1 無名さん

好きな東方キャラ教えて!1

2 無名さん
クソスレ立てんな
3 無名さん
>>2在日くんおつー
4 無名さん
在日くんって誰だよ
気持ち悪い
5 無名さん
なんだよまた荒らしジハードからの出張かよ
DT帰れよ
6 無名さん
糞コメは…
   ∧_∧  ∧_∧
   ( ´∀) (`∀´)
三(⌒)   ノつ( >>2 )
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  (_ノ \) (__(__)

するなって
   ∧_∧  ∧_∧
   ( ´∀) (`∀´)
  =≡三三⌒) >>2 )
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  (_ノ(_) (__(__)

言ったろうが
   ∧_∧ _ ∧_∧
   ( ´/ )∴)∀´)
   /   /(/ >>2)
  C  / / / ノ
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  (_ノ\)

ヴォケがーー!   \l/
   ∧_∧(⌒) ―★―
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  (O ノ ノノノ
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  (_ノ_)
7 無名さん
>>4-5 ネトパヨたんおつー
8 無名さん
>>4-5 ネトパヨたんおつー
9 無名さん
糞コメは…
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   ( ´∀) (`∀´)
三(⌒)   ノつ( >>2 )
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するなって
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言ったろうが
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10 無名さん
さげ
12 無名さん
極左、どこ行ってただ!
さげ
14 無名さん
ミンス
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怖いと不思議が混ざったような俺の体験談、長文だが読んでもらえればありがたい。
去年テレビでも投稿して採用された俺の体験談だから知っている人はいるかもしれないが。

俺が大学卒業する年の夏頃に地元に帰郷した、んで友達S(太刀洗の沼と同一人物)の家でKと連泊した夜、暇を持て余した俺達は夜のドライブへ行くことにした。
んでSの家は結構な田舎で隣のN市の有名な滝へ行って帰ってくるってコースにした。

んで家を出てから30分くらいかな、舗装された県道の山間道路を走っていたんだけどSが右側の林に道があると言い出した。
俺とKで見たけど外は夜で山間なので街灯はなく真っ暗だ、Kが何にも見えないと言うとSが急に右へ曲がった。

確かにあった、林の中に舗装されていないけど道が。

俺「お前、よくわかったな」

S「あ〜…何でだろうな? 俺も分からないんだがその道だけハッキリと見えたんだよ」

K「ってゆーか滝は?」

S「まあ行き当たりばったりも楽しいじゃん? それに近道かもしれないしよ」

俺とKは納得した。

それから20分くらい走りつづけた、すると右側に廃墟が見えてきた。
尿意を感じ始めたんで小休止でトイレ、その廃墟が異様に感じたがなにも現象は起きなかった。
また車に乗り込み走ること30分くらいするとUターン出来るくらいの広い場所にでた。
んで道はまだ続いていた、どうするか考えたが、ここまで来たんだから行けるところまで行くって話にした。

でも先に進むと林が切れて左は暗闇、右は切り立った崖の道にでた。
もうこの時になると携帯はもちろん圏外、Sは

「この先に道はあるんだ」

と言う。

K「何だよ、Sはこの道知っているのか」

S「懐かしいね〜」

K「んじゃ大丈夫か」

そしてまた走り出した。

走り出して15分くらいで急なエンスト、Sがキーを回しても全然エンジンがかからなくなった。

S「バッテリーがあがっちまったか?」

さすがにこんな山奥でエンジントラブルはヘコんだ。

俺「民家なんかこんな山奥にあるわけないしな〜」

K「仕方ないな、今から歩くのは危険だから車の中で一晩明かして明るくなったら歩いて戻るか」

もうそれしかない、幸いにも行くときに持ち込んだお菓子や酒とお茶があった。
その時だいたい夜中の零時は過ぎていた、まあ車の中で雑談したりして楽観的にしていた。

そして夜中の2時すぎた頃、

S「あれ、あの光は何だ?」

その言葉に俺とKが外を見た。

俺らの左手の真っ暗な先に光が見えた、車のライトは付かないが左側は段差になっていて下は真っ暗だ。

K「お、ホントだな…民家じゃね?」

俺「こんな山奥に民家なんかあるのかよ」

S「事情を話して電話借りるか」

俺「いや、こんな時間だし恥ずかしくねえか?」

K「確かに…」

俺「夜が明けたらにしようぜ」

結局その光には行かずそのまま寝てしまった。


起きたのはお昼近く、太陽が真上近くであがっている頃にKの声で起きた。

「おい、ちょっと起きろよ!」

なんだと思って俺とSが起きて車からでたんだ。

やはり右手は崖っぷちで上にそそり立っている、左手は……崖っぷちで下には川が流れていた。だいたい15メートルくらい下。
俺たちは崖の中腹にある道にいた。
夜ではそんな深い崖では真っ暗で確認できるはずもない、落ちれば助からない高さ。

俺達は「いやこんな高さで落ちたら命はなかったぞ」。

だがあることに気づいた。

あの光だ。

あの光があった方を見たら家がない、というか切り立った崖だ。到底光を放つ人工物などあるはずもない。

俺達は呆然とした。

S「あの光は何だったんだ…?」

俺「いや、それよりもあの光を目指して歩いていたら俺達、左の崖に落ちていたぞ」

俺達は言葉を失った。

S「とりあえずもう一回だけエンジンをかけてみるよ」

するとエンジンは一発でかかった。

俺達は逃げるようにその場を去った。

その車中でKが、

「そういやよ、Sは知ってた道じゃねえかよ、懐かしいとかって言ってたよな」

S「懐かしい? んな事言ってねーよ、こんな道初めてだよ、おまえ等だろ、俺たち知っている道だから大丈夫だっていったのは」
俺とKの聞いた「懐かしいね〜」って誰が言ったんだ?

Sは誰と話をしてあの道を入ったんだ?


だがこの話には後日談があるのだ。
「懐かしいね〜」の言葉だ。

あの道の近くに住む俺の勤務先の係長に例の道の話を聞いたら知っていた。以下は係長の話。

「あの道はな、俺がガキの頃だからもう四十年くらい前になるか…あの道の先には一軒だけ家があったんだ、でも夜中に大雨により地盤がゆるみ家が川に流されたんだ、そして一家は全滅…俺の同級生だったから覚えているよ」

道途中の廃墟については昔の養鶏場だったらしい、それ以上のことは分からなかった。

あの光は数十年前に死んだ一家だと思った、Sは取り憑かれていたのだろう…あの「懐かしいね〜」と聞いた言葉。
お互い言っていない言葉を聞いた、たぶん連れて行かれそうになったのかもしれない。

でも俺でも気づかなかった、霊とはいえ違う何かだろうか?
今は決して近づかないけどね。
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つい先日の話。

うちは競売にかけられた不動産の調査を請け負ってる会社なんだけど、こないだ前任者が急に会社に来なくなったとかなんだかで、やりかけの物件が俺に廻ってきた。

まぁ正直うちの会社は、とある筋の人から頼まれた“訳あり物件”を取り扱うようなダーティなとこなもんで、こういうことはしょっちゅうだからたいして気にもとめず、前任者が途中まで作った調査資料(きたねーメモ書き)持って、遠路はるばるクソ田舎までやって来たわけですよ。

その物件はかなり古い建物らしく、壁とか床とかボロボロであちこちにヒビが入ってたり、湿っぽい匂いがしたりで、相当テンション下がってたんだけど、まぁとにかく仕事だからってことで気合入れ直してせっせと調査を始めたわけですわ。

1時間くらい経った頃かな、ふと窓から外を見ると一人の子供が向こうを向いてしゃがみこんでなにやら遊んでるのに気づいた。

よそ様の庭で何勝手に遊んでんの? って注意しようかと思ったんだけど、ぶっちゃけ気味が悪かったんだよね、その子。
なんか覇気がないというか微動だにしないというか、一見すると人形っぽいんだけど、しゃがんでる人形なんてありえないし、でもとにかく人って感じがしなかった。
クソ田舎だけあって辺りはありえない位に静まり返ってるし、正直少し怖くなったってのもある。
建物の老朽化具合からみて3年はほったらかしになってる感じだったので、そりゃ子供の遊び場にもなるわなと思い直し、「今日は遊んでも良し!」と勝手に判断してあげた。ひとんちだけど。

んでしばらくは何事もなく仕事を続けてたんだけど、前任者のメモの隅の方に、

・台所がおかしい

って書いてあった。

調査資料はその書き込みのほとんどが数字(部屋の寸法等)なので、そういう文章が書いてあることにかなり違和感を感じた。

で気になって台所の方へ行ってみると、床が湿ってる以外は特におかしそうなところはなかった。

でも向こうの部屋の奥にある姿見っていうの? 全身映る大きな鏡に子供の体が少しだけ映ってた。
暗くて良くわかんなかったけど間違いない、さっきの子供だ。

そうか、入ってきちゃったんだな。とぼんやり考えてたけど、ほんと気味悪いんだよねそいつ。
物音1つたてないし、辺りは静かすぎるし、おまけに古い家の独特の匂いとかにやられちゃってなんか気持ち悪くなってきた。

座敷童子とか思い出したりしちゃって。
もうその子を見に行く勇気とかもなくて、とりあえず隣にある風呂場の調査をしよう、というかそこへ逃げ込んだというか、まぁ逃げたんだけど。
風呂場は風呂場でまたひどかった。多分カビのせいだろうけどきな臭い匂いとむせ返るような息苦しさがあった。
こりゃ長居はできんなと思ってメモを見ると、風呂場は一通り計測されてて安心した。

ただその下に、

・風呂場やばい

って書いてあった。

普段なら「なにそれ(笑)」ってな感じだったんだろうけど、その時の俺は明らかに動揺していた。

メモの筆跡が書き始めの頃と比べてどんどんひどくなってきてたから。
震えるように波打っちゃってて、もうすでにほとんど読めない。

えーっと前任者はなんで会社に来なくなったんだっけ? 病欠だったっけ?
必死に思い出そうとしてふと周りを見ると、閉めた記憶もないのに風呂場の扉が閉まってるし、扉のすりガラスのところに人影が立ってるのが見えた。

さっきの子供だろうか?
色々考えてたら、そのうちすりガラスの人影がものすごい勢いで動き始めた。
なんていうか踊り狂ってる感じ?
頭を上下左右に振ったり手足をバタバタさせたりくねくね動いたり。でも床を踏みしめる音は一切なし。めちゃ静か。人影だけがすごい勢いでうごめいてる。

もう足がすくんでうまく歩けないんだよね。手がぶるぶる震えるの。
だって尋常じゃないんだから、その動きが。人間の動きじゃない。

とは言えこのままここでじっとしてる訳にもいかない、かといって扉を開ける勇気もなかったので、そこにあった小さな窓から逃げようとじっと窓を見てた。
レバーを引くと手前に傾く感じで開く窓だったので、開放部分が狭く、はたして大人の体が通るかどうか。

しばらく悩んでたんだけど、ひょっとしてと思ってメモを見てみた。
なんか対策が書いてあるかもと期待してたんだけど、やっぱりほとんど読めないし、かろうじて読めた1行が、

・顔がない

だった。誰の?

そのときその窓にうっすらと子供の姿が映った。気がした。多分真後ろに立ってる。

いつの間に入ったんだよ。相変わらずなんの音も立てないんだな、この子は。

もう逃げられない。意を決して俺は後ろを振り返る。
そこには…、なぜか誰もいなかった。


会社に帰った後に気づいたんだけど、そのメモの日付が3年前だった。
この物件を俺に振ってきた上司にそのことを言うと、

「あれおかしいな、もう終わったやつだよこれ」

って言ってそのまま向こうへ行こうとしたんで、すぐに腕をつかんで詳細を聞いた。

なんでも顔がぐしゃぐしゃに潰れた子供の霊が出るというヘビーな物件で、当時の担当者がそのことを提出資料に書いたもんだからクライアントが

「そんな資料はいらん」

と言ってつき返してきたといういわくつきの物件だそうだ。

清書された書類を見ると確かに「顔がない」とか「風呂場やばい」とか書いてあったw

まぁこういった幽霊物件は時々あるらしく、出ることがわかった場合は備考欄にさりげなくそのことを書くのが通例になってるそうだ。
他の幽霊物件の書類も見せてもらったが、なるほどきちんと明記してあった。

なんで今頃こんなものが出てきたんでしょうかね? と上司に聞いたら、

「んー、まだ取り憑かれてるんじゃないかな。当時の担当者って俺だし」
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藤原君はどう考えてもおかしい。

そう気付いてから数ヶ月が過ぎたあるとき、俺は藤原君と藤原君の彼女のヒロミちゃんといっしょに、何故か心霊スポットに行くことになった。
その心霊スポットは名古屋のある小さな町の、名○病院の前にある小さなトンネルで、カナリやばいという噂がある。

なんでもその病院に入院してた女の子が同室の患者に悪戯されて、ショックのあまりそのトンネルで自殺したんだそうな。
そんでその子が死んだ場所には何故か赤いススキが生えているという。

目茶苦茶ありがちな怪談で、嘘か本当かなんてわからないしむしろ俺はタチの悪いただの噂だと思っていたが、赤いススキだの自殺した女の子だのは別としてそのトンネルでは実際に頻繁に事故が起きていた。

こないだは確か中学生がはねられて死んでいる。
それは紛れもない事実なのでやはり多少怖かったし、チキンな俺としてはできれば行きたくなかった。

しかしその噂を聞き付けた藤原君によって、俺はその噂のトンネルに行かなければならなくなった。
断ればよいものを…と思われるだろうが、ヘタレな俺には断り切ることなどできなかったし、しかも今回は藤原君だけじゃなく藤原君の彼女のヒロミちゃんもいる。
ここで断れば俺は明日学校いちの臆病者にされてしまうので、結局そのトンネルに行くハメになった。
かなり長い前置きになったが、その日の夜、取りあえず俺と藤原君とヒロミちゃんはトンネルに向かった。

トンネルはひどく暗く、照明の類いは何もなかった。
苔なのか何なのか知らないがヌルヌルするものがあちこちにあり、かなり気色悪い。

「めっちゃ不気味やなあ…なんか御誂え向き、ってカンジ?」

ヒロミちゃんの声がトンネル内に響く。

二か月前に関西から転校してきたヒロミちゃんが藤原君とどうして付き合うまでに至ったかはよくわからないが、さすが藤原君の彼女と言うべきか度胸は座ってるみたいで、先陣きってサクサク進んで行く。
俺はというと、藤原君にしがみつきながらノロノロ歩いているだけだった。

「ここ、すごいね」

真中まで来た頃、藤原君が嫌なことを呟いた。

「なにが、とか聞かないほうがいい?」

「噂では女の子だったけど、ほかにもたくさんいるみたいだね」

藤原君は俺を無視して続ける。
「年寄りにガキにおっさんに…やたら古いのもいるな、あとは…」

藤原君の言葉に俺はガクブルしていた。
そんなにいるなんて、やっぱり来なけりゃ良かったとひどく後悔した。

しかしそのとき、

「なあー、これちゃうんー? 赤いススキー」

トンネルにヒロミちゃんの声が響く。懐中電灯だろうか、グルグルと光がこちらに向けられる。

「でかしたヒロ、見せてみろ!!」

藤原君が嬉嬉として走って行く。俺も追いかける、が。

「あいだっ!!」

なにかにつまづいてすっころんだ。
あっという間に藤原君達は闇に消え、俺は取り残された。

不安になって半泣きになり、

「藤原君ー!! ヒロミちゃーん!!」

と何度も叫んだ。すると、

「こっちだよ」

女の子の声が後ろからした。
だが、まさかその声の主がヒロミちゃんだなんて俺は全く思わなかった。
先に進んで行ったヒロミちゃんが、このわずかな隙に俺の後ろに回れるわけもない。

つまり、後ろにいるのは。

「うあぁあああ!!」

俺は絶叫して走った。振り返る勇気もない、ただ走るしかなかった。

「こっちだよ、ねえ、こっちだよ」

相変わらず声は聞こえてくる。しかも段々迫ってくるように感じた。

「こっちだってばあ」

ひどく掠れた声が耳元に鳴り響いた。

「藤原君藤原君藤原君藤原君!!」

俺は藤原君の名前を叫びながら走った。そんなに長いトンネルでもないのにひどく遠く感じた。

前のほうに藤原君とヒロミちゃんらしき影が見えて、更に走った。
「どこ行ったか思たら、何してんの」

ヒロミちゃんがキョトンとした顔で俺を見ていた。手には赤茶色のススキが握られている。

「ひひひひろみちゃんふ藤原君帰ろうよ」

俺は息切れしながら言った。しかしヒロミちゃんはゲラゲラ笑い出し、

「なんでよーまだ来たばっかりやん。やっとススキも見つけたんやで、ほら」

と言った。しかし。

「…ヒロミ。佐倉。走れ」

藤原君がボソリと呟いた。差し込まれた月明りに照らされた横顔は、ひどく青ざめていた。

「ふ、藤原くん?」

「いいから走れ!!」

藤原君は怒鳴るなり俺とヒロミちゃんの手を引いて走り出した。
藤原君の長い前髪から覗く瞳はひどくつり上がっていて、ものすごく焦っているのがわかった。
あの藤原君が青ざめている。それは俺にとって背後の何か以上の恐怖だった。
藤原君が怯えるほどの何かが、ここにはいる。それがすごく怖かった。

「もう…何なんよ、いきなり…」

ひたすら走ってトンネルを抜け、気がつくと病院の裏手に出ていた。
ヒロミちゃんは未だに意味がわからないらしくキョトンとしている。

「久し振りに凄まじいのを見たよ」

息を切らしながら藤原君が言う。

「自殺した女の子なんて可愛らしいもんじゃないね。相当恨みが深いのか、ただ無邪気なだけなのか」

「無邪気…?」

「子どもだよ。5、6歳の子ども。最も顔半分は裂けてるし、可愛げなんか欠片もないけどね。キミが随分お気に入りだったみたいだよ」

藤原君がニタリと笑った。俺はひどくゾッとした。あの声が耳に蘇る。
「こっちだよ」

あの声に反応していたら今頃俺はいなかったかもしれない。そう思うと尚更恐怖を感じた。

「キミだけが連れてかれるならまだしも、あのままなら僕やヒロミも危なかったからね。ああ怖かった」

藤原君はヤレヤレと言った様子で歩いて行った。僕も後に続く。

「なんか意味わからんわ。あたしだけハミーにされてるやん」

とヒロミちゃんは文句を言っていた。ある意味彼女が一番最強な気がした。
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これは国道沿いでのラブホテルに於いての話である。
「ここでいっか」からそれは始まった。

まずこのホテル、周りに建物がなく裏側は山のような場所。
二階建てでアパートのようなたたずまいで、店員がいない無人のホテル。

支払いは機械にお金を入れて清算し、ドアが開くシステム。
お世辞にもキレイとは言えない。というかハッキリ言いたい。古くてボロくて汚い。

では本題に入ります…。

彼女とドライブを楽しんでそろそろ泊まる場所を探している時、それは目に入った。
俺は早く休みたかったので、ついつい出てしまったあの言葉。

「ここでいっか」

車を停め、寒いこともあり足早に部屋へと駆け込んだ。

俺は初めて泊まる場所はチェックもあるが、興味が沸き部屋を見回す。トイレ、風呂場、ベッド。
そんな中、壁に時代遅れのポスターが貼ってあるのに気づき、彼女がトイレに入ってるその隙に壁とポスターの間を覗き込んだ。

俺は肩を落とした。
かなり古くなった御札を見つけてしまったのだ。

仕方ない、彼女には黙っておき我慢しようと覚悟を決めた。
そして、疲れをとろうと湯船に溜めていたお湯の量を見に行くため風呂場に向かった。
そこでまず異変が起きる。
閉まってたはずの窓が開いているのだ。

それだけではない。
窓に目をやったその瞬間、外にあった「何か」がスッと消えたように感じた。

これで風呂は断念。
恐る恐る窓を閉め、彼女に「壊れてるみたいでお湯が出ない」と伝えた。

しかし様子がおかしい。
彼女は返事もせず口元に人差し指を当て、「シーッ」と言うのだ。

しばらく静寂が続く中、それはかすかに聞こえた。女性の鼻歌のようなかすれた声が…。

そして徐々に大きくなってはっきり聞こえるようになり、無言のまま二人が向けた視線の先は同じで、ベッドの下だった。

一気に空気が冷たくなった。
想像して頂ければわかると思うが、まさにこれが背筋が凍るというやつだ!

俺はとっさに布団を下ろし隙間に詰め込んだ。
鼻歌は聞こえなくなった。

彼女は気の強い方だが、さすがにこの時ばかりはそうはいかなかったようだ。
もちろん俺だって冷静でいられるはずがない。
しかし「あの言葉」を言ったのは俺だ。それに覚悟は決めていた。
彼女と話し合い、もし限界がきた時は帰ろうと約束をした。

するとベッドの下から何かが転がる音がしはじめた…。
彼女は不安がり、俺は意を決した。大きく息を吸い込み、布団をどけて覗いた!

するとこちらに転がってくる筒状の物体。真っ赤な口紅だ。
俺はそれを手に取りテレビの上に立てた。「これで平気」と言いながら。

だがみなさんお察しの通り、ここからが本番です…。


俺は開き直り、カラオケを提案した。暗い雰囲気だし彼女も賛成した。

そしてリモコンを手に取ると同時に、風呂場で物音がした。
彼女は窓のことは知らない。俺は一人で風呂場へ向かった。

そして勢いよくドアを開けた瞬間、冷たい空気に包まれた。
また窓が開いていて、外には一瞬だけ顔のような輪郭の影が見えた。

俺は恐怖心をかき消すためにも強く窓を閉め、今度は鍵もかけた。
そして彼女の元に戻り「気のせいだと思う」と告げ、カラオケを始めた。

彼女は震える手で数字を入力すると、送信ボタンを押した。
すると聴いたこともない悲しげな曲が流れ出したので、

「お前なんだよこの曲!」

と、強い口調で俺は彼女に言った。
すると怯えながら彼女は「違う! 私こんなの入れてない!」と答えた。

俺はリモコンを取り上げ、すぐに演奏を中止した。
今度は彼女に数字を言わせ、俺が入力した。

するとまた同じ曲が流れ始めたのだ…。

彼女が泣き出した。
俺は演奏を中止するためボタンを押した。

が、演奏が止まらない! どうやっても止まらない!

俺は荷物をまとめて彼女の腕を掴んで「すぐ帰るぞ」と言い、財布を取り出しドアへ行くが動揺してるため上手く札が入らない。

そうこうしてるうちに延々と流れる演奏がサビに入っていた。

そこで気づいた。
知ってる曲なのだ。

そう、ベッドの下から聞こえたあの女性の鼻歌、まさにあの曲だったのだ!

支払いを済ませすぐ車に乗り、国道を逃げるように走った。
そして今でも彼女に黙っている秘密が一つある。

それは国道を走りながらバックミラーをふと見たその時、後部座席に青白く光る、髪の長い女性が座っていたこと。

その女性は言うまでもなく唇には真っ赤な口紅が塗りたくられていた…。
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恐らく僕はもうすぐ死んでしまうでしょう。きっと心臓麻痺か何かで。
でも、病気ではないのです。僕は殺されるのです。

きっと、話したところで誰も信じてはくれないでしょう。
それでも、ここに僕の死んでしまった本当の理由を書き残します。

僕の住んでいた所には、窓から見えるところに踏切がありました。
1年に2人はそこで亡くなります。すべて自殺です。

基本的に自分が夜型の生活なので、めったに現場に遭遇することはなかったのですが、運が悪いときには散らばった肉片を見かけることもありました。

もちろん、そういうモノは見たくありません。
しかし、直接的でない、いわゆる霊的なモノは好きな方で、夜出かける時などは「幽霊に出会わないかな?」とワクワクしながらその踏切を渡ったりしていました。

しかし、2年以上経っても、そういった類の事には出会うことはありませんでした。

そして、3週間前のバイトを止める日、同僚達から花を貰い、飲み会などを終えて自宅に帰る途中、例の踏切の手前で

「自殺スポットに置いてある花束は自殺者を呼び込む」

と言う出所のハッキリしない記憶が蘇ってきました。
せっかく同僚達がくれたものですが、家に持ち帰ってもおそらく捨ててしまうだけ。
それならばいっそ、と踏み切りの横にそっと置いて帰りました。

その晩は何となく寝付けず、朝方になっても目は冴えたままでした。
そして、なんとなく、本当に何となく窓の外に目をやると鮮やかな青のジャンパーを着た50歳くらいの男が踏切の辺りでウロウロしていました。

まさかな…と思いながらその行動を目で追っていると「カンカンカンカン」と耳慣れた音と共に遮断機が降りていました。

振り返って時計を見ると、ちょうど始発の電車がやってくるころです。
窓の外に視線を戻すと、男は足を止めて、僕の置いた花束をじっと見つめていました。

だんだん電車が近付いてきます。男は視線を足元に落としたままです。
僕の心臓の鼓動が早くなります。電車はもうすぐそこに迫っています。

僕は男から目を離せません。
電車が十分に近付いたところで、男は遮断機をくぐり、線路上に立ち、こちらを見上げました。

男と僕は目が合ってしまいました。その時、

「オマエが」

と言う声が耳元で聞こえたのです。

次の瞬間、男は電車に吹っ飛ばされ視界から消えていました。
僕は恐ろしくて振り向くことも出来ません。
きっと幻聴だ。昨晩あんな事をしたから聞こえた気がしただけだ。
そう自分に言い聞かせながらゆっくりと後ろを振り向きました。

そして、思った通りそこには何もありませんでした。
ただ、なんだか鼻を突くツンとした臭いが一瞬したような気がしましたがその時はあまり気にしませんでした。

しばらくの間ボーッとしているとパトカーや救急車のサイレンが聞こえ始めました。
これから数時間は警察なんかが慌しく作業を行うはずです。

こういう場合は、目撃者として名乗り出るべきなのでしょうが正直、面倒ごとには巻き込まれたくないという思いで、黙っていることにしました。
きっと目が合ったと言うのも僕の思い過ごしだろうと決め付けることにしました。

とにかく凄い光景を見たことを友人に報告しようと思い携帯を探していると「ゴトッ」という何かが落ちる音が玄関の方から聞こえてきました。
なにが落ちたんだろうと扉を開けると、お気に入りの靴の横に男が落ちていました。

正確に言えば男の首と足とどこだかわからない欠片です。
僕はおそらく一旦そこで気を失いました。
次に目覚めた時には、玄関に男の欠片はありませんでした。
ただ、ツンとした臭いが周囲に漂っていました。

僕は財布と携帯だけをもって家を飛び出し、近所の友人のうちに転がり込みました。
ただ、事情を説明すると家にいるのを嫌がられてしまうかもしれないので今日はバイトも止めて暇なので遊び相手を探していたと言うことにしました。

そうして、一晩その友人宅に泊めてもらおうと考えていましたが、夕方になってくると、あのツンとした臭いが部屋に立ち込めてきました。
とりあえず人気の多い所へと思い、友人に24時間営業のファミレスへ行こうと提案しました。

そして、ファミレスに行くことになったのですが、どうせならと言うことで他にも友達を数名呼ぶことになりました。
人間と言うのは不思議なもので、たくさんの人に囲まれると安心してしまうのか30分もすると、とてもリアルで生々しかった今朝の体験を

「実は自分が作り出した幻覚なのではないか」

と疑い始めました。
そして、3時間もするとすっかり今朝のことは忘れて友人たちと馬鹿話に花を咲かせ楽しく笑っていました。
しかし、僕たちの席に来るウエイトレスの様子がおかしい事に僕は気付きました。
よく注文を間違えていたし、皿を下げるときもやたらとせかせかと急いでおりそのせいで皿を一枚落としてしまいました。

それを「落ち着きがない子だな」程度に思っていましたが、僕の皿を下げるとき、目が合うと「ひっ!」と小さく声をあげたのです。
僕はとても嫌な感じがしましたが。どうすることも出来ません。


結局深夜1時には解散することとなり、みんなそれぞれ帰り支度を始めました。
そこで僕も渋々自転車の鍵を開けていると、友人が近付いてきて一言、

「オマエ今日何した?」

と尋ねてきました。僕はまだ誰にも今朝の話をできないでいました。

その質問に不安になりその友人に何故そんなことを聞くのかと逆に問いただすと僕の足元に何かが纏わりついているのが視えていて、ただ、彼にはそれがなんであるのかはわからず、ただ凄く厭な感じがするらしく、どうしても気になるので聞いてみたそうです。

まったく霊感があるとかそういう類の話に興味のない人だったので少々驚きながらもだからこそ、信用できる。と思いとりあえず事情を説明することにしました。
話を聞き終わった彼は「とりあえずうちに来い」と言いました。
他になす術のない僕は彼の言葉に従いついていくことにしました。

そして、彼のうちに向かう道中に聞いた話によると、彼の家は一家揃って霊感が強く特に妹は特別で、その道にスカウトされたこともあるらしいのです。

まだ実害もなく、そんなに深刻に思っていなかった僕はそんな大層な人に見てもらわなくても…と思いましたが、折角なので祓ってもらえるのなら祓ってもらおうと思い彼の家でその妹さんと会ってみる事にしました。

しかし、家に着くと彼の父親が玄関に立っており、「スマンが帰ってくれ」と言うのです。
僕は訳がわからず、友人に助けを求めてみましたがその友人も困惑していました。

「せめて事情を聞くだけでも」

とかけあってもくれましたが「ダメだ、帰ってくれ」と冷たく言い放たれ、仕方なく僕は帰路に着きました。


ついて来いと言われたのに玄関にも上げられず邪険に追い払われた僕は非常に腹が立っていました。
とりあえず、家に帰ってすぐさま先ほどの彼に電話するとなかなか出てくれません。
1分ほどコールした後ようやく電話口に出た彼はただ謝るばかり。何も話してはくれません。

それでもしつこく聞いていると、彼は父親に絶対に教えるなと言われたとだけ話してくれました。
しかし、そう言われると余計に気になるものです。

ただ、もうその夜出来る事はなかったため僕は床に就くことにしました。
その夜は怒りのせいか、疲れのせいか恐怖心はなくすーっと眠ることが出来ました。


夢を見ました。

鼻を突くツンとした臭いが漂っています。

遠くに踏切があって、あの音が鳴っています。
僕はそれを見つめるだけでまったく動くことは出来ません。

次の日も同じ夢を見ました。

状況はまったく同じ。
ただ、少しだけ踏切に近付いています。

毎日同じ夢を見ます。

だんだん、踏切に近付いてゆきます。


それから数日、「彼」から無理やり話を聞きだしたところ「僕と自殺した男は一つになっている」そうです。

男は死ぬ直前、目が合った時に(理由はわかりませんが)花束を置いたのが僕で、それも意図的であると直感し、憎んだそうです。

そして、同時に罪悪感を抱いた僕の感情と彼の感情がリンクして、僕に取り憑いた―むしろ混じったらしくこれは並大抵の力ではどうすることも出来ず、中途半端な力では飲み込まれてしまうそうです。
結局、僕は話を聞けたものの、どうすることも出来ず、今夜も眠らないように過ごしています。

原因は誰でも持っているような小さな好奇心でした。
ただ、人の命が関係する時にはその好奇心は眠らせた方が良いと思います。

でないと、僕と同じような目に会うことになってしまうかもしれないのですから。
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私はとても怖がりなので呪とかのマークが出てるものは出来たら読みたくないですし呪マークを付ける投稿もしたくありません。

ですが今回の体験はかなり気分の悪い事で誰かにお話しするのは初めてになります…この文章を読まれた方々に影響がない事を祈ります。
また文章の表現には当時の女性の人権を無視される様な表現が含まれているため嫌な方は閲覧されない事を提案させていただきます。

某旅館に1人で長期滞在した時の事でした…宿の主を私は良く知っていましたから安心して泊まったのです。
にも関わらず怖い体験をしてしまいました。

真夜中に大浴場に行けば貸切同然だと思い非常灯だけついた仄暗い館内を歩いていました。
角を曲がれば間もなく大浴場の入口に着くという所で

バタバタ、バタバタバタ、バタ

と言う不規則な音を聞きました。

何の音だかもわかりませんでした。

「あれ〜? なんだろう?」

そんな程度でした…よく幽霊さんが近くに来た時には嫌な感じを覚えると聞きますが、この時は本当に何も感じませんでした。
角を曲がった時に初めて異様なモノを目にしました。
ボロボロの布をまとった女らしき人が逆さまの四つん這いで天井にいました。

私の方からは後ろ姿が見えました。
まだ私には気付いてないらしく大浴場の先の廊下天井を行き止まりへ向かってバタバタ音を立てて這っています。

怖いと言うより「これはなんだろう? 俺は今? 何を見てるんだろう?」と言う感じでキョトンとしていましたら、女が廊下の行き止まりまで達しました。

するとクルリとこちらに向きを変えました。

パサパサした髪の毛でコンクリートで作ったみたいな肌と手でした。
目は黒い空洞になっていて口には唇もなく埴輪の様な感じの穴が空いていましたがまばらな歯はついていました。

私を見つけるや否や凄いスピードで天井を四つん這いで走って向かって来たのです。

ここで初めて鳥肌が立ち湧き上がって来る恐怖を覚えました。

私は自室へ逃げようと走りました。
コンクリート女は天井を四つん這いのまま「見つけたぁぁぁぁ〜見つけたぁぁぁぁぁ〜」と言って追いかけて来ました。
階段を駆け上ると踊場で階段の天井を四つん這いでコンクリート女が追いかけて来るのが見えました。
発狂しそうになりながら自室の鍵を差込みました。この時間がもどかしく長く感じて腰が抜けそうになりました。

階段付近の天井を見上げるとコンクリート女はゆっくり這いながらジリジリ近付いて来ます。

ガチャっと鍵が開いてドアを開けた瞬間、コンクリート女が

ドカドカドカドカ

と音を立てて猛スピードで近付いてきました。

私は素早く中へ逃げ込みドアを閉めて内鍵をかけました。
ドアを手のひらで叩いている様でバタバタバタバタ音がしました。

やがて無機質な抑揚の無い声で「オマエハァマタウチヲステルキナンカ?」などと言っています。

もうたまらずフロントに電話しました。
深夜なので誰もいなかったのでしょう。かなりしつこく鳴らし続けやっと出てくれました。出たのは主でした…。

「すぐ部屋に来てくれ!」

とだけ言って切りました。
間もなく主は部屋へ来てくれましたが主の姿はパジャマでいかにも迷惑そうでした。
旅館のフロントというのは24時間営業ではないのでした。

「こんな夜中にどうしたの?」

ドアを開けコンクリート女が居ない事を確認すると中へ入る様に促しました。

私「言いにくいけど主さんとは長い付き合いだから言わせてもらうよ、さっき廊下で幽霊に追いかけられたけど、幽霊とはいえあれは尋常じゃないよ! 一体この宿で何があったんだい?」

主「は…あぁ〜! 桃源郷さんアレを見ちゃいましたか?」

私「見ちゃいましたか? じゃないよ! アレはほったらかしちゃマズいモノだよ、なんなのアレは!?」

主「はぁ…アレは…ユキノ姉です」

私「得体が知れないんじゃ怖くてたまらないんでちゃんと話してもらえる? もちろん宿の名前は絶対口外しないから!」

主「わかりました。…私がこの宿を継ぐずっと昔の話しになります…」

以下宿主の話しです。
明治時代の話しまでさかのぼります。
当時の温泉宿は必ず住込の女中さんを数人置いていました。

娯楽の無い街で宿泊客を喜ばせる為にこれら女中さんは夜になると娼婦という別の仕事が割り当てられていたのだそうです。
ユキノ姉はそんな女中さんの1人でした…。

借金返済の為に宿で働く生活でしたがある時、宿にかなり長期滞在する事になった若くてお金持ちの家の息子が来ました。
そしてユキノ姉と恋に落ちたのでした…まさか旅館の女中さんに夜は別の仕事がある事とは知らずに…そしてユキノ姉もただでさえ彼との身分の差が後ろめたくて娼婦の仕事の事などとても言えないでいました。

男は本気でユキノ姉を大切に想い結婚の話しも出ていました。
ユキノ姉の家が貧乏していて旅館に借金がある事を話すと男はそれを返す金も用意すると約束してくれました。

程なくユキノ姉はその男の子供を身ごもりました。
でも、一緒に働いていた他の女達はこの幸せを大変に妬みました。
ユキノ姉が娼婦であった過去を隠して若くて金持ちの男の奥様になる事…懐妊して幸せの絶頂期にいる事…この幸せを壊す事を女達は考えました。
そして意地悪にも男に宿の女中の仕事は夜は娼婦である事を告げ口してしまいました。さらに

「ここの女が子供を孕むのは日常茶飯事でユキノのお腹の子供だって誰の子供だかわかりはしない。気の毒にアナタは借金返済の道具にされてて騙されてますよ」

と言う様な酷い事を吹き込んだのでした。

男はユキノ姉を呼び出しました。
事の真相を本人の口から聞きたかったのでしょう。

ユキノ姉は娼婦であった事を隠していた事を謝罪しましたが子供は男の子供だから信じて欲しいと懇願しました。
男は心底優しい人でこの事実を知ってもユキノ姉を信じ愛していた様でした。

そして男は帰る日に宿にユキノ姉の借金を全額返済してくれました。そしてユキノ姉と宿の主に、

「一度帰宅しますが、両親を説得して、すぐにユキノを迎えに来るから待っていて欲しい、それまでユキノを客としてこの宿に置いて欲しい」

と言ってユキノ姉の宿泊費と生活費もきちんと置いて行ったのでした。
こうしてユキノ姉は女中さんではなくてお客様として宿に残ったのでした…男がお金も置いて行ったので着物屋やアクセサリー屋を呼びつけたりかなり贅沢をしていた様でした。

が、この扱いに益々他の女中達の嫉妬と怒りが炸裂したのでした。
階段やお風呂の床に油を塗って流産させようとしたり、感染病患者を隔離している施設から流れる汚水川で捕った魚をこっそり食べさせようとしたり、そのイジメは命に関わる程陰湿で凄まじいものだったそうです。

やがて女中達の思惑通り何が原因かはわからないがユキノ姉は流産してしまいました。

追い討ちをかける様に病の床にいるユキノ姉の元に悲しい知らせが届いたのでした。
それは男の両親からの手紙でした…内容は結婚は絶対に許可出来ない事、妾でも良ければ部屋を用意して最低限の生活の面倒はみるが子供は嫡子としては認めないから産むなら自己責任で育てる事等々が書かれていたそうです。

当時の人身売買の惨さを考えれば、この内容は決して悪い話しではありませんでした。
気の毒ではありますが当時の劣悪な情勢の中、借金のカタにされていた娼婦が水揚げされて想い人と与えられた家で過ごす事も出来て最低限働かなくてもすむ程度の生活費も保証されるのですから…。

ですがユキノ姉はまだ若くて恋愛にも夢を持っていたのでしょう…打算的な考えに至らず深く悲観しました。
そしてとうとう客室で自殺してしまったのでした。
それから館内では、ユキノ姉の幽霊が目撃される事となったのでした。
ユキノ姉をイジメた女中達は病(肺病)で亡くなってしまいました。

時代は移り変わり旅館を建て直したがそれでもユキノ姉は幽霊となって留まっているのだそうです。
主「幽霊とはいえ最初の頃は美しい姿だったそうですが私も美しい姿のユキノ姉は見た事がありません」

私「あれが美しい姿? コンクリートみたいな肌だったよ! あんな怖い姿ないでしょう?」

主「私も怖い姿しか見てません」

私「なんであんな怖い姿に?」

主「村の拝み屋に見てもらったところ、長期間幽霊となって怨みを抱えたため悪霊化したんだとかでお祓いは出来ないそうです」

私「なんで私が追われたのかな?」

主「桃源郷さん長期滞在客でしょう? それに、たぶん年格好が好いた男に似てるんじゃないでしょうかね?」

私「すまないが明日はチェックアウトしていいかな?」

主「アレを見ちゃ仕方の無いことです…一応各客室にはお札を貼ってあって幽霊は入れないようになってますんで…」

主と解散後その夜は寝付けませんでした…とんでもない事に音もなくコンクリート女が部屋の隅に鎮座していました。

部屋には入れないと聞き私は油断していたので余計に腰が抜けました。
ジリジリ近付いて来ながら、

「コヨイカギリオサラバカ? オマエハマタオサラバナノカ?」

私「人違いだ! 私はアナタの想い人ではない!」

と強く言いました。

コンクリート女は更にジリジリ近付いて

「マタニゲルノカ? オマエハマタニゲルノカ?」

私「私は別人だ! 人まちがえだ!」

コンクリート女「クヤシイ…クヤシイ…アンナニツクシテコノシウチ」

私「だから! 私は別人だよ!」

コンクリート女「オンナバカリコンナオモイ…オンナバカリコンナオモイ…」

何を言っても無駄だと感じました。

そして憐れみを抱いたら頼って来られた上に自分の想いがどうにもならないと逆恨みされると感じました。
この勝負は気をしっかり持たないと負けると思いました。

私「おまえの想いはどうにもならぬ! あきらめ成仏されよ!」

と言ってみました。
コンクリート女は凄いスピードで私に近付くと私の体を強く揺さぶって

「チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ…クヤシイ…クヤシイ…クヤシイ…クヤシイ…ドウシテクレヨウ…ドウシテクレヨウ…」

などと言い始めました。

必死で振り払おうとしたのですが…もの凄い力でした。

しかもコンクリート女の手は固くて乾いていて木の枝の様な触り心地でした。
幽霊がこんなに力強い事にビックリしました。

金縛りにはなりませんでした。
大声をあげたいのですが何故か喉がカラカラしてうまく声が出ません。

それでも、

「やめろーやめろ! 消えろ消えろ!」

と言い続けました。

あまりに長い時間と質感がしっかりしていたので恐怖より、だんだん酔っ払いの喧嘩に巻き込まれた様な感覚になってしまい…まさに格闘でした。

この最悪な事態は実にフロントから朝食のコールが入るまで続いたのでした。
コンクリート女から解き放たれた私はバケツの水を被った程汗だくで長時間揺すられていたせいか吐き気と頭痛がしました。

フロント業務が開始された事を知るや直ちに宿を後にしました。
その後、私に怪異現象のお土産などはありませんでした。

話しの内容から悲恋だったとしても2人の想いはきっと相思相愛で誠の愛だったのであろうと思います。

私の幽霊体験談の中で最も恐ろしい体験でした。

私は幽霊より生きている者の力の方が絶対に強いと思います、ですが、あの幽霊はハンパじゃない力を持っていました。

皆様も灰色のコンクリートみたいな肌の幽霊にはご注意下さい。悪霊化した姿だそうですので…。
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祖父母が健在だったころ、私の田舎には大きな持ち家がありました。
母屋と離れの二棟から成るその家、特に物置として放置されていた離れは、当時、小学生の私にとって格好の遊び場所となっていました。

田舎に帰省した時には、隣の子と一緒に離れで「かくれんぼ」をする。
その度に祖母にたしなめられたものですが、その意味を深く考えることはありませんでした。

その日、途中でかくれんぼを切り上げ、外に遊びに行こうとした私と隣家の子を、祖父が呼び止めました。
言いつけを聞かない悪ガキにも、祖父は決して怒ることはなく、私と隣家の子にお菓子をくれ、「離れ」にまつわるちょっとした怪談を聞かせてくれました。

とりたてて怖い話ではないかもしれませんが、今日はその話について書いてみます。

その家は祖父の家系代々の持ち物で、祖父もそこで生まれ、そこで育った人でした。
家にはちょっと変わった決まり事があり、それは

“離れの二階、東の部屋には入らないこと”

というものでした。

理由は語らず、かたくなに忌諱する。
田舎にはそういう「理由の分からない」習わしがいくつか残っていました。

そんな決まりはあるものの、家には物が多いためか離れには倉庫としての需要が多く、いつでも家の者が出入りできるようにと、鍵は分かり易い場所に掛けてあったそうです。
「ソレ」が起こった当時、祖父は私と同じぐらいの年頃の少年でした。
家の者が出払ったある日、祖父は歳二つ上の兄と自分の友達の三人で遊び、離れで「かくれんぼ」をしました。

いんじゃん(ジャンケン)で負けた友達が鬼になり、祖父と兄が隠れる役。
鬼は母屋で百を数えて、数え終わったら離れを探す。

遠く、母屋の外壁に伏せた鬼が、「いーち、にいー」と元気に読み上げる声がする。

離れはどの部屋も荷物が積まれ、なかなか隠れ甲斐のある場所が多い。
一階の奥の部屋に隠れる、と言った祖父に対し、兄は「じゃあ俺はあの部屋に隠れる」と言い出しました。

家に遊びに来ることの多い、仲良い幾人かの友達は、「離れの二階の部屋」の話を知っています。
余所様の家で「入ってはいけない場所」は、隠れるためにこれほど都合の良い場所はないでしょう。

「それはだめだよ」

とたしなめますが、体格も良くケンカの強い兄には、祖父の制止も逆効果でした。

急いで階段を上る音が聞こえ、少し間が空いて、祖父の隠れた部屋から真上にあたる「あの部屋」に踏み込む足音が聞こえました。
上の部屋、奥の方で「カタ、コトン」と少し硬い音。それは押入を開けた音か、何か荷物を動かした音か。

百を読んだ鬼が、母屋から走ってきました。
はじめに土間や台所を探していたのでしょうか、しばらくしてから祖父の隠れた部屋へと踏み込んできました。

積まれた荷物の隙間に、器用に身を収めた祖父を見つけるのは難しく、鬼は「くっそー、どこだー」と言う言葉を残して部屋を後にしました。
安堵した祖父が荷物の隙間から顔を覗かせたその時、上の部屋から「ガタンッ」と言う少し大きな音がしました。

それを聞きつけた鬼は、祖父の隠れていた部屋で音がしたものと間違え、再び部屋に戻ってきました。
突然の物音に呆けていた祖父は、あっけなく鬼に見つかりました。

鬼は祖父を見つけたあと、一階の残り二部屋、再び台所を探した後、二階へと向かいました。
物音が気がかりな祖父は、鬼のあとについて一緒に二階へ。

どの部屋にも荷物が積まれ、鬼はその中をくまなく探しました。
ですが、いずれの部屋にも、兄はいませんでした。

残った部屋は「あの部屋」だけでしたが、余所様の家で出入りを禁じられている部屋です。
強い確信を持ちながらも、鬼はその部屋の襖すら開ける気にはなれませんでした。
部屋の前から「***くん、そこに隠れてるだろ」と呼びかけるも返事はなく、目で合図を受けた祖父は、「ここに隠れてるはず」と返す。

そんなやり取りの中で、襖の向こう、部屋の中から「カタ、コトン」と硬い音がしました。
その音に後押しされ、二人は襖を、勢いよく、開けました。

部屋には一つの荷物も無く、人の気配も無く、本当に何もありませんでした。
奥に一つ押入があり、ためらいがちに部屋に踏み入った二人は押入の戸を開きました。

むわっ、と何か塊になったような空気が流れ出してきました。
ですが、押入の中に期待していた兄の姿はなく、ただ一つ、小さな水(酒?)の入った杯が置かれていました。

言葉にできない気味の悪さに包まれ、二人は逃げるように部屋を後にしました。
結局、兄は見つかりませんでした。

部屋と言う部屋、人の隠れれそうな場所は何度も探し、呼びかけました。
離れだけでなく、母屋も必死になって探しました。

どこにも兄の姿はありませんでした。

事態に怖くなった二人は、家の者が帰る前に外へと出ました。
兄が見つからなかったら、こう言おう。

「今日は二人で外で遊んでいた」
夕方、帰ってきた両親と姉。
兄を探す母に「***はどこ行ったの?」と聞かれましたが、知らぬ存ぜぬを通しました。

夜になっても帰らない兄を、父が探しに出かけました。
夜も更けて、未だ見つからない兄を隣近所の大人も探しました。

家は一晩中せわしなく、祖父は後ろめたさと得体の知れない恐ろしさに、布団の中で震えました。

朝を迎えても兄は見つからず、家には近隣の大人や警察があわただしく出入りを繰り返しています。

昼を過ぎる頃、自分の隠していることの重みに耐えかね、母の姿を探しはじめたその時、

「見つかった」

と言う知らせが飛び込んできました。


兄は死んでいました。

兄は村のはずれを通る川の下流で、死体で発見されました。

溺死と判断されたその死体に外傷はなく、しかし、何故か足は裸足でした。
ここまでが祖父から聞いた話。

「あそこはおとろしい(恐ろしい)ところじゃから、いったら(入ったら)いかんで」

と、話し終えた祖父は私と隣家の子に、優しく強く言い聞かせました。
私たちは二度と離れに入らないと約束しました。

祖父から聞かされた話は、私にとって非常に恐ろしい思い出として心に残っています。

ですが、その話を聞かなくても、離れに入ることはなかったと思います。
祖父に声をかけられる前に、私たちは「かくれんぼ」をやめていました。

一階東の部屋に隠れた要領の悪い私を、隣家の子はすぐに見つけました。
次の鬼を決めるためにジャンケンをしようとしたその時、上の部屋から「ガタン」と物音。

恐る恐る様子を見に行った「あの部屋」の前で、確かに聞いたんです。
襖の向こうから「カタ、コトン」と硬い音を。
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今から4年前の、まだ俺が高校1年生の頃の体験を話します。

俺は入学してすぐ、前の席のMと言う女子と仲良くなりました。俺はアメフト部に入部して、Mがマネージャーになりました。
家もさほど遠くはないので、休みの日に遊びに行ったり、とにかくいつも一緒にいる、そんな仲でした。

ある日俺がMの家に遊びに行った日、めずらしくMの家にMの兄が帰っていました。
その兄は(以下T)地元じゃ有名な暴走族の頭で、めちゃめちゃ怖かったのを覚えています。

その時一緒にTの舎弟Uもいました。
Uは俺とタメで、口数の少ない暗いキャラでした。

その日の夜、俺はMの家に泊まり、2人でゲームをしていました。
するとMの携帯が鳴り、出てみると電話の相手は兄Tでした。

Tは興奮しているのか、電話の声が俺にまで聞こえてきました。
‥舎弟のUが集会に行く途中、大型トラックに轢かれたようなのです。

M「それで、U君は大丈夫なの?」

T「…」

M「お兄ちゃん?! ねぇ!!」

T「‥なぁ、人間ってよ、上と下が離れちゃったらおしまいかぁ??」

それを聞いた瞬間、俺はゲームを止め、Mはその場で吐いてしまいました。
俺が電話を代わり、

「T君?! U君の状態はどうなの?! 救急車呼んだの??」

T「今、他の舎弟が呼んでる‥」

俺「U君、今呼吸してる?? 脈は??」

すると兄Tが

「お、俺のせいだ‥」

俺「‥?? 何?? どゆ事??」

T「俺がさぁ、調子こいて信号赤なのにスピード出して突っ切ったらさぁ、そしたらさぁ、U馬鹿だから付いてきやがって。ミラー見たらUの単車がトラックに引きずられてて」

俺「とりあえず救急車呼ばない事にはなんもできないから、落ち着いて待ってな」

そう言って電話を切り、俺はその日一睡もできないままMの看病をしてました。

‥結局、Uは還らぬ人となってしまいました。即死だったそうです。

その事があってから約半年くらい、俺はMの家に行かなくなりました。


そしてある日、学校でMが

「今日家おいでよ! ってか泊まりでテスト勉強しよッ!」

と誘ってきたので、俺は家に帰り、支度をしてから単車(ゼファー改400)でMの家に向かいました。

Mの家に着くと、そこにはまるで別人かのような兄Tがいました。
あの事件以来、兄Tは族の頭を辞め、引きこもっているせいか、青白い肌をしていました。
軽く挨拶をして俺等は2階にあるMの部屋に向かいました。

勉強をして、休憩をとっていた夜中の1時頃、Mの家の前から族車のマフラー音がしました。

俺とMは2人で「?」な感じで顔を見合わせたあと、Mの部屋の窓を開け外を見ましたが、誰もいなく、むしろ族車すらありません。

俺「兄ちゃんの単車じゃん?」

M「え? お兄ちゃんあの事故のあとすぐに後輩にバイク売っちゃったから持ってないよ?」

俺は頭の中が「…?」でした。

すると兄Tの部屋のドアが開く音がしました。

俺等も部屋のドアを開けると、兄Tが部屋の前で「今の聞こえた?」と言い、俺等は

「バイクの音でしょ? 聞こえた聞こえた」

兄T「まぁいいや。俺下に行って飲み物持ってくるけど、おまえ等なんか飲む?」

と言われ、

俺等「うん、コーラ!」

そう言うと兄Tは1階に降りて行きました。

俺等は部屋に戻り、一服しながら雑談をしていましたが、兄Tがなかなか戻ってきません。
M「遅くない? 冷蔵庫に向かうだけで20分もかかんの?」

俺「ついでにうんこしてんじゃん?」

などと話しながら待っていました。

しかし、それから10分経っても戻ってこないので、俺とMは若干イライラしながら階段を降りていきました。

1階に着くと、電気は全部消えていて、誰もいないんじゃないか的な雰囲気でした。

すると暗くて何も見えませんが、冷蔵庫の前付近で兄Tが床に座りこんでいるのがわかりました。

M「おーい? 何やってんの?」

俺「どしたんすか?」

兄T「…」

ちょっと心配になり、俺は兄Tの近くまで行きました。

すると、兄Tは泣いていました。しかも、何かを抱き抱えながら。

俺「M、兄ちゃんコーラ抱き抱えてんぞ」

M「はぁ? コーラ温まっちゃうからやめてよ!」

と言っても反応がなく、肩をヒックヒックさせている兄T。
俺は少し異変に気付き、

俺「何してるんすか? とりあえず立ちましょ? ね?」

そう言うと兄Tはゆっくり立ち上がりました。

とその瞬間、もの凄く生ぬるい鉄の匂いがしました。

俺「ん? …?!」

俺はある事にすぐ気付き、

俺「M、先に部屋戻ってて。すぐコーラ持ってくから」

M「?? どしたの?」

俺「いいから!」

俺がその時見たものは、


兄Tにしっかり抱き抱えられている、上半身だけのUの姿でした。


正直、夢か現実かわからなくなり、頭が真っ白になりました。

人間あーゆう時って、目を反らす事ができないんですね。
ホラー映画みたいに悲鳴とか上げらんないんですね。体が固まって動けませんでした。
そして兄Tが俺に、

兄T「の、飲み物取りに行った、行ったらさ、こいつ、Uが、Uがさ、玄関にいてさ」

俺「‥生きてん‥すか?」

兄T「たぶんな‥」

俺は部屋の電気を付けて、兄Tの近くに行った。

本当にUだった。
事故のせいで、頭の一部分が剥がれ、左の腕が思いっきり後ろに逸れていた。これは今でもはっきり覚えている。

俺は訳もわからずその場で号泣した。兄Tも、また泣いてた。

兄Tが、

「俺、俺さ、自分のせいでコイツが死んだって認めたくなくて、だから、だから墓参りも行かなかったんだよ、‥おまえ、俺が墓に行かねぇから自分から来たってか?」

Uは返事もせず、兄Tの腕の中で眠っていました。

兄T「わりぃけど、ちょっと2人にさせてくんねぇかな?」

と言われ、

俺「あ、あ、はい」

そう言って俺はコーラを持ってMの部屋に戻った。
Mはすぐに俺の異変に気付いた。

M「どしたん? ってかお兄ちゃんは?」

俺「別に。兄ちゃんは下で飯食ってた」

M「あそう」

なんかわからないけど、Mには言いたくなかったし、言えなかった。

きっとU君は、「総長のせいじゃない」って事を言いたかったんじゃないかなって思います。

俺にとってそれが生まれて初めての霊体験なんですが、この日を境に、俺はやばいくらい霊感が強くなりました。

話し長くなってすいません。
もし投稿させていただいたら、また他の話しも書きたいと思います。

〜あとがき〜

これ以降、俺はタチの悪い霊としか遭遇しません笑。
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はじめまして投稿します。
この話は俺が中学のころの話です。

俺が中二の夏休みが終わり一人の転入生(K)がきました。
その男の子は周りの子とは違う雰囲気をかもしだしていました。

なんと言うか地道な奴ってわけではないんだけど他の子となにか違う感じだった。
でも話してみると普通の奴で第一印象とは裏腹にノリがよく、けっこうはっちゃけているやつですぐ仲良くなった。

帰り道も同じで話す機会が多くなり家族のこととか前住んでた所の話とかしたんだ。
どんどん話していくうちに俺が最初に感じた他のやつと違う理由がわかった。

Kの母方の実家はいわゆる邪気怨念などを専門にする寺だったんだよ。
しかもKは霊感がかなり強いらしく少なからず霊感のある俺と共鳴みたいな感じになったらしい。

お互い様霊感があるって知って俺達の仲はどんどん深まった。


ある日クラスメートのA、Bに俺とKは誘われた。

そこは大きな道路沿いにある潰れたビジネスホテルだった。
最初は軽い気持ちでOKしたんだけどいざ行ってみると外からわかるくらい異様な空気なんだ。
俺とKは顔を見合わせて、

俺「やばいな」

K「やめたほうがいい」

俺とKはAとBにやめようと提案したがそれを拒否。

A、B「お前らビビり過ぎだから、こんな大きな道路沿いにあんだからでるわけないし」

と言い二人は入れないようにしてあるバリケードをよじ登り進入した。

俺「まじかよ…」

K「行くしかない?」

俺「連れ帰すしかないだろ? なんかあってからじゃやばいし」

俺とKは渋々ホテルに入った。

ホテルに入るとロビーにはいろんな物が散乱していて廃墟って感じだった。

K「A、Bどこだぁー」

俺「やばいからかえるぞぉー」

しかし返事はない。
このホテルはそれほど大きくなく5階までしかない。

俺「まじかよ、けっこう先まで行ったのかよ」

K「さっさと見つけて出よう、やばいのが俺たちにまでよってくるから」

俺「マジ!?」

Kは実家が実家だけにこうゆう話には真剣になる。

俺「まず二階からいくか」

K「あぁ」

Kの返事が鈍くなった。俺も体が重くなった。

二階は客室になっていた。
全室ドアが開いていて一部屋ずつ見る。

まぁ想像通りの有様、いろんな物が散乱しガラスの破片が床に散らばってる。

俺「きついな」

K「あいつらどこいんだよ」

などとぼやきながら部屋を後にする。

そして最後の部屋リネン室。
ドアが閉まっている。

俺「開ける?」

Kを見る。

K「開けるしかないだろ」

俺は渋々開ける。

しかし予想とは裏腹にただ汚いシーツなどが散乱してるだけだった。
俺「ビビり損だから」

K「次三階いくか」

Kがその一言と同時に三階から

A、B「ギャー、、、」

悲鳴が聞こえた。

俺、K「やばい」

俺達は三階にもうダッシュ。
三階も全室ドアが開いていて一室だけドアが閉まっている。

302号室。
俺たちは直ぐさま部屋の前に行きドアを「ドンドン」叩く。

K「大丈夫かぁ」

俺「いま開けるからな」

応答がない。

俺「急がないとやばい」

するとドアのノブが回った。

K「開いた?」

俺「開いたぞいくぞ」

Kに促す。

そして急いで部屋に入る。

しかし誰もいない。
荒れた室内はガラスが散乱しているだけ。

俺「誰もいないじゃんなんで!?」

Kが黙る。

K「はめられた!!」

K「出ろ!!」

俺の服を掴み引っ張るK。
急いで出ようとした途端ドアが「バタン」と音を立てて閉まった。

俺「なんだよこれ」

すると風呂場から「ウゥー」という唸り声と思える音が聞こえた。

K「まずい窓からでんぞ」

俺「三階だぞ!?」

K「ベランダの非常はしごから降りんぞ急げ」

唸り声は鳴りやまない。
割れる窓ガラスをくぐりベランダへ。

K「とりあえず降りんぞ」

俺「わかった」

俺達は死に物狂いではしごを降り最初に進入したバリケード前まで走った。

するとけろっとした顔をしたA、Bがいる。
俺とKの血相をかいている姿に驚いている。

A「どうしたお前らもはいったん」

俺達はなにも応えず、

K「今日は帰ろう」

Kの一言で解散した。
帰り道。

俺「しぬかと思ったよ」

K「あれはかなりやばいやつだよ、俺達が霊感強いのに気がついてはめやったんだよ。俺も初めてだよあんなの」

俺もKもかなりひどい顔をしてたと思う。

俺はあのホテルで昔何があったか調べようと思ったけど、Kのびびった顔見てその気をなくした。
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私の実家は、いわゆる「出る」家です。但し、現在は出ません。

風呂場から足だけニョッキリ出ていたり、夜に勉強机に向かっていると、自分の後ろに「やたら背の高い人」が立ってたり。
あと、私の姉が夜中に、ザンバラ髪の女性の首だけ浮いているのを見たことがあるそうです。

以上のように話すと色々あるのですが、その中で印象深かった体験を以下に書きます。
結構な長文になってしまう事をお許し下さい。

当時、私の両親は共働きで、姉は習い事をしていました。
必然的に、私は両親と姉が帰宅するまで(家族が帰宅するのは、大体夜21〜22時頃)1人留守番、ということになります。

そしていつの頃からか…私が1人で留守番をしている夜に限って、2階から足音が聞こえてくるようになりました。

問題の足音は、特に何の予兆も無く突然始まります。

歩調はちょっとスローペースで歩くといった感じで、あくまで一定の調子でした。
決して立ち止まったり、早足になることは無かったのです。

そして暫く歩き回ると、これまた突然足音は止むのです。

特に荒々しく歩く訳ではないし、足音以外は特に何をする訳でもない。
しかしながら、それが不気味でなりませんでした。
夜、家で1人っきりの時、上の階から『ギシ…ギシ…』と聞こえてくるのです。
小学生の私には、十分恐怖でした。

ところで、その足音は最初、2階の特定の部屋だけを歩き回っている様でした。
ですが、時が経つにつれて足音は、徐々に活動範囲を広げ始めたのです。

出没した当初は茶の間の上にある部屋限定でしたが、そのうち同じく2階にある、家族の寝室も歩き回るようになりました。


そして、ある日の夜。

案の定、足音が2階を歩き回り始めました。
当然私は怖かったのですが、『歩くだけ歩いたら、いつもの様に消えるだろう』と考え、恐怖に耐えていました。

ですが、その日の足音は少々違っていました。
いつもの如く2階の部屋全てを歩き回ると…なんと階段を降り始めたのです。

しかも、ゆっくりとしたペースではなく「トントントン」と、まるで人間が降りる時の様に、テンポ良く降りて来る!

『下に降りて来る!』

私は真っ青になりました。

どうする、逃げるか?
けれど、何処に逃げればいいんだ、もし足音に捕まったら、自分はどうなってしまうんだ…そんな考えが、頭の中をグルグルと駆け巡ります。
ところが、どうしたことか…足音は途中まで降りておきながら、いつもの如くそのまま消えてしまったのです。

ここに来て、ようやく私は悟りました。
足音は決して何の目的も無く歩き回っていた訳じゃない、1階へ通じる階段を探していたのだ、と。

そして、そんな私の考えを見透かしたように、足音が階段を降りる音は、日を追う毎に増えていったのです。


『このままでは、いずれ1階に降りてきてしまう…どうしよう…』

私は急いで思いつく限りの対策を講じることにしました。

ですが、所詮小学生の考える事です。

私が行った対策とは、

1.自分が居る茶の間から階段までのドア(2ヶ所)を全て閉じておく
2.1階の電気は全て点灯し、茶の間のテレビを常に点けておく
3.いつでも脱出可能なように、玄関の鍵を開けておく

といった稚拙なものでした。

ですが、これが当時の私が出来る精一杯だったのです。


そして、とうとう私が奴の姿を見ることになる日が来ました。

その日も相変わらず、私はテレビの音を少々高めにして、茶の間へ通じるドアは全て閉じて1階の明かりを全て点けていました。
時間は多分、夜の8時ぐらいだったと思います。
…いつもの様に、2階を歩き回る音が始まりました。

しかし私は、

『大丈夫、茶の間へ通じる2ヶ所のドアは閉じているし、1階の明かりは全て点けている。幽霊が扉を開けられるもんか!』

と、自分を勇気付けていました。

ところが…足音は「トントントン…」と足取りも軽く、階段を降り切ってしまったのです。

そして、明らかに茶の間へ一直線に歩いて来ている!

『そんなバカな、1階の明かりは全て点けているのに…』

と驚いている私の耳に、更に信じられない音が聞こえました。

カチャ…キィ…

私は慌てました。
足音はドアを開けてしまったのです。

この時点で私はすぐに逃げるべきだったのでしょう。
が、私は金縛りに掛かったかの様に最後のドアを凝視していました。

ギシ…ギシ…

足音が廊下を歩いてきます。
そして、徐々にドアの曇りガラスに黒い影が映り込んできました。
その影は、ゆっくりとドアノブに手を伸ばし…。

それを見た瞬間、私は弾かれるように裸足で外へ飛び出していました。


結局、私は親と姉が帰ってくるまで、ずっと外で泣きべそを掻いていました。

当然親にも話しましたが、そんなバカな…と一蹴。
ですが、何か思い当たる節は有るようでした。

そして私自身、後になって我が家で起きる現象の原因(と、思われるもの)を知る事になるのです。


原因(と、思われるもの)は単純というか何と言うか…実家に隣接している病院敷地にありました。
そこは病院そのものが建っている訳ではなくて関連施設が建ってるだけですので、全然意識してませんでした。

ただ、地元の人、特に古くから住んでいる方々に言わせると「夜中に人魂を見た」とか「影だけが歩き回っていた」という噂があったようです。
知らなかったのは私だけ、みたいな。

それともう1つ。
これは原因かどうか知らないのですが、例えば家の屋根裏に御札を貼る事ってあるんでしょうか?

実は、私の実家は別の方から買った中古住宅です。
で、かなり以前になるんですが、私の父が屋根裏に入った際、数ある柱のうち1本に御札が貼っているのを発見したそうです。
そして、ここから先は現場を見た姉貴の話(その時、私は何かの用事で現場に居ませんでした)なんですが、

「御札を剥がしたら、柱にヒビが入った」

御札の現物は父が処分してしまった上に、父自身は既に亡くなっているのでどんな御札だったのか、何故剥がしたのか不明なんですが、その御札を剥がしてからは、私も姉も幽霊を見る事が全くと言って良い程、無くなりました。

通常、御札って魔除けとかそういう効力があって、幽霊が出るから御札を貼る、とかですよね?
それが我が家に至っては逆だったみたいです。

ちなみに、前の方から家を買い取る際、モメたとかは一切ありません。
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今回の話は高校の修学旅行の時の話です。

俺とKは同じ高校に進み、変な霊現象にもあわずただ毎日馬鹿してる感じでした。
俺達は運よく三年間同じクラスでマジラッキーだった。

俺達の学校は三年の最初に修学旅行があって九州の鹿児島、熊本、長崎を三泊四日でまわるとゆうけっこうハードなスケジュールだった。
俺とKは当たり前のように行動する班も泊まる部屋も同じ班だった。

まぁ事件のおきたのは二日目の熊本のホテルだった。
ホテルといっても旅館に近い感じの古びた所だった。

旅館に着き、

俺達「これはホテルじゃないやろ!? 一日とは大違いだし」

などと一日が綺麗な所だっただけにみんな不満たらたらな感じ。
俺もKもただの汚い旅館程度にしか思ってなく、平然と文句をたれてた。

205室…部屋に着き、Kが一言。

「全然いけるわ」

俺はその一言が意外に居心地がいいって意味か変なことは起きないだろうとゆう安心かどちらだろうと思った。
でも自分も少なからず霊感はある、何も感じない。俺は一瞬考え答えはでた。
部屋は三人部屋で俺達以外にTとゆう背が小さくイジラレキャラが同室だった。
そいつはけっこう喋りも面白くて夜はネタ話や恋愛話など高校生らしい話に華をさかせた。

T「しょんべんしたくなった一緒にどっちか行こうよ」

俺達の部屋はトイレが壊れてて入れず一階にあるトイレを使用してた。

俺達「やだ↑↑」

わざといやがらせのように断った。渋々トイレに行くT。

30分後まだ帰ってこない。
他の部屋に行ったのかと思い、他の部屋に行く。

俺「ちび(T)いない?」

他の部屋のクラスメート「来てないよ」

俺「ごめんありがとうじゃあな」

全て部屋をまわった。
全てといっても三部屋しかないので時間はかからなかった。

俺はKに、

「あいつでかいのでもしてんじゃん?」

Kは無口。

俺は「無しかよ」

Kの肩を叩く。

K「ちょっと向こうのトイレ行ってみない?」

その向こうのトイレとは二階からつながる渡り廊下を渡っていく宴会場がある所だ。
俺達は渡り廊下を歩く。俺は気付いた空気が違う。

Kが俺を見て鼻で笑う。気付くのが遅いと言わんばかりに。

離れの宴会場に着いた。変な空気はここからだ。

K「たぶんここ」

俺は中学の時を思い出した、あの「ホテル」でのことを。

俺「前みたいに閉じ込められたりは…ない?」

Kを見る。

K「たぶんないよ、危ない奴ら(霊のこと)は鈍感なお前でもすぐわかるくらい強い霊気っての出すから、今回はここまで近くこないとわかんないくらいだからさ」

Kは自信まんまん。やはり実家で霊的経験を多くしてるので自信があるらしい。
俺はそのKの自信にも苦笑い。

K「開けんぞ」

勢いよく襖を開けた。真っ暗だ。

俺「誰もいないじゃ…あれT?」

Tがいる。しかも学ランを着て。

ちなみに俺達の学校はブレザーだから最初はTかどうか疑った。

Tは宴会場の隅に立ち。近づくとあからさまに目がおかしい。

K「やばい! 服脱がして運ぶぞ!」

俺「わかった!」

「Tのさっき着てた服わ?」

Kにたずねる。
「あとでいい。急いで部屋いくぞ」

俺はわけもわからずTをかつぐ。

渡り廊下を渡りきった時にはTは気絶してるだけだった。


部屋に着くと目覚めるT。

俺達「大丈夫か?」

T「苦しかった。なんかわからんけどトイレにいったら学ランのやつがいて…それから覚えてない」

俺達「そっか…まぁ無事でよかったよ」

K「お前ははやくねろ! たぶん旅行疲れだよ」

Kは言った。

T「だよな。ごめんなおやすみ」

Tは死んだように眠りについた。

KがTが寝たのを見計らって俺に、

「明日朝早く起きて離れの宴会場いくぞ」

俺「まじで? 出たらどうする!?」

K「朝から出ると思うならくるな」

俺は渋々了解した。
次の日。

宴会場に着くと昨日とは違って部屋は明るく俺達がTから脱がした学ランもない。

Tが行ったトイレに行くと、

俺「あれ? これTのじゃん?」

Kは明るい声で「任務終了帰るか」とTの服を拾った。

俺はまったくわけがわからんくて部屋に戻った後わけを聞いた。

Kは自慢げに言った。

「実家にいるときバアサンから似たような話聞いてたんだよ、だからもしかしたらと思ってさ」

笑うK。

俺は思った、Kの霊的現象にたいする知識はすごいと。

あと一つ俺は「俺とKで霊的現象を専門にした仕事したら儲かるかも」っていうばかなことを一瞬考えてしまった。

まぁ俺は専門学生。Kは大学生。

今でも親友で時々ある変なことを解決したりめちゃめちゃ怖いことになったりと今だにしている。
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