1 無名さん
たわらたん
http://nanos.jp/srtm25/
ほんだわらたんが謝罪して回れるようリンク先コピペ
http://nanos.jp/ccm31/
http://nanos.jp/f3nrir/
http://nanos.jp/ikurato/
http://nanos.jp/ws758/
http://nanos.jp/hoppemochi2/
http://nanos.jp/tsuchama/
http://nanos.jp/oireehc/
http://nanos.jp/musyo/
http://nanos.jp/natrium/
http://nanos.jp/curaruxcuraro/
http://nanos.jp/baaaaaaaaaan/
http://nanos.jp/clash1/
http://nanos.jp/dybydy/
http://nanos.jp/squarexoxo/
ほんだわらたんが謝罪して回れるようリンク先コピペ
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ある男が家に帰る途中、のどが乾いたのでジュースを買った。
すぐに飲んでしまって缶を捨てようと思ったらゴミ箱がない。
仕方なく道に置いてこうと思った時、少し先に公園が見えた。
どこの公園にもあるように、そこにもゴミ箱があった。
だが捨てようとした缶が入らない。どうやらゴミがいっぱいらしい。
男は一つくらい入るだろうと缶を押し付けながらかがんでみると、ゴミ箱の入り口に女の顔が挟まっていた。
女は自分の顔に押し付けられている缶を睨みつけ、半分ほど食いちぎると一生懸命もぐもぐ噛み始めた。
しばらくして男と目を合わせると、顔を痙攣させながら笑った。
口から缶の破片と一緒に黒っぽいものがどろどろとこぼれた。
すぐに飲んでしまって缶を捨てようと思ったらゴミ箱がない。
仕方なく道に置いてこうと思った時、少し先に公園が見えた。
どこの公園にもあるように、そこにもゴミ箱があった。
だが捨てようとした缶が入らない。どうやらゴミがいっぱいらしい。
男は一つくらい入るだろうと缶を押し付けながらかがんでみると、ゴミ箱の入り口に女の顔が挟まっていた。
女は自分の顔に押し付けられている缶を睨みつけ、半分ほど食いちぎると一生懸命もぐもぐ噛み始めた。
しばらくして男と目を合わせると、顔を痙攣させながら笑った。
口から缶の破片と一緒に黒っぽいものがどろどろとこぼれた。
ある有名な心霊スポットに、友達と2人で深夜に車で行ってみたんですって。
トンネルを抜けるとそこが有名な心霊スポット。
と、そこに目の前にふっと女の人の白い影が。
あ! と思って慌ててブレーキを踏んで降りてみたところ、そこに人影はなく目の前は崖。
なんでもガードレールが壊れていて、ブレーキを踏んでなかったら落ちてしまっていたかもしれないということです。
「あの幽霊は助けてくれたんだ」
そう思ってそこで手を合わせ、お祈りして帰路についたそうです。
トンネルを引き返す途中にふとミラーを見ると、後部座席に先ほど目の前を横切った女の人の姿が…。
その女の人はこう呟いて、すぅーっと消えたそうです。
「死ねばよかったのに」
トンネルを抜けるとそこが有名な心霊スポット。
と、そこに目の前にふっと女の人の白い影が。
あ! と思って慌ててブレーキを踏んで降りてみたところ、そこに人影はなく目の前は崖。
なんでもガードレールが壊れていて、ブレーキを踏んでなかったら落ちてしまっていたかもしれないということです。
「あの幽霊は助けてくれたんだ」
そう思ってそこで手を合わせ、お祈りして帰路についたそうです。
トンネルを引き返す途中にふとミラーを見ると、後部座席に先ほど目の前を横切った女の人の姿が…。
その女の人はこう呟いて、すぅーっと消えたそうです。
「死ねばよかったのに」
敷地内の渓泉会館は、よくクラブ活動の合宿にも利用されているが、非常に気味の悪い絵画が飾ってある。
巨大な牛と、その傍らに横たわる妙に蒼白い子供。
絵の意味は不明だが、どうやら「牛の首」という非常に恐い話に関係があるらしい。
「牛の首」とは、今から25年ほど前に当高校の数学教師だけが全てを知っていた怪談。
当時先生が生徒を数名ワゴン車に乗せて、移動中に恐い話をしていた時の事である。
さんざん恐い話を聞かせたあげく、最後にとっておきの「牛の首」という話をはじめた。
しばらく静かに聞いていた生徒達も次第に恐怖が限界に達し、
「先生! もうやめて!!」
と耳を塞ぎながら各々が叫びはじめたが、先生は面白がって生徒の訴えを無視し夢中になって話し続けた。
そして、ふと車内が静かになっているのに気付いて後ろを振り返ると、生徒全員が口からアワを噴いて失神していたのだ。
あまりの恐怖に気を失ったらしい。
それ以来、この先生は二度とこの「牛の首」の話を口に出さなくなった。
私が在学中の頃、この先生に「ねぇ、牛の首って話ご存じですか…」と話かけると、急に先生の顔色が変わり
「一体どこから聞いた?! そんな話は知らん!!」
それっきりこの「牛の首」は謎のまま。
渓泉会館の絵もどうやら関係あるらしいのだが、深くまでは解らない。
また、今でもクラブの合宿中に絵の飾ってある部屋で泊まると、不思議な出来事が起きている。
巨大な牛と、その傍らに横たわる妙に蒼白い子供。
絵の意味は不明だが、どうやら「牛の首」という非常に恐い話に関係があるらしい。
「牛の首」とは、今から25年ほど前に当高校の数学教師だけが全てを知っていた怪談。
当時先生が生徒を数名ワゴン車に乗せて、移動中に恐い話をしていた時の事である。
さんざん恐い話を聞かせたあげく、最後にとっておきの「牛の首」という話をはじめた。
しばらく静かに聞いていた生徒達も次第に恐怖が限界に達し、
「先生! もうやめて!!」
と耳を塞ぎながら各々が叫びはじめたが、先生は面白がって生徒の訴えを無視し夢中になって話し続けた。
そして、ふと車内が静かになっているのに気付いて後ろを振り返ると、生徒全員が口からアワを噴いて失神していたのだ。
あまりの恐怖に気を失ったらしい。
それ以来、この先生は二度とこの「牛の首」の話を口に出さなくなった。
私が在学中の頃、この先生に「ねぇ、牛の首って話ご存じですか…」と話かけると、急に先生の顔色が変わり
「一体どこから聞いた?! そんな話は知らん!!」
それっきりこの「牛の首」は謎のまま。
渓泉会館の絵もどうやら関係あるらしいのだが、深くまでは解らない。
また、今でもクラブの合宿中に絵の飾ってある部屋で泊まると、不思議な出来事が起きている。
押し入れに1体の市松人形が眠っていた。
厳重に包まれて桐の箱に大事そうに入っていおり、その為あって保存状態はすばらしく良かった。
長く黒い髪、白い肌、赤い蝶の刺繍が入った着物。
これは高く売れる、と質屋に持って行った。
質屋もその人形をたいそう気に入り、ガラス窓の一番目につく場所に飾った。
ある日、一人の少女が店の前を通りかかった。
少女はその人形を一目見て気に入り、すぐさま両親にねだって買ってもらった。
それからしばらくは少女の格好の遊び相手となった。
しかし少女も大きくなり、そんな人形があった事などすっかり忘れてしまい、中学入学の日ふと人形の事を思い出した。
やっとの思いで探し当てた人形は、かつての姿は微塵と無くそれはそれはみすぼらしかった。
髪はぼさぼさ、着物はすす汚れていて腕は割れていた。
しかしその割れた腕の隙間から、なにやら黒く細長いものが出ていた。
少女は気になりよく見てみると、それは髪の毛だった。
何故髪の毛が? そう思って引っ張ってみると、するするするするどこまでも抜けていった。
さすがに奇妙に思い、その人形を叩き割ってみたところ、中からミイラ化した1、2歳の赤子が長い髪の毛に包まれ姿を現した。
少女は悲鳴をあげ倒れこんだ。
数日後、お寺に人形を持っていき供養してもらった。
それから十数年の月日が流れた。
その少女も今やすっかり年老いてしまい、孫までいた。
たまたま遊びに来ていた孫は、押し入れの奥からなにやら箱を取り出してきた。
見たことも無い箱だった。
しかし孫が箱を開けた瞬間、老婆は驚きを隠せなかった。
そう、確かにあの時寺で供養し焼き捨てたはずの人形が、新品同様な状態で眠っていた。
そんな驚きを知らず、老婆の孫はその人形を気に入ったようだった。
そして孫は老婆にせがむ。
「ねぇおばあちゃん、この人形私にちょうだい」
厳重に包まれて桐の箱に大事そうに入っていおり、その為あって保存状態はすばらしく良かった。
長く黒い髪、白い肌、赤い蝶の刺繍が入った着物。
これは高く売れる、と質屋に持って行った。
質屋もその人形をたいそう気に入り、ガラス窓の一番目につく場所に飾った。
ある日、一人の少女が店の前を通りかかった。
少女はその人形を一目見て気に入り、すぐさま両親にねだって買ってもらった。
それからしばらくは少女の格好の遊び相手となった。
しかし少女も大きくなり、そんな人形があった事などすっかり忘れてしまい、中学入学の日ふと人形の事を思い出した。
やっとの思いで探し当てた人形は、かつての姿は微塵と無くそれはそれはみすぼらしかった。
髪はぼさぼさ、着物はすす汚れていて腕は割れていた。
しかしその割れた腕の隙間から、なにやら黒く細長いものが出ていた。
少女は気になりよく見てみると、それは髪の毛だった。
何故髪の毛が? そう思って引っ張ってみると、するするするするどこまでも抜けていった。
さすがに奇妙に思い、その人形を叩き割ってみたところ、中からミイラ化した1、2歳の赤子が長い髪の毛に包まれ姿を現した。
少女は悲鳴をあげ倒れこんだ。
数日後、お寺に人形を持っていき供養してもらった。
それから十数年の月日が流れた。
その少女も今やすっかり年老いてしまい、孫までいた。
たまたま遊びに来ていた孫は、押し入れの奥からなにやら箱を取り出してきた。
見たことも無い箱だった。
しかし孫が箱を開けた瞬間、老婆は驚きを隠せなかった。
そう、確かにあの時寺で供養し焼き捨てたはずの人形が、新品同様な状態で眠っていた。
そんな驚きを知らず、老婆の孫はその人形を気に入ったようだった。
そして孫は老婆にせがむ。
「ねぇおばあちゃん、この人形私にちょうだい」
深夜、誰もいないビルに一人でいた事はありますか?
薄暗い廊下で立ち止まるとボーッいうような耳鳴りが聞こえ、それが次第にじんじんとした痛みに変わり、一瞬でも気を緩めると頭から次第に暗がりに溶けていくような錯覚がする。
親戚からの頼みごとを安請け合いして、私は思いっきり後悔していました。
「さっき車で通りかかったら入口にタチの悪そうなヤツがいたから、念のため見回りに行って欲しい」
場所は私の家から車で数分、日ごろお世話になっている親戚であるし、足が不自由な人なので2つ返事でOKしました。
親戚がオーナーのそのビルは3階建てで、1,2階はテナント(店が入っても長続きせず、当時は1,2階とも空きでした)、3階には親戚が書斎代わりに使う部屋と、私が倉庫として借りている部屋がありました。
到着したのが夜の11時頃。
ビルと言ってもかなり小さく、全部の階を回っても30分はかからない。
手早く済まそうと駆け込みました。
1階から順に回り始めて最後の3階まで異常はありませんでした。
3階の書斎で一息つくために煙草に火をつけましたが、前述のとおり何も音がしないという事に対する恐怖が段々と重くのしかかってきて、さっさと引き上げる事にしました。
3階建てですが、足の不自由なオーナーのためにエレベーターが有るので、早速それに乗り込み1階のボタンを……。
焦っていたのか2階のボタンも押していました。
薄暗い廊下で立ち止まるとボーッいうような耳鳴りが聞こえ、それが次第にじんじんとした痛みに変わり、一瞬でも気を緩めると頭から次第に暗がりに溶けていくような錯覚がする。
親戚からの頼みごとを安請け合いして、私は思いっきり後悔していました。
「さっき車で通りかかったら入口にタチの悪そうなヤツがいたから、念のため見回りに行って欲しい」
場所は私の家から車で数分、日ごろお世話になっている親戚であるし、足が不自由な人なので2つ返事でOKしました。
親戚がオーナーのそのビルは3階建てで、1,2階はテナント(店が入っても長続きせず、当時は1,2階とも空きでした)、3階には親戚が書斎代わりに使う部屋と、私が倉庫として借りている部屋がありました。
到着したのが夜の11時頃。
ビルと言ってもかなり小さく、全部の階を回っても30分はかからない。
手早く済まそうと駆け込みました。
1階から順に回り始めて最後の3階まで異常はありませんでした。
3階の書斎で一息つくために煙草に火をつけましたが、前述のとおり何も音がしないという事に対する恐怖が段々と重くのしかかってきて、さっさと引き上げる事にしました。
3階建てですが、足の不自由なオーナーのためにエレベーターが有るので、早速それに乗り込み1階のボタンを……。
焦っていたのか2階のボタンも押していました。
2階に到着。軽い振動とともに扉がスーッと開きました。
私はぼんやりと扉の向こうの2階の壁を見ていました。
エレベーター内の灯りがフロアにもれる。
いつもならそこには少し黄ばんだ白い壁があるはずでした。
何かが違う……。
初めはシミか何かと思っていたソレに気づいた瞬間、身体は硬直して動かなくなりました。
無表情な女の顔でした。
扉越しに見える壁いっぱいの大きな顔でした。
透けたその顔は、シーンと静まりかえった中に浮かんでいました。
私は目を外すことが出来ませんでした。
その顔は表情を段々と変えていくのです。
笑っていました。
精神を病んでいる様な笑い方でした。
でも声は全く聞こえず、相変わらず静まりかえっていました。
エレベーターの扉はオーナーの為に時間設定を変えてあり、通常より閉まる時間が遅くなっていました。
身体が動かずボタンも押せない。視線も顔から外せない……。
数十秒後に扉が閉まるまで、ずぅっと狂った様に笑い続けていました。
私は逃げるように家に帰りました。
途中、鍵を返すために親戚の家にも寄りましたが、何も話せませんでした。
今まで音が聞こえない恐怖に怯えていましたが、もしあの時、笑い声が聞こえていたら……。
私はぼんやりと扉の向こうの2階の壁を見ていました。
エレベーター内の灯りがフロアにもれる。
いつもならそこには少し黄ばんだ白い壁があるはずでした。
何かが違う……。
初めはシミか何かと思っていたソレに気づいた瞬間、身体は硬直して動かなくなりました。
無表情な女の顔でした。
扉越しに見える壁いっぱいの大きな顔でした。
透けたその顔は、シーンと静まりかえった中に浮かんでいました。
私は目を外すことが出来ませんでした。
その顔は表情を段々と変えていくのです。
笑っていました。
精神を病んでいる様な笑い方でした。
でも声は全く聞こえず、相変わらず静まりかえっていました。
エレベーターの扉はオーナーの為に時間設定を変えてあり、通常より閉まる時間が遅くなっていました。
身体が動かずボタンも押せない。視線も顔から外せない……。
数十秒後に扉が閉まるまで、ずぅっと狂った様に笑い続けていました。
私は逃げるように家に帰りました。
途中、鍵を返すために親戚の家にも寄りましたが、何も話せませんでした。
今まで音が聞こえない恐怖に怯えていましたが、もしあの時、笑い声が聞こえていたら……。
知人に聞いた話である。
とある山小屋に泊まった時のこと。
部屋に入った途端、鼻がひん曲がるほど臭気が充満していた。
部屋の中を丹念に探してみたが、臭いの元となるようなモノは無かった。
皆、首を傾げることしきり。
しかし、このままではここで寝ることも出来ない。
仲間の一人が押入を開けると、天井の板が少しずれていた。
どうやら、屋根裏にそこから行けるようだ。
しかも、臭いの元はどうやらそこである。
当然の事ながら皆、最悪の事態を想像していた。
一人が、意を決して屋根裏に上った。
絶叫とともにそいつは押入から転げ落ちてきた。
「ひと、ひと、が寝てる!」
寝てる? 皆、首を傾げる。
生きてるのか? そいつは。
「だって、にやにや笑っていやがるんだ!」
浮浪者が住み着いているのか?
もう一人が勇気を出して懐中電灯を片手に屋根裏に上った。
確かに真っ暗な中に黒い影が横たわっている。くさい。
死体か? でも、確かに笑っている。
やけに暗闇に白く浮き出た顔が、ニヤニヤと笑っている。
懐中電灯を顔に当てた。
口のあたりがモゾモゾと蠢いている。
それは、顔にびっしりとたかった蛆だった。
死体の顔がニヤニヤと笑っているように見えたのは、蠢く蛆の動きだった。
とある山小屋に泊まった時のこと。
部屋に入った途端、鼻がひん曲がるほど臭気が充満していた。
部屋の中を丹念に探してみたが、臭いの元となるようなモノは無かった。
皆、首を傾げることしきり。
しかし、このままではここで寝ることも出来ない。
仲間の一人が押入を開けると、天井の板が少しずれていた。
どうやら、屋根裏にそこから行けるようだ。
しかも、臭いの元はどうやらそこである。
当然の事ながら皆、最悪の事態を想像していた。
一人が、意を決して屋根裏に上った。
絶叫とともにそいつは押入から転げ落ちてきた。
「ひと、ひと、が寝てる!」
寝てる? 皆、首を傾げる。
生きてるのか? そいつは。
「だって、にやにや笑っていやがるんだ!」
浮浪者が住み着いているのか?
もう一人が勇気を出して懐中電灯を片手に屋根裏に上った。
確かに真っ暗な中に黒い影が横たわっている。くさい。
死体か? でも、確かに笑っている。
やけに暗闇に白く浮き出た顔が、ニヤニヤと笑っている。
懐中電灯を顔に当てた。
口のあたりがモゾモゾと蠢いている。
それは、顔にびっしりとたかった蛆だった。
死体の顔がニヤニヤと笑っているように見えたのは、蠢く蛆の動きだった。
ある晩コンビニで立ち読みをしていた。
目の前の駐車場に車が前進で止まった。ライトがやや眩しかった。
立ち読みに飽きてきて雑誌を読みつつも、目を車に向けていた。
男の人が降りてコンビニに入ってきた。助手席には女の人が残っていた。
男が車に戻ってきてライトがついた。
雑誌に視線を戻す。
車は去っていった。
帰ろうかと視線を前に向けると、助手席にいた女がコンビニのガラスに張り付いてこっちを見ていた。
目の前の駐車場に車が前進で止まった。ライトがやや眩しかった。
立ち読みに飽きてきて雑誌を読みつつも、目を車に向けていた。
男の人が降りてコンビニに入ってきた。助手席には女の人が残っていた。
男が車に戻ってきてライトがついた。
雑誌に視線を戻す。
車は去っていった。
帰ろうかと視線を前に向けると、助手席にいた女がコンビニのガラスに張り付いてこっちを見ていた。
今まで聞いた中で1番恐い話を書きます。
知り合いにすごく霊感の強い子がいて、よく取り憑かれたりする子なんだけど。
その子に「今までで1番恐かった経験は?」と聞いた時にしてくれた話です。
彼女は一人暮らしをしてるんですが、お風呂に入った後パジャマを着て、髪を乾かそうと大きな鏡の前に座ってクシで髪をとかしていると、鏡に映っているはずの自分の顔が全然別人の女の人で(顔だけ)しかも鏡の中の人はクシで髪をとかすたびに髪の毛が伸びるそうなんです。
そして、髪をとかしながらこっちを見てニタ〜ッっと笑ったそうです。
知り合いにすごく霊感の強い子がいて、よく取り憑かれたりする子なんだけど。
その子に「今までで1番恐かった経験は?」と聞いた時にしてくれた話です。
彼女は一人暮らしをしてるんですが、お風呂に入った後パジャマを着て、髪を乾かそうと大きな鏡の前に座ってクシで髪をとかしていると、鏡に映っているはずの自分の顔が全然別人の女の人で(顔だけ)しかも鏡の中の人はクシで髪をとかすたびに髪の毛が伸びるそうなんです。
そして、髪をとかしながらこっちを見てニタ〜ッっと笑ったそうです。
3年ほど前に、付き合い始めたばかりの彼女の部屋でくつろいでいる時、ソファの下に携帯電話があるのを見つけた。
それは彼女がいつも使っているのとは別の携帯だった。
「もしかして、男によって携帯を使い分けている? 浮気?」
と疑って問いただす。
「なんで携帯を2つ持ってて、1つ隠してんの?」
彼女は「ばれたかっ!」という表情をしたけど、それは浮気がばれたという風な気まずい顔じゃなくて、むしろ助けを求めるような顔だったので驚いた。
「前に付き合っていた彼がいたんだけど、事故で死んじゃったの。それで、これは私の友達の意見なんだけど、急に死んだもんだから、彼は自分が死んだ事に気づいてないんだって!」
「どういう意味だよ?」
「この携帯、今だに時々彼からメールが入るの。カラのメールなんだけど……」
「ド○モで引き取ってもらえば?」
「それがね、違うの。これは一度解約して新規の携帯なのよ。携帯を変えようが、メルアドを変えようがメールが来るのよ。だからもう一台携帯を持ってるのよ。こっちに霊現象は封じ込めているの」
彼女は受信履歴を見せてくれた。
俺は幽霊を信じないわけじゃないけど、いくらなんでも死んだ奴からメールが届き続けるのは信じられないので、彼女の友人関係なんかを密かに調べてみようと思って、その日は彼女の部屋を後にした。
生きている奴が死人を語って送っているに違いないと思ったからね。
でも結局そんなことをする前に、彼女とは別れた。
彼女の部屋の前にマジで幽霊が立っていたからね。
まるで新しい彼氏の俺を憎むように……。
それは彼女がいつも使っているのとは別の携帯だった。
「もしかして、男によって携帯を使い分けている? 浮気?」
と疑って問いただす。
「なんで携帯を2つ持ってて、1つ隠してんの?」
彼女は「ばれたかっ!」という表情をしたけど、それは浮気がばれたという風な気まずい顔じゃなくて、むしろ助けを求めるような顔だったので驚いた。
「前に付き合っていた彼がいたんだけど、事故で死んじゃったの。それで、これは私の友達の意見なんだけど、急に死んだもんだから、彼は自分が死んだ事に気づいてないんだって!」
「どういう意味だよ?」
「この携帯、今だに時々彼からメールが入るの。カラのメールなんだけど……」
「ド○モで引き取ってもらえば?」
「それがね、違うの。これは一度解約して新規の携帯なのよ。携帯を変えようが、メルアドを変えようがメールが来るのよ。だからもう一台携帯を持ってるのよ。こっちに霊現象は封じ込めているの」
彼女は受信履歴を見せてくれた。
俺は幽霊を信じないわけじゃないけど、いくらなんでも死んだ奴からメールが届き続けるのは信じられないので、彼女の友人関係なんかを密かに調べてみようと思って、その日は彼女の部屋を後にした。
生きている奴が死人を語って送っているに違いないと思ったからね。
でも結局そんなことをする前に、彼女とは別れた。
彼女の部屋の前にマジで幽霊が立っていたからね。
まるで新しい彼氏の俺を憎むように……。
Aの家の近くの川にはJRの鉄橋がかかっており、その下には沢山のホームレスが青いビニールテントを張って生活しているそうです。
ある日Aが飲み会の帰りに鉄橋の側を通り掛かると、ホームレスの人達が空き缶集めの縄張り争いか何かで言い争いをしていました。
Aは、しばらく野次馬根性でそこに立ち止まって成り行きを見守っていたそうです。
そうしていたらホームレスの一人が妙な事を口走りました。
「お前らが鉄橋の下でやってるパーティーの事ばらしてやってもいいんだからな! そしたら俺もお前等も全員終わりだ!」
すると、今まで顔を真っ赤にしていたもう一人のホームレスの顔が豹変しました。
みるみる顔色が青くなり、しかし目の奥にははっきりとした殺意が宿ったのが見て取れたそうです。
もちろんAには何の事だか分かりませんが、ヤバい雰囲気だけは感じ取れたそうです。
次の瞬間、顔色の青いホームレスがすごいパンチをもう一人の顔面に叩き込みました。
殴られて倒れたホームレスの上に殴ったホームレスはのし掛かって更に殴ろうとします。
流石にAも慌てて仲裁しに行きました。
殴ったホームレスは悪態をつきながらどこかへ去って行き、Aは殴られたホームレスの顔に濡らしたハンカチをあててやりました。
Aはそのままホームレスを近くの公園のベンチに連れて行き、そこで腰を下ろして聞きました。
「さっきの『鉄橋の下でやってる事をばらす』って何です? 僕あの近くに住んでいるんですよ」
しかしホームレスはロクな話じゃないと渋ってなかなか話してくれません。
それでもAが食い下がり続けると、やがて数枚の紙を渡してきたそうです。
ある日Aが飲み会の帰りに鉄橋の側を通り掛かると、ホームレスの人達が空き缶集めの縄張り争いか何かで言い争いをしていました。
Aは、しばらく野次馬根性でそこに立ち止まって成り行きを見守っていたそうです。
そうしていたらホームレスの一人が妙な事を口走りました。
「お前らが鉄橋の下でやってるパーティーの事ばらしてやってもいいんだからな! そしたら俺もお前等も全員終わりだ!」
すると、今まで顔を真っ赤にしていたもう一人のホームレスの顔が豹変しました。
みるみる顔色が青くなり、しかし目の奥にははっきりとした殺意が宿ったのが見て取れたそうです。
もちろんAには何の事だか分かりませんが、ヤバい雰囲気だけは感じ取れたそうです。
次の瞬間、顔色の青いホームレスがすごいパンチをもう一人の顔面に叩き込みました。
殴られて倒れたホームレスの上に殴ったホームレスはのし掛かって更に殴ろうとします。
流石にAも慌てて仲裁しに行きました。
殴ったホームレスは悪態をつきながらどこかへ去って行き、Aは殴られたホームレスの顔に濡らしたハンカチをあててやりました。
Aはそのままホームレスを近くの公園のベンチに連れて行き、そこで腰を下ろして聞きました。
「さっきの『鉄橋の下でやってる事をばらす』って何です? 僕あの近くに住んでいるんですよ」
しかしホームレスはロクな話じゃないと渋ってなかなか話してくれません。
それでもAが食い下がり続けると、やがて数枚の紙を渡してきたそうです。
「俺は何も言えない。何か教えたり言ったりしたら俺が危険になる。その代わりそれを見て考えてくれ」
Aはその紙を見てみました。
一枚には手書きで「鍋パーティー200円」といくつもの四角い枠の中に書かれています。
どうやらこれはチケットの様で、これを200円で買って何処かへ持って行くと鍋物が食べられる様です。
他の数枚には、第一回は欠けていましたが第ニ回鍋パーティー、第三回鍋パーティーなどと書かれており、あみだくじがその下に書かれていました。
あみだくじの上部には名前がそれぞれ書かれており、下には当たりという意味なのか一つだけ×印が書かれていました。
Aには良く意味が分かりません。
戸惑いながら数枚の紙を代わる代わる見ていると、隣りでホームレスが呟きました。
「減ってるんだよ……。当たった人がな」
Aはあみだくじの紙をもう一回じっくり見てみました。
確かに、×印に当たった人は次からのあみだくじから名前が無くなっています。
全体の人数は増減していますが、当たった人達は全て例外なくあみだくじから外されていっているのです。
やがてホームレスはAからその紙をひったくる様に奪って
「もう十分だろう、後くれぐれもこの紙を俺から見たと言うなよ」
と言って去って行きました。
――ここまでAは俺に電話で話してきました。
俺には意味が分からず、どう言えば良いのか迷っていると、Aは更に続けてきました。
「ホームレスもああ数が増えるとさ、一人当たりの空き缶の取れ高も減るんだよ。いくら一生懸命空き缶を集めても皆必死だ。雀の涙ぐらいの金にしかならない」
「なんとか食い繋いでいくには、他のホームレスが減れば良いってわけだ」
Aは沈黙します。
しかし俺も何て言えば良いのか分からない。
やがてAがゆっくり言いました。
「ホームレスは他のホームレスを減らしたい。腹も減ってる。……定期的に行われる鍋パーティーに使われている食材、何だと思う?」
Aはその紙を見てみました。
一枚には手書きで「鍋パーティー200円」といくつもの四角い枠の中に書かれています。
どうやらこれはチケットの様で、これを200円で買って何処かへ持って行くと鍋物が食べられる様です。
他の数枚には、第一回は欠けていましたが第ニ回鍋パーティー、第三回鍋パーティーなどと書かれており、あみだくじがその下に書かれていました。
あみだくじの上部には名前がそれぞれ書かれており、下には当たりという意味なのか一つだけ×印が書かれていました。
Aには良く意味が分かりません。
戸惑いながら数枚の紙を代わる代わる見ていると、隣りでホームレスが呟きました。
「減ってるんだよ……。当たった人がな」
Aはあみだくじの紙をもう一回じっくり見てみました。
確かに、×印に当たった人は次からのあみだくじから名前が無くなっています。
全体の人数は増減していますが、当たった人達は全て例外なくあみだくじから外されていっているのです。
やがてホームレスはAからその紙をひったくる様に奪って
「もう十分だろう、後くれぐれもこの紙を俺から見たと言うなよ」
と言って去って行きました。
――ここまでAは俺に電話で話してきました。
俺には意味が分からず、どう言えば良いのか迷っていると、Aは更に続けてきました。
「ホームレスもああ数が増えるとさ、一人当たりの空き缶の取れ高も減るんだよ。いくら一生懸命空き缶を集めても皆必死だ。雀の涙ぐらいの金にしかならない」
「なんとか食い繋いでいくには、他のホームレスが減れば良いってわけだ」
Aは沈黙します。
しかし俺も何て言えば良いのか分からない。
やがてAがゆっくり言いました。
「ホームレスは他のホームレスを減らしたい。腹も減ってる。……定期的に行われる鍋パーティーに使われている食材、何だと思う?」
特に目的地なんか決めずに高速道路で目いっぱいアクセルを踏んでいると、
「このまま死んでもいいかな」
と弱気な思いが頭をよぎる。
長いトンネルの出口を通過すると、「ずぅーん、ずぅーん」という感じで車内の空気が重くなってきて、後ろの席から火傷した女の手が伸びてきた。
「死にたい?」
手首はそう問いかけている。
そして、急にハンドルがグラグラになった。
「やっぱり、死にたくないっ!」
叫びながら必死に運転し、何とかガードレールに車の左側をぶつけて停めた。
警官が来て、
「ここは見通しが悪くてガードレールに突っ込む事故が多いんだよ」
と言うので
「いやいや、そうゆう問題じゃなくて……」
と言いかけて止めた。
警官はそんな俺の顔を見て頷いた。
彼らは本当の事故の理由を知っているに違いない。
「このまま死んでもいいかな」
と弱気な思いが頭をよぎる。
長いトンネルの出口を通過すると、「ずぅーん、ずぅーん」という感じで車内の空気が重くなってきて、後ろの席から火傷した女の手が伸びてきた。
「死にたい?」
手首はそう問いかけている。
そして、急にハンドルがグラグラになった。
「やっぱり、死にたくないっ!」
叫びながら必死に運転し、何とかガードレールに車の左側をぶつけて停めた。
警官が来て、
「ここは見通しが悪くてガードレールに突っ込む事故が多いんだよ」
と言うので
「いやいや、そうゆう問題じゃなくて……」
と言いかけて止めた。
警官はそんな俺の顔を見て頷いた。
彼らは本当の事故の理由を知っているに違いない。
自衛隊に入隊している友人が語ってくれた悲話である。
以前、彼はN県の駐屯地に駐屯しており山岳レンジャー(特殊部隊)に所属していた。
この話はその上官(A氏)の身に起こった事である。
十数年前の夕方、付近の山中において航空機事故が発生した。
山岳部における事故であったため、ただちにA氏の部隊に救助命令が発令された。
それは道すらない山中であることに加えて、事故現場の正確な座標も分からぬままの出動であった。
彼らが現場に到着したのは、事故から半日以上も経った翌朝の事だった。
彼等の必死の救出作業も空しく事故の生存者はほとんどいなかった。
事故処理が一通り終了し、彼が駐屯地に戻れたのは事故発生から実に1週間以上も経っての事であった。
「辛いことは早く忘れなければ……」
後味の悪い任務を終えた彼は、駐屯地に戻るなり部下たちを引き連れ行きつけのスナックヘと直行した。
「ヤッホー! ママ、久し振り」
「あら、Aさん。お久し振り! さあさあ、皆さんこちらへどうぞ」
彼等は、めいめい奥のボックス席に腰を降ろし飲み始めた。
久し振りのアルコールと任務終了の解放感から、彼等が我を忘れ盛上がるまでそう時間はかからなかった。
しばらくして、A氏は自分の左隣の席に誰も座らない事に気が付いた。
スナックの女の子達は入れ替わり立ち替わり席を移動し部下達の接客をしている。
しかし、その中のひとりとして彼の左隣へと来ない。
「俺もオジサンだし、女の子に嫌われちゃったかな」
少々寂しい思いで、彼は右隣で彼の世話をやいてくれているスナックのママの方を向いた。
「Aさん、とてもかわいらしいわね」
彼と目のあったママが思いっきりの作り笑顔を浮かべそう言った。
以前、彼はN県の駐屯地に駐屯しており山岳レンジャー(特殊部隊)に所属していた。
この話はその上官(A氏)の身に起こった事である。
十数年前の夕方、付近の山中において航空機事故が発生した。
山岳部における事故であったため、ただちにA氏の部隊に救助命令が発令された。
それは道すらない山中であることに加えて、事故現場の正確な座標も分からぬままの出動であった。
彼らが現場に到着したのは、事故から半日以上も経った翌朝の事だった。
彼等の必死の救出作業も空しく事故の生存者はほとんどいなかった。
事故処理が一通り終了し、彼が駐屯地に戻れたのは事故発生から実に1週間以上も経っての事であった。
「辛いことは早く忘れなければ……」
後味の悪い任務を終えた彼は、駐屯地に戻るなり部下たちを引き連れ行きつけのスナックヘと直行した。
「ヤッホー! ママ、久し振り」
「あら、Aさん。お久し振り! さあさあ、皆さんこちらへどうぞ」
彼等は、めいめい奥のボックス席に腰を降ろし飲み始めた。
久し振りのアルコールと任務終了の解放感から、彼等が我を忘れ盛上がるまでそう時間はかからなかった。
しばらくして、A氏は自分の左隣の席に誰も座らない事に気が付いた。
スナックの女の子達は入れ替わり立ち替わり席を移動し部下達の接客をしている。
しかし、その中のひとりとして彼の左隣へと来ない。
「俺もオジサンだし、女の子に嫌われちゃったかな」
少々寂しい思いで、彼は右隣で彼の世話をやいてくれているスナックのママの方を向いた。
「Aさん、とてもかわいらしいわね」
彼と目のあったママが思いっきりの作り笑顔を浮かべそう言った。
「かわいい? 俺が?」
かわいいと言われ妙な気分になった彼は、慌てて左隣へと視線を戻した。
誰も座っていない左隣のテーブルの上には、いつから置かれていたのか場違いな「オレンジジュース」の入ったグラスが一つ置かれていた……。
その日から彼の周りに奇妙な事が起こり始めた。
一人で食堂や喫茶店に入ると、決まって冷水が2つ運ばれてくる。
またどんなに混雑している列車やバスの中でも、彼の左隣の席は決まって空席のままで誰も座ろうとしない。
極めつけは、一人街中を歩いていると見知らぬ人に声を掛けられる様になったことであった。
しかも決まって、
「まあ。かわいいですね」
と、皆が口を揃えて言うのだ。
これには、部下から鬼だと言われている彼も一月もしない内に参ってしまった。
ある日、彼は部下に自分の周りに起きている奇妙な事実を話し、そしてこの件について何か知っている事はないかと問いただした。
すると部下は言いにくそうに、こう言った。
「これはあくまでも噂話なんですが。最近、Aさんのそばを小さな女の子がついてまわっているのを同僚たちが見たって言うんです」
「小さな女の子?」
「ええ、駐屯地の中でも外でも、ずっとAさんの側を離れずについてるらしいんです」
A氏の背中に電流が走った。
「最近って一体、それはいつからなんだ?」
「じ、自分が見た訳ではないので。ただ皆、例の事故処理から帰ってきた頃からと」
「……」
A氏は思い出した。
あの時、散乱する残骸の中で彼が抱き上げた小さい遺体の事を……。
かわいいと言われ妙な気分になった彼は、慌てて左隣へと視線を戻した。
誰も座っていない左隣のテーブルの上には、いつから置かれていたのか場違いな「オレンジジュース」の入ったグラスが一つ置かれていた……。
その日から彼の周りに奇妙な事が起こり始めた。
一人で食堂や喫茶店に入ると、決まって冷水が2つ運ばれてくる。
またどんなに混雑している列車やバスの中でも、彼の左隣の席は決まって空席のままで誰も座ろうとしない。
極めつけは、一人街中を歩いていると見知らぬ人に声を掛けられる様になったことであった。
しかも決まって、
「まあ。かわいいですね」
と、皆が口を揃えて言うのだ。
これには、部下から鬼だと言われている彼も一月もしない内に参ってしまった。
ある日、彼は部下に自分の周りに起きている奇妙な事実を話し、そしてこの件について何か知っている事はないかと問いただした。
すると部下は言いにくそうに、こう言った。
「これはあくまでも噂話なんですが。最近、Aさんのそばを小さな女の子がついてまわっているのを同僚たちが見たって言うんです」
「小さな女の子?」
「ええ、駐屯地の中でも外でも、ずっとAさんの側を離れずについてるらしいんです」
A氏の背中に電流が走った。
「最近って一体、それはいつからなんだ?」
「じ、自分が見た訳ではないので。ただ皆、例の事故処理から帰ってきた頃からと」
「……」
A氏は思い出した。
あの時、散乱する残骸の中で彼が抱き上げた小さい遺体の事を……。
高校時代の友人Aから聞いた話だ。
彼が中学3年生の頃の事。
それは進学塾からの帰宅途中に起きた。
自転車を漕ぎながらふと時計を見ると、針は九時半を回っていた。
「まずいなあ。十時から見たいテレビがあるし。近道するか」
仕方なく彼は、普段は足場の暗さから避けている小学校脇の農道へ向かった。
暗い農道を走り続けると、急に開けた所へと出た。
やがて、遠くに小学校の校舎が見えてくる。
「あれ?」
校舎の壁の小さな窓に誰かがいる。
彼の自転車を漕ぐ速さが増し、段々と小学校へと近付いていく。
それは、ひとりの少女であった。
窓から腰まで身を乗り出してこちらの方をジッと見ている。
「こんな時間に何やってんだろう。何年の娘かな」
根っからのひょうきん者な彼は自転車を止め、少女に向かって大声で叫びながらありったけのギャグをかました。
しかし少女は無表情のまま一言も喋らず、ただ虚ろな目で彼をじっと見つめているだけであった。
「変な娘」
諦めて自転車のペダルを漕ぎ始めたその瞬間、彼は気が付いた。
「変だ! あの壁に窓なんかある筈無い! 彼女の胴体も不自然に長すぎるし、だいいち腰から下がねじれている」
彼は悲鳴を上げ、泣きながら家へと走った。
翌日、新聞で昨日あの小学校で自殺した少女がいた事を知った。
彼が中学3年生の頃の事。
それは進学塾からの帰宅途中に起きた。
自転車を漕ぎながらふと時計を見ると、針は九時半を回っていた。
「まずいなあ。十時から見たいテレビがあるし。近道するか」
仕方なく彼は、普段は足場の暗さから避けている小学校脇の農道へ向かった。
暗い農道を走り続けると、急に開けた所へと出た。
やがて、遠くに小学校の校舎が見えてくる。
「あれ?」
校舎の壁の小さな窓に誰かがいる。
彼の自転車を漕ぐ速さが増し、段々と小学校へと近付いていく。
それは、ひとりの少女であった。
窓から腰まで身を乗り出してこちらの方をジッと見ている。
「こんな時間に何やってんだろう。何年の娘かな」
根っからのひょうきん者な彼は自転車を止め、少女に向かって大声で叫びながらありったけのギャグをかました。
しかし少女は無表情のまま一言も喋らず、ただ虚ろな目で彼をじっと見つめているだけであった。
「変な娘」
諦めて自転車のペダルを漕ぎ始めたその瞬間、彼は気が付いた。
「変だ! あの壁に窓なんかある筈無い! 彼女の胴体も不自然に長すぎるし、だいいち腰から下がねじれている」
彼は悲鳴を上げ、泣きながら家へと走った。
翌日、新聞で昨日あの小学校で自殺した少女がいた事を知った。
JR京葉線・新日本橋駅に部下と二人でいた時の話である。
私たちは一番後ろの車両に乗りたいと、下り線ホームの東京駅に一番近い側に立っていた。
その壁際のところに奇妙な人の形をした染みがあることに、私は気が付いていた。
「気味が悪いなあ。まるで女性が手招きしてるみたいじゃないか」
なあ、と同意を求めて振り返ると、後ろで部下がうずくまってしまっている。
「どうした」
「課長……。助けてください」
この部下はものすごい霊感の持ち主だった。
そういう場所、そういうものに遭うとすぐわかる。
「どうしたっていうんだ」
「引っ張られるんです、助けて」
うずくまり、上体は後ろに反らしているというのに、彼の足はズズ、ズズ、とホームの方へずれて行くのである。
真っ青になった私は、とにかく彼を壁の方に引いてホーム中央に移動した。
彼が引きずられた距離はたかだか15〜20センチだが、あのままではいずれ転落だったはずだ。
「何があったんだ」
「課長。あの染み、見ました?」
「ああ、人の姿みたいで気味悪いやつな」
「……あの染み、女の人なんですよ」
「え?」
「あーいるなー、と見てたら目が合っちゃったんです。そしたら壁が一面無数の手になって伸びてきて、僕を引っ張ったんです」
「あれはすごく悪いものです。普通の人も近寄らない方いいですよ」
部下は震えていた。
その後、新日本橋駅は改装されて、問題の染みも上から塗り直されたのだが、最近私はまた見てしまった。
塗り直した上に、人の姿の染みが再び浮きだしているのを……。
私たちは一番後ろの車両に乗りたいと、下り線ホームの東京駅に一番近い側に立っていた。
その壁際のところに奇妙な人の形をした染みがあることに、私は気が付いていた。
「気味が悪いなあ。まるで女性が手招きしてるみたいじゃないか」
なあ、と同意を求めて振り返ると、後ろで部下がうずくまってしまっている。
「どうした」
「課長……。助けてください」
この部下はものすごい霊感の持ち主だった。
そういう場所、そういうものに遭うとすぐわかる。
「どうしたっていうんだ」
「引っ張られるんです、助けて」
うずくまり、上体は後ろに反らしているというのに、彼の足はズズ、ズズ、とホームの方へずれて行くのである。
真っ青になった私は、とにかく彼を壁の方に引いてホーム中央に移動した。
彼が引きずられた距離はたかだか15〜20センチだが、あのままではいずれ転落だったはずだ。
「何があったんだ」
「課長。あの染み、見ました?」
「ああ、人の姿みたいで気味悪いやつな」
「……あの染み、女の人なんですよ」
「え?」
「あーいるなー、と見てたら目が合っちゃったんです。そしたら壁が一面無数の手になって伸びてきて、僕を引っ張ったんです」
「あれはすごく悪いものです。普通の人も近寄らない方いいですよ」
部下は震えていた。
その後、新日本橋駅は改装されて、問題の染みも上から塗り直されたのだが、最近私はまた見てしまった。
塗り直した上に、人の姿の染みが再び浮きだしているのを……。
私が高校2年の夏の話である。
文化祭の準備に追われ、学校を出たのは夜の11時を過ぎていた。
私はいつものように方向が同じS子と2人で自転車で家路を急いでいた。
しかし、いつも通る帰り道を何故かその日は通らずに、いつしか2人は小学校の脇を走っていた。
「あれ? 何でこっちに来ちゃったんだろう?」
「S子がこっちに来たから俺はついて来たんだぜ」
S子は怪訝そうに首をかしげ、自転車を止めた。
「ごめん。ぼーっとしてて道を間違えたみたい」
彼女はそう言い、慌てて今来た方向に自転車を切り回そうとした。
と、その時。
「あっ、花。きれいね」
「花? 何処に?」
彼女は小学校の校舎の階段にある、明り取りの大窓を指さした。
窓の手前、暗闇の中に白い花が綺麗に咲き乱れている。
が、何か様子が変だ。
風も無いのに花びらはそよそよとなびいている。
加えて花の咲いている木がどう探してもわからない。
つまり、ここからだと花びらだけが窓ガラスに張り付いているように見えるのだ。
「あ、あれ……」
彼女は突然、小さな声を上げ顔を引きつらせた。
私が状況を理解するのにそう時間はかからなかった。
「花」に見えたそれは、無数の「手首」が窓に張り付きモゾモゾと蠢いてる姿だった。
文化祭の準備に追われ、学校を出たのは夜の11時を過ぎていた。
私はいつものように方向が同じS子と2人で自転車で家路を急いでいた。
しかし、いつも通る帰り道を何故かその日は通らずに、いつしか2人は小学校の脇を走っていた。
「あれ? 何でこっちに来ちゃったんだろう?」
「S子がこっちに来たから俺はついて来たんだぜ」
S子は怪訝そうに首をかしげ、自転車を止めた。
「ごめん。ぼーっとしてて道を間違えたみたい」
彼女はそう言い、慌てて今来た方向に自転車を切り回そうとした。
と、その時。
「あっ、花。きれいね」
「花? 何処に?」
彼女は小学校の校舎の階段にある、明り取りの大窓を指さした。
窓の手前、暗闇の中に白い花が綺麗に咲き乱れている。
が、何か様子が変だ。
風も無いのに花びらはそよそよとなびいている。
加えて花の咲いている木がどう探してもわからない。
つまり、ここからだと花びらだけが窓ガラスに張り付いているように見えるのだ。
「あ、あれ……」
彼女は突然、小さな声を上げ顔を引きつらせた。
私が状況を理解するのにそう時間はかからなかった。
「花」に見えたそれは、無数の「手首」が窓に張り付きモゾモゾと蠢いてる姿だった。
これは私が学生のころ、友達(Nちゃん)から聞いた実話です。
Nちゃんと小学校から付き合いのある友達「育美ちゃん(仮名)」が体験した、本人にとってはすごく辛くて悲しい話。
育美ちゃんは小学校に上がる前にお父さんを亡くしてしまい、お母さんはその後再婚もせずに働きまくって、育美ちゃんを高校はもちろん大学にまで入れてくれました。
でも無理がたたって倒れてしまいました。
それでも身体が良くなるとまた働き始めて、そしてまた倒れて……。
そんなことを繰り返している内に、ついに起き上がれない身体になってしまいました。
そして自分はもう長くないと悟ったお母さんは、お守りを1つ育美ちゃんに手渡し、
「ごめんね育美。ひとりでも頑張るんだよ。でも、これからの長い人生どうしても辛かったり耐えられなくなったら、このお守りを開けなさい」
と言いました。
しばらくしてお母さんは亡くなってしまいました。
育美ちゃんはお母さんに貰ったお守りを、お風呂に入るとき以外は肌身離さず持ち歩いていました。
ある日、友達(Nちゃん達)とプールに行ったときのことです。
更衣室で育美ちゃんのお守りの話になり、中を見てみようということになったそうです。
最初は断った育美ちゃんも、お母さんが亡くなってからだいぶ経っていたこともあり、まあいいかと思ってお守りの中を覗いてみました。
すると、そこには1枚の紙が折り畳んで入っていました。
なんだこれだけ? と拍子抜けした育美ちゃんがその紙を取りだして開いてみると。
そこには……。
震えた文字で「育美、死ね」と書かれていました。
Nちゃんと小学校から付き合いのある友達「育美ちゃん(仮名)」が体験した、本人にとってはすごく辛くて悲しい話。
育美ちゃんは小学校に上がる前にお父さんを亡くしてしまい、お母さんはその後再婚もせずに働きまくって、育美ちゃんを高校はもちろん大学にまで入れてくれました。
でも無理がたたって倒れてしまいました。
それでも身体が良くなるとまた働き始めて、そしてまた倒れて……。
そんなことを繰り返している内に、ついに起き上がれない身体になってしまいました。
そして自分はもう長くないと悟ったお母さんは、お守りを1つ育美ちゃんに手渡し、
「ごめんね育美。ひとりでも頑張るんだよ。でも、これからの長い人生どうしても辛かったり耐えられなくなったら、このお守りを開けなさい」
と言いました。
しばらくしてお母さんは亡くなってしまいました。
育美ちゃんはお母さんに貰ったお守りを、お風呂に入るとき以外は肌身離さず持ち歩いていました。
ある日、友達(Nちゃん達)とプールに行ったときのことです。
更衣室で育美ちゃんのお守りの話になり、中を見てみようということになったそうです。
最初は断った育美ちゃんも、お母さんが亡くなってからだいぶ経っていたこともあり、まあいいかと思ってお守りの中を覗いてみました。
すると、そこには1枚の紙が折り畳んで入っていました。
なんだこれだけ? と拍子抜けした育美ちゃんがその紙を取りだして開いてみると。
そこには……。
震えた文字で「育美、死ね」と書かれていました。
高2の夏休みにあった出来事なんだけどさ。
親友ともう一人の友人とで肝試しやったんだよ。
近所でも出るって評判のスポットの神社でさ。
何でも首吊り自殺が実際にあったらしくて、近所の奴らもあんまり近寄らないんだよ。
神社の持ち主にとったらホント気の毒な話だけどさ。
もっとも最近じゃ牛の刻参りやってるやつがいるらしくて、全くの不人気でもないんだけどね。
神社の入り口に深夜12時に待ち合わせして、一人寝てたやつがいたから実際に集まったのは12時30分くらいだったと思う。
近くには街灯もないし本当に真っ暗で、月は出てたけど懐中電灯がないと歩くこともままならなかった。
俺は三人で奥まで行ってさっさと帰ろうと思ってたんだ。
でもA(だるいから親友をA、友人をBとする)が調子に乗ってこんなことを言い始めた。
「ばかかおまえ、肝試しは一人ずつだろ」
若干の口論になったんだけど、最後はガキらしくジャンケン。
で、結局一人ずつという事になってしまった。
ルールは至って簡単だった。
一人で境内まで行って賽銭箱を携帯のカメラで撮影してくる。
一番手は俺だった。
神社に続く石段を一歩また一歩と登っていた。
左右は森になっているため空は見えない。
懐中電灯で照らされている場所以外は完全な闇。
辺りの気温がぐっと低く感じるのに、手の平はじっとりと湿ってくる。
俺は無意識に早足になり、軽く汗をかき始めていた。
親友ともう一人の友人とで肝試しやったんだよ。
近所でも出るって評判のスポットの神社でさ。
何でも首吊り自殺が実際にあったらしくて、近所の奴らもあんまり近寄らないんだよ。
神社の持ち主にとったらホント気の毒な話だけどさ。
もっとも最近じゃ牛の刻参りやってるやつがいるらしくて、全くの不人気でもないんだけどね。
神社の入り口に深夜12時に待ち合わせして、一人寝てたやつがいたから実際に集まったのは12時30分くらいだったと思う。
近くには街灯もないし本当に真っ暗で、月は出てたけど懐中電灯がないと歩くこともままならなかった。
俺は三人で奥まで行ってさっさと帰ろうと思ってたんだ。
でもA(だるいから親友をA、友人をBとする)が調子に乗ってこんなことを言い始めた。
「ばかかおまえ、肝試しは一人ずつだろ」
若干の口論になったんだけど、最後はガキらしくジャンケン。
で、結局一人ずつという事になってしまった。
ルールは至って簡単だった。
一人で境内まで行って賽銭箱を携帯のカメラで撮影してくる。
一番手は俺だった。
神社に続く石段を一歩また一歩と登っていた。
左右は森になっているため空は見えない。
懐中電灯で照らされている場所以外は完全な闇。
辺りの気温がぐっと低く感じるのに、手の平はじっとりと湿ってくる。
俺は無意識に早足になり、軽く汗をかき始めていた。
鈴虫のリーン、リーンという声が耳に響いていたが、音を楽しむ余裕もなく俺は境内にたどり着いた。
もう賽銭箱は目の前だった。
急いで写真を撮ると、俺は全速力で階段を駆け下りた。決してチキンではない。
境内まで行ったのがもはや勇者と言ってもいい位だと思う。
AとBはそんな俺を見て腹を抱えて笑った。
たかが5、6分のことだったようには思えなかった。
体からは汗が吹き出て、足がどっと重くなったように感じた。
でも開放感から俺も笑ってしまった。
あとは見物しているだけでいいんだから、この時は来てよかったと考えていた。
次はBがスタートした。
Bは全く幽霊や妖怪の類を信用していなかった。
「ハッ? 幽霊? 頭沸いてんのか?」
と言うような、ドラマやゲームでは一番初めに犠牲になるようなタイプだった。
Bは持っていた手さげの鞄をAに預けて神社へと入っていった。
5分が経った。そろそろBが帰ってきてもいい頃だ。
そのとき、俺の携帯が辺りの静寂を切り裂いた。
飛び上がって音に反応する俺とA。
電話の主はBだった。
「境内にいるんだけど、ちょっと来てくれないか?」
淡々としていて、抑揚のない声だった。
普段のBの声とは様子が明らかに違っていた。
「どうしたんだ? 怪我か?」
俺はBのことが心配になった。
俺とAは親に承諾を得たが、Bは無断で来ていたのだ。
Bの身に何かあれば確実に怒られることになるのだ。
「とにかく来てくれ」
電話がぷつりと切れた。
俺は血相を変えて、Bの言ったことをAに伝えた。
しかしAの口からは意外な言葉が飛び出た。
「どうせ嘘に決まってる。あいつはそういうやつだろ?」
もう賽銭箱は目の前だった。
急いで写真を撮ると、俺は全速力で階段を駆け下りた。決してチキンではない。
境内まで行ったのがもはや勇者と言ってもいい位だと思う。
AとBはそんな俺を見て腹を抱えて笑った。
たかが5、6分のことだったようには思えなかった。
体からは汗が吹き出て、足がどっと重くなったように感じた。
でも開放感から俺も笑ってしまった。
あとは見物しているだけでいいんだから、この時は来てよかったと考えていた。
次はBがスタートした。
Bは全く幽霊や妖怪の類を信用していなかった。
「ハッ? 幽霊? 頭沸いてんのか?」
と言うような、ドラマやゲームでは一番初めに犠牲になるようなタイプだった。
Bは持っていた手さげの鞄をAに預けて神社へと入っていった。
5分が経った。そろそろBが帰ってきてもいい頃だ。
そのとき、俺の携帯が辺りの静寂を切り裂いた。
飛び上がって音に反応する俺とA。
電話の主はBだった。
「境内にいるんだけど、ちょっと来てくれないか?」
淡々としていて、抑揚のない声だった。
普段のBの声とは様子が明らかに違っていた。
「どうしたんだ? 怪我か?」
俺はBのことが心配になった。
俺とAは親に承諾を得たが、Bは無断で来ていたのだ。
Bの身に何かあれば確実に怒られることになるのだ。
「とにかく来てくれ」
電話がぷつりと切れた。
俺は血相を変えて、Bの言ったことをAに伝えた。
しかしAの口からは意外な言葉が飛び出た。
「どうせ嘘に決まってる。あいつはそういうやつだろ?」
46 削除済
確かにそうだった。
Bは人を驚かしたりするのが好きなやつだった。
俺とAは様子を見ることにした。
それからまもなくしてBが走って帰ってきた。
俺は勝ったような気持ちになった。
「なんだよ。なんでもなかったのかよ」
Bは首をかしげた。
「何のことだ? 俺は携帯を取りに戻って来たんだよ」
頭がこんがらがってBの言っている事がよく分からなかった。
「何言ってんの? 電話掛けてきたじゃんか」
言い争っている俺の肩に誰かが手を置いた。
振り返ると真っ青な顔をしたAだった。
震える手にはBの携帯を握り締めている。
「預かった手さげ鞄の中に入ってた……」
俺たち三人は黙ってその場から離れた。
そしてそれ以来神社には近づいていない。
あのとき会話したのが誰だったかは未だによく分からない。
ちなみに撮影したはずの賽銭箱の写真はなぜか保存されていなかった。
Bは人を驚かしたりするのが好きなやつだった。
俺とAは様子を見ることにした。
それからまもなくしてBが走って帰ってきた。
俺は勝ったような気持ちになった。
「なんだよ。なんでもなかったのかよ」
Bは首をかしげた。
「何のことだ? 俺は携帯を取りに戻って来たんだよ」
頭がこんがらがってBの言っている事がよく分からなかった。
「何言ってんの? 電話掛けてきたじゃんか」
言い争っている俺の肩に誰かが手を置いた。
振り返ると真っ青な顔をしたAだった。
震える手にはBの携帯を握り締めている。
「預かった手さげ鞄の中に入ってた……」
俺たち三人は黙ってその場から離れた。
そしてそれ以来神社には近づいていない。
あのとき会話したのが誰だったかは未だによく分からない。
ちなみに撮影したはずの賽銭箱の写真はなぜか保存されていなかった。
僕には昔からの女友達がいます。
今でも年に1〜2回会っては、その子と彼氏の話とかする仲です。
数年間付き合っていた彼氏と別れた後、1年ぐらいしてよりが戻ってすぐにまた別れた経緯について、先日彼女に聞いたときの話です。
「1回目に別れた頃、一人で夜泣いてるでしょ。そうすると彼の横に新しい女が寝ているような気がして、私結構狂ってたかも」
彼女は付き合っていた頃によく彼の家へ泊まりに行っていたので、目を閉じると彼のベッドに彼と新しい女が眠っている姿が浮かんだそうです。
「毎日毎日そんな光景が目に浮かんで、だんだんその女が憎くなって……。夢の中で、私だんだん彼の横で眠っている女に近づいていってたのよね」
夢まで見るようになった彼女は、当時精神的におかしくなってしまったのでしょう。
僕が「その女はどんな顔していたの?」と聞くと、
「わかんない。でも毎晩毎晩彼の横で寝ている女に近づいていって、ついに首を絞めてその女がぐったりする夢を見て自分が怖くなった……」
やがてそんな夢も見なくなり、ふとしたきっかけで彼と彼女は復縁したようです。
僕が、
「やっぱり復縁は難しいって言うけど、それがまた別れた理由だったわけ?」
と聞くと
「それもあるけど違うの。彼と一緒に寝ていると毎晩真夜中に彼の部屋に女がいるの。だんだん近づいてくるの。彼は起きてくれないし私は体が動かないし、幽霊かと思ったけど違うの。以前の私なの。狂ってたときの」
彼女は、自分に首を絞められて殺される前に、復縁した彼氏と別れたそうです。
今でも年に1〜2回会っては、その子と彼氏の話とかする仲です。
数年間付き合っていた彼氏と別れた後、1年ぐらいしてよりが戻ってすぐにまた別れた経緯について、先日彼女に聞いたときの話です。
「1回目に別れた頃、一人で夜泣いてるでしょ。そうすると彼の横に新しい女が寝ているような気がして、私結構狂ってたかも」
彼女は付き合っていた頃によく彼の家へ泊まりに行っていたので、目を閉じると彼のベッドに彼と新しい女が眠っている姿が浮かんだそうです。
「毎日毎日そんな光景が目に浮かんで、だんだんその女が憎くなって……。夢の中で、私だんだん彼の横で眠っている女に近づいていってたのよね」
夢まで見るようになった彼女は、当時精神的におかしくなってしまったのでしょう。
僕が「その女はどんな顔していたの?」と聞くと、
「わかんない。でも毎晩毎晩彼の横で寝ている女に近づいていって、ついに首を絞めてその女がぐったりする夢を見て自分が怖くなった……」
やがてそんな夢も見なくなり、ふとしたきっかけで彼と彼女は復縁したようです。
僕が、
「やっぱり復縁は難しいって言うけど、それがまた別れた理由だったわけ?」
と聞くと
「それもあるけど違うの。彼と一緒に寝ていると毎晩真夜中に彼の部屋に女がいるの。だんだん近づいてくるの。彼は起きてくれないし私は体が動かないし、幽霊かと思ったけど違うの。以前の私なの。狂ってたときの」
彼女は、自分に首を絞められて殺される前に、復縁した彼氏と別れたそうです。
私の知人から聞いた話です。
知人の叔母さんはいわゆる霊感の強い人で、他人の霊的な相談に乗ったりしており、遠方から手紙で相談を持ちかけられるような人でした。
そんな叔母さんのもとに昔届いた手紙の話です。
手紙の主は女学生です。
ある日彼女が学校から帰宅途中、自宅の辺りまで来た時のことです。
誰かが彼女の自宅に入っていくのが見えました。
弟か、外出していた母が帰ってきたのだなと彼女は思ったのですが、家に着くと玄関の鍵は閉まっていました。
しばらくして帰ってきた弟に「さっき一度帰ってきたか」と尋ねましたが、知らないという答えでした。
彼女は不思議に思ったものの、見間違いだったのだろうと思うことにしました。
しかし、それから彼女は家の中でたびたび妙なものを見ることになったのです。
夕飯時のことです。
彼女が居間にいてふと台所を見ると、炊事をしている母親の後姿が見えたのですが、何と母親が二人いるのです。
彼女が驚いていると、そのうちの片方がくるりとこちらを振り返りました。
それは母親ではなく、顔に目鼻がなく、口だけのものが笑っているのでした。
また別の日、彼女が風呂に入り洗髪をした時のことです。
風呂場には彼女一人だけのはずなのに、湯船の中でぽちゃんと水のはねる音がしました。
顔を上げて湯船をのぞき込むと、水面にあの顔が映っていたそうです。
またある日のこと。
彼女の母親は自宅で洋裁教室を開いており、足踏み式のミシンが置いてある部屋がありました。
夜遅くその部屋からミシンを踏む音が聞こえてきたので、まだ生徒さんが残ってるのかな、随分遅いなと思って彼女は部屋を覗き込みました。
すると一台のミシンに女性が向かっているのが見えました。
ただその様子は普通ではなく、首と腕をだらりと下に垂らしたまま、足だけめちゃくちゃな勢いでミシンを踏んでいるのです。
しばらく様子を見ていると、その女性がくるりと振り向きました。
またあいつでした。
今度はそれはすっくと立ち上がったかと思うと、Aさんに向かって走り出してきたのです。
彼女は急いで自分の部屋に逃げ込んだそうです。
私が聞いた手紙の内容はここまでです。
その「妙なもの」を見てしまうのは家族の中でも彼女だけだそうで、助けてほしいという内容だったということです。
知人の叔母さんはいわゆる霊感の強い人で、他人の霊的な相談に乗ったりしており、遠方から手紙で相談を持ちかけられるような人でした。
そんな叔母さんのもとに昔届いた手紙の話です。
手紙の主は女学生です。
ある日彼女が学校から帰宅途中、自宅の辺りまで来た時のことです。
誰かが彼女の自宅に入っていくのが見えました。
弟か、外出していた母が帰ってきたのだなと彼女は思ったのですが、家に着くと玄関の鍵は閉まっていました。
しばらくして帰ってきた弟に「さっき一度帰ってきたか」と尋ねましたが、知らないという答えでした。
彼女は不思議に思ったものの、見間違いだったのだろうと思うことにしました。
しかし、それから彼女は家の中でたびたび妙なものを見ることになったのです。
夕飯時のことです。
彼女が居間にいてふと台所を見ると、炊事をしている母親の後姿が見えたのですが、何と母親が二人いるのです。
彼女が驚いていると、そのうちの片方がくるりとこちらを振り返りました。
それは母親ではなく、顔に目鼻がなく、口だけのものが笑っているのでした。
また別の日、彼女が風呂に入り洗髪をした時のことです。
風呂場には彼女一人だけのはずなのに、湯船の中でぽちゃんと水のはねる音がしました。
顔を上げて湯船をのぞき込むと、水面にあの顔が映っていたそうです。
またある日のこと。
彼女の母親は自宅で洋裁教室を開いており、足踏み式のミシンが置いてある部屋がありました。
夜遅くその部屋からミシンを踏む音が聞こえてきたので、まだ生徒さんが残ってるのかな、随分遅いなと思って彼女は部屋を覗き込みました。
すると一台のミシンに女性が向かっているのが見えました。
ただその様子は普通ではなく、首と腕をだらりと下に垂らしたまま、足だけめちゃくちゃな勢いでミシンを踏んでいるのです。
しばらく様子を見ていると、その女性がくるりと振り向きました。
またあいつでした。
今度はそれはすっくと立ち上がったかと思うと、Aさんに向かって走り出してきたのです。
彼女は急いで自分の部屋に逃げ込んだそうです。
私が聞いた手紙の内容はここまでです。
その「妙なもの」を見てしまうのは家族の中でも彼女だけだそうで、助けてほしいという内容だったということです。
俺が昔住んでたボロアパートは、壁が薄いのか上階の人の足音とかすごい聞こえていた。
それでも俺は別にうるさくても寝れるから全然気にせずそこに住んでた。安かったしね。
入る時は隣人がいなかったから気兼ねすることも無く結構快適だった。
けど半年くらいした頃に、隣に誰かが引っ越してきた。
見るからに神経質そうな人で、普段うるさくしてる俺はちょっと嫌な予感がしたが、別に気にせずに付かず離れず、まぁ会ったら挨拶する位の付き合いをしていた。
俺歌が好きで、音楽かけてるとつい合わせて歌う癖があるんだけど、その日も大声で歌ってた。
そしたら壁をゴンゴン! って叩かれた。
結構夜遅かったし、うるさかったんだろう。これは俺が悪い。
素直に「ごめんなさい……」って呟いて音楽も消した。
また別の日、バイトに行こうと部屋を出ると隣のドアが開いて
「ちょっとテレビの音とかうるさいから、気をつけて」
って、一言だけ言ってまた引っ込んでった。
壁を叩かれた日以来騒音には気をつけてたのに神経質だな、とか思いながらもその日はバイトに行ってそのままそのことは忘れた。
その次の次の日くらい? に面白いスレ見つけて爆笑してしまった。
ヤバイって思ったけど止められなかった。
すると隣から、「ドォン!」って物凄い音で壁を叩かれた。
お前の方がうるせぇよ! って位でっかい音で。
良レスを楽しんでたのを邪魔されて無償に腹が立って、「お前のが煩いわ!」みたいな事を叫んだ。
そっから隣人からは何の反応もなかった。
また別の日、バイトでちょっと帰るのが遅くなった。
すごい疲れてたのに、寝ようと思っても何か寝苦しくて寝れず、結局その夜も俺はネットをしていた。
悩み相談みたいなスレで、ついつい長文でマジレスしてた。
「カタカタカタ」
ってタイピングの音だけが部屋に響いてた。
隣人側の壁際にパソコン置いてるから隣にも聞こえてるかな、とかちょっと悪く思って何気なく壁を見ると、
そこにはいつのまにか小さな穴が開けられてて、そこから隣人がじっと俺を見てたんだ。
それでも俺は別にうるさくても寝れるから全然気にせずそこに住んでた。安かったしね。
入る時は隣人がいなかったから気兼ねすることも無く結構快適だった。
けど半年くらいした頃に、隣に誰かが引っ越してきた。
見るからに神経質そうな人で、普段うるさくしてる俺はちょっと嫌な予感がしたが、別に気にせずに付かず離れず、まぁ会ったら挨拶する位の付き合いをしていた。
俺歌が好きで、音楽かけてるとつい合わせて歌う癖があるんだけど、その日も大声で歌ってた。
そしたら壁をゴンゴン! って叩かれた。
結構夜遅かったし、うるさかったんだろう。これは俺が悪い。
素直に「ごめんなさい……」って呟いて音楽も消した。
また別の日、バイトに行こうと部屋を出ると隣のドアが開いて
「ちょっとテレビの音とかうるさいから、気をつけて」
って、一言だけ言ってまた引っ込んでった。
壁を叩かれた日以来騒音には気をつけてたのに神経質だな、とか思いながらもその日はバイトに行ってそのままそのことは忘れた。
その次の次の日くらい? に面白いスレ見つけて爆笑してしまった。
ヤバイって思ったけど止められなかった。
すると隣から、「ドォン!」って物凄い音で壁を叩かれた。
お前の方がうるせぇよ! って位でっかい音で。
良レスを楽しんでたのを邪魔されて無償に腹が立って、「お前のが煩いわ!」みたいな事を叫んだ。
そっから隣人からは何の反応もなかった。
また別の日、バイトでちょっと帰るのが遅くなった。
すごい疲れてたのに、寝ようと思っても何か寝苦しくて寝れず、結局その夜も俺はネットをしていた。
悩み相談みたいなスレで、ついつい長文でマジレスしてた。
「カタカタカタ」
ってタイピングの音だけが部屋に響いてた。
隣人側の壁際にパソコン置いてるから隣にも聞こえてるかな、とかちょっと悪く思って何気なく壁を見ると、
そこにはいつのまにか小さな穴が開けられてて、そこから隣人がじっと俺を見てたんだ。
数年前に起こった大学生A君とB君の話です。
「暇だし肝試しに行こう」
とA君はB君を誘いました。
A君は霊感が強くそういったところに行くのは慣れていました。
B君も怖がりながらも行く事を承諾しました。
ちょうどそのころ噂になっていた、人気の無い山の中にある「迷路のような廃墟」に車で行く事にしました。
時刻は深夜2時過ぎ、昼でさえ人がいない山の中ということもあり、夜は不気味なほど静まり返っていました。
廃墟に着いた途端、乗り気じゃなかったB君が「やっぱり行きたくない」と言い出しました。
そこでB君を車に待機させ、A君は一人で行く事にしました。
A君は懐中電灯を一つ持ってその廃墟に入りましたが、霊感の強いA君にはそれほど嫌な気配はしませんでした。
「なーんだ、大した事無いかもな」
と、入り口を入って目の前の壁に張り紙が……。
『右に行け』
「なんだこれ? 小学校のころ流行ったよなぁ(笑)」
A君は懐かしい遊びを思い出したように紙の指示通り右に行きました。
すると右に行った突き当たりに
『左を見ろ』
「こうなったら全部行ってやろうじゃん」
A君は当初の肝試しというより遊び感覚で紙の指示に従って進みました。
「……何枚目の紙だろう?」
迷路のような廃墟を奥に行ったり戻ってきたり何度も移動しました。
何度も同じような場所を移動してきたためか、A君が飽きかけていたその時でした。
『後ろを見ろ。首がある』
急に寒気がして怖くなったA君は後ろを見る事もできず、目の前にあった窓から転げるように飛び出して車に一目散に帰りました。
「なんだよ、気持ち悪かったなぁ……」
早く帰ろうと車に戻ったA君が見たのは、首の無いB君の死体でした。
「暇だし肝試しに行こう」
とA君はB君を誘いました。
A君は霊感が強くそういったところに行くのは慣れていました。
B君も怖がりながらも行く事を承諾しました。
ちょうどそのころ噂になっていた、人気の無い山の中にある「迷路のような廃墟」に車で行く事にしました。
時刻は深夜2時過ぎ、昼でさえ人がいない山の中ということもあり、夜は不気味なほど静まり返っていました。
廃墟に着いた途端、乗り気じゃなかったB君が「やっぱり行きたくない」と言い出しました。
そこでB君を車に待機させ、A君は一人で行く事にしました。
A君は懐中電灯を一つ持ってその廃墟に入りましたが、霊感の強いA君にはそれほど嫌な気配はしませんでした。
「なーんだ、大した事無いかもな」
と、入り口を入って目の前の壁に張り紙が……。
『右に行け』
「なんだこれ? 小学校のころ流行ったよなぁ(笑)」
A君は懐かしい遊びを思い出したように紙の指示通り右に行きました。
すると右に行った突き当たりに
『左を見ろ』
「こうなったら全部行ってやろうじゃん」
A君は当初の肝試しというより遊び感覚で紙の指示に従って進みました。
「……何枚目の紙だろう?」
迷路のような廃墟を奥に行ったり戻ってきたり何度も移動しました。
何度も同じような場所を移動してきたためか、A君が飽きかけていたその時でした。
『後ろを見ろ。首がある』
急に寒気がして怖くなったA君は後ろを見る事もできず、目の前にあった窓から転げるように飛び出して車に一目散に帰りました。
「なんだよ、気持ち悪かったなぁ……」
早く帰ろうと車に戻ったA君が見たのは、首の無いB君の死体でした。
私は今日も絵画コンテストの作品製作のため、学校の美術室にこもりきっていた。
来年になれば受験勉強が始まってしまう。最後のチャンス。
だから「コンコン」と警備員がたずねてくるまで、時計が10時を越している事にまったく気づかなかったのだ。
自宅からの連絡で探しに来てくれた警備員に礼をし、私は荷物を抱えて美術室を飛び出した。
真っ暗闇の学校内はとても不気味で、私の足音だけが反響していやに綺麗に聞こえる。
裏口から自転車置き場に行き、カギの掛かっていない自転車に私は乗り込むと、自宅の方へとペダルを漕ぎ出した。
昨日の月夜とはうってかわって、今日は雲に隠れた月がぼんやりと照らすのみ。
少々田舎にある学校だったため街灯もまばらで、ライト無しではまったく見えないなんて所もあり、前輪が作り出す光だけが前へ前へと広がる。
時折電柱の影から私を見てるような影もあったが、ドキリとした後にゴミ箱と気づき、ふぅーと息をなでおろす。
そんな矢先、
ガギギギギギッッッッ!
と突然チェーンに強烈な衝撃が加わった。
まるで何か硬いものが巻き込まれて暴れているような感触。
同時にペダルを踏み込めなくなり、私はブレーキをかける間もなく横に倒れこんだ。
幸い怪我はしなかったものの、自転車のチェーンは無理やり引きちぎられたかのようにズタズタになっていて、走れないことは明らかでした。
「あーあ……」
深い溜息の後、私は自転車のカゴにあった荷物を背負って自転車を一旦道の脇に寄せ、あと10分ほどで着く自宅の方へと歩き出すのだった。
帰路の途中で私は気がついた。
行き止まりへ続く分かれ道にある大きめのマンホール。
小さい頃から私はそのマンホールが気になって仕方なかった。
来年になれば受験勉強が始まってしまう。最後のチャンス。
だから「コンコン」と警備員がたずねてくるまで、時計が10時を越している事にまったく気づかなかったのだ。
自宅からの連絡で探しに来てくれた警備員に礼をし、私は荷物を抱えて美術室を飛び出した。
真っ暗闇の学校内はとても不気味で、私の足音だけが反響していやに綺麗に聞こえる。
裏口から自転車置き場に行き、カギの掛かっていない自転車に私は乗り込むと、自宅の方へとペダルを漕ぎ出した。
昨日の月夜とはうってかわって、今日は雲に隠れた月がぼんやりと照らすのみ。
少々田舎にある学校だったため街灯もまばらで、ライト無しではまったく見えないなんて所もあり、前輪が作り出す光だけが前へ前へと広がる。
時折電柱の影から私を見てるような影もあったが、ドキリとした後にゴミ箱と気づき、ふぅーと息をなでおろす。
そんな矢先、
ガギギギギギッッッッ!
と突然チェーンに強烈な衝撃が加わった。
まるで何か硬いものが巻き込まれて暴れているような感触。
同時にペダルを踏み込めなくなり、私はブレーキをかける間もなく横に倒れこんだ。
幸い怪我はしなかったものの、自転車のチェーンは無理やり引きちぎられたかのようにズタズタになっていて、走れないことは明らかでした。
「あーあ……」
深い溜息の後、私は自転車のカゴにあった荷物を背負って自転車を一旦道の脇に寄せ、あと10分ほどで着く自宅の方へと歩き出すのだった。
帰路の途中で私は気がついた。
行き止まりへ続く分かれ道にある大きめのマンホール。
小さい頃から私はそのマンホールが気になって仕方なかった。
回りにはほとんどマンホールは無く、まるで異端者のようにある鉄の板。
中からゴゥゴゥと無気味な音を響かせては私の童心に恐怖を植え付けたそれ。
自転車通学を始めてからは素通りしていたそれ。
急に寒気を覚えた私は、重い荷物を支える足に力を込めて一気に走りぬけようと走り出す。
が、私の体がちょうどマンホールを越えたとき、無気味な音が背後から聞こえてきた。
ギギギ……ガギギギ……ギャギャギャギャギャギャギャギャ
私は振り向くことも出来ずに音が近づいてくるのを背中で聞いていた。
金属の塊がコンクリートの上を引きずられるような音は、黒板をひっかくように体中の神経を総毛立ちさせ、私思わず両手で耳を塞ぎ叫んだ。
「やめろ、やめてくれぇ……!」
その時私が横目で見たのは、赤い髪の毛のような束に引きずられ、マンホールの中へとグシャグシャになって引きずり込まれていく私の自転車だった。
私は今も自転車通学を続けている。
中からゴゥゴゥと無気味な音を響かせては私の童心に恐怖を植え付けたそれ。
自転車通学を始めてからは素通りしていたそれ。
急に寒気を覚えた私は、重い荷物を支える足に力を込めて一気に走りぬけようと走り出す。
が、私の体がちょうどマンホールを越えたとき、無気味な音が背後から聞こえてきた。
ギギギ……ガギギギ……ギャギャギャギャギャギャギャギャ
私は振り向くことも出来ずに音が近づいてくるのを背中で聞いていた。
金属の塊がコンクリートの上を引きずられるような音は、黒板をひっかくように体中の神経を総毛立ちさせ、私思わず両手で耳を塞ぎ叫んだ。
「やめろ、やめてくれぇ……!」
その時私が横目で見たのは、赤い髪の毛のような束に引きずられ、マンホールの中へとグシャグシャになって引きずり込まれていく私の自転車だった。
私は今も自転車通学を続けている。
あるところに忘れ物ばかりをしている男の子がいた。
そこで男の子のお母さんは、男の子が忘れ物をしないように忘れ物帳を作ってあげた。
ところがある日のこと、男の子は無理に踏み切りを渡ろうとして電車に轢かれて死んでしまう。
男の子の身体は衝突の衝撃でバラバラになったが、なぜか頭だけはどんなに探しても見つからなかった。
それからしばらくたったある日のこと、お母さんが男の子のランドセルを開けると中から忘れ物帳が出てきた。
悲しみにくれながら忘れ物帳をめくってみると、ちょうど男の子が事故にあった日の欄にこう書かれていた。
「わすれもの、ぼくのあたま」
そこで男の子のお母さんは、男の子が忘れ物をしないように忘れ物帳を作ってあげた。
ところがある日のこと、男の子は無理に踏み切りを渡ろうとして電車に轢かれて死んでしまう。
男の子の身体は衝突の衝撃でバラバラになったが、なぜか頭だけはどんなに探しても見つからなかった。
それからしばらくたったある日のこと、お母さんが男の子のランドセルを開けると中から忘れ物帳が出てきた。
悲しみにくれながら忘れ物帳をめくってみると、ちょうど男の子が事故にあった日の欄にこう書かれていた。
「わすれもの、ぼくのあたま」
60 削除済
61 削除済
数年前に、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。
連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるので道は覚えている。
村に近付くと場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけた時にあれっ? と思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)看板が、「巨頭オ」になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。
車を降りようとすると、20メートルくらい先の草むらから頭がやたら大きい人間? が出てきた。
え? え? とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた。
両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら……。
車から降りないで良かった。
恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。
帰って地図を見ても、数年前に行った村とその日行った場所は間違っていなかった。
だが、もう一度行こうとは思わない。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。
連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるので道は覚えている。
村に近付くと場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけた時にあれっ? と思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)看板が、「巨頭オ」になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。
車を降りようとすると、20メートルくらい先の草むらから頭がやたら大きい人間? が出てきた。
え? え? とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた。
両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら……。
車から降りないで良かった。
恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。
帰って地図を見ても、数年前に行った村とその日行った場所は間違っていなかった。
だが、もう一度行こうとは思わない。
ある恐怖サイトで怖い話を見ていた時でした。
なかなか完成度の高いサイトでびくびくしながら読んでいると、こんな話が出てきたのです。
<中略>この話はマジでやばいです。
この話を聞いた(読んだ)次の夜から朝にかけての時間帯に、○○(この話の登場人物)が寝ているあなたの部屋に襲いに来ます。
助かる方法は○○の食べそうな食べ物(お菓子)を枕元に置くしかありません。
本当にやばいです。
というか私はこの「この話を聞いた後に〜しないと〜される」系の話は嫌いなのですが、いかんせん怖がりなので素直に食べ物を置くことにしました。
こんな話読むんじゃなかったと思いつつ、部屋の入り口から枕元まで食べ物を袋から出して並べて、眠りにつきました。
そして次の朝、早く出発しないと会社に遅れてしまうような時間だったので急いで支度を始めました。
着替えの途中で私は凍りつきました。
昨夜置いたはずのお菓子がなくなっているのです。
寝ぼけて食べられる量ではなかったですし、その日は眠ってからトイレには一回も起きませんでした。
本当に○○は眠っている私の部屋にやってきたのでしょうか?
未だに謎のままです。
なかなか完成度の高いサイトでびくびくしながら読んでいると、こんな話が出てきたのです。
<中略>この話はマジでやばいです。
この話を聞いた(読んだ)次の夜から朝にかけての時間帯に、○○(この話の登場人物)が寝ているあなたの部屋に襲いに来ます。
助かる方法は○○の食べそうな食べ物(お菓子)を枕元に置くしかありません。
本当にやばいです。
というか私はこの「この話を聞いた後に〜しないと〜される」系の話は嫌いなのですが、いかんせん怖がりなので素直に食べ物を置くことにしました。
こんな話読むんじゃなかったと思いつつ、部屋の入り口から枕元まで食べ物を袋から出して並べて、眠りにつきました。
そして次の朝、早く出発しないと会社に遅れてしまうような時間だったので急いで支度を始めました。
着替えの途中で私は凍りつきました。
昨夜置いたはずのお菓子がなくなっているのです。
寝ぼけて食べられる量ではなかったですし、その日は眠ってからトイレには一回も起きませんでした。
本当に○○は眠っている私の部屋にやってきたのでしょうか?
未だに謎のままです。
夜中のあぜ道で牛の刻参りをしている白装束の女性に遭遇してしまい、追いかけられました。
私は必死に逃げたのですが、彼女は髪の毛を振り乱して追ってきます。
何とか公衆便所に逃げ込み、個室で鍵をかけ閉じこもりました。
いくら恐くても相手は女性ですし、扉を破られることは無いと思ったんです。
しばらく個室(洋式便所だった)に座って震えてましたが、特に何も起こることなく夜が明けました。
安心して扉を開けようとしたのですが、何か重いものに当たって途中までしか開かないんです。
少しだけ開いた扉から外を見てみたら、扉の前であの白装束の女性が首を吊って死んでいました。
扉は彼女の身体に当たって開かなかったんです。
私は必死に逃げたのですが、彼女は髪の毛を振り乱して追ってきます。
何とか公衆便所に逃げ込み、個室で鍵をかけ閉じこもりました。
いくら恐くても相手は女性ですし、扉を破られることは無いと思ったんです。
しばらく個室(洋式便所だった)に座って震えてましたが、特に何も起こることなく夜が明けました。
安心して扉を開けようとしたのですが、何か重いものに当たって途中までしか開かないんです。
少しだけ開いた扉から外を見てみたら、扉の前であの白装束の女性が首を吊って死んでいました。
扉は彼女の身体に当たって開かなかったんです。
20年前に友人から聞いた話です。
関西のラジオ番組で、今でもテレビで活躍している人がDJをしている番組がありました。
そこに寄せられたハガキにこんなものがありました。
「友人3人と旅行に行きました。旅先で女性が写真を撮ってあげるというので写真を撮ってもらい、3人の連絡先を告げて別れました。旅行から帰ったところ、まずA君のところにその写真が届きました。その写真にはA君の足が写ってませんでした。しばらくしてA君は交通事故で足を無くしました。B君のところにも写真が送られてきました。B君の写真にはB君の目? (だったと思う)が写ってませんでした。B君も原因不明の病気で失明しました。この話を聞いた僕は自分に来る郵便物には目を通さないでいましたが、ついつい机の上にある封筒を開けると……例の写真が。二人は写ってるのに僕だけ写ってません。どうしましょう?」
という内容でした。
それを読み上げたそのDJはハガキを出した本人に電話をしました。
「お前、絶対に外でたらあかんぞ!」
『○○さん、行ってその写真見せますわ! 家から近いし』
「あかん! 来るな! 出たらあかん!」
『すぐやし、行きますわ!』
彼はいつまでたっても放送局に現れませんでした。
彼は交通事故に遭い即死したのでした……。
この電話を最後に、この番組はずっと番組終了まで音楽がかかってたそうです。
関西のラジオ番組で、今でもテレビで活躍している人がDJをしている番組がありました。
そこに寄せられたハガキにこんなものがありました。
「友人3人と旅行に行きました。旅先で女性が写真を撮ってあげるというので写真を撮ってもらい、3人の連絡先を告げて別れました。旅行から帰ったところ、まずA君のところにその写真が届きました。その写真にはA君の足が写ってませんでした。しばらくしてA君は交通事故で足を無くしました。B君のところにも写真が送られてきました。B君の写真にはB君の目? (だったと思う)が写ってませんでした。B君も原因不明の病気で失明しました。この話を聞いた僕は自分に来る郵便物には目を通さないでいましたが、ついつい机の上にある封筒を開けると……例の写真が。二人は写ってるのに僕だけ写ってません。どうしましょう?」
という内容でした。
それを読み上げたそのDJはハガキを出した本人に電話をしました。
「お前、絶対に外でたらあかんぞ!」
『○○さん、行ってその写真見せますわ! 家から近いし』
「あかん! 来るな! 出たらあかん!」
『すぐやし、行きますわ!』
彼はいつまでたっても放送局に現れませんでした。
彼は交通事故に遭い即死したのでした……。
この電話を最後に、この番組はずっと番組終了まで音楽がかかってたそうです。
ある病院に入院中のAさんが、夜中にトイレに起きたときのことです。
トイレから出て自分の病室へ戻ろうと廊下を歩いていると、廊下のずっと先からガラガラと物凄い音が近付いてきます。
なんだろうと目を凝らして見ると、薬の入った瓶やピンセットを乗せた大きなワゴンを、看護婦が押しながら走ってくるところでした。
ところがその様子が普通ではないのです。
静まりかえった病院内を、明かりもつけずに不自然に騒音を立てながらものすごい形相でこちらに近付いてきます。
その看護婦を見ているうちに、Aさんはとてつもない恐怖に襲われました。
あれは生きている人間じゃないぞ。とにかくやりすごせればいいと思い、引き返して今出てきたばかりのトイレに駆け込みました。
それでも不安だったので、入口から4番目の一番奥の個室にこもって鍵をかけ、看護婦が通り過ぎるのを待つことにしたのです。
遠くに聞こえていたガラガラというワゴンの音が、いよいよ大きくなってトイレの前に差し掛かりました。
が、ワゴンはそのまま通り過ぎずに、こともあろうかトイレの前でピタリと止まったのです。
Aさんは息をころしてワゴンが行き過ぎるのを待ちましたが、次の瞬間、Aさんの漠然とした恐怖は本物になりました。
看護婦がトイレの入口のドアを開けて入って来たのです。
コツ、コツ。
看護婦の靴音だけがトイレの中に大きく響きます。
ギイィィ。
入口から一番最初の個室のドアが開け放たれました。
コツ、コツ。
2番目のドアが開けられます。
3番目のドアも、次は……。
トイレから出て自分の病室へ戻ろうと廊下を歩いていると、廊下のずっと先からガラガラと物凄い音が近付いてきます。
なんだろうと目を凝らして見ると、薬の入った瓶やピンセットを乗せた大きなワゴンを、看護婦が押しながら走ってくるところでした。
ところがその様子が普通ではないのです。
静まりかえった病院内を、明かりもつけずに不自然に騒音を立てながらものすごい形相でこちらに近付いてきます。
その看護婦を見ているうちに、Aさんはとてつもない恐怖に襲われました。
あれは生きている人間じゃないぞ。とにかくやりすごせればいいと思い、引き返して今出てきたばかりのトイレに駆け込みました。
それでも不安だったので、入口から4番目の一番奥の個室にこもって鍵をかけ、看護婦が通り過ぎるのを待つことにしたのです。
遠くに聞こえていたガラガラというワゴンの音が、いよいよ大きくなってトイレの前に差し掛かりました。
が、ワゴンはそのまま通り過ぎずに、こともあろうかトイレの前でピタリと止まったのです。
Aさんは息をころしてワゴンが行き過ぎるのを待ちましたが、次の瞬間、Aさんの漠然とした恐怖は本物になりました。
看護婦がトイレの入口のドアを開けて入って来たのです。
コツ、コツ。
看護婦の靴音だけがトイレの中に大きく響きます。
ギイィィ。
入口から一番最初の個室のドアが開け放たれました。
コツ、コツ。
2番目のドアが開けられます。
3番目のドアも、次は……。
とうとう最後の4番目のドアに看護婦の手がかかりました。
Aさんの恐怖は絶頂に達しています。
鍵がかかっていることを知ると、看護婦は狂ったようにドアノブをがちゃがちゃ鳴らし始めました。
鍵を壊して戸を開けるほどの勢いに、Aさんは目をつぶったまま歯を食いしばってドアノブをしっかり握って抵抗しました。
どれくらいそんな時間が続いたでしょうか。ふとドアの外が静かになりました。
「ああ、俺は勝ったんだ」
大きな安堵感が込み上げてきました。
緊張の糸が切れたせいか、Aさんはそのまま気を失うように眠りこんでしまいました。
次の日の早朝、うっすらと朝日が差し込んで明るくなってきたトイレの個室で、Aさんは目を覚ましました。
「ああ、ゆうべは大変な目に遭ったんだった」
昨夜の出来事を夢のように思い出しながらドアを開けようとしましたが、おかしなことにドアはびくとも動きません。
鍵も外したし何かが引っかかっているのかな、と上を見上げたAさんは再度気を失いました。
Aさんが目にしたものは、個室の上のすきまに指をかけて目だけで中を覗き込んでいる、ゆうべの看護婦の姿でした。
看護婦は諦めて行ってしまったのではなく、鍵を開けることができないと分かってから一晩中Aさんを見張っていたのでした。
Aさんはその後、すっかり昼になってから同じ階の患者さんに助けられました。
Aさんの恐怖は絶頂に達しています。
鍵がかかっていることを知ると、看護婦は狂ったようにドアノブをがちゃがちゃ鳴らし始めました。
鍵を壊して戸を開けるほどの勢いに、Aさんは目をつぶったまま歯を食いしばってドアノブをしっかり握って抵抗しました。
どれくらいそんな時間が続いたでしょうか。ふとドアの外が静かになりました。
「ああ、俺は勝ったんだ」
大きな安堵感が込み上げてきました。
緊張の糸が切れたせいか、Aさんはそのまま気を失うように眠りこんでしまいました。
次の日の早朝、うっすらと朝日が差し込んで明るくなってきたトイレの個室で、Aさんは目を覚ましました。
「ああ、ゆうべは大変な目に遭ったんだった」
昨夜の出来事を夢のように思い出しながらドアを開けようとしましたが、おかしなことにドアはびくとも動きません。
鍵も外したし何かが引っかかっているのかな、と上を見上げたAさんは再度気を失いました。
Aさんが目にしたものは、個室の上のすきまに指をかけて目だけで中を覗き込んでいる、ゆうべの看護婦の姿でした。
看護婦は諦めて行ってしまったのではなく、鍵を開けることができないと分かってから一晩中Aさんを見張っていたのでした。
Aさんはその後、すっかり昼になってから同じ階の患者さんに助けられました。
Aさんがびびり神社に行ったのは私がたぶん高校一年生の頃、免許を取りたての頃だと思います。
Aさんも免許取りたてにありがちな心霊スポット見学ツアーに行こうと、Aさんの彼女、Aさんの友人のBさんとその彼女の4人でびびり神社に行く事にしました。
びびり神社は郊外に突然ある変わった神社です。
気合いの入った4人は新車を駆ってびびり神社に向かいます。
行く途中は全員が車で遊ぶことに新鮮さを感じていたので浮かれていました。
ですが、びびり神社に近付くにつれて車内から明るさが消えていきます。
Aさんは霊感というほどの物はありませんが、普通の人よりは遥かに敏感で物凄く勘のいい人です。
ですが、その時は不思議と女性陣2人が過剰に恐がっていたそうです。
「もう帰ろう、怖すぎる。何か初めて感じる嫌な予感がする」
Bさんの彼女がそんな感じの事を言って車内は一層嫌なムード。
それでも残念ながらびびり神社に着いてしまいました。
「ここまで来ちゃったんだから、気になるし見ていこう」
Aさんは正直気が乗らなかったそうなんですが、Bさんが見たいと言うので車を降りて深夜の神社に入っていきました。
周りには民家など一切なく、少し歩くと森の中に薄気味悪い神社がありました。
「何か凄く嫌、嫌な感じ……」
と2人の女性は目を見開いて虚ろにそう言いました。
AさんもBさんも怖かったのは当然ですが、その2人のビビリ様は普通じゃなかったそうです。
そこで女性陣2人は見てしまいます。
見ちゃったらしいです、生首。
Aさんも免許取りたてにありがちな心霊スポット見学ツアーに行こうと、Aさんの彼女、Aさんの友人のBさんとその彼女の4人でびびり神社に行く事にしました。
びびり神社は郊外に突然ある変わった神社です。
気合いの入った4人は新車を駆ってびびり神社に向かいます。
行く途中は全員が車で遊ぶことに新鮮さを感じていたので浮かれていました。
ですが、びびり神社に近付くにつれて車内から明るさが消えていきます。
Aさんは霊感というほどの物はありませんが、普通の人よりは遥かに敏感で物凄く勘のいい人です。
ですが、その時は不思議と女性陣2人が過剰に恐がっていたそうです。
「もう帰ろう、怖すぎる。何か初めて感じる嫌な予感がする」
Bさんの彼女がそんな感じの事を言って車内は一層嫌なムード。
それでも残念ながらびびり神社に着いてしまいました。
「ここまで来ちゃったんだから、気になるし見ていこう」
Aさんは正直気が乗らなかったそうなんですが、Bさんが見たいと言うので車を降りて深夜の神社に入っていきました。
周りには民家など一切なく、少し歩くと森の中に薄気味悪い神社がありました。
「何か凄く嫌、嫌な感じ……」
と2人の女性は目を見開いて虚ろにそう言いました。
AさんもBさんも怖かったのは当然ですが、その2人のビビリ様は普通じゃなかったそうです。
そこで女性陣2人は見てしまいます。
見ちゃったらしいです、生首。
「ぎゃぁぁーーーーーーーーーーーーーー!」
と声を上げる2人が指差す先には、何かある?
良く見えなかった男性陣2人もパニックになり、4人は車まで一目散に逃げます。
車に着いて早く逃げなきゃ! そう思った瞬間また悲鳴が。
「と、鳥居の上! いる! 早く」
と言ったBさんの彼女は、泡を吹いて白目を剥いて意識を失いました。
三人が鳥居に目を向けると、そこには首を持った首の無い人間が座っていたそうです。
パニクったものの何とか無事に逃げおおせた4人。
後日Bさんの彼女はちょっとしたショック状態だったらしいんですが、回復したそうです。
その話をして、
「びびり神社には絶対行くな、何か居るぞ多分」
と言っていたAさんですが、私も行ってしまい同じような体験をしました。
男友達2人と私と私の友達4人という全く同じようなシチュエーションで。
と声を上げる2人が指差す先には、何かある?
良く見えなかった男性陣2人もパニックになり、4人は車まで一目散に逃げます。
車に着いて早く逃げなきゃ! そう思った瞬間また悲鳴が。
「と、鳥居の上! いる! 早く」
と言ったBさんの彼女は、泡を吹いて白目を剥いて意識を失いました。
三人が鳥居に目を向けると、そこには首を持った首の無い人間が座っていたそうです。
パニクったものの何とか無事に逃げおおせた4人。
後日Bさんの彼女はちょっとしたショック状態だったらしいんですが、回復したそうです。
その話をして、
「びびり神社には絶対行くな、何か居るぞ多分」
と言っていたAさんですが、私も行ってしまい同じような体験をしました。
男友達2人と私と私の友達4人という全く同じようなシチュエーションで。
石狩川の支流、夕張川。
この中流に位置する栗山の町には、かつて呪いの神木がありました。
国道沿いの坂道に聳える樹齢300年ほどの春楡の大木。
この木は交通の妨げになる位置にありながら伐られない。
この木には伐ったら祟る呪いの樹であったのです。
明治の頃、この近くにあったタコ部屋で酷使された挙句、のたれ死にした労働者の遺体を根元に埋めたためとも、そのタコ部屋の炊事婦が輪姦され、それを苦にしてこの樹で首を吊ったからとも言われています。
大正時代に道路拡張のためこの樹を伐ろうと鋸を入れたところが、女がすすり泣くように樹が呻き、鋸が折れてしまった。
斧で伐りつけると柄が折れ、樵の腰に刺さって惨死。
ロープをかけて引き倒そうとすれば、ロープが切れて馬が死ぬ。
結局樹を伐ることは無理ということで、そのままで放置されていたのです。
昭和29年の台風で樹は上半分を折られましたが、それでも怪異な姿を道路際に晒しておりました。
しかし昭和40年代にまたしても道路拡張計画が浮上、泣く樹の伐採問題で町は大揺れに揺れました。
その時ある不良作業員が、歪んだ正義感か単なる功名心か分かりませんが、酔った勢いでチェンソーを持ち出し泣く樹に伐りつけたのであります。
呪いの神木も文明の利器には敵わず、数分で切倒されました。
その後、当然ながら作業員の家庭には不幸が続いて一家離散、完成した道路は交通事故が多発。
女性の幽霊を見た、との噂も絶えません。
たまりかねた町では慰霊碑を立て、そばにあった楡の若木を「二代目」として植え、供養したところがようやく事故は減ったとのことです。
この中流に位置する栗山の町には、かつて呪いの神木がありました。
国道沿いの坂道に聳える樹齢300年ほどの春楡の大木。
この木は交通の妨げになる位置にありながら伐られない。
この木には伐ったら祟る呪いの樹であったのです。
明治の頃、この近くにあったタコ部屋で酷使された挙句、のたれ死にした労働者の遺体を根元に埋めたためとも、そのタコ部屋の炊事婦が輪姦され、それを苦にしてこの樹で首を吊ったからとも言われています。
大正時代に道路拡張のためこの樹を伐ろうと鋸を入れたところが、女がすすり泣くように樹が呻き、鋸が折れてしまった。
斧で伐りつけると柄が折れ、樵の腰に刺さって惨死。
ロープをかけて引き倒そうとすれば、ロープが切れて馬が死ぬ。
結局樹を伐ることは無理ということで、そのままで放置されていたのです。
昭和29年の台風で樹は上半分を折られましたが、それでも怪異な姿を道路際に晒しておりました。
しかし昭和40年代にまたしても道路拡張計画が浮上、泣く樹の伐採問題で町は大揺れに揺れました。
その時ある不良作業員が、歪んだ正義感か単なる功名心か分かりませんが、酔った勢いでチェンソーを持ち出し泣く樹に伐りつけたのであります。
呪いの神木も文明の利器には敵わず、数分で切倒されました。
その後、当然ながら作業員の家庭には不幸が続いて一家離散、完成した道路は交通事故が多発。
女性の幽霊を見た、との噂も絶えません。
たまりかねた町では慰霊碑を立て、そばにあった楡の若木を「二代目」として植え、供養したところがようやく事故は減ったとのことです。
自分の名前で検索をかけてみた。
すると10数件、同姓同名の人たちが検索に引っかかった。
研究者や会社の経営者、同じ名前でありながら全然別の生活をしている人たち。
その中に「○○○○○(自分の名前)のページ」というHPがあった。
それはプロフィール、BBSだけの初心者が作った感じのよくある個人のHPだった。
プロフィールを見ると自分と同じ歳であり、趣味なども良く似ている。
BBSを見ると常連っぽい人が5〜6人いるらしく、この手のHPとしてはまあまあ流行ってる感じだった。
何となくお気に入りにして時々見るようにした。
しばらくするとコンテンツに日記が増えた。
日記はまあ、そのへんのサイトによくある内容の薄い日記だ。
今日は暑かったとか日本がサッカー勝ったとか、そんな感じのだった。
ある時、日記の内容が自分の生活とよく似ていることに気づいた。
始めに気づいたのは野球観戦に行ったときだ。その日そのサイトの管理人も同じ球場に行ったらしい。
その時はもちろん偶然だなとしか思わなかった。球場には何万人もの人間が行くのだから。
次の日、日記は会社でミスをしたことについて書いてあった。
私もその日、会社でミスをして少々落ち込んでいた。
すると10数件、同姓同名の人たちが検索に引っかかった。
研究者や会社の経営者、同じ名前でありながら全然別の生活をしている人たち。
その中に「○○○○○(自分の名前)のページ」というHPがあった。
それはプロフィール、BBSだけの初心者が作った感じのよくある個人のHPだった。
プロフィールを見ると自分と同じ歳であり、趣味なども良く似ている。
BBSを見ると常連っぽい人が5〜6人いるらしく、この手のHPとしてはまあまあ流行ってる感じだった。
何となくお気に入りにして時々見るようにした。
しばらくするとコンテンツに日記が増えた。
日記はまあ、そのへんのサイトによくある内容の薄い日記だ。
今日は暑かったとか日本がサッカー勝ったとか、そんな感じのだった。
ある時、日記の内容が自分の生活とよく似ていることに気づいた。
始めに気づいたのは野球観戦に行ったときだ。その日そのサイトの管理人も同じ球場に行ったらしい。
その時はもちろん偶然だなとしか思わなかった。球場には何万人もの人間が行くのだから。
次の日、日記は会社でミスをしたことについて書いてあった。
私もその日、会社でミスをして少々落ち込んでいた。
次の日もその次の日も、よく見ると日記の内容はまるで自分の生活が書かれているようだった。
大半は「カレーを食べた」とか「CDを買った」など対した偶然ではない。
しかしそれが何ヶ月も続くと気味が悪くなってきた。
ある日、掲示板を見ると常連たちが管理人の誕生日を祝っていた。
その日は私も誕生日だ。
それでいよいよ怖くなってきて、初めて掲示板に書き込みすることにした。
しかし、書き込みしようとしても名前や内容を書くところに文字が打てない。
色々やってみるが書き込めないどころか文字すら打てない。
「おかしいな?」
と思っていると、あることに気づいた。
それは掲示板ではなくただのページだった。
つまり、1人の人間が掲示板っぽく見せかけて作った1つのページだったのだ。
「いったい何のためにこんなこと……」
とすごく怖くなり、管理人にメールを打った。
「初めまして。私は貴方と同姓同名の人間で、よくこの〜」
のような当たり障りのないメールだ。
そして次の日、そのページを見ると全て消されていた。
メールボックスには1通、
「見つかった」
という返信があった。
大半は「カレーを食べた」とか「CDを買った」など対した偶然ではない。
しかしそれが何ヶ月も続くと気味が悪くなってきた。
ある日、掲示板を見ると常連たちが管理人の誕生日を祝っていた。
その日は私も誕生日だ。
それでいよいよ怖くなってきて、初めて掲示板に書き込みすることにした。
しかし、書き込みしようとしても名前や内容を書くところに文字が打てない。
色々やってみるが書き込めないどころか文字すら打てない。
「おかしいな?」
と思っていると、あることに気づいた。
それは掲示板ではなくただのページだった。
つまり、1人の人間が掲示板っぽく見せかけて作った1つのページだったのだ。
「いったい何のためにこんなこと……」
とすごく怖くなり、管理人にメールを打った。
「初めまして。私は貴方と同姓同名の人間で、よくこの〜」
のような当たり障りのないメールだ。
そして次の日、そのページを見ると全て消されていた。
メールボックスには1通、
「見つかった」
という返信があった。
ある日、彼女とデートの約束をしていたが、自分の凡ミスが原因で残業をすることになった。
彼女には一応メールで平謝り、終わったら会おうって言ってくれたので一安心した。
手伝ってくれていた先輩も帰り、オフィスで独り黙々と仕事をしていたらもう22時を越えていた。
あわてて彼女に電話をかけた。
いや、ふとひらめいて携帯のテレビ電話でかけてみた。
携帯の画面には愛しい彼女の姿が。
だが、その彼女が突然怒り出し電話を切ってしまった。
理由が分からず途方にくれている俺。
そこに彼女からのメールが……。
「残業とかウソなんでしょ? 隠していたけどチラッと見えたわよ、あなたの後ろにいた女は誰?」
彼女には一応メールで平謝り、終わったら会おうって言ってくれたので一安心した。
手伝ってくれていた先輩も帰り、オフィスで独り黙々と仕事をしていたらもう22時を越えていた。
あわてて彼女に電話をかけた。
いや、ふとひらめいて携帯のテレビ電話でかけてみた。
携帯の画面には愛しい彼女の姿が。
だが、その彼女が突然怒り出し電話を切ってしまった。
理由が分からず途方にくれている俺。
そこに彼女からのメールが……。
「残業とかウソなんでしょ? 隠していたけどチラッと見えたわよ、あなたの後ろにいた女は誰?」
何年も前に私の弟から聞いた話です。
彼が高校の時の夏期合宿で起った話だそうです。
何とかの青年の家に4〜5日間学年全体で泊まり込んで朝から晩まで勉強させられる、あれです。
彼の友人に霊感が非常に強い女の子がいて、その子が割り当てられた4人部屋に入った途端、掃除用具のしまってあるロッカーを指さして
「今晩何があってもこのロッカーをあけちゃだめだ」
と言ったそうです。
同室の女の子はその子の霊感のことを知っていたので、このロッカーには何かがいるということを疑わなかったそうです。
案の定、夜になったらロッカーの中から男の声で、
「閉じ込められてしまったから、ここを開けてくれ」
と声がしたそうです。
当然誰も開けようとしません。
すると、その声はだんだんと乱暴になってきて、しまいには
「開けろーっ! 開けろーっ!」
と内側からドアを蹴ったり叩いたりし始めたそうです。
部屋の女の子達は生きた心地がせず、そのまま朝までまんじりともせずに過ごしたそうです。
朝になったら静かになり、その霊感少女も「もう大丈夫だ」と言ったのでロッカーのドアを開けてみたそうですが、中にあるのはモップとバケツだけ。
その因果関係は失念しましたが、知らずに開けていたらどんな地獄を見たんでしょうか……。
彼が高校の時の夏期合宿で起った話だそうです。
何とかの青年の家に4〜5日間学年全体で泊まり込んで朝から晩まで勉強させられる、あれです。
彼の友人に霊感が非常に強い女の子がいて、その子が割り当てられた4人部屋に入った途端、掃除用具のしまってあるロッカーを指さして
「今晩何があってもこのロッカーをあけちゃだめだ」
と言ったそうです。
同室の女の子はその子の霊感のことを知っていたので、このロッカーには何かがいるということを疑わなかったそうです。
案の定、夜になったらロッカーの中から男の声で、
「閉じ込められてしまったから、ここを開けてくれ」
と声がしたそうです。
当然誰も開けようとしません。
すると、その声はだんだんと乱暴になってきて、しまいには
「開けろーっ! 開けろーっ!」
と内側からドアを蹴ったり叩いたりし始めたそうです。
部屋の女の子達は生きた心地がせず、そのまま朝までまんじりともせずに過ごしたそうです。
朝になったら静かになり、その霊感少女も「もう大丈夫だ」と言ったのでロッカーのドアを開けてみたそうですが、中にあるのはモップとバケツだけ。
その因果関係は失念しましたが、知らずに開けていたらどんな地獄を見たんでしょうか……。
俺いつもうつ伏せに寝る癖があるんだけど、この間なんかの気の迷いで初めて仰向けに寝てみた。
そしたら天井に染みがあるのを見つけて「やけに目立つなー」と思ってじっと目懲らして見てたら、それ染みじゃなくて直径1センチくらいの穴でさ。
上の部屋のやつがその穴から俺のこと見てやがんの。じーっと。
そしたら天井に染みがあるのを見つけて「やけに目立つなー」と思ってじっと目懲らして見てたら、それ染みじゃなくて直径1センチくらいの穴でさ。
上の部屋のやつがその穴から俺のこと見てやがんの。じーっと。
仮に体験したのがA君としよう。
A君は心霊スポットに行って心霊体験をした。
心霊サイトにこの話を書いて送信しようとする度に、エラーが出て送信できなかった。
おかしいと思ってPCを調べたが異常はなかった。
再度PCを立ち上げサイトに送信した瞬間、家の電気がすべて消えたんだって。PC以外。
その後は話してくれなかった。
A君は心霊スポットに行って心霊体験をした。
心霊サイトにこの話を書いて送信しようとする度に、エラーが出て送信できなかった。
おかしいと思ってPCを調べたが異常はなかった。
再度PCを立ち上げサイトに送信した瞬間、家の電気がすべて消えたんだって。PC以外。
その後は話してくれなかった。
死角があるって、本当は物凄く怖いことだよな。
一番近くにあるドアの向こう側に、誰か人が潜んでるかもしれないって考えるだけでも怖いもんな。
このあいだ自分の部屋の窓を閉めようと思ったらさ、部屋から見て外側の面にべったり指紋ついてんの。こう、手のひらのかたちに。
誰なんだよ。
ここ三階だぞ?
一番近くにあるドアの向こう側に、誰か人が潜んでるかもしれないって考えるだけでも怖いもんな。
このあいだ自分の部屋の窓を閉めようと思ったらさ、部屋から見て外側の面にべったり指紋ついてんの。こう、手のひらのかたちに。
誰なんだよ。
ここ三階だぞ?
指きりげんまんの話。
もともと指きりとげんまんは別の言葉、げんまんは後付け。
指きりとは昔、遊女がひいきの客に愛情の証として小指を切断して渡した事からきている。
げんまんとは漢字で拳万と書き「約束を破ったならば万回殴る制裁を加える」という事からきている。
もともと指きりとげんまんは別の言葉、げんまんは後付け。
指きりとは昔、遊女がひいきの客に愛情の証として小指を切断して渡した事からきている。
げんまんとは漢字で拳万と書き「約束を破ったならば万回殴る制裁を加える」という事からきている。
小学生の頃、クラスにWさんという女子がいた。
彼女は先天的な病で体がただれていて、声もうまく発声できなかった。
大人しい子でいつも本を読んでいた。
男子の友人はいなかったが、女子の友人は不思議と多いようだった。
修学旅行で旅館に泊まった時、友人が女子の部屋に遊びに行こうと言い出した。
俺も同意して、どうせだからこっそり行って驚かせてやろうってことになった。
そしてクラスで一番人気のあった女子のいる部屋に行く事となった。
こっそりドアを開けると恐ろしい光景があった。
体育座りで座り込むWさんを円になって囲むようにクラスの女子全員が立っていた。
そしてWさんに対して「豚」「焼けど野郎」などと罵声を浴びせていた。
さらにクラスで最もかわいかった子が「じゃあ、カツラはずしまーす」と笑いながらWさんの頭に手を伸ばした。
次の瞬間、Wさんの髪の毛が全部その女の手にあった。
Wさんは頭皮も病気で髪の毛が生えないためカツラをしていたのだ。
男子は誰もそれを知らなかった。
ショックで何が何だかわからない俺の前で、女子はWさんを蹴飛ばしたりカツラをライターであぶったり。
Wさんはかすれた声でうめく。助けを呼びたくても呼べないのだ。
俺と友人は無性に怖くなって見つからないように逃げた。
次の日、Wさんもクラスの女子も何事も無かったように京都を観光していた。
それが一番怖かった。
時が経って同窓会が開かれた。
Wさんはすでに亡くなっていた。
俺は思い切って女達に修学旅行でのことを聞いてみた。
すると例の一番かわいかった女の子が「あんなの別に死んだっていいじゃん」と言った。
彼女は先天的な病で体がただれていて、声もうまく発声できなかった。
大人しい子でいつも本を読んでいた。
男子の友人はいなかったが、女子の友人は不思議と多いようだった。
修学旅行で旅館に泊まった時、友人が女子の部屋に遊びに行こうと言い出した。
俺も同意して、どうせだからこっそり行って驚かせてやろうってことになった。
そしてクラスで一番人気のあった女子のいる部屋に行く事となった。
こっそりドアを開けると恐ろしい光景があった。
体育座りで座り込むWさんを円になって囲むようにクラスの女子全員が立っていた。
そしてWさんに対して「豚」「焼けど野郎」などと罵声を浴びせていた。
さらにクラスで最もかわいかった子が「じゃあ、カツラはずしまーす」と笑いながらWさんの頭に手を伸ばした。
次の瞬間、Wさんの髪の毛が全部その女の手にあった。
Wさんは頭皮も病気で髪の毛が生えないためカツラをしていたのだ。
男子は誰もそれを知らなかった。
ショックで何が何だかわからない俺の前で、女子はWさんを蹴飛ばしたりカツラをライターであぶったり。
Wさんはかすれた声でうめく。助けを呼びたくても呼べないのだ。
俺と友人は無性に怖くなって見つからないように逃げた。
次の日、Wさんもクラスの女子も何事も無かったように京都を観光していた。
それが一番怖かった。
時が経って同窓会が開かれた。
Wさんはすでに亡くなっていた。
俺は思い切って女達に修学旅行でのことを聞いてみた。
すると例の一番かわいかった女の子が「あんなの別に死んだっていいじゃん」と言った。
実際にあった話。文才なくて恐くなくてごめんね。
俺の実家が寺なんだが、ある日5〜6人の若者が寺に来てその内の1人の携帯をお祓いして欲しいと頼んできたんだ(その理由は省く)。
早速その携帯を小さな台の上に置いてお祓いしていると、突然他の奴の携帯が鳴ったんだ。
それが誰からの着信なのか確認してみたら、今お祓いしてる最中の携帯からの着信だった。
携帯は台に置いていて誰も一切触っていなかったのに。
俺の実家が寺なんだが、ある日5〜6人の若者が寺に来てその内の1人の携帯をお祓いして欲しいと頼んできたんだ(その理由は省く)。
早速その携帯を小さな台の上に置いてお祓いしていると、突然他の奴の携帯が鳴ったんだ。
それが誰からの着信なのか確認してみたら、今お祓いしてる最中の携帯からの着信だった。
携帯は台に置いていて誰も一切触っていなかったのに。
3年前にね、バイト先の友達がスキーで骨折して埼玉の武○○病院に入院したんだよ。
そこバイト先から車で15分くらいだったんでね、3日に1度くらい見舞いに行ってた。
俺は霊感というほどじゃないけど、霊の存在を何となく感じることができて、骨折した友達はバリバリ霊感が強い。
確か3回目にお見舞いに行った時の事。夕方だったね。
その病院、階段の踊り場に灰皿があってさ、そこの椅子に座って2人でタバコ吸ってた。
談笑中、突然耳鳴りがして下の階段を凝視した。
見えないけど何か来たっていうのが分かった。
俺そこをがジーって見てると、友達が服の裾を掴んで「見るな」と。
「やっぱいる?」
って聞くと、
「ろくなもんじゃない。見てるとやばいよ」
詳細を聞くと、体が子供で顔がじいさん。
そいつが俺たちを見てニコニコしてる、と。
「うわ、そりゃビジュアルだけでも十分やべえや」
って笑いながらそこを見てると
「馬鹿、笑いながら見るな!」
って友達ちょいマジ切れで、俺の手を掴んでひょこひょこ病室に帰った。
「どうしたんだよ?」
って聞いたら
「お前、笑いながらじいさん見てたろ。そしたらじいさん突然凄い形相になってこっちに向かってきたから逃げてきた」
そりゃやばいやって事で、お見舞いに行ってもそこの階段は使わないことにした。
そこバイト先から車で15分くらいだったんでね、3日に1度くらい見舞いに行ってた。
俺は霊感というほどじゃないけど、霊の存在を何となく感じることができて、骨折した友達はバリバリ霊感が強い。
確か3回目にお見舞いに行った時の事。夕方だったね。
その病院、階段の踊り場に灰皿があってさ、そこの椅子に座って2人でタバコ吸ってた。
談笑中、突然耳鳴りがして下の階段を凝視した。
見えないけど何か来たっていうのが分かった。
俺そこをがジーって見てると、友達が服の裾を掴んで「見るな」と。
「やっぱいる?」
って聞くと、
「ろくなもんじゃない。見てるとやばいよ」
詳細を聞くと、体が子供で顔がじいさん。
そいつが俺たちを見てニコニコしてる、と。
「うわ、そりゃビジュアルだけでも十分やべえや」
って笑いながらそこを見てると
「馬鹿、笑いながら見るな!」
って友達ちょいマジ切れで、俺の手を掴んでひょこひょこ病室に帰った。
「どうしたんだよ?」
って聞いたら
「お前、笑いながらじいさん見てたろ。そしたらじいさん突然凄い形相になってこっちに向かってきたから逃げてきた」
そりゃやばいやって事で、お見舞いに行ってもそこの階段は使わないことにした。
ある心霊カメラマンが自殺の名所を撮りに出掛けた。
飛び降り自殺が絶えないという崖に着くと先客がいた。
スーツを着たサラリーマンらしい男が、今にも飛び降りようという位置に立っていたのである。
自殺の瞬間なんて滅多に撮れるものではない、カメラマンはとっさにカメラを構えた。
サラリーマンが足を踏み出した瞬間から連続でシャッターを切った。
カメラマンに気づいていなかったのか、いや気づいてはいたがどうでもよかったのだろう、サラリーマンはそのまま飛び降りてしまった。
後日それを現像してみると、飛び降りる瞬間に写真の中のサラリーマンは振り返ってカメラの方を見ていたのだという。
飛び降り自殺が絶えないという崖に着くと先客がいた。
スーツを着たサラリーマンらしい男が、今にも飛び降りようという位置に立っていたのである。
自殺の瞬間なんて滅多に撮れるものではない、カメラマンはとっさにカメラを構えた。
サラリーマンが足を踏み出した瞬間から連続でシャッターを切った。
カメラマンに気づいていなかったのか、いや気づいてはいたがどうでもよかったのだろう、サラリーマンはそのまま飛び降りてしまった。
後日それを現像してみると、飛び降りる瞬間に写真の中のサラリーマンは振り返ってカメラの方を見ていたのだという。