1 無名さん

魔法晒し33

2 無名さん
「あ、だっそん、な……ふか、ぃっつ」
考えられないほど奥深くを犯されていやいやをするようにかぶりを振る。
仕草はあどけないのにその実、胎内は三日月の形を確かめるように吸い付いて離さない。
それはそれ以上奥を突かれるのを怯えているかのようでもある。
しかし食いしめれば、しこりを自ら押しつぶす形になってしまう。
「あ……ああ、く、ぅん」
どちらにしても襲ってくる快感に耐えられないように身体を震わせる。
足がびんと張ってつま先にくっと力がこもって、細い身体が仰け反って痙攣を起こす。
思考が真っ白になって、全身がそれだけに支配されてしまったような強烈な快感。

「あ、あ、あ、」
鶴丸の変調に三日月は僅かに目を瞠って、得心したように小さく口角を上げる
確かに絶頂を迎えたはずなのに、鶴丸の性器は僅かに立ち上がっているだけで、吐精されていない。
吐き出せないがゆえに終わりの無い絶頂がすっと全身を押し包んで意味のない母音だけを唇が紡いでいる。
「ああ、後でいけたではないか。」
「ア、あああ、アっ……と、まって、くるしっ、いま……いって、ああっア」
三日月を締め付けては達し、奥を抉られては達する。
終わりなく繰り返される絶頂は責め苦のようで、どうしていいかわからないまま身悶え、果てがわからないまま苦しいほどの快楽に涙を流す。
三日月の責めは止められることなく、終わらない絶頂の中にある身体を溶かして喰らい尽くさんばかりだ、
「これで、まごうことなく女になってしまったなあ」
「あ……くぅんっ、お、んな、……ひ、ぅ、っん」
「そう、俺の、おんなだ」
「んっああ、ん……み、かづきの、おんな、んああっ!!」
繋がった部分を長い指先が確認するかのようにたどればいやらしくひくついた。
緩い動きにもかき混ぜられた精液が泡立ちながら零れるのを掬い取って塗りたくるように蠢かすときゅうっと閉まる。
「あうぅっ……ん!!」
3 無名さん
前スレ>>100たん踏んだら立ててよプンプン
一人称変えたの突っ込まれて気分害してる
http://nanos.jp/96nekoxxx/
IDが黒猫なのがすごく気になる
まさかね?
三日月はゆっくりと腰をゆらす。
受け入れている部分が雌であることをことさら思い知らせるかのように。
内部の存在をことさら鶴丸に示すかのような動きに鶴丸は喉を鳴らした。
「うご、かなっ……や、ああんっ」
喰らい付く媚肉ごと腰を引き粘液をかきまわすように動きが変わり、抗うことも出来ないまま鶴丸はがくがくと揺さぶられ、甘く掠れた声を上げてうちに注がれる精に身を震わせた。
勢いよく注ぎ込まれるそれのあつさも擦れる凶器もひどい快感に変わる。
「あ……ああ、みかづき、い、いっああっん!」
「おれの、つる」
笑みの消えた獰猛な獣が呪いを口にする。
じわじわと染み渡る毒を中に含ませて、繰り返され毒が回っていく。
「はやく孕んでおくれ、愛しい我が妹よ」
甘い呪縛が全てを奪う。
その言いようのない恐ろしさと悦楽の檻に捉えられて逃げられない。
という夢を見てな。
にこやかに告げる天下五剣を鶴丸は胡乱な目で見つめる。
「夢は、願望の現われというが」
「……そういう夢を本人に語るあたり変態だな君は。」
酒の肴にと語られ始めた内容は鶴丸の精神を蝕むには十分な破壊力で無駄に細かい。
こんな内容を語って聞かせてどうしようというのか最初の頃こそ鶴丸も余りのことに赤くなったり蒼くなっていたがそれが夢ということと、そういった反応が三日月を愉しませていると思えば鉄面皮に徹することに決めたのははなしの中盤からだ。
ふと手にしていた酒盃に目を落してまさかな、と思う。
いくらなんでも夢を現実にしようなどとは思わないはずだ。
監禁陵辱とか主の秘蔵の春画にあるくらいの妄想にしか思えない。

そういえば
「約とか言っていたが、俺は君と何か約束をしていただろうか?」
酒盃からようやく目を引き離して話の中で気になっていたことがふと口をついた。
忘れてしまったなどとは全く持って不義理では在るがどうしても思い出せない。
すっと三日月宗近の形よい眉が上がったが本の一瞬でそれが何かはっきりわからなかった。
「筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに」
小さく呟くように発せられた歌は聞き覚えがある。
確か伊勢物語だったか、
「くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき」
つと口を付いたのは返歌だ。
そうだ三日月にずっとずっと遠い昔に教えられた歌で、
そこまで思い至って、これが確か幼馴染が思いあって結ばれる際のものだったと思い出した
三日月はこれを約だと言う。

「君、俺が男だってわかっているよな?」
確認せずには要られなかった
妹とか妻とか孕むとか。
己の身に降りかかるというのならばこれ以上おぞましいことは無い。
「うん?」
「ややなど孕めんぞ?」
「はっはっは、当たり前ではないか」
それにほっと体の力が抜ける。
美しい月はいつものように泰然と笑みを浮かべていてあくまで奇妙な夢を語って聞かせただけなのだと思えばしらずに強張っていたからだが、知らず緊張していたのだと気が付いて三日月に申し訳なく思う。
そもそもこの美しい月が己に劣情を抱くなぞ。
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「――あれは?」

 三日月宗近が指差した方を見て、隣に並んでいた一期一振は目を細めてその姿を確認してから「ああ」と小さく息を吐いた。
「確か企画部の、……鶴丸国永と言いましたかな」
「企画部? 初めて見る顔だ」
「ご存じありませんか? 彼は相当な人気者で、様々な部署から引っ張りだこなんですよ。私も滅多に会えません」
 一期の言う通り確かに鶴丸は、電話を取ったり、書類をまとめたり、オフィス内を忙しなく動き回っていた。かと思えば全ての手を休めて同僚らしき男の肩を叩くと、ゆっくりこちらへ向かってくる。三日月と一期は、透明なガラス張りの喫煙室の中から笑顔の鶴丸が横切っていくのをじっと見つめていた。
「中々綺麗な男でしょう?」
 短くなった煙草を灰皿にすり潰して一期が首を傾げる。
「ああ」
 素直に首を縦に振った三日月は、口元にうっすらと笑みを浮かべていた。これが数日前の話しである。
秋晴れの涼やかな昼下がり、三日月は中途半端に打ち込んだ書類をそのままに携帯の画面を食い入るように見つめていた。誰が見ても浮かれているとしか思えないその姿に戸惑っていると、いつの間にか正面に立っていた一期がわざとらしい溜息を吐いた。
「三日月」
「! なんだ」
「人事部長ともあろうお方が、白昼堂々業務より携帯に夢中とは如何なものですかな?」
「……ほんの少し眺めていただけだろう」
「いいえ、三十分はとっくに過ぎています。どうせ鶴丸殿の画像でも見ていたのでしょう、全く悪趣味な……そんなに気になるのなら声を掛けてみてはどうです?」
 全てを見透かしている一期は何の躊躇もなく告げる。図星だったのか、三日月は眉間に皺を寄せながら不機嫌そうな顔を露わにした。確かに、今三日月が見つめていたものは遠くから撮影した鶴丸の画像だ。しかも、とびきりの笑顔。
 あの日(一方的な)出会いを果たした時から三日月は鶴丸のことが気にって仕方がなかった。元より男が好きと言うわけではないが、嫌いなわけでもない。抜群のルックスと頭脳を持つ三日月は男女問わず夜の相手に困るような人間ではなかった。それ故、気分で相手を変えるような不安定な性生活を送っている。
そんな矢先に出会った鶴丸は、所謂「タイプの男」だった。
「一期、鶴丸のことが知りたい」
「鶴丸国永、年齢は二十六。好きな食べ物はミートクリームスパゲティ、嫌いな食べ物はピザの上に乗ったパイナップル。趣味は読書で週に数回は図書館や古本屋で出向いているようです。あの通り人懐っこく、人望も厚いですが現在彼女も彼氏もいません。しかも驚いたことに童貞、非処女ですな」
「……調べたのか」
「はい、更にもうひとつ」
「なんだ?」
「鶴丸殿は、あまり三日月を快く思ってはいないようです」
「……どういうことだ」
 関係を持つ前から距離を置かれていると言う事実に、三日月はあからさまに動揺を隠せていない。一期は少し困った顔をしながら小声で告げた。
「先月契約を切った社員、覚えています? どうにも鶴丸殿と仲が良い男だったらしく」
「仕事が出来ない奴を切るのは当然だろう」
「……人事は外面ばかり見ていると大変腹を立てていたそうですよ。あの鶴丸殿が周囲に怒りを漏らしたと言うのですから、相当でしょうなあ」
 他人事のように一期は笑う。その後、三日月の仕事が全く手に付かなくなったのは言わずとも知れていた。
 帰宅ラッシュで混みあう電車内。三日月は、なんとか席を確保するとすぐに携帯を取り出し、ニュースに目を通していた。あまり興味をそそられる記事もなく、下車するまでの数十分暇を持て余していると、つい指が滑り広告のボタンをタップしてしまう。ブラウザが切り替わり、画面いっぱいに表示されたのは俗に言う成人向けのアプリのページだった。
「!」
 普段であれば見向きもしないはずだったが、三日月の指先がぴくりと止まる。
『画像一枚で気になるあの子の身体に触れちゃう!』
ピンク色に縁どられたあまりに馬鹿馬鹿しい文面に、三日月は釘付けになっていた。きっとこのアプリをインストールした瞬間多額の金を請求され、携帯はウィルスに乗っ取られ、羞恥を堪えながら携帯ショップに向かう羽目になる。そんな未来が予測できていると言うのに、三日月宗近の右指は実に欲望に忠実だった。殺風景な携帯のホーム画面に現れた「あの子にタッチでPON」と言う品位の欠片もないタイトルのアプリをさっそく起動する。
 中身は意外にもシンプルだった。画像読み取りボタンで画像を選択し、あとは好きに触れたり、玩具を使用することも出来るらしい。三日月はすぐさま鶴丸の全身画像を登録する。すると、あっと言う間に何もない空間にデータ化された鶴丸の姿が登場する。思わず「おお」と声を上げると、隣に座っていた女性が怪訝そうな顔で三日月を見つめていた。
(しかしよく似ているな、……まるで本物の鶴丸がこの中にいるようだ)
 まずは柔らかそうな頭を、指の腹で擦ってみる。しかし所詮は偽物。携帯の画面を撫でているだけで、感触は固い。カメラワークの機能を使いながら一先ず全身を隈なく見つめたあと、三日月はふと顔を上げた。
(おや、……鶴丸か……?)
 立っている人の間から見えた白金の髪、細い手足、間違いなく鶴丸国永だった。
(なるほど、丁度いい)
 三日月は遠くにいる鶴丸を見つめながら、画面の鶴丸を執拗に撫でてみる。指先ひとつで服を脱がすことも出来るのだから良くできたアプリだと思った。スーツのジャケットとワイシャツを脱がせて露出した胸に指を滑らせた、――その瞬間だった。
「うわっ!!」
 遠くで鶴丸の声が上がる。三日月は勿論、周囲の人間が一斉に何事かと鶴丸を見つめていた。しかし一番混乱しているのは鶴丸本人である。右手で口を押えながら、申し訳なさそうに周囲に頭を下げて謝っているように見えた。三日月は眉を顰める。
(いや……そんなまさかな)
 疑いを確信に変えるため、三日月はもう一度画面の中にいる鶴丸の胸の突起を指で擦り上げてみた。
「――ッ!?」
 まただ。
 鶴丸の身体はびくりと飛び跳ねて、つり革に掴まっていた手を思わず放してしまっている。正直ありえない話だと思っていたが、この瞬間三日月は確信した。
(このアプリ……、鶴丸の身体と直接繋がっているのか……)
 これ以上続けてはいけない――そんな感情は三日月にはなかった。むしろ、こんなにも面白いものがあるなら試さないわけにはいかない。
三日月は無表情を崩すことなく指先で鶴丸の身体を拡大すると胸の間からへそにかけてなぞった。そこから脇腹を擽るように弄ると、遠くで鶴丸がふるふると震えているのが分かる。
 脇腹から指を下半身に滑らせていき、ついに鶴丸の男性器に触れてしまった。根本から亀頭にかけて人差し指で何度か上下に擦り上げてみると、ゆっくりと勃ちあがる性器に思わず口元が緩んだ。
鶴丸国永は、突然自分の身体に訪れた異変に驚きを隠せずにいた。つり革に掴まったままぼんやりと外を眺めていただけなのに、数分ほど前から自分の身体が弄られているような感覚がしてならない。痴漢かと思い周囲を見てみたが違う、何より布越しではなく直接肌に触れてくるのだ。
(どうなってるんだ……?)
 徐々に肌を撫でられる感覚が下へ下へと降りてくる。鶴丸の額には冷や汗が滲み、握った拳に爪が食い込んだ。勘弁してくれ、と念じていた鶴丸の願いも虚しく、局部に到達したその「何か」は遠慮なく鶴丸の性器を擦り始める。
(ひっ…………、嘘、だろ、……なんだよこれ、……っ)
 明らかに自分一人が異常な状況の中、その場に蹲ることも出来ず鶴丸は両足に力を入れてなんとか踏み止まる。つり革に掴まろうとしたが、そうする度に激しく性器を擦られてしまい動けない。
(どこかで見られている……っ? いやでもどうやって触ってるんだ……ッン、……くそっ……ぁ、あ)
 目が潤み、薄く開いたままの口から熱い吐息が漏れていく。こんな淫靡な顔を人に見られるわけにはいかないと鶴丸は慌てて俯いて唇を噛み締めた。それでも性器を弄る動きは止まることなく、鶴丸を追い詰める。激しく擦り喘げていたかと思えば、突然刺激が亀頭に集中し、尿道口の割れ目をくりくりと擦られると掠れた声が喉奥から漏れだしていく。
 恥ずかしい話だが、鶴丸は誰かに性器を触られた経験がない。自分の掌しか知らないそこは得体の知れないものから与えられる刺激に素直に反応してしまう。
(……早く終わってくれ……、っ……う、ァ、……あ)
 スーツのズボンは同性が見ればすぐ気付かれてしまうほどに張り詰め、ぱんぱんに膨らんでいる。下着は先走りでとっくに濡れているだろう。
 近頃は仕事も忙しく、自慰をしている時間も余裕もなかった鶴丸にとってこの刺激は耐えられるものではない。両膝を擦り合わせながらなんとか快感から逃げようとしてみるが全く効果がない。それどころか、陰嚢の裏をなぞられた瞬間つい声を上げてしまう。
「んんっ!」
 びくりと飛び跳ねた鶴丸を見て、隣の男性が首を傾げながら大丈夫ですか? と問い掛けてきたがそれに応えている余裕はなかった。ふと、尻の穴に何か冷たい感触を覚える。ぬるぬるとしたそれが臀部全体に広がっていく気味の悪さに鶴丸はいよいよ恐怖を感じていた。
(おいおい、……っ勘弁してくれ、どうなってるんだ……っ)
 失禁したかのように臀部が湿っていて気持ちが悪い、しかもあろうことか尻の奥の窄まりを、形に沿うように撫でられ血の気が引いていく。まさか――そう思った時には、「指」のような何かが鶴丸の秘部の中へ入り込んできた。
(――ッ!! やだ、あ、あ、……中に、っ、はいってる……ひ、……っ……)
 誰かに助けを求めたい。しかし何と言えばいい?
 身にまとったズボンと下着の中で何かが自分の尻の穴を犯している。そんなこと口が裂けても言えるはずがなかった。
 鶴丸は羞恥と不安と容赦ない快感を堪えながら、早く最寄りの駅につかないかと切羽詰まった様子で立ち尽くしていた。
『この先カーブにより電車が大きく揺れますのでご注意ください』
「!」
 何気ない車内のアナウンスが、今の鶴丸にとっては地獄でしかなかった。車体が大きく揺れると、中の指がぐいぐいと奥へ入り込んできて、性器と秘部の二カ所を激しく攻め立てる。震えていた膝に、限界がきてしまった。鶴丸は人混みの中、その場にしゃがみ込んでしまう。
13 無名さん
みかつるヤダ
他のカプにして
14 無名さん
まだやってたの
暇そうだね
「ひうっ……、……う……っはあっ、……は、……」
 周囲の視線が突き刺さり、顔を上げることが出来ない。電車が次の駅に停車すると鶴丸はすぐさま人を掻き分けて下車した。足がもつれて転びそうになった鶴丸の腕を掴んだのは、他でもない三日月だった。
「ぁ…………っ」
「おい、気を付けろ」
「……っ、わ、悪い、……」
 何食わぬ顔で三日月は鶴丸の全身を隈なく見た。相変わらず勃起したままの性器がズボンを押し上げているのがよくわかる。鶴丸は頬をほんのりと赤くしたまま濡れた唇もそのままにぼんやりとその場に立っていた。掴んだままの三日月の腕を振り払うこともしない。
「熱でもあるのか? やけない顔が赤いな」
「いや………なんでもない、……少し疲れているだけで……」
「それにうちの社員だろう? その名札には見覚えがあるぞ」
「……つ、……鶴丸国永だ、企画部の。……君のことは知っている、人事の、三日月むね……――んあッ!」
 会話の途中で鶴丸が悲鳴を上げる。慌てて口を両手で塞いだが既に遅かった。公衆の面前、しかも同じ会社の人間の前で声を上げてしまったことに鶴丸は泣きそうになっている。まさかポケットに突っ込まれた三日月の左指に弄ばれているとは到底思わなかった。
「……鶴丸?」
「っ、……す、……すま、な、……体調が、あまり、よくなくて……っふうっ……あの、……っ」
 三日月の掌を汗ばんだ手できつく握り締めながら震える声で言う。どう見ても体調不良を訴えているようには見えないが三日月を満足させるには十分だった。
「そうか。……明日も仕事だろう? 少しでもよくなるといいな」
「あ、ああ、……っあの、本当に、すまなかった」
「気にするな。だが鶴丸、一つ頼みがあるのだ」
「ん……」
 鶴丸としては、一刻も早く目の前から消えて欲しいだろうが三日月がそれを許すはずがなかった。
「倒れるお前が見えて俺も慌てて電車を降りてしまってなあ。タクシーを拾おうと思っているのだが、お前も一緒に乗って貰えないか? 体調が悪いのならまた電車に乗ることもないだろう?」
「う……」
「それとも最寄りはまだずっと先か?」
「いや……大丈夫だ……、ッン、わかった」
 こくり。素直に首を縦にふる鶴丸の腕を引いて、三日月は改札を通り駅前に出た。男が男の腕を引く姿はそれだけで一目を集めたが、今の鶴丸には見えていないだろう。適当にタクシーを拾い、まずは鶴丸の住むアパートへ向かうことになった。走り出した車の中で三日月は思い出したかのように言う。
「何か薬でも買ってやればよかったか……、気が利かなくてすまないな」
「いや……、家に常備しているものがあるから大丈夫だ」
 相変わらず俯いたままの鶴丸の姿を見て、三日月は自身の背中をぞくぞくと駆けあがっていく支配欲に震える。鶴丸に気付かれないように自然な動作で携帯を取り出すと、暫く放置していた「悪戯」を再開した。
「は……っ……ぁ、う…………うう………っ」
 膝の上に置いた拳を震わせ、時折足をびくんびくんと痙攣させながら、それでも鶴丸は三日月に気付かれまいと声を殺す。
(それで隠しているつもりなんだろうか)
 気付かないふりをしながら横目で鶴丸の様子を伺い、三日月はオプションのボタンを押す。そこには先ほど電車内で使ったローションの他にもアナルビーズやバイブにローターなど、様々な機能が携わっていた。試しにバイブを選択してみると、黒光りした太く短いバイブが画面上に現れる。器用に片手でスマホを操作しながら玩具を鶴丸の秘部にくっつけると、隣にいる鶴丸が今まで以上に大きく飛び上がった。
「あっ、え……?」
「どうした鶴丸」
 鶴丸の変化に、タクシーの運転手もバックミラー越しにこちらを見る。なんでもないと言って再び下を向く鶴丸に、愛しさと同時に加虐心が育っていくのを感じながら、三日月はとうとう先端を彼の中に埋め込んだ。画面の中では、白く張りのある尻が震えて、美味しそうにバイブを飲み込んでいく。しかし実際の鶴丸はその圧迫感と異物感に、時々呻くような声を上げながら唇が白くなるまで噛み締めていた。
(強情だな。……今はこれぐらいにしておいてやろう。何せまだ始まったばかりだからなあ)
17 無名さん
>>13たんはなんのCPがいいの?
  そうしているうちにタクシーが鶴丸の住むアパートの前で停車する。
「あ、今、お金……っ」
 震える指先で鞄を漁る鶴丸の手を掴み、今日は俺が払うからゆっくり休めと三日月が告げる。はじめは駄目だと首を横に振っていた鶴丸だったが、いつまでも体内に残る異物感に堪えられなくなったのか、最後は小さく頭を下げて「この礼は必ずする」と掠れた声で言う。
(礼なら十分すぎるぐらい貰ってる)
 内心そう呟きながらよろよろとタクシーから降りる鶴丸の背中を見送った。ドアが閉ったその瞬間、三日月は画面の中のバイブを動かし一気に振動を最大に引き上げた。
「―――ひ、あああっ……!!」
 自分の肩を抱きながら悲鳴を上げてその場に蹲る鶴丸。ドア越しにくぐもった彼の声を聞きながら三日月は微笑む。そして足を組み、困惑する運転手に「構わん。行ってくれ」と優しい声色で命じた。
19 無名さん
>>17
とうらぶスレでもみかつるイラネって言われてるw他のにしてw
>>19
希望CPないの?
他のCPにしまーす☆
。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ
22 無名さん
荒北が中に入ってきた瞬間、新開の意識が遠のいた。
身体が割れる。
割かれる。
そんな感覚があって、まるで五体がバラバラになるような恐ろしさと、それと表裏一体の快楽に、たぶん何もかも遠くなったのだと思う。
頬を軽くはたく手と、自分の名前を呼ぶ声に、かろうじて、踏みとどまったが。
「しんかい、しんかァイ」
うっすらと目を開けると、眉をひそめた荒北の顔が、間近にあった。
「……やす、とも?」
新開が気がついて安心したのか、小さなため息をついた荒北は、しかし眉をひそめたままだった。
一瞬でも意識が遠のいた新開を見るのは、恐ろしいのだろう。
当たり前だ。人間の意識はそう簡単に、失われたりはしない。
それほど荒北を受け入れることが、新開にとって激しい衝撃だったということだ。
「無理なら、やめっか?」
そのせいだろう。荒北は、そんなことを言い出した。新開は、目を見開いた。
いた。
自分の中にある荒北のペニスは、初めての新開にもわかるほどに、激しく膨張している。
正直、荒北のペニスが、ここまで硬く大きくなるとは思わなかった。寮の風呂や部活の着替えのときにちらりと見る限りでは、自分のほうが幾分大きいか、と思っていたのに。
そそり立つそれを見た時、新開が、ひるまなかったかと言えば嘘になる。
だがそれ以上に、つながりたい、触れたい、触れてもらいたい、という欲望が強かった。
だから、受け入れた。
怖さを押しかくして、必死に声をかみ殺して、荒北の愛撫に酔って、そしてようやくつながったのだ。
いまさら、離れることなんて、嫌だった。
「や……」
荒北が、目を見開いたのがわかった。
そして自分の目じりから、涙が出たことも。
「や、やら」
うまく舌が回らない。そして一度出た涙は、止まらなかった。
「もっろ、いっぱい、して」
荒北にすがりつき、新開は、何度も訴えた。
いまさら、ぜったい、はなれたくない。
「やすともれ、こわし、て」
喉が枯れている。さきほどまでの執拗は愛撫は自分のためだとわかっていても、何度も喘がされ、イかされていて、つらかった。
でも今の方がつらい。
とめないで、欲しかった。
「……っ、この、エロウサチャンはよぉっ……!」
「ひっ!」
荒北が、怒ったようにつぶやいたかと思うと、突然腰を激しく動かした。
その激しさ、大きさ、奥まで突かれて何かを吐きださせられるような感覚に、新開は、わけがわからなくなる。
「あっ❤あっ、ああんっ、や、やすっ、あんっ❤」
声が甘い。耳に届く音がすべて淫猥で、自分のものとは思えない声も含めて、新開を煽った。
中をえぐられる。気持ちがいい。
はじめて触れる場所が、ありえないほど気持ちよかった。
「オラ、もっと、って、言ったろ」
言いながら荒北が、さらに深く突っ込んだ。
「ひいいんっ❤ あんっ❤ あん、あ、やすろもお、はいって、あ、あんっ❤」
「言われたとおりにしてやってんだ、ろ、オラ、どうだ」
「どう、って、ひ❤ や❤ やぁん、あ、あ、奥、届いて、や❤」
「届いてんだろ? 欲しかったんだろ、エロウサギ、もっと足開いてみろ、もっと奥まで、届くってとこ突き破ってやんよ」
「やらぁあっ……❤」
24 無名さん
どうせならノーマルにして
25 無名さん
てめーらとうらぶスレに来んなよカス
26 無名さん
突き破るとか怖すぎるよお
その時、新開は、確かに、達していた。
精液は出ないが、体中ががくがくと震えて、止まらない。
「っ……、オメー、これ以上締め付けんな、くそ……」
エロウサギ、ともう一度荒北が呼んだ。それだけで痙攣を伴った絶頂が、もう一度押し寄せるようだった。
よだれを垂らした新開は、まだ、甘い悲鳴を上げ続ける。
「やら❤ やら❤ らめ、止まらないっ……❤」
新開の声が煽るのか、煽られて激しく突きこんでくる荒北のペニスがいけないのか、それはわからない。
しかし新開は、もう何がなんだかわからなかった。
声に滲む甘い響き、こすれあう粘膜、限界まで来た快楽。
「イ、く❤ イっちゃう❤ やすろも、オレ、また、いくう❤」
「イけよ、新開、オラ、はらませてやんよっ……!」
「あ、あ、出てる❤ やすろもの、せーえき、オレの中❤ 出てるうっ……!」
同時にまた達した新開は、大きくため息をついた荒北の背中を撫でた。
指先についた汗。
震えながら、それを舐めるのを、荒北に見せた。
「やすともの」
荒北は、半分抜きかけたペニスを、とめた。射精していつものサイズに戻りつつあるそれは、新開の中で自分の精液にまみれていた。
ごくり、と喉が鳴る。
「からだから、でるの、全部、ほしい」
「……くそ」
半分だけ入っていた荒北のペニスが、また膨張する。
新開は目を見開いた。
「また、おっき、く」
「あーもう、エロウサギはどんだけエロいんだよ、知らねえぞ!」
再開された動きに、新開は、また声を漏らす。

二人の夜は、まだ終わらない。
28 無名さん
コピペたんとうらぶスレが来て欲しいってさ
29 無名さん
エロ兎っていうとバーナビーだなぁ
30 無名さん
もしかして:れんたん
その日の放課後、外周練に出ていた新開の走りは尋常じゃないほど荒々しく、泉田がどんなに踏ん張っても彼の背中に追いつく事が出来なかった。
後ろを走る福富の表情も次第に厳しいものに変わり、荒北の背に激しく突き刺さる。ちらりと振り返れば福富が静かに隣につき、荒北‥と低い声が耳に響いた。


「荒北」

「ゴメンネ」

「‥新開に何をした」

「ソレ聞いちゃう?」

「‥何をした」

「チューしちゃった」


語尾にハートマークを付けたその口調に福富の口がぽかんと開かれ、そんな顔初めて見たヨ、福チャン‥と荒北が笑った。
そして見る見る内に福富の凛々しい眉がつり上がり、眉間に深い皺が刻まれる。デスヨネーと心の中で頷いた荒北は慌ててケイデンスを上げた。


「待て、荒北」

「えー‥お小言は聞きたく無いんだけどォ……」

「‥お前は新開をどうしたい?」

「それェ、福チャンに言わなきゃダメなやつゥー?」

「俺は‥新開が大切だ」


お父さんかヨと思わずツッコミを入れたい荒北だったが、空気を呼んで口を噤む。というか、福富の真っ直ぐな視線が荒北に本心しかいらないと告げているようで言えなかった、が正しいのかもしれない。
荒北は小さく溜息をつくと福富の目を真っ直ぐ見据えた。
「福チャンには負けねェよ」

「何がだ」

「新開を思う気持ちってやつゥ?」

「‥荒北、もう一度聞く。お前は‥新開をどうしたい?」

「人の恋路をなんとやらだぜ、福チャァン‥新開をどうしたいとか、そういうんじゃなくてェ……新開が好きだからァ、俺も大切したいだぁけ」


その荒北の声がやけに優しく、福富は小さく息を吐くとそうか、と一言だけ返す。そして荒北の腰に手を掛けると全力でペダルを回した。


「ならば荒北、お前へのオーダーは‥新開を止めて来い。あの走りは脚に負担が掛かる‥特に泉田のな」

「福チャン、それマジで言ってンのォー‥アイツ一応、箱根の直線鬼様だぜ?」

「好意を持つ相手を止めることが出来ないなら‥その好意は見せかけという事だな」

「ッとによォ……福チャンのオーダーは毎回キツすぎなんだよォッ」


止めりゃァいいんだろォッと荒北がケイデンスを上げれば福富はその背中を勢いよく押す。
行って来い、と告げた福富の声は力強く、そして飛び出して行った背を見送る視線は見守とても優しい眼差しだった。
「ッ――しんか‥さ、ッ」

「どうした、泉田ぁ‥そんなんじゃいつまで経っても俺を越えらんねーぞッ」

「すみませ‥ッ、僕……っ」

「ハイハーイ、後輩いじめはよくないんじゃナァイ、新開チャァン」

「ッ、荒北さ」

「泉田チャンは一回後ろ下がんなァ‥福チャンが脚休ませろってさ。ッとに‥苛立ちを可愛い後輩にぶつけてくる先輩とか最低じゃナァイ?」

「あの、僕‥まだ」


まだ大丈夫ですと顔を上げた泉田の肩に、いつの間にか横に並んだ新開の手が置かれる。そして、ごめんな‥と小さく告げた新開はパワーバーをそっと差し出し、後ろに下がるよう指示を出した。
まだ荒々しいオーラは残るものの、いつもの新開に触れた泉田は安心したように笑みを浮かべ福富がいる後方へと下がっていく。それを見送った新開は隣を走る荒北に視線を移すとペダルに力を込めた。


「待てヨ、しーんかい」

「うるせぇよ」

「ちょっとくらいお話しよーぜェー?」

「‥俺について来れたら考えてもいい」

「ヒュー‥中々言うじゃナァイ」


荒北の言葉が終わる前に新開の背は遥か彼方へと消えていく。鬼の異名も伊達ではない。だが荒北は口角を上げながら薄い唇を舌で撫でる。
新開が箱根の直線鬼ならば自分は野獣だ。前をいく獲物を捉えることに関して負けるつもりはない。やってやろォじゃナァイ‥と呟いたその目には火が灯り、カチカチっとギアを変える音が響いた。
「‥新開さん、大丈夫でしょうか」

「荒北に任せておけば大丈夫だ。あいつらは強い」

「そう、ですね‥荒北さんにお任せします。僕ではどうする事も出来ないですから‥」

「そんな事はない。泉田の存在が新開を大きく成長させている‥お前はいい後輩だ。そして新開にとっていいライバルだ」

「ッ‥ありがとうございます」


福富と泉田が拳を合わせ頬笑み合っている間に荒北は視界に少しずつだが新開を捉え始めていた。
見慣れたジャージがチラつくほど荒北のテンションは上がっていく。新開とて荒北の性分は理解しているはずだ。何を思ってこの勝負を突き付けて来たのかは分からないが、新開が待っているのならばその背中を追いかけるだけだ。
この先は新開の不得意な登り坂がある。そこで一気に詰めれば隣に並ぶ事は余裕だった。
ゴールを目指すならば今はまだ脚を温存しながら走ればいい。


「待っててねェ、新開チャァン‥今から……喰らってあげるよォー!!」


坂の入り口が見えれば荒北の口角が上がる。そしてペダル踏む脚に力が込められ、野獣の目が光った。
額から流れる汗が視界を邪魔し、それを指先で払うように飛ばしていく。
荒北の目には既に新開の姿しか映っていない。しんどそうに左右に揺れるその動きが何故か愛おしくて、勝負など投げ捨てて全力で引いてやりたいと思ってしまう。ゴール手前でエースの背を押す瞬間が荒北は堪らなく好きだった。エースを引くのは荒北に任された大役だ。最後の最後、全力で引いたエースの背を力の限り押すその瞬間、荒北の感情は弾け飛ぶ。

全てを託せるその背中が頼もしく、眩しく、尊かった。
35 無名さん
三世の頃から思ってたけどこのスレに粘着してる荒らしたん規則正しい生活だよねw
タクシーを降りて歩くこと十数分。人里を避けるような草木の生い茂る場所に、その家はあった。目前に立つ小さな門の前で一旦立ち止まり、耳障りな雑音を連れ引いていたキャリーケースからも手を放して、こめかみを幾筋と伝う汗をタオルで乱雑に拭う。未だ真夏と呼んで差し支えない外気温に加え、今日は雲ひとつ無い晴天。きつい陽射しを浴びて焼ける肌と共に喧しい蝉の鳴き声が何重と響き渡るのが、より一層暑さを助長させるようだ。
柄にもなく緊張が募って、渇いた喉を潤す如く唾を呑み込む。そう、ここからが本番なのだ。

端的に言うと、荒北靖友は運が悪い男だった。
とはいっても生死に関わるような不運に見舞われたことは幸い今まで一度もないのだが、小さな不幸が積み重なって出来ている不安定な人生と呼んで差し支えない程度にはツキがない。生まれつき目つきが悪いせいで何もしていなくとも怖い奴扱いされて遠巻きにされるなんてザラ。身に覚えのない悪事の主犯を疑われたことだって一度や二度のことじゃない。野球では名門校でエースを張れるくらい実力がつき始めた矢先に肘が故障した。彼女が出来ても必ず浮気されて終わり、酷い時はその相手が信頼していた友人だったこともある。
そして極めつけが二ヶ月前だ。苦労して内定を得た大企業に入ったまではいいものの、何と入社後半年足らずで自社の倒産が決まったのである。突然のことに悲嘆する暇もないまま、それまで住んでいた会社の寮も二週間後には出て行くようにと血も涙もない通達がされて、荒北は力なくその場に崩れ落ちた。
しかし己の運命を嘆いたところで状況が改善する訳もない。その辺は長年培った経験が生きたのか迅速に気持ちを切り替え、荒北は必死になって再就職先を探した。就活に際し妹に偉そうなことを宣って出て来た手前、実家にはなるべく戻りたくない。けれど退寮の期限は刻一刻と迫っている。一先ずは繋ぎで構わないから、住み込みの仕事はないものか。
そんな折、チラシに近いような情報誌に載っていた小さな記事に目が留まった。
『家政夫募集中!
条件:18〜25歳の男性、住み込み可能、家事が得意な方
賃金は要相談、個人間契約です』

他にも諸々書き連ねてあったが、要項としてはこんな所だ。一言で言って怪しい。そう、完全に怪しいのだが、荒北はその求人から目が離せなかった。現在23歳の成人男、住み込みの仕事を探している、家事は一人暮らし歴が長かったのでそこそこ自信あり。条件はクリアしていると言っていいだろう。場所は都心からやや外れているようだが、生活が不便になりそうな程離れてもいない。都会の喧騒にうんざりしていた身としては、寧ろ有り難い立地である。
数十分ほど迷った末、荒北は記事に掲載されていた電話番号をスマートフォンに打ち込んでいた。

そうして取り付けた面接日。自身が持っている中でも一番上等なスーツを着込み、待ち合わせ場所のカフェに乗り込んだ荒北は、雇い主であろう人物の顔を見るなり拍子抜けした。明らかに自分より年下であろう容貌だったからだ。

「新開悠人です。宜しくお願いします」

甘ったるい端正な顔立ちはどこか中性的で、これが女性だったら好みド真ん中と言っていいぐらいの美青年だった。纏う雰囲気からして大学生だろう。立ち上がって深礼する相手と握手を交わした後、促されるまま対面の席に腰を落とす。
そうして一先ず説明を聞いてみると、この悠人という青年はどうやら契約主本人ではないらしい。肝心の業務内容は記事にある内容と大差なく、彼の兄が住む家の様々な雑事を請け負うこと。本来の雇用主である彼等の父が息子の一人暮らしを心配して家政夫の導入を決心したらしいが、年齢を伺ってみれば肝心の長男は荒北と同学年であった。どれだけ過保護な親なんだ、と呆れてしまう。しかし、両親は海外を飛び回っているため面接に顔を出せないという事情を知るなり、荒北は考えを改めた。これは十中八九筋金入りのお坊ちゃんだ。自身のような庶民の価値観で安易に図れない案件と見た。
事情説明の後、悠人は時折雑談を交えながらも一つ一つ丁寧に問いを投げ、荒北もそれを受けて嘘は吐かず正直に答えた。履歴書は一応持参したが、出さなくても良かったのではないかというぐらい紙に書かれている内容には一切触れてこない。企業相手の面接とはまるで違う。
そうして続いた質問の締めくくりは、荒北にとって予想外も予想外のものだった。
。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ。.:*ฺ✤ฺ
 こういうの、蓼食う虫も好き好き、って言うんだっけェ。うっすら顔を赤らめて、まっすぐな瞳で見つめてくる目の前の女子を眺めながら、俺はそんなことを思った。背丈は俺より一回り小さい。180cm近くある自分とくらべて一回り、くらいだから、女子にしてはそこそこ背が高い方なのかもしれない。低めの位置で二つに結わいた真っ黒な長い髪に、化粧っ気のない清楚な顔立ち。白く綺麗な肌や、しわのないパリッとしたスカート、高校生にしては落ち着いた話口調から、真面目できちんとした生活を送っている子なのだろうとわかる。良く言えば女性らしくて古風。悪く言えば垢抜けない。そんな感じだ。

 「ずっと、荒北先輩のこと、好きでした。」

 そう告げられ、震える小さな手が、メールアドレスと電話番号が書かれた紙を差し出してくる。

 荒北靖友。高校3年。18歳。濃密な青春を送った箱根学園高等学校で過ごす、最後の1日のことだった。


高校3年 冬
40 無名さん
続きが気になる
41 無名さん
まこはるか黄赤ない?
支部はあらかた読み尽くした
42 無名さん
これ何?ペダル?
「そりゃ、ちょっと……無理だろ。」


 しょぼくれたような顔をしつつも、さもそういわれることはわかっていた、というように落ち着いた様子で「……そーか。まあ、そうだよな。」と、新開は頷いた。

……で、何が言いたいのだろう。考えていることのわかりにくいところはあるが、普段の新開はこんな風に、なにかを隠しながら誘導尋問をするような男ではないはずだ。


「つーか…さっきからおめえは何が言いたいんだヨ。」

 
 苛立ちを隠さずきつい口調で問い詰めると、新開は笑いで濁しながらも、きっぱりとした口調でこう告げた。そういうことなら、俺とは今後もう会わないでほしい、と。

「靖友も俺も自転車続けるからさ、レースとかで会っちまうのはしょうがねえとして。個人的に連絡とったり、会ったりするのはもう止めるから。」
「はあ?」
「ただ、別にそれは俺が靖友のこと嫌いになったからとかじゃなくて、俺がおめさんのこと好きすぎんのをどうにかしたいだけだから。そういう事情なんだってことだけ、わかっててほしいんだ。」
「さっきからほんっとなんなわけェ。おめえは俺が好きでぇ?でも付き合うのは無理そうだから、ひとまず距離置かせてくれって、そういうことォ?」
「そういうことだな。」
 

 さすが靖友、理解が早いぜなんて、おどけた口調。新開お得意のバキュンポーズが俺の左胸のあたりをさす。…俺を馬鹿にしてんのかてめーは。
じりじりと身体を焦がす太陽。
忙しないクマゼミの鳴き声。

そしてーーー、
 


 


「な、靖友」

夏が本格的に頭角を現し、クーラーがロクに効かない畳の部屋は今年も蒸し風呂と化してしまった。暑ィ暑ィと団扇でぬるい風をあおぎながら、荒北が寝転がっているときだ。
麦わら帽子に白の半袖Tシャツ、そして履いているのは五分丈のジャージといういかにも田舎の小学生かと突っ込みたくなる装いに身を包んだ新開は、どうやら庭先で育てている植物に水をやっているらしい。
わざわざ今より暑い所に行くのが七面倒で、ナァニとだけ返すと新開は手招きをするばかりだ。結局荒北が折れ庭先へ出ると、そこには美味しそうな実が数多散りばめられていた。
せっかく育てるなら食えるモンにしようぜという荒北の提案で植えたプチトマトや胡瓜、茄子などの夏野菜は無事に成長を遂げたようだ。

「立派になったなぁ」
「……ンー。ま、そーだな。」
「何だ、あんま興味なさそうだな」
実際興味がないのだから仕方ない。いくら実が大きかろうが小さかろうが、実が詰まっていようがスカスカだろうが、腹の中に収まりゃ同じなのだ。第一そんなことより荒北は、新開が片手に持ったホースに気を取られていた。
トマト色の髪を覆う麦わら帽子を勝手に外して、縁側に投げ込む。「あっ」と呆気にとられた新開に追い討ちをかけるように、奪い取ったホースをそのまま彼へ向け、勢い良く蛇口をひねった。
「っわ、おい!やめ、やーすーとーも!」
「ハッ!顔射ー。」
「ぶ、」
見事顔面にヒットした流線に爆笑する荒北をよそに、やられっぱなしの新開は静かに反撃の炎を燻らす。力ずくで荒北からホースを奪い返し、照準を荒北に合わせてから思いきり水を浴びせた。

「おわッ!つっめて、」
「お返し。」
悪戯が成功したようににやにやと笑う新開を見て、またもや荒北が反撃に出る。そうしてなんともおとなげない応酬は続き、いつの間にか二人は、庭そっちのけで水浴びに没頭した。

そしてふと、荒北は気付いてしまった。Tシャツごと水浸しになった、新開の扇情的な姿に。
荒北によってアレやソレやを仕込まれたことで昔に比べ随分と赤味を増した乳首が、真っ白なシャツに透けてぷっくりと主張している。歳の割に身が詰まった筋肉も、魅惑的な腰骨のラインも、まるで裸になっているかのように見てとれるのだ。
けらけら笑いながら背を向け、庭の水やりを再開した新開に、クソ。と心中で毒づきながら、荒北はがっしりとしていて、けれどすこし草臥れた新開の背中に覆い被さった。

「なーんだよ。今日は甘えたなのか?」
「……ンなえろい体、おおっ広げに見せてんじゃねえ。」
「元凶、靖友サンですけど?」
「っせェー。」
「心配しなくたってここら辺は人通りも少ないし、オッサンの体なんて誰が見るかって話だろう」

「……ウサ公が居んだろ。」
気恥ずかしさに語尾が徐々にすぼまる様子を目をまんまるくさせて聞いていた新開は、数秒の間をおいてから快活に笑い出した。

「っふ、はは!!おめさん、ウサ吉にまで嫉妬してんのか?く、はは、」
「ッルセーつってんだろが!」
笑いのツボに入ってしまった新開に怒号を浴びせるも、真っ赤な頬のせいでその効力はゼロに等しかった。
そして笑いの波が収まった頃合いに、荒北は新開の肩口に顔を埋める。しっとりと濡れた赤髪の毛先が、荒北の頬骨に触れて雫が伝った。
幾分か風情のある、はじまりの合図。

体勢はそのままに、ゆるく顔を上げ、新開の項に垂れた汗や水の混じりきった液体を舌で掬い、辿り着いた先の耳朶をやわく食む。
ふ、という艶やかな息が吐き出されたのを聞き、荒北は満足げに笑う。
「やすとも、やめ……ぅ、」
「ッハ、オメーのその、いかにも切羽詰まってますって顔、最高だわ。」
しょっぺ、と顔を顰めつつも、荒北のゆるやかな愛撫が止まることはない。濡れたシャツ越しに感じる指先に、新開は何年経っても馬鹿みたいに翻弄されてしまう。彼の指が這った箇所が、じわりと火照ってゆく感覚。今日が最高気温38度だからだとか、さっき水を浴びてすっかり冷えた反動だからだとか、そんな単純な理由で片付けるには、あまりにも自分は荒北の熱を知りすぎていて。

「…あ、つい、」
「ンー?」
「…暑いっつって……ァ、っ!」
淡く透ける胸の尖りを避け、敢えて荒北はその周りに人差し指の腹を撫で付ける。ん、ンぅ、と弱々しくかぶりを振る新開の姿に、急速に鼓動が高鳴るのが分かった。
「んっと、何時んなっても変わんねーな、オメーは。」
「っそれ、褒め……っンのか、」
「褒めてんに決まってんだろォ、素直に受け取れ」

「……は、モノ好き。」

上擦った甘い痴れ言が、痛いくらいに荒北の心臓を鷲掴みにした。胸への愛撫をやめ、新開の背後から腕を回した状態で自らの両手をぎゅうと握り込む。そしてより一層腕の中の温もりをきつく抱きしめてから、新開。と、ただそれだけを低く唸った。
「なぁ、靖友。……汗だく、なんだけど」
「るっセ。そんくらい我慢しろ、」
「そうじゃなくて。」
そうじゃなくてさ、と一文字一文字を提示するように、ゆっくりと新開が口を動かす。俯いてしまったその表情を窺い知れないのが惜しい。背後からでもはっきり見えるまっかな耳や、小刻みに震える肩でさえも愛おしくて堪らないのだけれど。
遠慮がちに伸ばされた手が、荒北の両の手を覆う。そして微かなふるえを帯びた指先が、する、と荒北のそれに絡んだ。
 
「シャワーでも浴びようぜって、ことだよばぁか。」
 
 
48 無名さん
荒新やだ
49 無名さん
反応すんなよカス
心地よい湯気が頬を撫でていく。
研ぎ澄まされた耳が、ざぁざあと足下に落ちる雫など気にも留めずに、ふたつの唇から溢れる水音だけを拾ってゆく。
最初はただ触れるだけ。けれどすぐさま、深みに嵌まる。ぬるぬるしていて、けれど時たまざらつく感触が堪らなくきもちいい。壁に凭れかかりながら、新開は実に恍惚な表情で荒北の舌を貪った。
「ふ、んンぁ……はぅ、ン、」
だらしなく開いた口腔と悩ましげに垂れ下がる眉は、いつもの飄々とした新開のイメージとは想像もつかない程、かけ離れている。荒北はそんな新開の豹変ぶりを見るのが、昔から大好きであった。
自分だけが知っている顔。自分だけに、見せる顔。気分が良くない訳が無い。
酸素を取りこむ為に一回離された唇が、ほぅと艶かしい嘆息を漏らす。

「はぁ、やべ、なんか久々にするとたまんねえ、」
「最後にしたのいつだっけなァ?」
「うーん、いち、にぃ、……三週間前?」
「ハ、高校ん時毎日部屋押し掛けてたのがウソみてー。」
「そりゃあさ、若気の至りってもんだぜ。」
「うーわジジ臭ェ」
うっせ、と笑いながら、新開はシャワーのコックを捻る。徐に前髪を掻き上げて荒北の目の前に立ったと思うと、そのまましんと静まった浴室の床に膝立ちをした。

「……新開クーン」
「いや、はは。なんかちょっと、ベロだけじゃ足んねえかも」
そんな言葉を口にされてしまっては、ゆっくり行為を進めようとか、年甲斐に新開の負担を考えてやろうとしていた良心はあっさり砕け散ってしまう。無自覚で率直な言葉が甚大な破壊力を持っていることに、彼はきっと一生涯気づかないままなのだろうけど。
骨張った指先が濡れそぼった赤の毛先に触れたのを合図にして、新開は荒北の下肢に手を伸ばした。
程よく引き締まった脚に自身の手を置きながら、もう随分と見慣れた形の陰茎を口に含む。
「ん……ふ、はぅ、ンぐ……」
「…すげ、上手ェよ……。」
頭を前後させ唇でそれを扱きながら、舌ではとろとろと滲んでくる蜜を舐め取っては全体に行き渡らせてゆく。上から降り注ぐ荒北の熱い息は欲情の証で、彼を満足させられているという事実に新開は一層気を良くした。
そして優しく新開の後頭部を撫でていた荒北の指に、唐突に力が入る。ぐしゃ、と乱雑に髪を摑まれるのが、口淫中いっとう好きな行為だ。そしてその瞬間、思いきり後頭部を荒北の下肢へと打ちつけられる。喉奥に感じる異物感に思わずおぶ、と声が漏れ、睛には涙が浮かんだ。
でも、嫌じゃない。
一人の男によって、こんな異端な行為も快楽へとすり替えられてしまった。
強引に頭を揺さぶられ、鼻先から額にかけてのところに何度も荒北の陰毛が当たる。
サイクルジャージを着用する時は、空気抵抗を減らすため素肌にそのままジャージの袖を通す。故に新開も荒北も、高校、大学と陰毛の処理をきちんと行っていた。だから余計に、現在の新開の興奮剤となり得ていて、何の抵抗もなく新開はその場所に顔を埋めた。
く、という荒北の呻きを聞いて、豪快に咥内のものを吸い上げる。瞬間、喉に流れこんできた白濁を上手に嚥下した。溜まっていたのはどうやら彼も同じだったようで、いつもより少し量の多いそれは、新開の口の端をみだらに汚した。
しんかい。欲と期待を孕んだ荒北の声がする。
こたえてあげたい。けど、どうやら自分はあまりにはしゃぎ過ぎたらしい。

「……わり、やすとも、たんま、」
「ア?なに、」
「の、のぼせた……。」
「ハア!?」
「のぼせた、つか、頭くらくらする……」
「バッカおま、早く出ろ!」
四つん這いでのろのろと浴室を出る新開を急かすように荒北は彼の尻を蹴る。甘い雰囲気は何処へやら、外気に触れた身体が妙にさむく感じた。
首にタオルをかけたパンツ一丁の荒北が、ぺたぺたと歩み寄る。タンクトップにハーフパンツ姿の新開が、扇風機の真正面で寝転がっていた。麦茶の入ったグラスに手を伸ばそうとして、荒北の気配に気付く。

「あ、飲むか?」
「……いや、自分でやっから」
「そ?」
ぐいと麦茶を一飲みしてから、新開は再び畳に寝転がる。着古したせいでびろびろに伸びた袖口からは、健康的な色の脇が覗いた。どうしてもこうも奴は無防備なのだと叱ってやりたくなるが、何を言っても右から左に聞き流しやがるので、荒北が諦めるという選択肢を優先するようになったのは一体いつ頃だったか。
からからと氷のぶつかる音を立てながら、グラスを持った荒北が大の字になった新開の隣に胡座をかく。

「なあ、靖友」
「ンだよ。」
「……今度さ。サイクリングにでも行こうぜ、久しぶりに。」
「良い、けど、急だな」
「んー?まぁ、そうだな。はは」
何でそんなことを今言い出したんだ、そう問い掛けようとして新開を見ると、彼は仰向けのまま、頭だけを自分より目先の方へ向けていた。
真っ逆さまにひっくり返ったその視界には、2台のロードバイクを映しているに違いない。
畳の部屋には笑えるくらい似つかわしいと思っていたそれも、もう随分と見慣れた日常風景の一つとして馴染んでいる。

「……いー、けどサ。」
「ん?」
「サイクリング、しても良いけど夏は嫌だぜ。」
「……なんで?」
「だってよ。暑ィし、喉カラカラになっし、それに、」
目の前に広げられた足を一瞥し、荒北は新開の足の甲を軽く持ち、親指の腹でやさしく撫でた。ゆるりと起き上がった新開はその光景に目を瞠る。

「秋だって冬だって、どーせずっとオメーと一緒にいんだから。わざわざいつでも出来るよーなこと、今急いでする必要ねーだろ」

躊躇いなく紡がれる荒北の言葉に、新開はいつだって救われる。これで何回目かな、心の中で数えようとして、あまりに数が多いことを悟りすぐにやめた。そしてその代わりに、とびきり優しい表情で荒北を見つめ、「そうだな。」と笑みをこぼした。
53 無名さん
コピペたんは何がしたいの?
54 削除済
55 無名さん
スルーできない馬鹿魔法住民さっさ☆
すると荒北は、持っていた新開の足をより高く上げ、荒北自身の膝小僧辺りに踵を引っかけた。
「そンでさぁ、」
新開の足の親指と人差し指の付け根をぺろりと舐め上げた荒北は、悪戯な笑みを浮かべる。

「折角だしィ、夏しか出来ねーこともしよーぜ。」
「ッ待っ……さっきしたじゃね、か……」
最後まではしてねーだろうがァ、と悪態をついた荒北は、するりと新開の股の間から体を抜き、行き場をなくした肉付きの良い脚が地に付いたのを見計らって新開の身体に覆い被さる。そして右の腕を掴んで上げさせたかと思えば、存分に露わになった新開の腋窩へ舌を伸ばした。
「っんなとこ……おいやすとも、やす、」
腋窩を伝い這われた舌先は二の腕の辺りで止まり、ぐるりと円を描くように舐めたかと思うと、荒北はその場所をきつく吸い上げた。ちりりと痛む肌に散ったのは、淡い薄桃色の花弁。同じ色に染った頬をゆるく上げると、視線の先にふたつのグラスをとらえた。片方は山程突っ込んだ氷が麦茶と同化した新開のグラス。もう片方のグラスに入った氷の山が、ころりと音を立てて崩れてゆく。その音がやけに耳に響いて、鼓膜が反芻する。ぐずぐずに融けてゆくそのさまを見て、新開は自嘲気味に笑う。
まるで俺らみたいだ、と。
はしたなくて、けれども融解を終えても尚、穢れを知らないふりをして、透き通ったまま存在する。

「滑稽、だな。」
「……何が。」
「ぜんぶ。……この世のぜんぶが、なんだかおかしくてたまらない。」

「……世の中なんて、既におかしいこと尽くめだろうが。ましてや夏なんて特に、な。」

「あぁ、そうかもしれねえな。」
それじゃあさ、と言って、新開は僅かに上体を上げる。荒北の首にかかっていたタオルが音もなく畳に落ちた。露わになった肩口を指でなぞってゆき、自分がされたように荒北の二の腕の辺りをぐるりと舌で舐め、きつく吸い上げる。
驚いたように目を見開いた荒北をじっと見つめてから、新開は挑戦的な笑みを、彼に向けた。
 
「もっとおかしくなろうか、ふたりで。」
57 無名さん
さっさ本物?
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「なぁ、靖友。エッチしようぜ」
 低くて蜂蜜のように甘い声で囁く。剥き出しの肩の上に置いた手がそこを優しく撫でた。新開の顔を見上げて荒北は目を細める。
「まだ昼間だぜ」
「何時だっていいよ。そんな気分になっちまった」
 靖友がそうさせたんだから責任取ってくれよ。なんてしな垂れかかれば、荒北の腕が新開の後頭部に回る。ツーブロックで刈り上がってる項の辺りを擽った。ざりざりとした感覚を荒北は楽しいと思い、新開は変な感覚だと体を震わせる。淡い溜息が漏れて、荒北の顔にかかった。それが合図となるように顔が近付く。少しカサついた唇と、厚くて弾力のあるそれが重なって一気に空気が変化した。
 最初は重ね合わせるだけだったキスは角度を変え、啄ばみ、舐めて深くなる。どちらとも無く覗かせた舌の先端を触れ合わせ、吸って絡みつかせれば、新開から鼻にかかった声が吐き出された。
 うっすらと目を開く。視線を感じて新開も荒北を見つめた。気持ち良さそうにうっとりしている新開の米神の辺りから指を滑らせ、髪をぐしゃぐしゃにする。
「……ん……靖友。ベッド行こう」
 舌をチラつかせながらそう言えば、荒北は吸いながら却下。と新開を押し倒す。
「いいヨここで。面倒くさい」
「だってここにはゴムもローションもないだろ。持ってくる方がめんどいよ」
 そこで荒北は舌打ちして、新開の腕を引っ張って起き上がらせると、寝室まで急ぎ足で連れて行く。ドアを乱暴に開け、中に入り新開をベッドへ投げた。すぐに覆い被さる荒北に、新開は「野獣」と言って笑う。
「もう黙ってろ子猫チャン」
 子猫ちゃんなんて微塵も思ってないくせに。キスを再開されながら新開は心の中でそう呟く。
60 無名さん
ラブリーチャンス!
 誘ったのは新開の方だが、その気になれば荒北もすぐに熱を上げるのは何年も変わらない。それ程に二人は愛し合っていた。
 荒北の手が新開のTシャツの中に潜り込む。僅かばかり汗をかいたようで、触れた肌はしっとりしていた。美容師らしからぬ六つに割れた腹筋を一つ一つ確かめるようになぞれば、新開がもどかしそうに身を捩る。荒北の舌が上顎に侵入した。縦横無尽に先端で這い回られ、唾液がこみ上げてきてちゅくちゅくと厭らしい音が更に熱情を煽る。新開は殊更そこを攻められるのが弱かった。
「んぁ……は……」
 閉じられた瞳を縁取る睫毛が感じる度に震える。
荒北は一度唇を離した。二人の間に銀糸が舞うのを落ちる前に絡め取る。新開のシャツを引っ張り、脱がせようとするので手伝った。ついでにベルトを外し、ボトムを抜き取る。濃いグレーの生地にゴムの部分だけが赤い下着の中はすでに少し盛り上がっていた。遠慮無くそれを掴み、揉み込む。柔らかかったそれが徐々に硬くなる。
「靖友も脱げよ……」
 掠れた声で言う。荒北は素直にジーンズを脱いで床に放る。一緒に下着も脱いだので全裸だ。下生えから覗く陰茎もまた、勃ち上がりかけていた。
 再び上に乗り上げてきた荒北の自身に手をかけ、互いに擦る。荒北が耳に息を吹きかけると、ふふっと笑って新開が逃げた。
「ナニ笑ってんの新開チャン」
「擽ったくてって……っぁ……」
 耳の中に舌が入り込む。ぬるりとした感触と水音が直接響き渡って、ぞくぞくと新開の体を犯していく。
「手がお留守になってんヨ」
62 無名さん
アタックチャーンス!
63 無名さん
>>62大事な大事なが抜けてるぞ!
64 無名さん
>>63
あっごめんなさい…
65 無名さん
一分ごとに書き込むなw自演乙されるw
66 無名さん
ふえぇ…
大事な大事なアタックチャーンス!
 耳に集中してしまった意識を指摘され、慌てて動く。決して大きいわけではない。平均的なそれは硬くなり、裏筋に血管を浮き上がらせる。赤黒くて使い込まれたそれを愛おしそうに撫で、時折先端の割れ目に爪を立てた。気持ち良いのだろう。蜜を溢れさせたので、指で掬って全体に塗りつけていく。耳を弄るその舌に乗せて、荒北が深い息を吐く。興奮している。それが嬉しくて、新開の陰茎からも厭らしい液体が溢れた。
 耳から舌を抜き取る。滑らせるように顎を通り、軽くキスを落としながら首筋を舐め、鎖骨の少し上を吸う。ぴりっとした痛みが走ったが、きっと痕にはなっていない。新開の職業のことをよく知っているからだ。見えるところには付けない。
 厚い胸板を揉みしだき、何もしていないのに尖っている乳首にかぶり付く。
「ひぁっ……ぁ……くっ」
 びくんと体が跳ねる。思わず上げてしまった嬌声を誤魔化すように開いた手の甲で口を塞ぐ。その様子を見ながら荒北は陰茎に触れていた手を滑らせ、愛液を腹筋から胸にかけて伸ばす。てらてらと体に走った透明な液体が淫靡だった。片方を口に含み、もう片方を指で弄られて新開は気持ち良さに顔を赤く染める。ころころと舌に乗せた乳首を転がされてしまえば、嬌声を抑えることができない。
「んんぅっ……ぁ、あ……」
 手で塞がれてくぐもっているのが気に入らない。その手を退かし、指を突っ込んだ。突然の異物に驚くが、すぐに慣れたように舌を伸ばしてそれに絡みつく。フェラチオをするように丁寧に、そして厭らしく轟くそれを良い子だというように指先で撫でる。嬉しそうに新開が笑った。その顔がまた、快楽だけを拾って蕩けていて荒北の下肢を熱くする。
 何百と抱いた。けれど飽きるどころかこれでもかというほどハマって仕方ない。感じて淫らに動く新開の体が、自分の手でそうなったのだと自覚すればする程堪らなかった。
 指を甘噛みして、赤子のように吸いながら新開が囁く。
68 無名さん
せめて好きなカプスレで需要くらい調べたら?あっち行きなよ
69 無名さん
しっかし気持ち悪い文章だなぁ
これ考えてるの?それともどこかのコピペ?
70 無名さん
>>69
読んでるの?
「おっきくなった」
 どこのビッチだと罵倒したくなる。けれどそれが似合うのだから手に負えない。
「そのおっきくなったのでどうして欲しい?」
 胸を弄りながら問う。切羽詰まっていないのは、行為に慣れがあるからだ。飴玉を転がすようにしながら新開は「んー」と悩む素振りを見せる。
「キスしながら突いて欲しいな」
「どんな風に」
「あれだ。足抱えて丸めながら至近距離でがいい」
「っはは、お前それ好きね」
 女じゃあるまいし、辛い体制ではないのかと思うが、それが好きだと言うのなら叶えないわけにもいかない。
「ご要望通り、滅茶苦茶突いてやんヨ」
 ローション塗れになった後孔から指を引き抜く。指の大きさにぱっくり開いたそこはてらてらと濡れ、荒北を欲してヒクヒク伸縮している。
 散々喘いで口の端から漏れた唾液が枕を濡らして散々だ。シーツも本番前から汗と身動ぎでぐちゃぐちゃだし、正直心地よいとは言えない。部屋の空気もどんよりしている。けれどその背徳的な雰囲気が二人は好きだ。醜ければ醜いほど燃える。
 ゴムを装着した荒北が膝裏を持ち上げ、目の前に来た蕾に向かって自身を擦り付けた。少しだけ埋めるとその形に後孔は広がり、ニチャっと粘着質な音を立てる。新開がうっとりとした顔をしながら口を開く。
「はぁ……」
 熱い吐息だった。手を伸ばし、汗が浮いている首に腕を回す。荒北が動く。何の抵抗もなく、その中に陰茎が埋め込まれた。
「あぁっ……ぁ……」
 気持ちが良いと言わんばかりの声は上擦っているが、それでも普通のものより低い。ぴたりと腰骨が尻肉に当たるまで穿った後、持ち上げていた足を更に丸め込ませた。
「ひっ……あ……深いっ……くっ……」
 届いてはいけないところまで入り込んだそれに堪らず強く目を瞑る。眉間に寄った皺を伸ばすように荒北はそこにキスを落とし、律動を開始した。
「……んぁっ!あ、んんっ…やすとも……」
 首を逸らし、穿つのに合わせて喘ぎながら荒北を呼ぶ。額からボタボタ汗を垂らしつつ「なに」と返事をする。
「キスっ……キスして……あぁっ」
 そういえばそんなセックスがしたいって言ってたっけ。思い出して、絶え間なく喘ぐ口にかぶり付く。待ち構えていたものが漸く手に入って、嬉しさに新開の瞳から涙が零れた。
 まるで獣のように互いを貪って、ベッドを軋ませ、汗を撒き散らす。肉がぶつかる音をさせながら律動させ少しした頃、突然絶頂はやって来た。
 絡ませていた舌の動きが緩慢になる。ぎゅっとしがみ付きが強くなり、それにイクのだと察した荒北がより深く奥を突く。だめだ、出る。そう言うのと、触れられてもいないそこから白濁が発せられるのは同時だった。
 丸まっていた為、何時もなら腹に出るはずのそれが顔にかかる。生暖かい精子を受け、それにもまた新開が喘いだ。そそる姿に煽られ、吐精で締め付けられた中に荒北もゴム越しに発射する。じわりと熱くなったそこに、もう一度新開は呻いた後、ぱたりと首に回していた腕をシーツに投げ出した。
74 無名さん
支部じゃない?何でペダルなんて住人が飽きたジャンル貼るのかな^^レス消費したいのかな^^バカなのかな^^
75 無名さん
>>70
なんだこれと思って数行読んだだけだけど気持ち悪いよぉふえぇ
76 無名さん
読まなきゃいいじゃんバカかおめーは
77 無名さん
>>75
忘れるんだ
 落ち着いた荒北が上から退く。抜き出される感覚は少し物寂しい。けれど、体とは裏腹に心は酷く落ち着いている。空いたスペースにごろりと横になった荒北が、自身からゴムを外して「あっつ……」と不機嫌そうな声を出す。それに暑いなと返し、未だ顔に張り付いたままの精液を拭う。青臭い匂いが鼻を掠め、不快気に顔を顰める。
 ベッドサイドに置いてあったティッシュを一枚抜き取り、拭いている間に荒北が起き上がった。そしてまだ新開がいるにも関わらず、シーツの端を掴むと剥ぎ始める。
「邪魔だ」
 先ほどの優しい態度は何処へやら、ぞんざいに扱われるのを気にせず新開もベッドから下りる。脚を開いていた所為か、股関節のあたりに違和感を感じた。変な歩き方をしながら寝室から出て、一足先にシャワールームへ向かう。程なくして荒北も入ってきた。剥がしたシーツは洗濯機に放り込んだらしい。シャワーの音で聞こえないが、すぐ近くにあるそれはゴウンゴウンと忙しなく動いているだろう。
 広くない空間に二人入るのは狭苦しくて仕方ない。だが一刻も早く汗を流したかった。無言で体を洗い、綺麗になった身でエアコンの効いたリビングに戻ってくる。二人ともパンツ一枚だ。
 すっきりしたと言わんばかりにソファに荒北が座る。定位置に戻ったテーブルの上にあった飲み物を口に含むが、当たり前のように温くなっていた。
79 無名さん
うめたらコピペたんどこのスレ行くの?
80 無名さん
ワンダホー!
81 無名さん
原文見たくて探してるのに見つからないよお
コピペたんヒントおくれ
82 無名さん
ほかのジャンルスレはとうらぶと黒子か
どっち行くのかな
83 無名さん
>>76
気持ち悪いと思ってから読んでないんだけど……噛みつきたんこあい;;
84 無名さん
こあいね…
 テレビからは相変わらず行楽地情報を知らせる番組が流れている。キッチンへと消えた新開が、1.5リットルのベプシのペットボトルを傾けながらやって来て、テレビに視線を移す。少なかった液体が喉の奥に消えていったのを確認した後、「海か。いいな、行こうか」なんて呟く。荒北は欠伸をしながらヤダと却下した。
「なんで。夏らしい事しようぜ」
 空のボトルをテーブルに置き、隣に座る。荒北の肩に腕を掛け、覗き込むと鬱陶しそうに荒北はそれを払う。
「何時だったか行って日焼けで散々な目に遭ってただろ」
 あの時のお前うるさかったから海は駄目だと言う。新開は思案する。
「んー、そうだったっけ。じゃあプールは?屋内ならいいだろ」
 どうやら新開の頭には泳ぐ事しかないらしい。若い頃ならまだその思考も頷けるが、30手前でそれはどうなのか。そんな事を考えてしまうあたり、自分も年取ったな、なんて思いながら「そんなに泳ぎたいのかよ」と返す。
「泳ぎたいよ。でもあれだな。どっちかっていうと涼みたい」
 前言撤回だ。この男もただのおっさんだ。荒北はうんうん一人で頷いて、じゃあ行くかとテーブルの上のスマートフォンを手に取る。スケジュールアプリを起動して、新開に日にちを訊く。カレンダーを見ながらこの日が良いと指差したのは、お盆の次の週だった。示し合わせたように互いの職場の休みは火曜日。この日を逃すと他の週の休みは予定が入っていたりして都合が悪い。その日にチェックを入れ、どこのプールが良いのかネットで検索する。プールなんてどこにでもあるが、きっと新開が行きたいのはテーマパークのようなところなのだろう。その予想は当たっていて、新開が自分のスマートフォンで探した画像を見せてくる。幾つものプールと、大掛かりなウォータースライダーが目立つカラフルな内装の場所だった。位置を確認すれば、車で二時間走らなければいけない。しかし思ったよりも遠くなった事に安堵し、そこへ行く事を決める。
「あ、水着ないや」
 すでに気持ちはプールへ行っているらしい。陽が落ちるまで数刻ある。ショッピングに向かうとするか。そうして二人は立ち上がった。
86 無名さん
コピペいらん
87 無名さん
ベプシが目に入ったwww
88 無名さん
えっふつーに読めるけど
荒らしたん煽るだけだからやめといたほうがいいよ
89 無名さん
>>88??
90 無名さん
>>88たんが平気でも苦手なやつもいるんだよ
 それからまた遊んだ後、折角だからと施設の周辺を探索して二人は帰路に着いた。ずっと運転していた荒北は部屋に着いた途端疲れたと言い、ソファにダイブする。新開は荷物を床に下ろしキッチンに向かう。冷蔵庫を開く音がした。何かを取り出し、荒北の頬にそれを当てる。
「冷ェ!」
 驚いて顔を上げれば、そこにあったのはビールだった。
「お疲れさん」
 労いの言葉をかけられ、サンキュと返す。起き上がってキチンと座れば、当然のように新開が腰かける。右側が荒北、左が新開というのはずっと変わらない定位置だ。
 プルトップを開ける。煽るように傾けた途端、喉に黄金色の液体が流れ込む。独特の苦味と、炭酸が疲れた体には気持ちが良い。堪らないと言わんばかりの声を上げるのを、新開はおっさん臭いと指摘した。なんとでも言えば良い。今はこの味を堪能することしか考えられない。新開はチューハイの缶を持っていた。ビールも飲むが、今日はそういう気分らしい。
 何だかんだ疲れたが楽しい一日だった。素直にそう言えば、新開がそうだなと頷く。
「行ってよかった……」
 どこか覇気のない声。それに、荒北はビール片手に顔を覗き込む。
「んだヨしけた面して。なんかあったか」
 らしくない。思ったが、そういえば帰る頃から様子がおかしかった気がする。これは疲れたというより……
 はぁ……新開が溜息を吐く。重苦しいそれは間違いなく参っている証拠だ。
92 無名さん
腐嫌い多いもんな
93 無名さん
〜する。みたいな行動系ばっかな文章だから30点
カプをルシレギュにしてくれたら90点
94 無名さん
60点もあがんの!?
「新開チャン。おーい。そんな大人しいと、襲っちまうぞ?」
 冗談めかして言うが無反応。これは駄目だ。荒北は覚悟を決める。缶を置いて、何時もよりも幾分低い声を出す。
「新開」
 威圧的に呼んで、さすがに振り向いた瞬間キスをした。
「んぅっ!……ん、んんっ……」
 思わず抵抗しようとする。しかし長年抱いてきた荒北には、どうすれば大人しくなるのか十分過ぎるほどわかっていた。後頭部を鷲掴み、喰らう勢いで貪る。開いた口に舌をねじ込めば一発だった。肩に置かれた手が力を失い、自らも舌を伸ばして絡めてくるのを良い子だと言うように、掴んでいた頭を撫でる。
 どちらとも言えない唾液が口内に溜まり、新開が嚥下すると同時に唇を離した。新開が荒い息を吐き出す。荒北を見る目は情欲に濡れていた。
「落ち着いたか?」
 乱暴なやり方だと言えた。しかし、新開にはこれがよく効く。コクリと頷くのに、荒北が座り直す。新開と向かい合わせにだ。
「靖友が女といるの見た」
 ふて腐れながら紡がれた言葉に、荒北が首を傾げる。
「どこで」
「プール。オレがウォータースライダーに行ってる時」
 驚いた。何時から新開は見ていたのだろう。
「あれは……よく行くコンビニの店員だ。たまたま友達と来てたらしくて、俺見かけたから話しかけられたって。それだけ」
 特にやましい事なんて何もない。そう言うが、新開は納得した様子では無かった。また一つ溜息を吐き、後頭部を掻いてポツリポツリと零す。
「おめさんも知ってるけどさ。オレ心狭いから。別にそれだけって理解しててもどっかでもしかしたらって思っちまって……ほら、靖友はゲイじゃないだろ?だから女の方がやっぱり良かったって何時か離れていくんじゃないないかと思い出したらオレ……」
 そんな風に思ってしまう自分が嫌なのだろう。最後の台詞は搾り出すようだった。
「絶対大丈夫って信じられればいいのに」
96 無名さん
  ________
 |それは 私の  |
 |おいなりさんだ/
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄
    /レヘ__
   /|/   レ)ヽ\
  | ____ | ヽ
  ∠/  ∞  \フ |
  ヒ)⌒ヽ ノ⌒i|ヽ|
  ヒ) \| |/ || |
  ヒ)マ>|-|<ア|| |
   ヽ_ノ ヽ_ノ∧ |
  _/\   / | |
`/ _ ‖ー-イ  ノ丿|
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LLL_(_ノ  ル- ||
 \ ノ‖ // _/ ノ
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 ̄\ ヽ_ノ   /\
  ヽ/ \  /  \
97 無名さん
>>93イタタ…
98 無名さん
おいなりwww
 随分と飛躍した考えだ。そう思わずにはいられないが、同性カップル、特にどっちもノンケの二人には深刻な問題にしか思えない。
 前にも何度か似たような事はあったのだ。その度に嫉妬して、新開は一人で塞ぎ込んでしまった。見た目に反してナイーブなのは昔からだが、それを大丈夫だと、オレにはお前しか興味がないと解らせるのは骨が折れた記憶がある。一緒に住むようになって数年経つ今は、それもほとんどなくなっていたのに。
 久しぶりのネガティブに、荒北は呆れるどころか苦笑いする。
 新開の両頬に手を置いて、じっと見つめた。
「そんな事言ったら、オレだって嫉妬したんだぜ?」
「え?」
 涙で滲む瞳が揺れる。
「ナンパされてただろ。女に胸押し付けられて。あれは堪えたね」
「あ、れは……すぐに振り払ったよ。恋人と来てるってはっきり断ったし」
「同じだヨ」
「っ」
「互いに愛し合ってんの分かってんのに、気になるのはしょうがねェ。男同士だからな。でもその度に嫉妬してても疲れるだけだろ。もしお前がどうしても不安だって言うなら……そうだな、指輪でも買うか」
 瞬きをした眼から雫が流れ落ちる。
「ほんとか……?」
「あぁ、二人のイニシャル入れれば最高のお守りで、魔除けになるだろ」
 それで機嫌直してくれるか?
 優しく問いかける。新開はぽろぼろ泣きながら「うん」と頷く。
「靖友……好きだ」
「オレもだヨ」
 顔が近付く。触れた唇は涙の味がした。
 何度も口付け、どちらとも無く舌を交わらせる。擽ったそうに新開は笑った。それに釣られて荒北も微笑む。
 二人の体がソファの上に倒れる。チュッ、チュッと音を立ててキスをしながら、荒北が「ゴムもローションもないけどココでして良い?」と訊く。新開は困ったような、仕方ないような顔を浮かべて「いいよ」と首に腕を回した。
100 無名さん
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