1 無名さん

ゆるふわ晒し

ゆるふわ晒し
2 無名さん
ゆるふわってなぁにぃ?
3 無名さん
まずやってみてよお
4 無名さん
5 無名さん
夏休みテンション乙
暇人乙
6 無名さん
無駄スレ立てんな
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数年前六本木のキャバで働いていた時の話。

従業員の女の子も黒服も割りと仲が良く店もそれなりに忙しかった。
1年程その店に勤め、六本木の違う店に移った。

仲のよい友達が働いていたせいもあり、辞めてからもたまに店に顔を出しに行っていたのだが、ある時、あまり喋った事のなかった黒服Aが私に

「僕昇進したんですよ」

と言い新しい肩書きの入った名刺をくれた。

あんまり親しくない私に言う程嬉しいんだろうなと思い、それを受け取って家に帰った。


それから半月程たって、いつもの様に化粧をしている時、マスカラを塗っていて思いっきり眼球を突いてしまった。
普段ならこんなミスしないのに。

目が痛いなあと思いつつも店に出勤する為地下鉄に乗ると、偶然前の店で一緒だった女の子にあった。
その子は、

「知ってますか? A君ね、行方不明なんですよ」

と、言ってきた。

「なんで?」

と尋ねると、

「週末にサーフィンに行って波にのまれて、まだ見つかっていないって。店の朝礼でA君の携帯には連絡しないようにって言われちゃいました」
そんな話を聞いている間に六本木に着いたので別れた。

私は店に行ったが、目の腫れがひどくなり

「お岩さんみたいな顔になってるよ。今日は帰りなよ」

と言われ早退をした。

病院にも行ったが目の腫れは収まらず、それから1週間程店を休んだ。

やることもなくヒマだったので、ベッドの上にずっと居て枕元に置いていたパソコンでずっとネットを見ていたり、気が向いたらAの事を知っている人に電話をして

「海で行方不明になったんだって」

と言う話をした。


それから半月程たっても目の調子は悪かった。

しかしあまり店を休むわけにもいかず、出勤するために地下鉄に乗ると、Aの事を教えてくれた女の子とまた電車で一緒になった。

「A君、あの話した1週間後に遺体で見つかったんですよ」

それを聞き、特に親しくはなかったが、二十歳にもなっていない自分の身近にいた人間が亡くなったんだという事実に(老人や病気の人が亡くなるのとはまた違う感覚)なんだかいたたまれない気持ちになった。

そんな気持ちを、占い師をしている友達に電話ですると、

「それちょっとまずいかも…人呼んでくるから家で待ってて」

と言われ電話を切られた。
すぐに折り返し電話がかかってきて

「粗塩と小豆を用意して家で待ってて。お祓いする人つれていくから」

そう言うと電話をすぐに切られた。

塩は家にあったが、小豆なんて一人暮らしの家にはないので買いに行こうとしたら、部屋の中に落ちているはずのないガラスのかけらが落ちていて、それを踏んで、私は足の裏を怪我してしまった。

幸い深い傷ではなかったので軽く手当てして小豆を買いに行き戻った頃、また占い師の友達から電話があり

「その小豆と粗塩をフライパンで良く熱して、それから冷ましておいて」

と言われた。

言われた通りにそれをつくり、冷めた頃に友達が「お祓いをする人」を連れてきた。

その人は私を見るなり

「足、痛かったでしょ。邪魔してんだよね」

と言ったのだが、私はついさっき足を怪我した事は友達には言っていない…。

二人は部屋に入るなり左隅を見ながら何か話している。
そして、

「最近ずっとあそこに居なかった?」

と部屋の左隅を指差す。

確かに、そこにはベッドを置いており、休みの間頭の位置にパソコンを置いて私はずっとそこにいたのだ。

「若いおしゃべりな男の子が居る」

二人は左隅を指差し声をそろえて言う。

私は、知っている人が亡くなったとは言ったが、そのAがお喋りな若い男だなんて伝えていない。

さらに、持ち手が貝殻で装飾されたペーパーナイフを渡され、しばらくそれを枕元に置いておくように言われた。

「海で亡くなってるから、海の物嫌いなんだよ」

海で亡くなった事も、私は言っていなかった…。

セージ? というお香のようなものを部屋に焚かれ、月の写真と木星? の写真を部屋の左隅に貼られた。

さっき作った小豆と粗塩を煎ったものを玄関と部屋の四隅に置き、さらに、小さな容器に入れて持ち歩くようにも言われた。

数日たったら燃やした後灰を水に流すか、近くの土のある場所に埋めるようにと言われた。

「目の腫れもあと3日くらいしたら治るよ」

そう言って友達とお祓いをする人は帰って行った。
あまりに現実離れ過ぎていて見ているだけで終わったが、本当に3日もすると目の腫れは治っていた。

(病院に行ってもなおらなかったのに)


全部が終わって落ち着いた頃、占い師の友達に

「なんで私のところにA君はきちゃったんだろう」

と聞いてみると、

「たまたま波長があって、自分の事を考えてくれる人だったからだよ」

と言われた。

全部が偶然の一致とは思えない体験だった。長文失礼。
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文章が長くて汚くてすいません。でもこれを見て、やっていい事とダメな事を皆様に学んで貰えれば幸いです。

あれはオラが18〜19才の時でした。

〇手県〇石町というところに慰霊の森って場所があるんです。
飛行機墜落事故があった場所で日本の飛行機事故でも1・2番を争う事故だったらしいです。

そんな場所だけに色々な都市伝説がありまして、昔女の人がレイ/プされた挙句、一人で置き去りにされて発見時は白髪になってて精神病院に送られた(たぶん〇手出身のこの話を知ってる人なら知ってるかもしれませんが、送られた病院はかの有名な平和〇病院らしい)などの話がある危険な場所なんです。


1回目は19才の五月のとある日、先輩2人に『行ってみんべ!!』と言われてヒマつぶしに行きました。

登り口まで行くには、大きな道路から曲がって一回登り口を過ぎてUターンしなければならない一方通行な道。Uターンをし、登り口には木の階段。

実はこの木の階段から、一歩でも登ったら最後まで登って拝まなきゃいけない!! というルールみたいなのを聞きましたが面倒くさくなり途中で断念。

休憩のつもりでタバコに火をつけたら3人しかいねぇのに腕が7本!! 走って逃げました。
2回目は御盆のど真ん中。

またしても同じ先輩2人『負けはくやしい!! 次は倒しに行こう!!』と言われて(今思えば何を倒すんだって話)たしかに!! と思い意気揚々と出発。

しかし、時期を間違えたらしく着いた途端にかなりの寒気と恐怖心…。
辞めようとするも、先輩達がダッシュするし一人はイヤだから泣く泣く付いていく。

1回目よりは登ったものの体力の限界の為、終了。
もう帰ろうと言った瞬間にブランコが揺れるような金属音!?

ビックリして腰を抜かしたオラを後目に先輩は『やんのかオラッ!!』とか言ってバットをブンブン。
だんだん金属音は大きくなるし、オラともう一人の先輩はパニック…。

『大したことねぇな』

と先輩が言った瞬間に[熱い…熱いよ…]と呻き声!!

『夏だからあたりめぇだろバカ!!』

ってキレだしたら、一人だった呻き声がだんだん増えつづけ、終いには森全体が呻き声を挙げてるくらいの大きな声になり猛ダッシュ!!

車の中で大絶叫しながら帰宅…。


もう二度と行くまい!! と思って早3ヶ月。

やっぱりバカは死んでも治らない!? 的な先輩は誘いに来た。
イヤだと断り続けたのにもかかわらず『御盆過ぎたし大丈夫だべ』などと言う始末。
半拉致気味に連れてかれ、もう恐怖心を消すには酒しかない!! とみんなを説得、かなりの量を飲んで出発したのはいいが、これが間違いの元でした…。

いつもならすぐ着くUターン場所に15分たっても着かない。
しかも向こうから対向車なんて有り得ないのに、酔ってる為か普通にクラクションで挨拶。

やっと着いたと思ったら今度はオシッコしたくなり木の階段をダッシュで登る。
我慢できずに途中のお地蔵さんにあろうことか立ち小便!? してしまった。

そしたら先輩がいきなりバットでお地蔵さんをフルスイングし『酔ったら怖くねぇなぁ』と言って『お前らもガッチョリ言っとけ』って言ってたので、調子こいてオラもフルスイング!!
お地蔵さんの首が取れてしまった。

しかし先輩はその首をぶん投げて大爆笑!!
楽しくなってきて散々壊した後、更に頂上目指して大ハシャギ!!

ただ、さすがに飽きてきたので帰ろうと後ろ向いて歩いた瞬間、

[熱い…家に帰りたい…]

[痛いよ…]

などの呻き声オンパレードとともに足や肩をガッチリ捕まれた!!

酔っているとはいえ、有り得ない状況に猛ダッシュ!!
しかし降りても降りても出口までたどりつかず。

『ゴメンなさい!!』

と三人で叫びながら走るとやっと出口に出た!!

しかし車に乗りエンジンをかけたのにかからず、大パニック!!

車を大勢の方々が叩いてるし、もうダメだ…。と思った瞬間にエンジンがかかり無我夢中で坂をくだる。

しかしあんなに晴れてた視界に急にキリが出始め、30分走っても外まで出れずまたもや大パニック!!

『ゴメンなさい!! もう二度と来ません!!』

と泣きながら大声で叫んでたら急に外に出た。

その出た瞬間、

[もう二度と来るな!!]

と悲鳴のような声が車のスピーカーから聞こえた。

あまりの恐怖に先輩ん家まで猛ダッシュで帰って車を見たら車全体に血の手形がガッチリ付いててオラ達は気を失った…。
次の日、怖いから当分みんなで集まって居よう!! と話し、とりあえずは一旦帰って着替えを持って来ることにしてオラは先輩に乗せられて家に帰った。

オラを無事!? 降ろしたその帰り道、先輩の車は事故を起こしてしまった…。
死んではないが、警察の話だと車は大破で死ななかったのが奇跡ではあるが、事故当時訳のわからない事を言っていたらしい。

その先輩達とは二人とも家自体、オラも周りの人からも連絡がとれなくなってしまいました…。
オラは県外出てしまったのでどうなったのかはわかりませんが心配です…。ちなみにオラはなんともありません。

長い上に拙い文章で大変申し訳なく思いますが、くれぐれも遊びで心霊スポットに行くのは辞めたほうがイイですよ。
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俺の祖母が亡くなった。

いや、むしろ母親と言っても相違ないだろう。

俺の両親は俺を生んですぐに、蒸発した。
結局真相は解明されず、マスコミは死亡をほのめかしたものの死体は発見されていない。

だから俺の世話は全て祖父母に任せられ、しかしいやな顔ひとつもせず、俺をここまで育ててくれた。

だから俺は祖母の死を知らされた時、大きな喪失感に包まれた。
と同時に、妙な疑念が湧いた。

なぜなら、祖母の死に様が、この世のものとは思えないほど異常だったからだ。


俺は葬式の為、故郷に帰ることになり、バスと電車を経由し、最後はタクシーに乗って帰路を進んでいた。

タクシーの運転手は俺が喪服を着て、しかも廃れた田舎村に行こうというのだから、興味をそそられたらしい。

「あれ、お客さんもしかしてA村の出身者ですかい?」

「え、あ、はい。でも何で‥」

「実は私もA村の出身者でね、雰囲気でわかるんですわ」

見れば彼は40歳半ばの少しやせ気味の、少し他とは違う雰囲気をまとった人だった。
そして何より印象的なのは、右目につけた眼帯だった。
「あぁ、この眼帯ですか。ちょっとした事故でね。ところで、野暮なことを聞くようですが、お葬式ですかい?」

「えぇ、祖母が‥」

そうして、俺は聞いてみることにした。もしかしたら、何か知っているかもしれない。

「‥祖母の死に様が、ひどいんです。聞いてくれますか?」

「‥なぜ私に話すんです?」

「何か、ひっかかるんです。地元の人なら何かわかるかと思って」

しかし彼は強い口調で、

「私はなにもわかりませんよ。検死官でもないし、なにせ死体を1回も見たことないんです。‥それに、わからないほうがいいこともある」

俺は余計に気になってしまい、更に問いただそうと思ったが、

「着きましたぜ」

どうやらかなりの時間がたっていたようだ。

「これも何かの縁だ、これは私の名刺です。‥何かありましたら、相談くらいには乗りますよ」

この名刺が俺の命綱になろうとは、思いもしなかった。
俺の故郷であるこの村は、山奥の中の山奥、同じ県内の住人でも知らない人が大半を占める程の廃れた村で、ついに人口は2桁に突入した。

葬式を行うような施設は無く、親類の家が会場となっていた。
祖父母の家で行われた葬式には、村中から人が集まっていた。

俺は門前で挨拶をしていたのだが、正直誰も覚えていない。まともに挨拶は出来ていなかっただろう。
俺はずっと顔を伏せ、立ち尽くしていた。

人にはお辞儀をしているようにも見えたのかもしれない。
涙を堪えきれず顔を伏せていると思った人もいるだろう。

だが、どれも違った。
俺は、恐怖に怯えていたのだ。

なぜなら、来る人全ての右目に、眼帯がしてあったからだ。

恐怖に足は震え、Yシャツと体は冷や汗で密着していた。
俺だけが除け者にされているような孤独感を、葬式中味わい続けていた。


恐怖を拭えないまま、葬式の後片付けを終わらせ、俺は祖母の部屋に立ち寄った。
不思議と恐怖が薄らぐ感じがした。
祖母が大事にしていた演歌歌手のサイン色紙や、プロポーズに祖父にもらった指輪などの遺物はそのまま残されていた。
懐かしい母の香りに包まれた部屋で、俺は人知れず涙をこぼしていた。

ふと、タンスと本棚の間に、ノートが挟まっているのが見えた。
気になって俺がノートを手に取ったその時、

「やめろ!」

と大きな声を出して、祖父が勢いよくやって来た。
俺が都会に自立する時には既に見えなくなっていた、両目を大きく見開いて。

「それを見るんじゃない! まさか、もう見てしまったのか!?」

俺の肩を両手で爪がめり込むほど強く握り、充血しすぎている赤い目で鋭く睨みながら、俺に叫んできたのだ。

しかしふと我に返り、

「‥すまん、儂はどうかしていたな。許してくれ。‥もう1度聞くが、そのノートを読んだのか?」

「‥いや、読んでないよ」

「‥そうか‥ならいいんだ。このノートは儂が預かっておこう。お前はどうする? 泊まっていくのか?」

「‥いや、タクシー呼んで帰るよ。仕事も今佳境だしね」

「そうか。すまなかったな、儂はもう寝るよ。たまには元気な顔を見せに来るんだぞ」
そのまま祖父は両目を閉じた状態で去っていった。


どっと疲れが吹き出て、畳に崩れ落ちた。

本当は泊まろうと思っていた。
しかし、孤独感を味わい、今も恐怖に震わされている。とても泊まる気分にはなれなかった。

そしてあの赤い目‥今もずっとあの目に睨まれている、そんな気がした。

今すぐ帰ろうと思い、部屋を飛び出そうと足を踏み出すと、何かをクシャッと踏んでしまった。

それはノートの1ページ、切り取られたその紙面には、びっしりと赤が埋め尽くされていた。

「‥血、か‥?」

刹那、俺の背後に気配を感じた。

すぐさま振り返るが、もちろん誰もいない。
だが、振り返った俺の背後から、その声は聞こえた。


「ミィツケタ」


そして俺の視界に、話しか聞いていないはずの祖母の死に様が広がった。
両手足がもぎ取られたように無くなり、あの祖父と同じ赤い両目を見開きながら、血の海の中に沈んだ祖母の姿が‥。

だが、それは一瞬で、元の視界が戻った。

しかし、妙な違和感を覚えた。
その理由はすぐにわかった。

祖母の部屋の右半分が、赤くなっていた。
かろうじて物を形どった線は見えるものの、色の概念は赤以外見つからなかった。

外に出て、試しに右目だけ閉じる。
空には青白く光を放つ満月が見えた。

左目だけ閉じる。
満月を形どった円を覆い尽くさんとばかりの赤が空に広がっていた。

どうやら俺の右目は、祖父母のあの赤い目と化していたようだった‥。
俺はポケットに放り込んでいた名刺を手に取り、090で始まるダイヤルに電話をかけた。

「もしもし、」

「さっきA村まで乗せてもらった乗客です! すいません、今すぐ来てもらえますか!?」

「別に構いませんが‥何かあったんですか?」

「話は車中で! とにかく急いで!」

来た時に降ろしてもらった場所で待ち合わせになったので、走ってそこに向かった。

とにかく、一刻も早くここを抜け出したい。
目的地にはこの雑木林を抜ければすぐだ。

しかし、足を止めてしまった。
誰かに睨まれている‥。しかも囲むように全方位からだ。

刹那、背後からカツッ、カツッとハイヒールで歩く音がこちらに向かってくる。
振り向くと、数人の老婆が赤い目で睨みながらこちらに向かっている。

そして、俺は愕然とした。

もちろん老婆がハイヒールを履くわけがない。
さっきの音の真相は、老婆が引きずっていた鍬だった。

「お、俺を殺すつもりか‥?」

すると、老婆は

「キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ」

と金切り声をあげ、飛びかかってきた!

「‥ッ!」

完全には避けきれず、かすっただけなのに腕が裂けた。
息つく間もなく、他の老婆が全方位から襲ってきた!

「う、嘘だろッ!」

俺は必死になって前方の老婆に突進した。

幸運にも老婆は倒れ、俺はまたいで走り逃げた。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

背後から叫びが聞こえた。

振り向くと、倒れた老婆に俺に向けられていた鍬の雨が降り注いでいた。
五臓六腑が弾け飛び、真っ赤な噴水が老婆の群れに降り注いだ。

俺はそれ以上振り向かずに、ただ目的地を目指し雑木林を走り抜けた。

と、道が開けた所にタクシーがドアを開けて待っていた。
彼は只ならぬ気配を早くも察知していたらしい。

「早く乗りなさい! ホラ、早く!」

俺はそのままの勢いで後部座席に飛び乗った。

ドアが閉まったと同時に、そのドアに老婆が突進してきた。

「うわッ!?」

更にタクシーを囲むように、老婆の群れが突進してきた。
「しっかり捕まっていてください!」

彼はアクセルを全力、ハンドルを一杯に回して、老婆の群を退けた。

だが弾き飛ばされたにも関わらず、老婆の群れはアクセル全開のタクシーを、人間離れした速さで追いかけてきた。

しかししばらくして、老婆は糸が切れた操り人形のように崩れ落ちた。

「…ふぅッ‥」

なぜかわからないが、どうやら振り切れたようだ。

だが今も力は抜けない。
今までのどんな事よりも怖ろしいことだった。

そして、俺は自分の右目が完全に赤に覆い尽くされていたことに気付いた。

運転手の彼も、気が抜けたように、

「‥危なかったですねぇ。間一髪でしたよ」

「えぇ、ありがとうございます。助かりました‥。でももしかして、こうなることを知っていたんじゃないですか?」
「‥実は私も、二十年くらい前にあなたと同じ体験をしましてね。今も胸に大きな裂傷が残っています」

「どうして、教えてくれなかったんですか!」

「‥故郷の村に、そんな思いを抱かせたくなかったんですよ。私みたいにね」

彼は寂しそうに言った。

俺は自分のことしか考えていない情けなさに、口を詰むんだ。

ふと、俺は気づいた。

「‥ところで、どこに向かってるんです? 帰り道は反対ですが‥?」

「‥その目は、呪いなんです。だから、呪いを解きに行くんですよ」

呪い‥まさか作り話の中だけと思っていた現象が、自分の身に降りかかるとは。

そして、俺は一番気になることを聞いてみた。

「‥呪いを解かないと、どうなるんですか?」

彼は、喋るのも嫌そうにこう答えた。

「‥多分、あなたの祖母さんと、同じ目に遭うんじゃ、ないですかね」
着いたのは、寂れた神社だった。

もうこんな真夜中になったのか? と錯覚するくらい、暗く、闇に包まれた世界だった。

彼の後をついて行くと、そこには優しい顔をしたお地蔵様がいた。

「私が以前、あなたと同じ出来事に合ったときに、父に言われたんですよ。このお地蔵様にあるお祈りを捧げると、呪いは解ける、とね」

「ある、お祈り‥?」

「えぇ」

彼はお地蔵様の前に座ると、両手を合わせ、目を閉じた。

俺も、それに習った。

「水霊の神様、私の赤き怨姫の呪を、浄化してください。私はその礼に、故郷を永久に愛する誓いと、無に去った右目を、捧げます」

難しい言葉だらけで、復唱に戸惑ったが、なんとか言えた。

刹那、俺の右目が火を噴くように熱くなり、俺は気絶に誘われるが、力を振り絞り、耐えた。
ふっ、と痛みが引いた。

と、目を開けると、先程の優しい顔は何処へ、痛みに耐えるかのような苦しい顔をしたお地蔵様がいた。

そして次には無表情になった顔は、ニタァと邪悪な笑みを浮かべ、


「アカキウラミハ、ツネニココニアリ」


と言い、優しい顔に戻った。

「‥つまり、誓いを破れば、いつでも呪ってやるぞという意味ですよ」

彼は、俺と同じく冷や汗を垂らしていた。

「‥あなたも、一緒に見たんですか?」

「この誓いは、以前に呪いを捧げた人がいなくては成立しないんですよ。いずれ、あなたも同行者となる日が来ますよ。絶対にね」

と言い、立ち上がった。

「さぁ、帰りましょうか」

ふと、俺は気づいた。

俺の腕の裂傷は、完全に塞がれ、完治していた。
そして、右目は漆黒の闇しか映していなかった。
車中で、俺は気になることを聞いてみた。

「そういえば、怨姫? でしたっけ? あれって何ですか?」

「‥昔、あの村のとても可愛らしい、まるで姫のような高貴さを纏った女性がいました。彼女はいずれ、結婚し、子供を産む予定でした。しかし、旦那となるはずだった男が喧嘩のあげく、彼女を殺し、両腕両足をもぎ取ってバラバラ死体にしたのです。しかし彼も彼女に右目を毟り取られ、出血多量で死にました。それから、あの呪いが始まったので、怨念の姫と呼ばれているんですよ」

あの村の過疎化は、そこからかもしれない。

「そういえば、どうして老婆達は、急に倒れたんでしょう?」

「あれこそ、怨姫の呪いですよ。満月の夜には、適当に選ばれた老婆が、ああやって男を殺しにいくんです。男は老婆に殺され、女は呪いで右目、左目と順に失い、やがて凄惨な最期を遂げるんです。まぁ、時には違う死に方もあるようですが」

違う死に方と言うと、俺の代わりに鍬の津波を受けたあの老婆だろうか。

そういえば、俺の祖父はどうなるんだ‥!?

「‥両目が赤いのなら、女と同じ死に方でしょうね。変わった死に方の一例です」

「そんな‥! 呪いを解かないと!」
「‥残念ですが、両目を失った人は助かりません。呪いを受けて助かるのは片目まで、そして同行者がいないといけません」

「あなたは、どうして他の人を助けないんですか!」

「同行者の権限は一回だけなんです。私の父は、私を助けた後、他の人を助けようと東奔西走しました。しかし、誰も助けられない。反感を買ってしまい、ついに殺された。親族の私の話など、聞く耳を持ちませんしね」

そんな‥なんて皮肉な話だろうか。

そして俺は絶望した。
俺は両親に何もしてやることができないなんて。

「‥元気な顔を見せてあげてください。例え見えていなくても、来てくれるだけで嬉しいはずですよ」

あっという間に駅まで着いてしまった。

帰り際、彼はこう告げ、料金を貰わずに去っていった。

「今日だけ我慢してください。明日からは、平和な毎日が過ごせるよう、共に頑張りましょう」
俺は家に着いた後、何も考えず、寝床についた。

怖かったという思いよりも、疲れたという思いの方が先行していた。
今度の土曜に帰省しよう、できれば満月の夜でないことを祈りつつ、寝についた。


俺は夢を見た。

「今日だけ我慢してください」

なる程、そういう事か。

真っ白な背景をバックに背負い、着物を着た女性が、何かを抱いて立っていた。

それは、両腕両足の無い、祖母の亡骸だった。

そして彼女はニタァと嗤い、


「ワタシノアカチャン、カワイイデショ?」
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╚╝╚╝╚╝╚╝╚═══╝╚═╝。
暴走族の話しを載せていただきありがとうございます。
いきなりですが、俺の暴走族の話し以降の霊体験を話したいと思います。

これは今年の8月の話しです。

俺には4歳年上の、24歳の彼女がいます。
俺が1人暮らしをしているという事もあって、去年の冬頃から同棲を始めました。

それから今年の6月に、俺の仕事の事情で埼玉に引っ越す事になりました。
部屋は2LDKで何不自由なく2人で生活をしていました。

8月に入り、彼女が急に「背中が重くて吐き気がする」と言いました。
俺は霊感の強い方ですが、彼女の周りにはなにも見えませんでした。

そしてその日の夜、俺が次の日の仕事が朝早かったので、先に寝ていました。
彼女はしばらくゲームなどをしていたみたいです。

それからしばらくして、彼女もベッドに上がってきました。
彼女は壁側を向いて、俺と背中を合わせるようにして寝たそうです。

次の日の朝俺は仕事だったので、彼女を起こさず仕事に向かいました。

昼頃、職場で携帯を開くと、彼女からなんと20件の着信履歴、10件のメールが来ていました。

「なんだこいつ、気持ちわる」

と口に出しながらも電話をかけ直しました。

俺「もしぃ? おまえしつけぇよ、仕事中に電話かけてきたって出れねぇよ」

彼女「まぁくん助けてよ!」
俺「は? 何が? まだ背中痛いの?」

彼女「ってかさ、ウチ等の隣の部屋って、…誰か住んでる?」

俺「…俺、お隣りさん見たことないわ。なんで?」

彼女「ねぇ、引っ越そう?」

俺「はぁ? わけわからん! とりあえず仕事終わったらすぐかけるから!」

と言って電話をきり、仕事に戻りました。

そして仕事が終わって、電話をかけようとしたら圏外だったので、鬼ダッシュで帰宅しました。

家に着くと彼女は夕飯を作ってくれていました。

メシを食いながら、彼女に何があったのかを聞きました。

すると、


昨日の夜、眠くなってきた彼女は、ベッドに上がり壁側を向いて寝たそうです。

しかしなかなか眠れず、彼女がふと目を開けると、向いていた壁から、上半身だけを乗り出した裸の女性がこちらを見ていたそうです。

目を合わせないようにしていても、目を背く事ができなかったそうです。


いい年した女が泣いてすがってきました。
彼女は昔からよくストーカーや痴漢の被害にあっていたので、1人でいるのがかなり苦手だそうです。
それを聞いて俺は次の日休みをもらい、彼女が寝るまで起きてる事にしました。

彼女は疲れていたので、ベッドに上がりしばらくすると寝てしまいました。
が、今度は逆に俺がなかなか眠れず、しばらくぼぉーっとしていると、

隣の部屋? から

「ピチャ、ピチャ、ピチャ、ズルッ」

と、変な音が聞こえてきました。

いくら霊感が強くても、奇妙な事があったら俺もそりゃビビります。

なんか変だと思い、寝ている彼女を起こしました。情けないけど怖かったんで笑。

寝起きでイライラしている彼女に小声で、

「なんか嫌な予感するから一緒に起きててよ!」

と言うと彼女はすぐに目を覚まし、一緒に壁側を向いて静かにしていました。

するとまた、

「ピチャ、ピチャ、ピチャ、ズルッ」

と聞こえてきました。

彼女も聞こえたらしく、小声で

「昨日もこういう音がしたから隣に誰か住んでるか気になったの!」

と言った直後、壁から人の吐息が聞こえてきました。
霊感はありますが、霊には慣れてないのでマジびびってました!

すると今度は2人して金縛りにあい、声が出ませんでした。

焦った俺は1回彼女の顔を見ると、彼女は壁の方から目を逸らさず、目を大きく開いていました。

そして彼女の目線を追うようにして壁を見ると、彼女の話してた通りのものが俺にも見えました。

本当に壁から上半身だけを乗り出して、こちらを見ている裸の女性を。

しかも何故かめちゃめちゃ睨まれてました。


気がつくと昼で、彼女は先に起きていました。

俺「なぁ、やべぇな、あれ…」

彼女「コクリ(うなずく)」

俺「ってかさ、俺久しぶりに夢見たの、なんかさ、俺、ピチャ、ピチャ、ズルッの音の原因わかった気がすんの」
彼女「あたしも!!」

「?!?!」

2人して同じ夢を見ました。

夢の中の視点が、壁から上半身だけを乗り出した女、つまりあの女が見ているものを夢で見たのです。

内容はこうです。


なぜか風呂場に立っていて、いきなり自分の髪の毛をひっぱるのです。

そして何十本も抜けた髪をビニール袋に包み、そのあと足と指の爪を歯で噛みちぎり、それもビニール袋に入れました。

そのあと歯磨き粉を付けずに歯ブラシで歯を磨き、磨き終わった歯ブラシを洗わずに同じビニール袋に入れたのです。

すると、誰かが帰ってきました。

何故か慌ててベランダに向かい、そこで夢は終わってしまいました。


俺と彼女はかなりビビって、大家さんに電話をし家に来てもらいました。
さっそく大家さんに昨日あった事を話すと、なにも知らないと言うのです。
納得のいかない俺は大家さんにお願いして、隣の部屋の鍵を貸してもらいました。
そして大家さんと一緒に隣の部屋を開けました。

部屋の中は全然普通でただの空っぽな部屋でした。
しかし、風呂場に入った瞬間、急に体が冷えました。

昨日見た夢の部屋と一緒だ。

俺は気になって風呂場を徹底的に探りました。
すると、天井にあるダクト? が少しだけ開いていたのです。

俺はビビりながらダクトを開け、中を覗きました。
中には、ビニール袋がありました。

なんか嫌な予感がしながら恐る恐る中を開けました。
その中身は夢で見たものとまるっきり同じでした。長い髪の毛、オレンジのマニキャアで塗られた爪、歯ブラシ。

俺と彼女の異変に気付いた大家さんは「どうしたの?」と言いたい様な顔をしていました。

俺はこのビニール袋を夢でも見た事を話しました。
そのビニール袋は大家さんが警察に届けてくれました。
それから2〜3週間は特になにもなく、普通に暮らしていたのですが、ある日、彼女がまた背中が痛いと言うのです。

嫌な予感がしましたが気にせずその日は眠りにつきました。

次の日の夕方仕事から帰って、彼女にまた夢を見た事を話しました。

今回は彼女は見ていなかったようで、内容が、またこの日の夢も、あの女の視点の夢でした。


まず、空っぽの部屋の窓際で裸のままうつぶせになっていました。
しばらくすると顔を上げ、俺等の部屋の壁の裏側まではいずって行きました。

その途中、何回か「ピチャッ、ピチャッ」という音が聞こえました。
そして壁の前に着くとゆっくり立ち上がりました、この時「ズルッ」と言う音がしたのです。

すると壁に顔を近づけ、

「はぁ、はぁ」

と息を吐くのです。

そして壁に向かっていくと貫通し、そこには女を見てビビっている、布団にくるまった俺がいました。

ビビっている俺は気絶したのか、ぐったりしていました。

すると俺の部屋に入り、風呂場でいきなり自分の髪の毛をひっぱり、あのビニール袋の中身とまったく同じものを作り、ダクトの上に隠したあとベランダを摺り抜けて行く夢を見ました。
次の日、朝一で姉ちゃんにその事を話すと、わざわざ家まで来てくれました。

姉ちゃんは部屋に入ってすぐに口を開きました。

「これ生き霊じゃない?」

俺「?? え?」

姉「これ生き霊だよ絶対。前に隣に住んでた人、男でしょ?」

俺「わからんから大家さんに聞いてみる」

大家さんに連絡すると、確かに男でした。

姉「いるんだよこーゆうタチ悪い生き霊とか。あんた引っ越すしかないよ」

そー言われ、9月に引っ越しました。まぁ近所に引っ越しただけなんですが。

まだまだ霊体験の話しはあるので、よかったらまた投稿します。
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陰明道には、相手に呪いをかける呪詛が存在しますが、その中で禁断とされている術があるそうです。

私の叔父は神主なのですが、明治の頃に叔父の曾祖父の代に近隣の神社と合併したそうで、合併された神社の中に古い日記があったそうです。
現在その日記は叔父の神社に保管されているのですが、お払いしてその日記を処分することになった際、私にその内容を読んでもらいました。

その内容は禁断の呪詛にかけられた男の悲痛な思いが綴られていたのです。

その呪詛は儀式の際、自分の命を犠牲にして相手に呪いをかけるというもので、かけられた人間は四十九日苦しみ抜いて死んでしまうという、とてつもなく強い呪いで、詳しい作法は現代には残っていないそうです。
呪詛を取り払う方法は、霊場(霊力のある場所)に立て篭もり、四十九日間飲まず食わずで耐え忍ばなければ助からないというものでした。

日記が書かれたのは江戸の後期らしく、叔父が現代語に訳しながら私に聞かせてくれました。
以下、叔父による訳と私の会話になります。

『さよが死んで四日目の今日、妻の絹江が血便(赤痢)で死んだ。昨日は長男の忠之助が首をくくった。俺はこのことがさよの呪いだと知り、今日からさよの四十九日の間、この境内にて物忌みをすることにした』
『ここにさよの懺悔も書こう。俺は妻と息子も省みず、さよと一時の間燃え上がる仲になった。しかしさよに子供を宿したのを知ると、いよいよ俺は恐ろしくなり、これまでの事をすべてさよの付き纏いのせいにし、宿した子供も、無理矢理さよの体を縛って降ろさせ、奉行所の命にて一方的に縁切りをした。さよはお咎めはなかったものの、二度と俺の前に姿を現してはならぬことを条件に解放された。さらに、無理な避妊をしたため、さよの体を二度と子の産めない体にしてしまった。俺は枕元にさよが現れるまですっかり忘れていたのだ。さよ、すまなかった。どうか赦してくれ、どうか』

五日目(立て篭もりから二日目)

『昨日の晩、さよが現れた。窓の隙間からこの室内を見ていた。俺は一瞬目が合ったが、あの恐ろしく怨みに満ちた顔はもはや妖怪の類と同じで、この世のものではない』

三日目

『飢えは我慢できるものの渇きはどうすることもできない。何もないこの境内の中で口にできるものは活けてある花と雨漏りの水くらいなものだ。昨日の晩もさよが現れた。彼女は血の涙を流し、髪は乱れ放題のまま、歯を剥き出しにし、境内の扉をガタガタガタと激しく揺らすのだ』

十日目

『昨日の大雨で部屋の隅に置いてあった壷に吹き込んだ雨水が溜まり、激しい渇きから久々に解放され、いくらか冷静に考える事ができるようになった。さよは毎晩現れた。しかも日に日に姿が醜くなって。昨日現れたさよは、両目が空洞で顔の肉も朽ち始め、口が裂けたような容貌だった』
この辺りから文体や表現が、だんだん乱れていきますので、一部読みやすい様に改帳しました。

十一日目

『腹が減った。活けてあった花は、もはや葉も茎も食い尽くし、柱にかじりついてなんとか気を紛らわしている。なんでも構わない、とにかく何かを口にしないと気が狂いそうだ』

十二日目

『昨日までは座禅もしながら時を過ごす事もあったが、もはやそんな気は失せた。どうしてオレばっかり。チクショウ畜生ちくしょうチクショウ! こんなノロイはねつけて倍返しシテヤル!』

十三日目

『毎晩毎晩オレを睨みつけヤガッテ! コロスならさっさとコロシてみやがれ! オレがここに居ればナニもできないくせに!』

十五日目

『溜まったツボの水が尽きた。雨が来なければオレは死ぬ。死はすぐ隣だ。運が悪ければここで飢えるし、逃げてもさよに殺される。シニタクナイ』

二十二日目

『もはやウゴくキにもナラナイ。マドのスキマからさよのクちハてたテがオイデオイデとこまねいている』

三十日目

『ゴトリとオトがした。そちらをミるキリョクもない。ツギにオソロシイほどの腐臭がした。どうやらさよのナイフ(内臓)がはらわたから落ちたオトらしい』

三十五日目

『絶食からイクニチ経ったダロウカ。幻覚なのか、さよはオレに語りかけてきた。
「ココカラデレバラクニナレルヨ、ミズモタベモノモクロウシナクテイインダヨ」

オレはソノ声でトビラを開けようとシタ。シカシさよの殆どドクロのカオがこちらに大きなクチを開けてタタズンデイル。ハナハダオソロシク、再びモトの場に伏した』

四十日目

『むせ返るホドのニオイが夜になるとヤッテクル。これはオレの死のニオイだ』

四十二日目

『またさよのコエがキコエテきた。なにやら歌のようで、か細い高いコエだった。

「キコエルキコエル、赤子ノコエガ、ワタシノワタシノカワイイコドモ、キコエルキコエル、赤子ノコエガ、アナタノアナタノカワイイコドモ、コドモハシンダ、アタシモシンダ、アナタハ…」

コエがキコえなくなったとオモッたら、さよは自分のクサッたナイフ(内臓)をまるで赤子のように愛おしそうに抱いている』

四十三日目

『夜明けがコンナニモ待ち遠しくオモえるのは生まれてハジメテだ。夜明けの度に五十日目の朝を夢見てきた。さよは未だニオレをミツメテイル。お前さえ! オマエサエイナケレバ!』

四十六日目

『あと三日。だがオレの命もそろそろ限界らしい。気持ちはかなり落ち着いている。ここにいればオレは死ぬが、さよは悲願を成就できない。オレは化け物に勝ったんだ。オレや絹江や忠之助の恨みだ! さよ! テメエは負けるんだよ! せいぜい成仏できずにこの世で苦しんでろ!』
四十九日目

『一昨日の雨で死にかけた体が今日まで生き延びた。もうすぐ夜明けだ。この飢えから、渇きから、呪いからすべて解放される』

『ああ、明るくなってきた。遂に夜明けだ。さよ! 聞こえるか! 俺はお前を絶対に許さない! ここから出たらお前の墓を掘り返して無限地獄へ突き落としてやる!』


一通り訳し終えた叔父は、

「一応これでこの男の日記は終わってるみたいだな」

私は一息ついて

「でもこの人は助かったみたいっすね。四十九日間よく耐えたなあ」

しかし叔父は、

「いや、俺はそうは思わないな。もし助かったなら、なぜ続きが書いてないんだ? それに…」

叔父は急に黙って紐でくくられた日記帳をぱらぱらとめくっていました。

すると、

「待て、後ろのページに誰かの書き足しがある」

それは当時、男が物忌みした神社の神主が書いたものでした。
『わたしはこの男が物忌みをしているのを離れから見守っていた。夜中、丑三つ時を過ぎた夜明けの暗い頃、何もない場所から影が動めくのが毎日見えた。そして五十日目の夜明け前についにわたしの目にも女を確認することができた。わたしは女を禊おうと、九字(除霊の術)を切ったが、女はそれを跳ねつけ、女の念によってわたしは気を失ってしまった。気を失う瞬間、まだ暗いにもかかわらず男が扉を開けようとするのが見えた。目を覚ますとすでに明るく、卯の刻はとうに過ぎ、辰の刻にさしかかる頃合い(午前七時過ぎ)だった。急いで境内に向かうと、扉の呪が解いてあり、扉も開いていた。中には誰もおらず、部屋の隅にはあの女の着ていたボロボロの着物と、長い髪の毛が大量に散乱していた。そして鳥居の外に捨ててあった釜に水が溜まっており、そこにあの男の草履が一足浮かんでいた。わたしは男の行方を探したが、二月経った今でも遺体さえ発見されていない』

私は恐ろしくてしばらく言葉も出ませんでした。

叔父は「おそらくこの男は女に連れて行かれたんだろうな」と言いましたが、私は納得できませんでした。

「でもちゃんと四十九日耐え抜いたじゃないですか。それなのになぜ…?」

不思議がる私に、叔父は禁断の呪術の内容について知っていることを語ってくれました。
「詳しくは知らないけど、もし物忌みをしなかったらこの男は四十九日経つことなく殺されてた筈なんだ。しかしこの男は呪いが解けるまでの四十九日間、境内に立て篭もった。そのために渇きや飢えや女の霊の恐怖に苦しみ抜いたんだな。男はとてつもない極限の状況から早く抜け出したかっただろう。五十日目の朝がやってきたら真っ先に境内から出るのは誰もが予想できることだよ。だから最後の夜に女は朝日の幻覚を見せて、男を外に出そうとしたんだと思う。この呪いからは逃げることは出来なかったんだな。結局苦しみ抜いて殺されたわけだ」

そう言われ、私はなんとなく納得しました。

「それにな」

叔父はそう言うと私に日記帳を渡してくれました。

その日記帳を見ると長年経って薄くなっていましたが、男の字の上に、そして日記帳のありとあらゆる余白に血の字で怨みの言葉が書き足してあったのです。


『コノウラミユルスマジ、ユルシテナルモノカ、死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死』
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忘れもしない、小学4年の夏のことだ。

ちょうど夏休みに入る前でいろいろと荷物を持ち帰り始めていたんだ、机の引き出しや、ミニトマトの鉢植え、虫かごなんかをな。
ところがある土曜日、リコーダーを小学校に置き忘れていたことに気がついた。

俺の時代は2週間に一回、土曜日は休日でその日は小学校があった日だったんだ。
お昼すぎだが先生はまだいるはずだ。

そう親に言われてしぶしぶとリコーダーを取りに戻った、なにせ遊ぶ約束をしていたからね、明けた月曜日には終業式だしその日でもいいだろうと思っていたんだ。

小学校に着いて昇降口から2階にある職員室に行った、一応先生に話しておこうと子供心に思ったからだ。
先生は呆れながらも許可をくれ、俺は教室に向かった。

普段騒がしい教室も誰もいないと不気味なものだ、この独特の感覚はわかってもらえるだろうか?
子供のころから小心者の俺としてはとっとと任務を遂行し離脱、友達と遊びたいと思っていた。

自分の机をあさる。
だがリコーダーは影も形も見当たらない。

次いでランドセルを入れる場所(扉なしのロッカー)を探してみる。
やはりなかった。

どういうことだろう、と考えること数分、ある事に気がついた。
土曜日の授業に音楽が入っていた。つまり、別の教室に置き忘れていたのだ。
うちの小学校の音楽の授業は何故か『多目的室』と『音楽室』で授業を行っていた、記憶が確かでは最後の授業は多目的室でやっていたはずだ。
多目的室は一階の階段そばにあり、普段の教室は三階だ。

階段を下りていかないと一階には着かない。
当然ながら階段を使い一階に行くと、なんとも言えない感覚に襲われた。

視線を感じる、というやつだろうか。
怖くなった俺は急いで多目的室に入る。

やたらと広く、後ろには楽器やら肖像画やらが置いてある部屋だ。
当然人がいない分、いつもより静かなわけで不気味でしょうがない。

自分が座った席の机の中に手を突っ込み探す。情けないことにこの時点で俺の手は震えていた。
だがほどなくしてリコーダーを見つけ、名前を確認した。OK大丈夫自分のだ。

物さえ見つかれば長居は無用、俺は多目的室を出てスライド式のドアを閉めた。
ほっとしたんだよな、あの時は。

ドアが閉まったのを確認しつつ振り向いて、俺は回収したリコーダーを落としてしまった。
振り向いたその先、階段の手すりのそばに女の子が立っていたからだ。

ただの女の子ならまだびっくりするだけだが、ただの女の子とは明らかに違っていた。
階段そばに立っていた女の子は明らかにおかしかった。

明らかにおかしい出血量、そしてそれは彼女の頭から流れ出ているものだったのだから。
いくらゆとりでもこれくらいはわかる、これはおかしい、と。あまりの怖さにせっかく回収したリコーダーを落としてしまったくらいだ。
目を閉じて想像してみてくれ。
肩まである髪は血で塗れていて、青白い顔の左半分は血で染まっていて白い服は血痕だらけ、そして彼女はじっと自分を見つめている。何をするわけでもなく、無表情でじっと見つめている。

恐怖で震える膝を無理やり動かして、俺はリコーダーを拾い上げてダッシュで逃げた。
あまりの怖さに靴を履かずに通学路を走ったくらいだ。

やがて小学校が見えなくなってから、俺は靴を履いていなかったことと、職員室に寄らなかったことを思い出した。

靴を履きながら自分に聞いた。

戻る?
断然拒否。

答えは決まっていた。
今思えば、少し漏らしていたかもしれないな。

家に近づくにつれ、小学校であったことは見間違いだったんじゃないか、と思い始めていた。
どこかで否定したかったのかもしれない。

結局自分にそう言い聞かせると俺は帰宅を急いだ。


家に着くと、友人とその兄弟がもう来ていて俺は遅れたことをわびた。
そして、多目的室前の廊下で起きたことを彼らに話したのだ。

俺のクラスメイトの友人Kは見間違いだよww と笑ったのだが、Kの兄(以下K兄)は笑わなかった。
K「どうしたの?」

友人はその表情に疑問を抱いたらしく聞いた。

K兄「いや、それ俺たちも見た」

一瞬後悔したね、なんであんな軽く話したのかって。

K兄が言うには、彼も友人と目撃しており、彼らだけでなく数名目撃者がいるらしい。
試しに自宅で紙に場所と特徴をお互いに見えない位置で書き、見せ合ったが一致していた。

あれは、目の錯覚ではなかったのだ。

<後日談>

K兄は何を思ったのか、その出来事を教師に言った。

すると教師は、その話を2度としてはならないとこっぴどく叱られたそうだ。
もちろん俺も担任に言った、だが結果はK兄と同じだった。

それから2年経ち、図書室に置いてあった『ズッコケ3人組』のシリーズで学校の怪談の話に影響され、自分たちの小学校にも七不思議を作ろうという話になった。

そのうちの1つに、俺が体験した事を入れたのだが、自称七不思議制作委員会の活動が教師達の目に留まり厳重注意を受けた。
噂によると下級生の1人が俺たちが作ったどれかを見てしまったらしい。

結局あれは何だったのか、何故教師達はあんなにも厳しく怒鳴りつけていたのか、今となっては知る由もない。

<追記>

教師が言うには、小学校内で亡くなった生徒はいない、とのこと。
だから余計不思議なんだよね、いくつも目撃されていることがさ。
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ちょっと長い話しなのでスルーしていただいても結構です。
だいぶ昔にテレビを騒がせた少し有名な事件です。

おそらく今はもう加害者も罪を償い被害者のご遺族も事件の痛みを胸に抱えていらっしゃると思うので地名など細かい事は記せませんが…20数年前に薬物中毒の男性が路上で通りかかっただけの親子を殺害するという痛ましい事件がありました。

私は当時まだ学生でこの事件は連日のニュースにて知りました。薬物は怖いと思いました。

時を経て私は社会人になり出版社に勤務しました。
ファッション雑誌の編集が主な仕事でしたが…ゴシップの週刊誌も他部署にあった為…2年程はそちらの仕事にも携わりました。その時の話しです。

編集長「桃源郷、おまえさ…数年前に起きた〇〇親子殺害事件を覚えているか?」

私「あぁ? …ええ! …でも…まだ…当時は私は学生だったので曖昧ですが…わりと有名で酷い事件でしたよね?」

編集長「実はちょっと妙な噂を耳にしてな…あの事件洗い直してくれ」

私「はぁ…〆切は…?」

編集長「5日以内だ」

こうしてこの日の午後には惨いスケジュールを強いられ取材に飛ばされました。
被害者と加害者のご家族に取材アポを試みましたが…えらい剣幕で拒否されてしまいました。まず、当たり前の反応です。
遠縁のご親戚にもアポを取りましたが

「元々…生前にも深い付き合いもないので当事者を知らない」

との事でした。

今思えばマスコミは無責任に人の傷口を嗅ぎまわるだけで実に失礼で嫌な仕事でした。
ですが当時の私は真実を報道する事が使命なのだと考えて無駄に燃えておりました。

身内が取材拒否となると当時の担当刑事を当たるしかありません。
もう何年も前の事件ですから担当刑事は引退していたり、他へ移動しておられますので探すのには難儀しました。

やっと核となる方を探し当てアポを漕ぎ着けたものの…その口は重くなかなか報道の裏にある真実まではたどり着けません。
旧担当刑事をA氏としましょう。

A氏「もう解決した事件です」

私「ええ…確かに…でもあの事件は報道されなかった何かが有るって噂なんで…」

A氏「しつこく聞かれても困るよ知らないしさ…報道された通りだよ」

私「…本当ですか? 報道された通り? あれで全てですか?」

A氏の目を凝視して質問をしたが…さすが刑事は職業柄ポーカーフェイスがお上手でピクリとも怪しい気配を示しません。
ですが私も〆切までに収穫をしなければ給料泥棒扱いを受けてしまいます。図々しくA氏宅に居座り続けました。

2日目にA氏宅でお茶をご馳走になりました。

A氏「あんたさ…そんなに大事な取材なわけ?」

私「どんな取材でも大切ですよ! 真実で記事が埋まるならね…Aさんも罪の大小にかかわらず犯人逮捕は大切な瞬間でしよう? それと同じです」
私のこの発言から意気投合していただけました。

A氏「あんたさ…この程度の取材でも経費ってかなり出るもんなの?」

私「わりとね…出るもんなんですよ…良かったら行きますか? 接待しますよ!」

本当は…たぶん公務員を接待なんて、いけない事なのですが…15年は軽く過ぎてしまいましたから…時効ですね…そして時はバブルでした、この程度の取材でも経費で50万円は使えたんです。

個室の懐石料理にご招待しました。
A氏は美味しい料理でお腹を満たしお酒が少しまわった頃には事件についてようやく重かった口を開いてくれました。

A氏「…あの事件は寒気がした…」

私「残酷で痛ましい出来事でしたから当然でしょう」

A氏「いいや…違う! 身の毛がよだったんだよ」

私「一体何があったんですか?」

A氏「俺達警察関係者はさ、呪いだとか祟りだとか信じちゃいけないワケよ。わかるよね?」

私「もちろんですよ! 殺人事件が呪いだとか祟りだとかのせいで片付けられてたら困りますからね…」

A氏「だから、刑事が絶対に口にしちゃいけないんだけどね…でも…あの事件は祟りだよ…呪いかな? いや…祟りだな! きっと」
私「何言ってるんですか? 薬ですよ? 加害者は薬物中毒で正常な思考が出来なかったんでしよう?」

A氏「加害者を尋問したのは俺達だけど、わりと正常だったんだよ」

以下A氏の回想話しです。


加害者(B氏とする)を被害者(Cさんとする)殺害容疑で尋問しました。

A氏「殺害してしまったCさんと面識は?」

B氏「…ありません…まったく知らない人です」

A氏「なぜ親子が殺害されなきゃならなかったんだ? 通りかかった知らない人が殺されなきゃ?」

B氏「ムシャクシャする事があって…薬物に手を出した事は認めます。ですが自分では思考が狂う程の薬物中毒だとは認識していませんでした…ところがあの時だけは…道を歩いていたら前方から来るCさん親子だけが…Cさん親子だけが…怖いお化けに見えたんです」

A氏「お化け? どんな?」

B氏「…ゾンビみたいな…」

A氏「それは君が薬物中毒だったから見えた幻覚だろう? 仮にだ…仮にゾンビみたいな人が歩いてたら殺していいのかね? 歩いているだけで何にもしていないのに?」
B氏「俺も恐かったけど、すれ違って何事もなく通り過ぎ様としました。でも…」

A氏「でも?」

B氏「頭の中に声がしたんです」

A氏「どんな?」

B氏「…殺せ…やられる前に殺せ…って声がしたら…後はもう無我夢中でCさん親子を殺していました」

A氏「それだって薬物中毒が引き起こした幻聴だよ」

B氏「あぁ…俺は何て事を…あぁぁあ!」


こうしてB氏は罪を償わなければならなくなりA氏も報告書を作成する事になりました。

A氏「それで報告書を作成している時にBとCさんの戸籍や身上や家系を調べるんだけど…」

私「そりゃそうでしょうね身元確保は当然です」

A氏「たまげたよ…ゾッとしたね」

私「何が起きたんです?」

A氏「被害者の方々には大変不名誉な話しで悪いんだが…昔…被害者Cさんの曾祖父が…加害者Bの曾祖父を殺害していたのさ」

私「…?」

A氏「だから、何て言うか…まさに…末代まで祟ったんだよ…」

私「この事は当人及び双方の家族は…?」

A氏「知らない…この因果関係は知らせていないよ」

私「じゃあ、B氏が聞いた頭の中に響いた殺せって言う声は…」
A氏「ひいおじいさん…だったんじゃないかな…? って思うよ」

私「…動機は…祟りですか?」

奇しくも殺害されたお子さんは正に末代だったそうです…こうして私の取材は終わりました…当時はまだ事件から年数が浅くてとても掲載出来ないと編集長が判断してお蔵入りした記事でした。

それでも私は加害者と被害者の双方の為にも偶然の悪戯だったと信じたいです。…信じたいですが…。

皆さんはいかが思われます?
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これは職場の後輩Rの体験談なんだが作り話には聞こえなかったので投下させていただく。
似たような体験談は結構聞く話だが。

Rは高校時代はバスで通学だった、1日7本と少なくはないが決して多くはない本数だ。

Rはバスケット部で夜最後の7時15分のバスに乗らないと帰れない。
その日もそのバスに乗るべく帰り支度をして近所に住む美術部の同級生Sと正門で待ち合わせして帰った。

いつもと同じ日常、バスに乗り込む。
バスはいつもの常連さんを乗せて走り始めた。

Rはバスの心地よい揺れと部活の疲れから居眠りをした。


それからRは目を覚ました、自分の降りるバス停が過ぎてしまったのかと焦ったが隣にSがうつむきながら座っていたのを確認してRはほっとした。

だが何気なく外の風景を見ると見たこともない景色が広がっているのだ。
空は赤く黒いまだら雲があり、木が一本もない岩山を縫う様にバスが走っている。

かなり焦ったRは

「Sちゃん! 起きて!」

揺すってもSはうつむいたまま。
Rが顔をのぞき込むと目が虚ろなSの顔、ほかの乗客を見渡す、いつも乗っている人もいれば乗っていない人もいる。
バスには金額表示もなければ「降りますボタン」もない。

Rは運転手さんに、

「すみません! ここはドコなんですか!? 降ろして下さい!」

Rの言葉に運転手は、

「……たま〜にアンタみたいなのが乗ってしまう事があるんだよ」

運転手の低く太い声にRは恐怖で気絶しそうになりながらもこらえた、運転手は

「行き先は地獄だ」


Rは腰が抜けた。

「このバスは止まれないからドアを開けてやる、そこから飛び降りろ」

運転手の言葉に、

R「無理です…怖い」

運転手「バスが着いたらアンタは死ぬよ」

R「Sちゃんも…」

運転手「アンタ以外はダメだ…無駄口叩いているうちにもう着く」

Rは腰が抜けたので泣きながらはいずりながらドアへ向かい飛び降りた。

その時、運転手が

「K子を宜しくな…」

って今までの低い声とは違う暖かい声で言ったんだ。

K子はRの母の名前。
Rが目を覚ましたときには病院のベッドだった。

隣では父と母が泣きながら

「良かったぁ〜!」

と言っていた。

まだ頭がボーっとしていて右足はギプスで固定されつり上がっていて体全体が軋むように痛む。

どうも事情が飲み込めなかったが母から聞いて驚いた。

私達が乗ったバスが対向車線からはみ出したトレーラーと衝突してバスが横転したらしい。

運転手を含む9人中私を含む4人が助かり5人は即死だったとの事。
その死亡の中にはSちゃんがいてRは泣いた、だがどうも同時にRがSの所に座っていたらRが死んでいたという、かなり無惨な状況だったらしい。

Rは左腕骨折・あばら骨4本骨折・頭には7針の裂傷・右足骨折に靭帯損傷・圧迫による全身打撲で退院までに一年近くかかった。


退院してからSの家に線香をあげにいった、覚悟して行った、Sの親に自分の娘が死んで私だけ…そんな負い目だったがSの母親はRを泣きながら抱きしめてくれたそうだ。

「Sの分まで生きて」って言われた。
それから例のバスの運転手を思い出して母に聞いてみた。

母はたぶんRが生まれる一ヶ月前に死んだRの母方の祖父かもしれないと言った。

祖父はRが初孫だったんだが生まれる一ヶ月前に仕事中に事故に巻き込まれて亡くなった。
その祖父の仕事がバスの運転手だった。

その偶然は偶然ではなく必然だったのかもしれない。

そのRも今は婚約者がいる、その相手の職業が観光バスの運転手…因果なものだと俺は思った。
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この話が採用されたら、まだ家で起きた出来事が多数あるので投稿したいと思います。

これから話すのは、俺が初めて恐怖体験をしたときの話です。
文章を作るのが下手なので嘘くさいかもしれませんが聞いてください。これは全て事実です。

俺は多少霊感がある。これは俺が中学2年だったか中学3年だったかの話。
俺はもともと北海道H市に住んでいて、小学5年のときに北海道O市に転校したんだ。んで毎年冬休みにはH市に帰ってきたんだ。ばあちゃん家に。

ここからが本題。

あれは正月あけたくらいだったかな。
俺は普段2階の部屋で寝てるんだけど、その日は母さんと父さんが2階の部屋で寝て、いびきがうるさかったもんで、1階のリビングに寝てたんだ。

テレビを消して、寝ようとしてたらいきなり階段を降りてくる音がしたんだ。
最初は母さんか父さんがトイレでも行くのかなって思って、気にとめてなかったけど、なんかおかしいんだ。
階段を降りる音が1段だけなんだ。『どんっ』って。

それからおかしな事が始まったんだ。

よくあると思うけど、普通蛇口から水の音がする時って、『ポツン…ポツン』とかだよね。
けど違うんだ。水が蛇口から一気に『ジャー』って流れ始めたんだ。

誰かが水を使ってる事はありえない。
だって、水を使うなら必ず1階のリビングを通んなきゃならないんだから。
その水の流れる音を聞いて俺は、「これってやばいの!?」とか思って、布団に隠れた。

そしてまた階段を1段だけ降りる音。
「これまぢやべーよ」って結構パニック状態だった。

そしたら次に、冷蔵庫のドアが開いた。
冷蔵庫開けるとオレンジっぽい光があるだろ? あれで床がオレンジ色に光ったんだ。

まだまだこんなんぢゃ終わらなかった。これは始まりに過ぎなかったんだと思う。

ちょっとしてから、次は窓がおかしい。誰かが窓を叩いてる。
時間は夜中の1時か2時くらいだったと思う。

「こんな夜中に誰かが人の家の窓を叩くか?」

とか思いながら窓に近付いた。

そしたらまた階段を1段だけ降りる音。

その音を聞いて、また布団に戻った。
これは布団から動かない方がいいと考えた俺は、布団をかぶっていた。

そしたら、今度はテレビがついた音がした。
なんかノイズ音!? みたいなやつが『キーン』って感じで。

怖いながらもテレビを見たら、なんもついてなくてノイズ音だけ。
もう心の中では泣きたい気持ちでいっぱい。
できるなら誰かの寝てる部屋に行きたかった。けどとても動ける状態ぢゃなかった。

んで、また音がした。次はストーブから。

ストーブの上って排気口!? みたいな煙突が外につながったやつあるよね!?
外につながったとこには物置があって誰かがそこを開けてるんだ。

物置のドアを開けた音がした。

「これは不審者なのか!?」って思った。窓のこともあったから。
でも怖くて近付けない(俺って相当チキン!?)。

俺はどーしていいのか、わからずずっと布団の中にいた。

しばらくすると眠気がきた。
このまま寝たらやばいと思ったので眠い目をこすりながら起きていた。

1階のリビングの奥には部屋があるんだけど、その部屋って仏壇が2ヶ所あるんだ。
仏壇の1つは、お経みたいなのを口に出してやるんだけど、もう1つはラジカセでかけてやるんだけど、いきなりお経のラジカセが鳴ったんだ。

これはまぢでやばいと思った俺は、布団の中で失神したみたいで、朝ばあちゃんに起こされた。

朝ばあちゃんに話すと、「あ〜また出たか」みたいな感じで言うから、「え!? なんなの!?」って聞いたら、母さんが

「あたしも、ばあちゃんも、リビングで寝たことがあったんだけど、2人とも金縛りにあったことがあったんだよね。何回も。リビングのソファーに男の人が座ってるし」

って母さんが言ったんだ。
俺はとんでもないとこで寝たと思った。

今はH市に戻ってきたからばあちゃん家に住んでるけど、あれ以来リビングには寝ていない。寝たくもない。

ちなみに友達には「幽霊屋敷」と言われている。
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今年のゴールデンウィークの不思議な体験を書かせてもらいます。

わたしの家には、スーザン(仮名)というサンディエゴからの留学生が滞在していました。
母が婚前に英語の教師をした影響か、海外の留学生を受け入れるのが好きで、わたしが高校を卒業したあたりから、隔年で自宅に留学生をホームステイさせていました。

スーザンは、片言ながらも日本語でコミュニケーションをとれました。
わたしが居る前では、必ず日本語を話します。

単語が出てこなくて、意思の疎通が難しい話題になったときに、わたしが辞書片手に英語を使うと、物凄い剣幕で怒ります。「勉強にならない」と。
なので、わたしもスーザンの前では日本語しか話しません。

わたしと同年代ということもあり、恋愛の話などを気楽に出来る良い友達でした。


ゴールデンウィークの休日、スーザンと一緒にドライブで少し田舎の方まで、一泊二日で出かけることになりました。

スーザンは、日本の自然がとても好きでした。
我が家は、割りと都市部のゴミゴミした場所にあり、毎日、混みあう電車で通学するスーザンに、たまに美味しい空気を吸わせてあげようと、わたしが企画しました。

二つ隣の県にある、お城を見に行くのが目的のドライブでした。
わたしは運転に不慣れですが、カーナビのおかげで道に迷うことも無く、天気の良さのおかげで、心地よい風を感じながら畑が広がる田舎の県道を走っていました。
カーナビが、「100メートル先、左折です」というので、小さな交差点で、わたしは左にウィンカーを上げ、ブレーキを踏みました。
道の先を見ると、大きな交差点があり、カーナビが曲がれと指示した場所は、その大きな交差点だったことに気づきました。

後ろからぴったり車が付いてきているので、減速してウィンカーを上げた以上、曲がらないわけにもいかず、わたしは仕方なく、手前の交差点を左折しました。

左折した先の道は、一本道の農道のような場所でした。
とても道幅が狭く、父から借りたワンボックスの大きさのために、Uターンも難しく、横道がないために折り返すことも出来ないので、しばらく道なりに進みました。

結構長いこと真っ直ぐ進まなければならず、仕方なく進んでいくと、いつの間にか住宅街になっていました。
木造の古い家が両側に立ち並んでいます。住宅街というよりも集落のような感じです。

どの家も、駐車スペースがなく、なかなか折り返すチャンスがありません。
前方には山があり、折り返すことができないまま、突き当りまで進んでいきました。

突き当りには、20台ほど駐車できそうな、駐車場になっていました。
そこは、神社の駐車場でした。

駐車場には、白地に黒で「学業成就」「長寿祈願」と書かれたのぼりが何本も立ち並んでいます。
スーザンに、「何が書いてあるの?」と聞かれ、わたしは学業成就の意味を教えました。
日本文化なら、何にでも興味を示すスーザンははしゃぎ出し、神社の中を見たいというので、一旦ここで車を降りて、神社の中を見て回ることにしました。

わたしも多くの神社を見たわけではないですが、外からの眺めは、神社としては珍しい感じがしました。
境内は、お城のような高い白壁の塀に囲まれ、全く中が見えません。塀の切れ目に鳥居が建っており、そこをくぐって中へ入りました。

中を見て驚きました。
ビックリするくらいに綺麗なんです。そしてとても広い。

手入れが行き届いた植木達に、まっ平らな砂の地面。まるで京都の観光地のようです。
境内には涼しげに小川が流れています。小川の向こう側は、木が鬱蒼と茂る山があります。

境内に、ホウキを持った若い神主さんらしき人を発見しました。

「年末や受験前シーズンならまだしも、この時期に若い女性が来るなんて珍しい」

「それ以上に、海外の方が来るなんて、初めてかもしれない」

と話しかけられました。

その男性に学業成就のお守りを売ってもらいスーザンにプレゼントしました。

「ごゆっくり休んでいってください」

と言われたので、慣れない長時間の運転で疲れたわたしは、自販機で買ったジュースを片手に、境内のベンチに座って少し休んでいくことにしました。

連休中なのに、わたし達以外に参拝客はいないようで、とても静かです。
自然と日本の伝統建築物が大好きなスーザンは、興奮気味です。
そのとき、スーザンが小川の先を指さして「あれはなに?」と言いました。
小川の向こう側には、鳥居がありました。

神社の中にまた鳥居があるなんて不思議だな、と思いながら、その先を良く見ると、山の中へ入っていく石段のようなものが見えました。
スーザンが興味深々なので、間近で見ようと、一緒に鳥居へ近づいていくと、その鳥居が女性の腰くらいの高さの小さなものであることがわかりました。

スーザンは、その小さな鳥居をくぐりたいと言い出しました。
しかし、小川沿いに境内を端まで歩いて探しても、向こう岸に渡ることができそうな橋が全く見当たらないんです。

小川は幅は3メートルほどで、くるぶしあたりまでの深さしかなかったので、暑いくらいの天気なので、靴と靴下を脱いで、裾をあげて、裸足で小川に入って、向こう岸に渡ることにしました。

向こう岸に渡り、靴を履きなおすと、スーザンは四つんばいになって、その小さな鳥居をくぐりました。
わたしもジーンズを汚しながら、四つんばいになって鳥居をくぐり、スーザンと顔をあわせて笑いました。

鳥居の奥の山へ登っていく石段を見上げると、わたしは急に、その先に何があるのか急に気になりだしました。
スーザンも同じ思いだったらしく、わたし達は、何も言わずに石段を登り始めました。

石段はすぐに終わり、普通の山道になりました。
木で日光がさえぎられ、とても涼しくて良い気分です。

さらに上へ上へと足を進めていくと、また小さな鳥居があり、再び石段が始まりました。

鳥居の横には石碑が建っており、神社の名前が書いてありました。
わたし達が最初に入った大きな神社とは全く違う名前です。
地面が濡れていて、さすがに四つんばいで潜るのは気がひけたので、鳥居の外側を回り、更に石段を少し昇ると、人影が見えました。
二人組みの子供です。

近づいていくと、二人の子供達が小さな声で何か歌っているのが解りました。
それと同時に、その歌声から、その二人組みが子供ではなく、小さな老婆であることがわかりました。

わたし達に気づいているはずなのに、彼女達は歌をやめる気配は全くありません。
歌は、聴きなれない言葉がちりばめられていて、

「どうかあと10年生かして欲しい」

といった内容で「ありがたき」という単語が何度も出てくる不思議なものでした。

石段がある坂の左手に小さなお堂があり、老婆達は、そこへ向かって手を合わせています。
老婆達は、この暑さの中、毛糸で編まれた厚手のカーディガンを着ています。

老婆達の背中越しに、わたしも、そのお堂に向かって手を合わせました。
わたしの動きにつられて、スーザンも手を合わせます。

お堂には、茄子やピーマン、キャベツといった野菜が大量にお供えされています。
その上の段には、大豆のような形で、表面がガタガタの球体がありました。

大きさはバスケットボールよりも、二周り小さいくらいでしょうか。
どうやら石でできているようで、光沢感があり、木の間から差し込む光に反射しています。

歌が終わると、老婆達は、わたし達のほうを振り向きました。
老婆達の顔を見て、一瞬ぎょっとしました。
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彼女達の顔が真っ赤だったんです。朱色と言えば伝わりやすいでしょうか。

老婆達は、不思議な化粧をしていました。
眉間のあたりから、眉の上を経由して、あごを通って顔全体を一周するように、口紅のようなものを塗っていたのです。

最初は血か何かだと思い、かなり驚きました。

驚きのあまり、「こんにちはー」と声を上ずらせて挨拶すると、老婆達は、さっきの神主と同じように聞き慣れないイントネーションで話しかけてきます。

最初に年齢を聞かれました。
老婆達の言葉は今となっては細かく思い出せません。

「何歳か?」

という問いに、「23歳です」と答えると、

「まだ若いので、これ以上、石段を登るのは、バツをほうず(る?)」

と言われました。

細かい言葉までは覚えてないのですが、“バツをほうずる”というフレーズだけ頭に残っています。

老婆にそう言われ、石段の上へ目をやると、お堂がある場所(わたし達が居る場所)からさらに長い距離、真っ直ぐ石段が続いており、突き当りには、大きな社があります。
社の前に、人影が見えますが、木が鬱蒼としてて薄暗くて良く見えません。

その時、スーザンが老婆達の前で、初めて言葉を発しました。
お堂の中を指差し、そこに祀られている、大豆のようなゴツゴツとした石のような物体を指差しながら、「これはなんですか?」と訊いたのです。

すると、老婆達が、「ギエー!」という大きな悲鳴を上げました。
「日本人じゃない!」

「バツをほうず!」

「今すぐ降りろ!」

「降りろ! 降りろ!」

とまくし立て始めました。

スーザンは目が青いものの、黒髪で体格も小さいので、老婆達はスーザンがアメリカ人であることに、彼女が片言の日本語を発するまで気づかなかったのでしょう。

上の大きな社へ目をやると、老婆達の悲鳴を聞いたからか、先ほど見えた人影がこちらへ向かって降りてくるのが見えました。
動きは急いでいるようですが、足がわるいのかソロリ、ソロリと降りてきます。

わたしは怖くなり、スーザンの手を引いて、足早に石段を駆け下りました。
その時のスーザンの手は、酷く汗ばんでいて、冷たかった。

一度も振り返らず、山に入る時に四つんばいになってくぐった、小さな鳥居のところまで降りてきました。

二人とも、急いで靴を脱ぎ、小川を渡りはじめた時、異変に気づきました。
先ほどは、くるぶし程までしかなかった小川の深さが、膝に達するくらいまで深くなっていたのです。

なんとか反対岸まで渡り終え、後ろを振り返ると、スーザンは小川の真ん中で立ったまま動かなくなっています。

「スーザン? 大丈夫?」
と問いかけると、決してわたしの前で英語を喋らないスーザンが、英語で絶叫し始めました。
英語が苦手なわたしは、全くなにを言っているのか聞き取れません。

絶叫が途切れ、口をパクパクさせた後、スーザンはそのまま川の中に倒れこみました。

その時、わたしは後ろに気配を感じました。
後ろには、お守りを売ってくれた、若い神主さんらしき男性が立っていました。

彼は、服が濡れるのもいとわず、川に入り、スーザンを支えるようにして、こちらの岸まで連れてきてくれました。

スーザンは、体に力が全く入らないような状態になっており、呼吸も荒くなっていました。
神主さんらしき男性と二人でスーザンを抱えるようにして車まで運びました。

男性は、わたし達の車が駐車場にあるのに、わたし達の姿が見えないことを心配して、あたりを探していたそうです。

「まさか、あの深い川で水浴びしてるなんて思わなかった」

と言われ、

「最初は、くるぶしくらいの深さしかなかった」

と答えると、男性は酷く驚いていました。
さらに、わたし達が石段を登った先で見たものについて話すと、男性の顔が一気に青くなりました。
そして、わたし達が石段の上へ行ったことについて、怒りました。

老婆達について深く聞こうとすると、

「いるはずがない」

「入れないように橋を撤去した」

と言い、男性は更に顔を青くして震えだしました。

続けて彼は、「早く帰ったほうがいい、今日のことは忘れたほうがいい」と言いました。

わたし達が体験したことについて、もっと詳しく聞きたかったのですが、男性の尋常ではない対応を眼にして、それ以上質問を続けることはできませんでした。


スーザンの具合が悪いので、わたしは車を発進させ、神社の駐車場を出たのは、お昼を少し過ぎたあたりでした。
住宅街を抜けて、県道へ出て、そのまま自宅へ引き返しました。

スーザンはその後、風邪を引き、高熱を出しました。
数日は食べ物も喉を通らず、何度か病院で点滴を受けていました。

スーザンは8月に帰国してからも健在で、未だにメールの交換を続けています。
ただ、スーザンは、あの日のことを良く覚えていないようです。
「神社の川でおぼれたのは覚えているんだけど」

それが彼女の唯一の記憶のようです。


わたし一人が白昼夢を見たのでしょうか。

「あの老婆達は何者だったのか?」

「小川の向こう側の小さな神社の招待は何だったのか?」

気になるものの、あそこへもう一度足を運ぶ勇気がありません。

今でもたまに、石段を登る夢を見ることがあります。
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俺は大学生の頃は心霊サークルに所属していた。
野球がメインだったが高校時代の先輩がサークルの部長で俺を知る人だったから半ば強引に入らされた。

そんな俺が一年で歓迎会をする事になった。
心霊サークルに入ったのは俺を入れて4人だ、うち2人は霊感はないけどオカルト大好きな女、もう1人は男、聞けば「見える人」って話、見た目はちょっとがり勉っていうかオタクっぽい。

んでサークルで俺らの歓迎会を催してくれたんだ、でも酒飲みだけじゃなくて心霊スポット探索もメニューにあった。

酒飲みの席で俺と同じく入ったオタク(仮にCとする)に、

C「君って霊感あるの?」

俺「ん? まあ普通なんじゃない?」

C「あ〜普通が羨ましいよ、俺は強すぎて大変なんだよ、でも慣れたし大抵の事なら対処は出来るよ」

俺「へぇ〜凄いな」

すると横で聞いていたのか同じく入った女二人に凄いとか見えるんだとかCは話しかけられていた。

俺「あ、部長、心霊スポットってドコ行くんですか?」

部長「ああ、K神社近くの廃屋だ、俺は去年行ったんだが再度行こうと思ってな」

かなり有名な場所だった。
山奥とかでは無く郊外の住宅地にある小高い丘の近くにあり、俺自身は行ったことないけど噂で一家心中で家族の幽霊がでるらしいが、大体の噂は真実とは異なる。

そしてその廃屋へ向かった。
人数は俺達新人4人に部長と先輩方2人、他に3人先輩方はいたがバイトにより撤収した。

その場所は車で一時間くらいの所だ、一見外観だけみると古さも感じない…でもヤバさは丸出し、すごい寒気だ、見た目とは裏腹の寒々しい感じとすごい視線。
俺「なあC君、ここは普通の心霊スポとは比較にならないな」

C「う〜ん、そうだね…拍子抜けだ」

はあ!?

マジで驚いた!
霊感あるならココは居るのも嫌がるレベルなのに…。

他の同期の女二人もCと似たようなリアクション、でも部長や他の先輩方は少しばかり腰が引いたようだった。

俺「部長、ココはシャレにならないですよ…久々ですよ、こんな所」

部長「まあ聞け、いいか、みんな! ここでは騒がない事、2階の「ひろし」というネームプレートのある部屋は絶対に開けるなよ、開けても責任は持たないからな」

俺「ひろし? 子供部屋か何かですか?」

部長「そうらしい、お前でも開けるなよ、たぶん無理だから」

開ける気はない、部長も結構霊感が強く色んなスポットに行って場数を踏んでいる強者、その部長が言うのだから、それに外にいるだけなのに俺は既に帰りたいモードになるくらいのヤバさを感じていたし。
一人一つずつ懐中電灯を持ち中へは玄関は鍵がかかっていたので勝手口から侵入、部長は玄関の鍵だけは開けるなと言っていた。

1階はフローリングのリビングに畳の寝室、台所はダイニングキッチンで変な話中々良い物件だって思った。
ただキッチンには茶碗とかがまだ残っていて生活の跡が見えていたのが不気味だ、寒気と視線は依然残っているが外にいたときと比べたら弱くなっていた。

Cはと言うと風呂場を見たり女の子と喋っていたりとまあ普通、部長たちは畳の部屋で喋っていた。

すると、

C「2階行こうぜ」

俺「いや止めた方がいいぞ」

C「何言ってるんだよ、俺がいざって時は払ってやるし」

Cが隣の畳の部屋にいる部長に、

C「部長、2階を少しだけでいいので覗いてきていいですか〜?」

部長「あ、構わないよ、ついでに2階の部屋を全部見てきて」

あれだけ2階の「ひろし」の部屋は開けるなと言った部長が

「2階の部屋を全部見てきて」?
その時に外で感じた寒気と視線がもの凄く強く感じた。

俺「C君、マジでやめろ! なんか変だ…俺でもどうにもならないレベルかもしれない」

C「まあすばる君がどれだけかは知らないけど、すばる君はどうにもならないかもしれないけど俺だったら何とかなるかもよ」

かなりムカッときたこの言葉。

俺の必死の制止に女の子の一人は2階へ上がるのをやめたがCともう1人の女の子は2階へと上がっていった。

俺は畳の部屋にいる部長に

俺「何で2階の部屋を全部見てこいって言ったんですか!? 部長だってここはヤバいって分かっているはずでしょ?」

部長や先輩方はキョトンとして、

部長「何言ってるんだ、Cが行っていいですかって言ったから俺は【2階自体は絶対に行くな】って言っただろ」

俺「え? 【全部見てきて】って部長は言いましたよ? ねえ?」

一緒にいた女の子も頷いた。

部長「何だそれ…」
すると2階の歩く音が1階の畳の部屋にいる俺達全員にギシギシと不気味な音で伝わってきた、Cと女の子で歩く音のようだが、どうもおかしい。

ギシギシというきしみのほかに「トントン」って感じの軽い音、んで階段の方からギシギシって音が聞こえ始めた。

もし想像通りなら挟み撃ちみたいにC達は囲まれたかもしれない。

部長「まずい…」

先輩方「逃げるしかない」

行くのを止めた女の子は腰が抜けたみたいで畳に座り込んだ。

部長「いや、2階にC達を助けよう、これは俺の責任だ…」

俺「部長、俺も手伝いますよ、親父に電話して対処を教えてもらいます」

正直、親父の力は借りたくなかったんだけどね。

幸いにも携帯は繋がるから携帯に電話した。

親父「おう、何だ?」

俺「ちょっとアドバイスが…」

親父「お前…何処にいる? すぐ後ろに子供が笑う声が聞こえるぞ」
シャレにならん!
かなり!

と思いながら事情を話した。

親父「あ〜…それじゃあ今使えそうなのはあるのか?」

俺「今は塩しかない、あ、後は親父がくれた護符とじいちゃんがくれた梵字の御守り」

親父「上等、塩はお前らのいる部屋の四隅に盛り塩をしろ、んでそこから動くな、護符は部屋に残るヤツに持たせるんだ、すばる、お前は2階へ行った友達を助けてこい、その御守りは持つだけで大抵の霊は近寄れない」

大抵かよ…って思った矢先、2階から

ドタン! バタバタ!

Cたちが逃げているのか?

とにかく四隅に盛り塩をして護符は先輩に預け俺は御守りを持って2階へ向かった。
正直、初めて怖いと思った。

階段は玄関左側、俺は猛ダッシュで2階へ。
2階は部屋が2つある、手前の引き戸、奧にはドアがある。そのドアには「ひろし」とマジックで書かれた部屋。

ドアの前に誰かうずくまっている…Cだ。
俺の顔を見ると半泣きで腰が抜けたのか這いずりながら俺のところにきた。
C「すばる君…すげえヤバい」

俺「おい! 女の子はどうした!?」

その時にドアの向こうから、

「そのお兄ちゃん嘘つきだ、僕はこのお姉ちゃんと遊ぶ」

ハッキリと聞こえた男の子の声、Cはその声に半泣きで逃げてしまった。

俺は「ひろし」の部屋を開けた。
久々に凄い気味の悪いというか本能的にヤバい感じがした。

中は真っ暗で暗闇に目が慣れたのにぜんぜん見えない、懐中電灯を照らすと8畳くらいのリビングで古い子供のオモチャが少しあるくらいだった。
女の子は部屋の真ん中でうつ伏せで倒れていた。

女の子を抱えて部屋を出るときに、

「お兄ちゃんは本物、遊びたかったな〜」

って部屋全体に響く声が聞こえた。


程なくしてシーンと悪寒も気配も感じなくなって部長たちの所へ戻ったがCはいない。
程なくしてシーンと悪寒も気配も感じなくなって部長たちの所へ戻ったがCはいない。

俺「Cが来ませんでしたか?」

部長「いや、てっきり一緒かと思ったんだが」

とりあえずもう大丈夫だからと廃屋を出たんだが…正面玄関を見たら玄関が開いているわけよ、絶句した…。

取りあえず車に戻ろうとした時に風もないのに玄関のドアがバタン! と閉まった。

車にはなぜか上半身裸のCが車に横たわるようにいた。

んで俺見てしまったんだ、Cの首にぶら下がるように抱きついている子供を。


その後、Cは親父のツテでN県の寺に大学は一年休学して籠もった。

そこの住職さんは親父の親父、つまり俺の祖父の古い友人だそうで

「完全に祓うには何ヶ月もかかるの、この霊は強すぎるわ」

って言っていた。

肝心のCはそのまま自主退学しちゃってその後行方不明。
部長は責任を感じていたが一ヶ月もすると普段通りになっていた。

ちなみにこの廃屋、今は現存しているかは不明、ただ名前は違うがあの廃屋と思われるものが某有名心霊サイトには掲載されているとだけいっておく。
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糞スレ