春先に行った社員旅行の記念写真にその序章は姿を現しました。
私の頭の上部から左頬にかけて、影のように黒い霧のような物が私に重なって頭部の一部が消えていたのです。

この写真を見るまでは意識してませんでしたが、そういえば数日前から頭が重くスッキリしない状態が続いていたのでした。
それがその一枚だけでなく、同僚達と撮った写真のほとんどで同じように黒い霧が私の顔の周りにあって、不自然に顔の一部を覆っていたのです。
出来上がった写真を見て気味悪がる同僚にワザと明るく「撮った人にチップをケチッたからなぁ」などとおどけていましたが、私にはその存在に憶えがありました。
そう、実のところ心の中では「またか……」だったのです。

旅行から帰って、まだ写真が出来上がる前のことです。
仕事の途中で休憩しようと喫茶店へ入った私のテーブルに、店員がコップを2つ置きました。
はぁ? と思い「私一人ですが」と言うと、店員はハッとして「お連れと二人では?」と怪訝な顔つきで何度も首をかしげてコップを下げて行った、ということがありました。

旅行へ行く前も、当時住んでいたアパートの部屋の玄関横にあるガラス戸を何度も行ったり来たりする人影や気配を何度も感じて、薄気味悪い思いをしてました。
なぜなら、私の部屋は2階の突き当たりなので用事がある人しか部屋の前に来ないはず。しかも通り抜け出来ません。
その上その人影は横にスーッと動くのです。まるで浮いて移動しているかのように。
歩いている自然な動きなら、歩行に合わせて頭が少し上下に動くはずでは。

そんな中で何日か後、今度は写真の中にある黒い霧のような物が私の顔を覆って……正直ウンザリでしたが、写真という媒体に「具現化」していることに興味を持ちました。

>>82


母(若い頃から霊感が強く、その手合いが見えたり感じたりしてたことを思い出しました)に相談したところ、話だけでは確かなことは言えないが、私と電話で話している裏側に何かが「憑いている」存在を感じるからその可能性が高い、とのこと。
私は急いで写真を実家へ送って見てもらい、今までのことも含めて話したところ、この黒い霧が私の体全体を覆うことで憑いている物の目的は達成されるはずだが、それは私の死を意味していると。
そして、この黒い霧の正体は生霊の怨念だろうとのことでした。

この時に私の直感は、半年前に付き合っていたSとのことを思い浮かべました。
彼女と別れる際に、静かに、だけど確実に

「怨んで、怨み尽くしてやる」

と最後にうす笑いしながら告げていたっけ。
平気なフリをしていたけど、決意を込めたその物言いにゾッとしたのを、まるで昨日のことのようにあの顔つきまでも思い出されたのです。

その後、車を運転している時に左頬にスゥッと冷たさを感じたり、真後席から強い視線を感じてルームミラーを見ると姿は見えないけれど確かに誰かが見ている気配がしたり、そんなことが度々ありました(母から一日も早く浄化して祓った方が良いと言われていましたが)。
そんな不可思議なことが日を追って度重なるようになり、さすがに精神的にまいってしまいました。

母に連絡し夏期休暇に入るや早々実家へ向かいましたが、「それ」が本当に生霊ならば途中で帰郷を妨害するようなことが起こるであろう、と母から警告されていました。


>>83


案の定、出発して間もなく軽い頭痛が来て、実家が近づくにつれ次第に激しくなり吐き気にまで襲われ運転することも厳しい状態になりました。
しかし事前に聞いていたので慌てはしませんでした。

ただ、やっぱりそうなのかと確信めいた気持ちになって、帰郷の際に必ず身に付けるよう母から送ってもらっていたお札を胸ポケットにしまい込み、

「いい加減にしろっ! Sなんだろ?」

と大きな声で言った途端に、急に視界の真中以外が万華鏡のような感じでチカチカして視界が狭くなってしまい、とても運転出来ずに車を停めました。

どうしたんだ? 目が疲れたのかな? と、シートを倒しかけた時のことです。

「まだだよ……」

それは耳から聞こえてきたのではなく、直接頭の中に響くような声でした。
さすがにこれには飛び起きて、後席を含めて周りを見回しましたが誰もいません。

そしてやはり母からの手紙を震えながら取り出して、書かれていたお経を唱えました。
我が身を守る経とのことで、必ず自分の口で唱えないと効果がないと言っていました。
何処からか見られているような気配と視線は消えませんが、目は治ったようなので実家へ急ぎました。

実家の近くで母へ連絡すると、「家では対処出来ないのでKさん宅へ行く」とのこと。
案内のため、待ち合わせ場所で兄が運転する車で来た母が私を見た途端、目を細くしてウン、ウンと大きく頷き

「よく我慢したね、でも思っていた通り大変だわコリャ」

と腕を組んで何かを覚悟する様子でした。
私はというと、安心したせいか恥ずかしいですが泣きそうでした。
母が案内するというKさんとは、地元ばかりではなく有名な霊能者です。

>>84

そちらへ行くと事情と段取りは母がしてくれていたようで、私を見たKさんはひと目で「大事に至る直前」だと一言、そして奥の部屋へ通されました。
その中での出来事(浄化)はあまり外に話さない方がいいよと言われています(私も体験していながら信じられない思いです)。

浄化が終わり、我に返った私の目からは止め処ない涙が溢れていました。
悲しい? 安心したから? いや、その両方共に違う意味の涙とか言いようがありません。

Kさんによれば、生霊の念は私の上半身を覆ってしまう状態だったらしいです。
全身を包むまで恐らくあと2〜3ヶ月だったろう、そうなったら手遅れかもねと言われました(手遅れって……)。
よく写真に写り込む白い霧(煙)は先祖の庇護系が多いが、赤は警告か危険、そして黒は怨みらしいです。

母には、私の後ろにピッタリと寄り添うように女性の姿が見えていたらしいです。
それはKさんからも同じように言われました。
その容姿を聞いてSの写真を見せたところ、両人から「この人だね」です。
ただ、相手は生霊だけに根を絶たないと浄化した後も再び来るだろうとのこと。

終わってはいなかったのです。

夏期休暇を終えて再び上京してからは平穏な日々を送っていました。
それまで住んでいたアパートを引き払い、Sが知るはずもない町へと引越しました。

念のために新築に拘り、更に念を入れてKさんからいただいた正確な四方へ貼るお札も、方角を測ってから貼って備えました(ちなみに東西南北ではありません)。
そうしてから「根を絶つ」べく、以前住んでいた町の公衆電話からSに連絡を取りました。

>>85

電話に出たSは拍子抜けするくらい明るい調子で「元気そうで嬉しい」と言い、暫くは何気ない雑談をした後で肝心な話を(もし何か憶えがあるなら、もう止めてほしいと)した。
途端にSの様子が電話越しに変わるのが分かりました。
そして、

「……まだだよ」

とポツリ。
それは間違いなく帰郷の途中、停車した車の中で聞いた声でした。
背中に冷水を掛けられたような寒気が走り、ゾッとしました。

ただ、それから今まで変なことが起こることはありません。

Kさんからいただいたお札(3年の間は1年毎に取り替えていました)が効いているのか、私からSに話したことでSに何かの心情の変化があったのかどうかは分かりませんが、本人に対して告げたことが効果が大きいとKさんに言われていました。
その後、帰郷の度に母から「もう感じない」と言われています。
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おまいらは黒や青、赤とかの一色だけの人間っぽいけど人間じゃないもの見たことあるか?

人間の形をしているけど、肌の色がありえない色をしたものを…。
俺は数回その人間ではないものを見たことがあるんだ。
その中でも、今日は2回遭遇した「赤い人」の話をしようと思う。

あれは俺が小学4年生生の頃。
当時俺は所謂鍵っ子だった。
父親も母親も仕事で、学校から帰っても「おかえり」を言ってくれる人は誰もいない。
両親が帰ってくるのは早くて20時過ぎという状況。

だから毎日友達と遊んだり、本屋に寄ったりとブラブラと暇を潰してた。
でもいくら暇を潰すにしても限界があるだろ?
遊ぶのにもふらつくのにも飽きて、大抵は家につくのが18時から19時ごろなんだ。
あの日も、「どうせ帰ってもまだ誰もいないんだよなー」と半ば諦めに似た気持ちで家に帰ったよ。

マンションのエレベーターで自宅の階まで昇り、エレベーターからまっすぐ伸びた廊下を進んでいった。
突き当たり、一番奥の部屋が自宅だったんだが、何かがいつもと違う。
なんかおかしいな、って思いながらも自宅前まで足を進めてやっと気付いた。
自宅の玄関横の窓から明かりが漏れてたことに。

初めは両親のどっちかが早めに帰ってきたのかな?って嬉しく思ってすぐに家に入ろうとしたんだけど、ふと窓の前を「赤い何か」が横切ったんだよ。

その窓はすりガラスで、その時は形がはっきり分からなかったけど確かに色は赤かった。
俺は怖くなって反射的にその場にしゃがんだよ。
何故だかあれは父親でも母親でもないって確信が持てたんだ。
そうして息を殺してじっとしてたら、

カチャ…

って内側から鍵をあける音が聞こえてきた。
もうその瞬間俺は走ったよ。
エレベーターの横に非常階段があったんだが、そこ目掛けて死ぬ気で走った。

非常階段のドアに辿り着いて肩で息をしながら振り返ると、奥の方で自宅のドアが開いてるんだよ。
しかも、赤い人影がゆっくりと廊下にでてきてたんだ。
その「赤い人」のあまりの異様さに俺は暫く―きっと時間的には数秒なんだろうけど、硬直しちゃってた。

だって髪も顔も身体も全てが赤いんだぜ?
その赤も綺麗な赤ってより、血の色みたいなちょっと黒みがかった赤色。
今考えても、頭から赤いペンキでもかぶらない限り、あんな外見にはなれないと思う。

ゆっくりと、でも確実にこっちに近づいてくる「赤い人」
俺は我に帰ると、非常階段に通じるドアを開けて滑り込むように中に入ると、ドアを閉めた。

そして一瞬迷った末に、階段を上にあがったんだ。
俺がいた階が5階だったんだが、6階まであがってそこで息を殺してうずくまってた。
数分経ってから、

ガチャ

非常階段のドアをあける音が下から響いてきた。
俺はビクッとなったが、勇気をだして階段の隙間から下を覗いたんだ。
そしたら…

「赤い人」はこっちを向いてたんだよ。
でもその赤い顔に目はなかった。
あるのは口らしきものだけで、その口も、なんていうのかな、マグロの赤身とかに包丁で切り込みいれたような裂け目なんだよ。

俺が息を呑んだ瞬間、ゆっくりと、ぐぐっとその裂け目が広がってったんだ。
「ニィ」って笑みを形作るみたいに。

その笑みを見た後から俺の意識は途切れた。
次に目をさましたら、母親の心配そうな顔が目の前にあったよ。
場所はさっきいたところと同じ非常階段。

周りを見ると父親もいて、隣の住人やマンションの管理人もいて結構な人口密度だった。
その周りの大人達は何やら真剣な顔で話してたんだけど、俺は母親に背負われてw自宅に戻ったから、何話してたかはわからなかった。
でも中学にあがってから、ふと思い出して父親に聞いてみたら教えてくれたよ。

非常階段の踊り場で倒れてた俺の両頬に、赤い手形がついてたこと。
非常階段の5階から6階にかけて、赤黒い液体が飛び散っていたこと。
倒れていた俺の周りには赤黒い肉片みたいな何かが落ちていたこと。

この2回目の遭遇話と、「赤い人」に関するサイドストーリーは何個かあるんだが、それはまた今度。
とりあえずおまいら、すりガラスやカーテンとかの向こう側に一色の人影を見たら警戒しろよ。
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私は生まれつき体が弱かったため、よく近所の病院に入院していた。
その病院には最低でも一年に一回は入院していたため、顔見知りの看護士さんがたくさんいて、私はその病院が好きだった。

看護士さんは皆、とても親切で優しく、怒る事など無かったが、ただ一点「夜十二時以降に無断でトイレに行ってはいけない」という規則を破るときつくしかられた。
最初はその事を疑問にも思っていなかったが、小学六年生になるとさすがに疑問に思いはじめた。

「───どうしてトイレに行くのにいちいち連絡しなくちゃ駄目なの?」

ある朝、検温しにやってきた看護士さんに私は質問した。
すると彼女は少し気まずそうな顔をした後、「危ないから」と一言だけ言って隣の患者の所に行ってしまった。

トイレは私のいる病室から左側へ10mほど行った場所にある。
病院の廊下は夜も明るいし、危ないはずがなかった。

何かあると思った私はトイレに行ってみることにした。
時刻は深夜二時。当直の看護士の見回りは来ないはずだ。

廊下に出た私は周囲に人の気配がないか確かめ、目の前にあるトイレへと走った。
3m、2m、1m、そしてトイレの前に来た時、不意にすべての電灯が消えた。
それと同時にカツカツカツ、と人の走ってくる音。
看護士だ……!!私は思った。
以前怒られた時は、廊下に出てトイレに行こうとした時だったので怒鳴られるだけですんだ。
だが今回はこっそりトイレに行こうとしたのだ。ひょっとしたら叩かれるかもしれない。
怖くなった私はトイレに隠れる事にした。足音はもうそこまで近付いてきていた。

私がトイレに入るとギィ……と言う音がして一番奥のトイレのドアが開いた。
私はそこに走りこんだのだが、ドアを閉める時にキィィィっとドアの軋む音が鳴ってしまった。
私は慌てて鍵をかけて、床に座り込んだ。

コンコン

遠くからドアをノックする音が聞こえた。続いてゆっくりとドアを開ける音。
───私を探してるんだ……!!

私は戦慄した。息を押し殺し、極力音を立てないようにする。
だが心臓の音が鳴るたび、私は相手に気付かれるのではないかと思った。

コンコン

音は次第に私のいる所へ近付いて来た。もう逃げようがない。
観念して外に出ようとした私は、壁に文字が書かれている事に気がついた。

文字の形はバラバラで、つめで削ったようにして書かれていた。
どうやら複数の人間によって書かれているようだった。
ただ、文字の形とは裏腹に、書かれている内容は皆同じだった。

『天井を見てはいけない』
私は怖くなって外に出ようと思った。
するとドアからコンコンと言う音がする。
看護士さんがここまで来たのだと思った私は、ドアの施錠を開けようとした。

ドン!!

トイレのドアから、強い衝撃が伝わってきた。
外にいる人がドアを蹴破ろうとしているのだと私は思った。
人を叱るためだけにドアを蹴破ろうとしたりするだろうか?
そう考えた私はドアを開ける事をためらった。

ドン!!!

またドアに強い衝撃が加えられる。施錠がミシッと言う音を立てた。
その時私はドアの外にいるのは看護士ではないと悟った。

ドン!!!!

ドアにヒビが入った。私は壁に書かれている落書きを見る。
もしかしてこの落書きをした人は、皆私と同じ体験をしたんじゃないだろうか。
私がそう思った時、不意に天井から私の名前を呼ぶ声がした。
私と仲の良い看護士さんの声だった。
私は油断して、立ち上がってつい天井を見てしまった。

だが以外にも、天井には何もなかった。コンクリートの壁、トイレのドア、蛍光灯。
いつもとなんら変わらない天井に、私は安堵の息を漏らした。

フフッ……
不意に床から声が聞こえた。女性の声だ。
その時私は、落書きの真の意味を理解した。

「天井を見上げたら、床に誰かがいても分からなくなるんだ……!!」

女性の声は床から段々と、私の顔の方に近付いてきた。
私の体を上ってきているのだと、私は気付いた。
逃げ出したかったが、体が言う事を聞かない。
私は決して下を見てはいけないと、天井を見続けた。

不意に何かが私の視界をふさいだ。
ナース帽をかぶった、女性の顔だった。

「あんたで十人目……」

彼女はそう言うと私の体を暗闇に引きずり込んでいった。
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