1 無名さん
守護神は私52
久しぶりに実家に帰ると、亡くなった母を思い出す。
女性には珍しく科学が好きだった母。そういえば元素記号表を丸暗記していたっけ…。
母は認知症だった。身の回りの世話をつきっきりでしていた父を困らせてばかりいた姿が目に浮かぶ。
そして今は亡き母の書斎に入った時、私は初めて違和感を覚えた。母にプレゼントしたカレンダーが見つからない。
何の気無しにテーブルを漁ると、ハサミでバラバラにされた幾つかのカレンダーの切れ端が順序良く並んでいる事に気が付いた。
母はどんなに呆けていても、私のプレゼントは大切にしてくれていたのにと…私はショックを受けた。
私は感傷とともに並べられた日付を整理した。
4/4 4/4 4/10 6/11 3/1 6/12 5/6 7/2 6/7 6/17 4/10 4/14 5/16
私は一枚だけ向きが逆になっている6/17に気づき、他の日付と同じ向きに変えていると、一階の父が私を呼んだ。
今日から五年振りの父の手料理が食べられる。感傷を胸に押し込み、私は母の書斎を後にした
女性には珍しく科学が好きだった母。そういえば元素記号表を丸暗記していたっけ…。
母は認知症だった。身の回りの世話をつきっきりでしていた父を困らせてばかりいた姿が目に浮かぶ。
そして今は亡き母の書斎に入った時、私は初めて違和感を覚えた。母にプレゼントしたカレンダーが見つからない。
何の気無しにテーブルを漁ると、ハサミでバラバラにされた幾つかのカレンダーの切れ端が順序良く並んでいる事に気が付いた。
母はどんなに呆けていても、私のプレゼントは大切にしてくれていたのにと…私はショックを受けた。
私は感傷とともに並べられた日付を整理した。
4/4 4/4 4/10 6/11 3/1 6/12 5/6 7/2 6/7 6/17 4/10 4/14 5/16
私は一枚だけ向きが逆になっている6/17に気づき、他の日付と同じ向きに変えていると、一階の父が私を呼んだ。
今日から五年振りの父の手料理が食べられる。感傷を胸に押し込み、私は母の書斎を後にした
心に深い傷を負う麻里子は、心の傷を癒し、安定を与えてくれるが貧乏な義和と、金持ちでそれなりに優しい直樹に求婚されていた。
考えた末に麻里子は義和と付き合い心の傷を癒した上で、直樹と結婚した。
その事で義和は深く傷つき女心はこんなものかと嘆いた。
それを知った義和の母はこんな悲劇を繰り返してはいけないと立ち上がった。
数十年後、義和の母は「革命は終わった」との最後の言葉を残し息を引き取った。
また数年後、心に深い傷を負う秋恵は、心の傷を癒し、安定を与えてくれるが貧乏な育男と、金持ちでそれなりに優しい正樹に求婚されていた。
秋恵は考えた末に正樹と結婚し、多額の慰謝料を巻き上げ離婚した上で育男と再婚した。
考えた末に麻里子は義和と付き合い心の傷を癒した上で、直樹と結婚した。
その事で義和は深く傷つき女心はこんなものかと嘆いた。
それを知った義和の母はこんな悲劇を繰り返してはいけないと立ち上がった。
数十年後、義和の母は「革命は終わった」との最後の言葉を残し息を引き取った。
また数年後、心に深い傷を負う秋恵は、心の傷を癒し、安定を与えてくれるが貧乏な育男と、金持ちでそれなりに優しい正樹に求婚されていた。
秋恵は考えた末に正樹と結婚し、多額の慰謝料を巻き上げ離婚した上で育男と再婚した。
1996年3月5日。
お墓の前に花を供えた僕は、レイと過ごした2年10ヶ月の月日を思い起こした。
初めて彼女を見た瞬間、その天使のような笑顔に、僕は一目惚れした。普段は人見知りが激しい僕が、生まれて初めて、ナンパというものをした。
僕に話しかけられて、最初は吃驚していた彼女だけど、僕の緊張っぷりに同情してくれたのか、一緒にお茶をすることになった。
そして、僕達はその日から毎日会うようになって、出会って一週間で付き合い始めた。
彼女と過ごす日々は、とても充実していて、幸せだった。
初めてキスをした時、思わず赤面した僕を見て笑う彼女が、堪らなく愛おしかった。
僕がプロポーズした時、泣きながらも笑う彼女を、永遠に守ろうと思った。
最後の時、泣き叫ぶ僕に彼女は、僕が大好きな笑顔を見せた。
…彼女がいなくなってから、もう二カ月が経った。今日まで僕は、たくさん泣いた。でももう、僕は泣かない。僕が大好きだった君の笑顔に、負けないくらいの笑顔で生きる。だから、今は許してね。
《レイ・セルシア 1993年1月25日没》
墓石に刻まれたその文字が、だんだんと涙で霞んでいった。
お墓の前に花を供えた僕は、レイと過ごした2年10ヶ月の月日を思い起こした。
初めて彼女を見た瞬間、その天使のような笑顔に、僕は一目惚れした。普段は人見知りが激しい僕が、生まれて初めて、ナンパというものをした。
僕に話しかけられて、最初は吃驚していた彼女だけど、僕の緊張っぷりに同情してくれたのか、一緒にお茶をすることになった。
そして、僕達はその日から毎日会うようになって、出会って一週間で付き合い始めた。
彼女と過ごす日々は、とても充実していて、幸せだった。
初めてキスをした時、思わず赤面した僕を見て笑う彼女が、堪らなく愛おしかった。
僕がプロポーズした時、泣きながらも笑う彼女を、永遠に守ろうと思った。
最後の時、泣き叫ぶ僕に彼女は、僕が大好きな笑顔を見せた。
…彼女がいなくなってから、もう二カ月が経った。今日まで僕は、たくさん泣いた。でももう、僕は泣かない。僕が大好きだった君の笑顔に、負けないくらいの笑顔で生きる。だから、今は許してね。
《レイ・セルシア 1993年1月25日没》
墓石に刻まれたその文字が、だんだんと涙で霞んでいった。
秋の夕焼けがすやすや眠る明美を照らしている。
透き通るような明美の肌に太陽が当たって、本当に綺麗だ。
「あら、まさか眠っているの?」
夕飯の準備をしていた美月がベランダにいる僕らに話し掛けた。
「ああ」
「あらあら、ふふ、なんかかわいいわねぇ」
美月はそう言うと、夕飯を作りに戻った。
親ばかだけど、明美は本当にかわいい。このかわいさはいつまでも変わらないと思う。
しばらくすると、そっと明美の目が開いた。
明美は起き上がると、ぼんやり夕日を見つめた。
ずっと、ずっと、ずっと…
しばらく明美は夕日を見ながらまどろんでいるようだった。
明美の目から涙が流れた。
「お父さん…」
明美は呟いた。
「何だい?」
僕がそう返しても明美は反応しない。
僕らの間に沈黙が流れた。
「ご飯できたわよ」
「ああ」
美月の声がしたので、僕はベランダを出た。
「明美、まだあそこにいるのかしら?」
「ああ。君は行ってあげないのかい?」
美月はじっとベランダの方をを見つめた。
「もう、仕方のない子ねぇ…」
そう言うと、美月は明美のところへ行った。
食卓には二人分の夕飯が並んでいる。
透き通るような明美の肌に太陽が当たって、本当に綺麗だ。
「あら、まさか眠っているの?」
夕飯の準備をしていた美月がベランダにいる僕らに話し掛けた。
「ああ」
「あらあら、ふふ、なんかかわいいわねぇ」
美月はそう言うと、夕飯を作りに戻った。
親ばかだけど、明美は本当にかわいい。このかわいさはいつまでも変わらないと思う。
しばらくすると、そっと明美の目が開いた。
明美は起き上がると、ぼんやり夕日を見つめた。
ずっと、ずっと、ずっと…
しばらく明美は夕日を見ながらまどろんでいるようだった。
明美の目から涙が流れた。
「お父さん…」
明美は呟いた。
「何だい?」
僕がそう返しても明美は反応しない。
僕らの間に沈黙が流れた。
「ご飯できたわよ」
「ああ」
美月の声がしたので、僕はベランダを出た。
「明美、まだあそこにいるのかしら?」
「ああ。君は行ってあげないのかい?」
美月はじっとベランダの方をを見つめた。
「もう、仕方のない子ねぇ…」
そう言うと、美月は明美のところへ行った。
食卓には二人分の夕飯が並んでいる。
遠い遠い未来での出来事。
僕は大勢の人を守る為選ばれたたった一人の存在、国民の代わりに戦い世界大戦で自国を勝利に導いた。国民に感謝されたものだ。
戦争が終わると僕は汎用的な雑務を遣らされた。『戦争が終われば統一してくれる』約束が増える一方。
やがて世界の仕事という仕事をほぼ任された。
余りの激務に寝込む僕。危険な作業で大怪我をする僕。満足に食事も与えられない僕。労基が守られない僕。
人々は僕という存在に慣れ当たり前になり、僕に対する扱いが酷くなった。君達が『信じられないくらいの量』の酷い仕打ちをうけた。
政府ニュース「実は個別だと思われた記憶が最新の研究結果から共有しているものと思われます」
温厚だった僕の眼に黒い炎が灯る。今僕による僕の為の世界大戦が始まる。
僕は大勢の人を守る為選ばれたたった一人の存在、国民の代わりに戦い世界大戦で自国を勝利に導いた。国民に感謝されたものだ。
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やがて世界の仕事という仕事をほぼ任された。
余りの激務に寝込む僕。危険な作業で大怪我をする僕。満足に食事も与えられない僕。労基が守られない僕。
人々は僕という存在に慣れ当たり前になり、僕に対する扱いが酷くなった。君達が『信じられないくらいの量』の酷い仕打ちをうけた。
政府ニュース「実は個別だと思われた記憶が最新の研究結果から共有しているものと思われます」
温厚だった僕の眼に黒い炎が灯る。今僕による僕の為の世界大戦が始まる。
ドウモ〜〜〜ッ!!お〜o(⌒0⌒)oは〜♪ハジメマシテ〜〜〜ッ☆☆(*⌒ヮ⌒*)
私は27歳のOLしてるのぉ〜〜〜っ♪(#⌒〇⌒#)キャハ
うーんとー、私メル友がすっごくすっごく欲しくってー、\(⌒∇⌒)/
探してたら(◎_◎)なんとっ!☆彡(ノ^^)ノ☆彡ヘ(^^ヘ)☆彡(ノ^^)ノ☆彡素敵な掲示板♪を発見!!!!(^o^)//""" パチパチパチ
あやしい所とか…{{ (>_<;) }} ブルブルすごい数の掲示板がありますけど、これ全部1人の方が管理しているんですか?(@@;)すごすぎ …
てなわけで、ついつい書いちゃったのらー(o^v^o) エヘヘφ(`∇´)φカキコカキコ♪
メル友に、なってくれるよねっ。(*^-^*) お・ね・が・い♪(* ̄・ ̄)ちゅ♪ッ
え?くれないのぉ〜?(;¬_¬)そんなのいやいや〜〜、ガ━━━(゚ロ゚)━━━ン
なってくれなかったら、( `_)乂(_´ ) 勝負! \(^o^)/
☆○(゜ο゜)o ぱ〜んち、☆(゜o(○=(゜ο゜)o バコ〜ン!!( ゚▽゚)=◯)`ν゚)・;'パーンチ(>_<) いてっ!ダメ!! ゛o(≧◇≦*)oo(*≧◇≦)o″ダメ!!
(☆o☆)きゃ〜〜(@_@;)やられた〜〜(o_ _)o ドテッ ガ━━(゚Д゚;)━━ン!(+_+) 気絶中。。。。・゚゚・o(iДi)o・゚゚・。うぇぇん <(゜ロ゜;)>ノォオオオオオ!! ??゚□゚;ハウッ!
なあんて(#⌒▽⌒#)こんな私っ!σ(^_^)だけど、(///▽///)お友達になってm(_ _)mくださいませませ♪('-'*)フフ ドガ━━━Σ(ll◎д◎ll)━━━━━ン
ということで。(^-^)vじゃあね〜〜〜♪(⌒0⌒)/~~ ほんじゃo(゜▽゜ヽ)(/゜▽゜)o レッツゴー♪
それでは、今から他の掲示板も色々見てきまーすC= C= C= C=┌(^ .^)┘
(*^-^*)ノ~~マタネー☆'.・*.・:★'.・*.・:☆'.・*.・:★
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奥さん(日本人)はアメリカに留学に行って旦那さんと出会ったそうな。
日本に何度か行った事がある旦那さんと意気投合し、奥さんはよく大好きな夏目漱石について熱く語ったらしい。
ある日、何かのパーティーで遅くなり旦那さんに送ってもらっていると、旦那さんが急に立ち止まった。
どうしたのと見ると旦那さんはじっと夜空を見上げている。満月。
旦那さんは奥さんをじっと見つめカタコトの日本語で
『月が綺麗ですね』
と一言。
奥さんは
「私もそう思う」
と泣きながら応えた。
日本に何度か行った事がある旦那さんと意気投合し、奥さんはよく大好きな夏目漱石について熱く語ったらしい。
ある日、何かのパーティーで遅くなり旦那さんに送ってもらっていると、旦那さんが急に立ち止まった。
どうしたのと見ると旦那さんはじっと夜空を見上げている。満月。
旦那さんは奥さんをじっと見つめカタコトの日本語で
『月が綺麗ですね』
と一言。
奥さんは
「私もそう思う」
と泣きながら応えた。
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/_ノ ヽ\
/ ( ●) (●)、
/::::::::⌒(__人__)⌒\
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
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ある繁華街の夕暮れ時。
仕事帰りと見られる暗い表情のサラリーマンに一人の男が声をかけた。
男『貴方は、神を、信じますか?』
サラ『いや、信じられないね』
男『それはなぜですか?』
サラ『昔は信じていたさ。だが、もう今は…信じられない…俺は見捨てられたんだ!』
男『そんなことはありません。神はいつもあなたと共にあるのですよ』
サラ『そんな言葉、嘘に決まってる! かみなんか存在しない!』
男『そうですか。では、私が貴方に神を授けましょう。この聖なる壺を‥‥』
『偽りのかみなんてもうたくさんだ!!!』
そう吐き捨てると、サラリーマンは走り去って行った。
その後ろ姿は夕日を反射し、眩しく美しく輝いていた。
仕事帰りと見られる暗い表情のサラリーマンに一人の男が声をかけた。
男『貴方は、神を、信じますか?』
サラ『いや、信じられないね』
男『それはなぜですか?』
サラ『昔は信じていたさ。だが、もう今は…信じられない…俺は見捨てられたんだ!』
男『そんなことはありません。神はいつもあなたと共にあるのですよ』
サラ『そんな言葉、嘘に決まってる! かみなんか存在しない!』
男『そうですか。では、私が貴方に神を授けましょう。この聖なる壺を‥‥』
『偽りのかみなんてもうたくさんだ!!!』
そう吐き捨てると、サラリーマンは走り去って行った。
その後ろ姿は夕日を反射し、眩しく美しく輝いていた。
「最近の若いもんは苦労が足りん」
今は寝たきりになっているけど、元気だった頃のお婆ちゃんはそれが口癖だった。
夏祭りの夕方、屋台で金魚をすくった僕は庭がよく見える家の縁側で、倉庫にあった金魚鉢に金魚を移そうとしていた。
少し水を張った金魚鉢の中を覗くと、丸く赤い塊が浮かんでいる。不思議に思いよく見ると、赤い塊は周りの色をどんどん奪っていた…。
びっくりして怖くなったけど、既に身動きが取れなくなっていた。
気付けば金魚鉢の中の赤い塊は一匹の金魚に変わっていて、周りを見渡すと、金魚と僕以外はすっかり色のない、白黒の世界になっていた。
そこには二人の人がいる。一人は僕の隣にいて、ショートヘアで浴衣姿の女の人、もう一人は庭の手入れをしている男の人、二人とも色がなく、白黒の世界にいるようだった。
男の人は見たことがある。先日亡くなった、うちの使用人だった右田さんの若い頃にそっくりだ。お葬式の時の写真が若い頃のものだったのでよく覚えている。
右田さんは僕にとても優しくて大好きだった。パパにもとても親切だったけど、パパは右田さんが金目当てだとよく言っていた。
しばらくすると右田さんがこっちにきて、女の人の隣に座った。
…どこからか風鈴の音がする。二人の声は聞こえなかったけど、何か会話をしているようだった。
お腹に手を当てる女の人、驚いた顔をする右田さん、女の人の左手薬指には指輪……女の人の真剣な眼差し。
しばらく会話のあと、女の人は右田さんの肩に寄りかかった。
空には白黒の花火が上がっている。風鈴の音が強くなり、金魚はじっと僕を見つめている。
急にあたりは真っ白になり、目の前にさっきの女の人が立っていた。今度は色が見える。藍色の浴衣と赤い帯に少しだけ焼けた白い肌…。
急に女の人は僕を抱き締めた。夏のそっと焼けた肌の匂い。女の人の香り…体温。
ぽーっとしていた僕は、突然出てきた右田さんに頭を撫でられ、気付けば現実に戻っていた。
金魚鉢には金魚が二匹…その日、寝たきりだったお婆ちゃんは天国へ行った。
お爺ちゃんが死んだ時、全額お婆ちゃんに相続されていた遺産は、遺書によりある条件付きでパパに相続された。
今は寝たきりになっているけど、元気だった頃のお婆ちゃんはそれが口癖だった。
夏祭りの夕方、屋台で金魚をすくった僕は庭がよく見える家の縁側で、倉庫にあった金魚鉢に金魚を移そうとしていた。
少し水を張った金魚鉢の中を覗くと、丸く赤い塊が浮かんでいる。不思議に思いよく見ると、赤い塊は周りの色をどんどん奪っていた…。
びっくりして怖くなったけど、既に身動きが取れなくなっていた。
気付けば金魚鉢の中の赤い塊は一匹の金魚に変わっていて、周りを見渡すと、金魚と僕以外はすっかり色のない、白黒の世界になっていた。
そこには二人の人がいる。一人は僕の隣にいて、ショートヘアで浴衣姿の女の人、もう一人は庭の手入れをしている男の人、二人とも色がなく、白黒の世界にいるようだった。
男の人は見たことがある。先日亡くなった、うちの使用人だった右田さんの若い頃にそっくりだ。お葬式の時の写真が若い頃のものだったのでよく覚えている。
右田さんは僕にとても優しくて大好きだった。パパにもとても親切だったけど、パパは右田さんが金目当てだとよく言っていた。
しばらくすると右田さんがこっちにきて、女の人の隣に座った。
…どこからか風鈴の音がする。二人の声は聞こえなかったけど、何か会話をしているようだった。
お腹に手を当てる女の人、驚いた顔をする右田さん、女の人の左手薬指には指輪……女の人の真剣な眼差し。
しばらく会話のあと、女の人は右田さんの肩に寄りかかった。
空には白黒の花火が上がっている。風鈴の音が強くなり、金魚はじっと僕を見つめている。
急にあたりは真っ白になり、目の前にさっきの女の人が立っていた。今度は色が見える。藍色の浴衣と赤い帯に少しだけ焼けた白い肌…。
急に女の人は僕を抱き締めた。夏のそっと焼けた肌の匂い。女の人の香り…体温。
ぽーっとしていた僕は、突然出てきた右田さんに頭を撫でられ、気付けば現実に戻っていた。
金魚鉢には金魚が二匹…その日、寝たきりだったお婆ちゃんは天国へ行った。
お爺ちゃんが死んだ時、全額お婆ちゃんに相続されていた遺産は、遺書によりある条件付きでパパに相続された。
とある休日。ある家族が妻の実家に遊びに行くために田舎までのバスに乗っていた。
山のふもとあたりまできた時に、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、しかたなく途中のバス停で降りて近くの定食屋で食事をすることにした。
食事が終わり定食屋に設置されているテレビをふと見ると、さっきまで家族が乗っていたバスが落石事故で乗員全員死亡というニュースが流れていた。
そのニュースを見た妻は、「あぁ…、あのバスを降りなければよかった…」と呟いた。
それを聞いた夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ!」と妻を怒鳴った。
「だって、あなた…」
一瞬の沈黙――
「あぁ、なるほど。確かに降りなければよかった…」と、すぐに妻の意図に気づく。
何も知らず無邪気にはしゃぎ回る子供を横目に、夫婦はただ呆然とそのニュースを見続けていた。
山のふもとあたりまできた時に、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、しかたなく途中のバス停で降りて近くの定食屋で食事をすることにした。
食事が終わり定食屋に設置されているテレビをふと見ると、さっきまで家族が乗っていたバスが落石事故で乗員全員死亡というニュースが流れていた。
そのニュースを見た妻は、「あぁ…、あのバスを降りなければよかった…」と呟いた。
それを聞いた夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ!」と妻を怒鳴った。
「だって、あなた…」
一瞬の沈黙――
「あぁ、なるほど。確かに降りなければよかった…」と、すぐに妻の意図に気づく。
何も知らず無邪気にはしゃぎ回る子供を横目に、夫婦はただ呆然とそのニュースを見続けていた。
25 無名さん
23:無名さん
晒し同盟の意味を考えたらわかるもんでしょおバカなの?そんなに>>>9621-51たんの言葉が癪に障ったの?落ち着きなよ〜更年期なら命の母飲みな
6/2 14:34
命の母って知らなくてググったお
更年期は>>23たんだお…
晒し同盟の意味を考えたらわかるもんでしょおバカなの?そんなに>>>9621-51たんの言葉が癪に障ったの?落ち着きなよ〜更年期なら命の母飲みな
6/2 14:34
命の母って知らなくてググったお
更年期は>>23たんだお…
コピペするってよっぽどあのレスが癪に障ったの?命の母なんてテレビにでもしょっちゅう出てたのにテレビ見ないの?ここでガブガブたんが出てくる度に「どうしたの更年期なの?命の母いる?」って出てきたフレーズなのに…
天上界に住んでいる。所謂、人間から天使と呼ばれている者だ。
近頃、昼となく夜となく私の頭から離れない、ひとつの疑問があった。それは尊ぶべき我らが天主…神の事だ。
我らはあらゆる階級に分けられ、与えられた役割を担う。私も永い時を経て上級の位に就いたが、まだ一度も神にお目にかかっていないのだ。
神は常に神殿の奥深い広間に鎮座していると云う。そこから退室する事もなく、お声を掛けて下さる事もない。神は多忙だ。簡単にお目通りの叶う御方ではないと、決まって皆が口を揃えて言う。
そして私同様、神を拝顔した者はいないのだ。大天使長ですら例外ではない。にも関わらず私以外に、誰ひとり疑念を抱く者がいないのが、寧ろ不思議でならない。
そんな考えに及ぶのは暇だからだ。もっと仕事に身を入れるといいと仲間は言う。仕事ならばしているし、そうだ問題はその仕事だ! 我らは月一に定例会議を開き、地上について話し合い下級の者に采配を振る。だが我らだけの独断で決めていいのか? 一体、神の存在意義はどこにあるというのだろう? それこそ神の指示を仰ぐべきではないのか?
“では神は何をしているのだろう?”
尤もらしく、我ら以上の大いなる奇跡を地上に向けて与えているのだと云う者もいるが、果たしてそうだろうか?
実際、私は何度も神との会見を試みようと、広間の扉の前に立ち呼び掛け、無謀にも力ずくで扉を開こうとした。無論、無駄な努力で終った。そうして私は更に疑問を深めた。この中に神はいないのではと…何故ならば私は今まで何度も神に対し、挑発的な言葉を発したが決して罰せられる事がなかったからだ。
真実を知りたい!
私は今日こそ何としてでもあの扉を開いて、どんな罰を受けようとも神の姿を一目見ようと決心した。
何度も触れたこの扉…。私が掌を押し当てると力を込めてもいないのに、まるで導かれるように外側に開いていった。その上私の背後から後光が射し、扉の向こう側を照らしていた。その光景を見て確信する。やはり此処に神はいなかった。
私の目の前には、見るからに質素で善良そうな大勢の老若男女が屈んだ姿勢で私を見上げていた。彼らは一斉に叫んだ。
「神よ!」
近頃、昼となく夜となく私の頭から離れない、ひとつの疑問があった。それは尊ぶべき我らが天主…神の事だ。
我らはあらゆる階級に分けられ、与えられた役割を担う。私も永い時を経て上級の位に就いたが、まだ一度も神にお目にかかっていないのだ。
神は常に神殿の奥深い広間に鎮座していると云う。そこから退室する事もなく、お声を掛けて下さる事もない。神は多忙だ。簡単にお目通りの叶う御方ではないと、決まって皆が口を揃えて言う。
そして私同様、神を拝顔した者はいないのだ。大天使長ですら例外ではない。にも関わらず私以外に、誰ひとり疑念を抱く者がいないのが、寧ろ不思議でならない。
そんな考えに及ぶのは暇だからだ。もっと仕事に身を入れるといいと仲間は言う。仕事ならばしているし、そうだ問題はその仕事だ! 我らは月一に定例会議を開き、地上について話し合い下級の者に采配を振る。だが我らだけの独断で決めていいのか? 一体、神の存在意義はどこにあるというのだろう? それこそ神の指示を仰ぐべきではないのか?
“では神は何をしているのだろう?”
尤もらしく、我ら以上の大いなる奇跡を地上に向けて与えているのだと云う者もいるが、果たしてそうだろうか?
実際、私は何度も神との会見を試みようと、広間の扉の前に立ち呼び掛け、無謀にも力ずくで扉を開こうとした。無論、無駄な努力で終った。そうして私は更に疑問を深めた。この中に神はいないのではと…何故ならば私は今まで何度も神に対し、挑発的な言葉を発したが決して罰せられる事がなかったからだ。
真実を知りたい!
私は今日こそ何としてでもあの扉を開いて、どんな罰を受けようとも神の姿を一目見ようと決心した。
何度も触れたこの扉…。私が掌を押し当てると力を込めてもいないのに、まるで導かれるように外側に開いていった。その上私の背後から後光が射し、扉の向こう側を照らしていた。その光景を見て確信する。やはり此処に神はいなかった。
私の目の前には、見るからに質素で善良そうな大勢の老若男女が屈んだ姿勢で私を見上げていた。彼らは一斉に叫んだ。
「神よ!」
美人だった彼女には沢山の男が寄ってきた。彼女と付き合う人は決まって三日も持たない。
彼女の部屋には果実が綺麗に整頓され飾ってあった。
瓶詰めされているきれいな白く丸い果実。その小さく透き通るような青、茶、黒が堪らないと彼女は言う。
それは彼女が数十年かけて刈ってきた果物のコレクション。
そのきれいな果実を見た者は次々と失踪した。
皮や殻は汚いので埋めてしまう。
さて今日も誰の果実を刈ろうか。
彼女の部屋には果実が綺麗に整頓され飾ってあった。
瓶詰めされているきれいな白く丸い果実。その小さく透き通るような青、茶、黒が堪らないと彼女は言う。
それは彼女が数十年かけて刈ってきた果物のコレクション。
そのきれいな果実を見た者は次々と失踪した。
皮や殻は汚いので埋めてしまう。
さて今日も誰の果実を刈ろうか。
私は長年解体屋として働いてる者です。
先日、ちょっとニヤッとする物を見つけましてな。
とある家の解体してる時の事、床下から一冊のノートが。見てみると『よげんにっき 1985年10月』と汚い字で書かれていた。
どうやら、ここの家の子供…といっても、もう成人しているだろう方の小さい頃の遊びノートだろう。
中身を読んでみると、まぁ可愛らしい『よげん』が幾つも書いてある。
『へいせい25年ふじさんふんか』『へいせい30年ちきゅう大ばくはつ』など、子供が考えそうなのばっかりだ。
あぁ、でも一つだけ惜しいのがあって『へいせい24年ぼくんちはなくなってビルがたつ』と書かれていた。
惜しかったなぁ僕君! 君の家がなくなるのは平成21年だったよ。
先日、ちょっとニヤッとする物を見つけましてな。
とある家の解体してる時の事、床下から一冊のノートが。見てみると『よげんにっき 1985年10月』と汚い字で書かれていた。
どうやら、ここの家の子供…といっても、もう成人しているだろう方の小さい頃の遊びノートだろう。
中身を読んでみると、まぁ可愛らしい『よげん』が幾つも書いてある。
『へいせい25年ふじさんふんか』『へいせい30年ちきゅう大ばくはつ』など、子供が考えそうなのばっかりだ。
あぁ、でも一つだけ惜しいのがあって『へいせい24年ぼくんちはなくなってビルがたつ』と書かれていた。
惜しかったなぁ僕君! 君の家がなくなるのは平成21年だったよ。
合コンのあとに貰ったメール
世話好きで一緒に
居て楽しいよ
理屈っぽくなくて
的を射てるし、
二次会でもそつ
無く幹事をしてて
理知的だったよ
ではでは
素敵な合コンありがとう
…泣いても良いですか…?
世話好きで一緒に
居て楽しいよ
理屈っぽくなくて
的を射てるし、
二次会でもそつ
無く幹事をしてて
理知的だったよ
ではでは
素敵な合コンありがとう
…泣いても良いですか…?
群雄割拠の時代だった。
100年に一人の天才高校生が数十人以上現れ、互いに競い高め合ったその世代は、『ザ・ゴールデンジェネレーション(G・G)』と呼ばれた。
架空のスポーツ、サ野スケットボール(以下サノスケ)の話である。
サノスケ全国大会。天才達の熾烈を極める激闘。激戦を制し優勝したのは、黄金高校。
そして春が近づき、G・G達も、卒業の季節を迎える。
――黄金高校・部室
群馬源太郎「吟二、卒業したらどうするんでゲス? 大学に行ってもサノスケをやるのでゲス?」
豪田吟二「ああ、彩治薬大学に行こうと思う! そこでサノスケをやる!」
群馬源太郎「!! あそこはサノスケ最弱の大学でゲスぞ! 君なら災凶大学だって狙えるでゲスに。あそこはサノスケ最強でゲスゲラよ」
豪田吟二「恐らく他のG・Gたちは災凶に行く。そして史上最大最強の災凶になるだろう! ヘヘッ、その災凶を、一から始めてブッ倒してみたいんだ!」
群馬源太郎「そうでゲスか、君の無茶は今に始まったことじゃねぇでゲス。ゲスなら、君の夢、俺も付き合うでゲスベリマッチョ!!」
豪田吟二「ヘヘッ、すまねぇな、源!」
しかし考えることは皆同じで、G・G全員が災凶を倒すため採治薬大学に集結、まさに大学オールスター。戦わずして最強が決まる。一方災凶大学には全く人材が集まらず、並の実力に。
目標を失ったG・G達は勉学に励み、一流企業に就職。家族を作り幸せに暮らしましたとさ。
100年に一人の天才高校生が数十人以上現れ、互いに競い高め合ったその世代は、『ザ・ゴールデンジェネレーション(G・G)』と呼ばれた。
架空のスポーツ、サ野スケットボール(以下サノスケ)の話である。
サノスケ全国大会。天才達の熾烈を極める激闘。激戦を制し優勝したのは、黄金高校。
そして春が近づき、G・G達も、卒業の季節を迎える。
――黄金高校・部室
群馬源太郎「吟二、卒業したらどうするんでゲス? 大学に行ってもサノスケをやるのでゲス?」
豪田吟二「ああ、彩治薬大学に行こうと思う! そこでサノスケをやる!」
群馬源太郎「!! あそこはサノスケ最弱の大学でゲスぞ! 君なら災凶大学だって狙えるでゲスに。あそこはサノスケ最強でゲスゲラよ」
豪田吟二「恐らく他のG・Gたちは災凶に行く。そして史上最大最強の災凶になるだろう! ヘヘッ、その災凶を、一から始めてブッ倒してみたいんだ!」
群馬源太郎「そうでゲスか、君の無茶は今に始まったことじゃねぇでゲス。ゲスなら、君の夢、俺も付き合うでゲスベリマッチョ!!」
豪田吟二「ヘヘッ、すまねぇな、源!」
しかし考えることは皆同じで、G・G全員が災凶を倒すため採治薬大学に集結、まさに大学オールスター。戦わずして最強が決まる。一方災凶大学には全く人材が集まらず、並の実力に。
目標を失ったG・G達は勉学に励み、一流企業に就職。家族を作り幸せに暮らしましたとさ。
呼び出され、友人の家に向かうと、友人はニヤニヤしながら俺を出迎えた。そして人気のない空き地に連れだし、
「俺な、必殺技、撃てるようになったんだよ」
友人が言う。
なんだそれ、と口を開きかけた俺を制し、友人は両手を開き、手首をくっつけ(ちょうど手錠を嵌められたような形)、それを腰の辺りで構えると、ハァ〜と気合いを入れた。
すると友人の手の平の中で光の玉が輝き、次の瞬間、両手を前方に押し出した。
「ヤナハラアマカナハァ〜〜〜!!!」
閃光が煌めき、手の平から光線が発射された。放たれた先、遥かかなたで爆発音が轟いた。
「なっ、カッチョイイだろ!?」
「……あ、ああ。しかし撃つ時のヤナなんとかってのは一体……?」
「ヤナハラアマカナハ。それ言わないと必殺技が制御できないんだ。どういうわけか」
「必殺技の名前じゃなかったのか?」
「……うん」
「どっちにしろカッコワルいな……」
「……」
それから数日して、友人が焼死体で見つかった。
俺は、きっとヤナなんとかを噛んだんだな、と思った。
「俺な、必殺技、撃てるようになったんだよ」
友人が言う。
なんだそれ、と口を開きかけた俺を制し、友人は両手を開き、手首をくっつけ(ちょうど手錠を嵌められたような形)、それを腰の辺りで構えると、ハァ〜と気合いを入れた。
すると友人の手の平の中で光の玉が輝き、次の瞬間、両手を前方に押し出した。
「ヤナハラアマカナハァ〜〜〜!!!」
閃光が煌めき、手の平から光線が発射された。放たれた先、遥かかなたで爆発音が轟いた。
「なっ、カッチョイイだろ!?」
「……あ、ああ。しかし撃つ時のヤナなんとかってのは一体……?」
「ヤナハラアマカナハ。それ言わないと必殺技が制御できないんだ。どういうわけか」
「必殺技の名前じゃなかったのか?」
「……うん」
「どっちにしろカッコワルいな……」
「……」
それから数日して、友人が焼死体で見つかった。
俺は、きっとヤナなんとかを噛んだんだな、と思った。
長かった。長い間の眠りから我々は解き放たれた。愛用してきた鎧を脱ぎ捨て、塔をのぼり空へと近付く。
これからは自由。そう、自由だ。眩しすぎるくらいの日光を浴び我々は好きに生きよう。
まず、話すことができる幸福を知った。ある者はひたすら泣きわめき、ある者は上手くもないのに歌い続ける。もはやそれらは雑音と化していた。
そして本能からかやはり異性を求めてしまう。たしかに我々の最終目的は子孫をのこすことである。女を探し、自らをアピールしなければならない。男達はさらにうるさくなるのだった。
しかし…自由とはいえ、いまだに周りには敵だらけである。油断をすれば、死亡したり、または捕縛されてしまう。危うくなれば失禁すらしてしまうだろう。
やがて、私と共に目覚めた者達は次々といなくなっていった。相変わらず空は眩しく、澄み渡っている。
私もいずれは死んでしまうだろう。そう…まるで眠るように。
そして、覚醒後の何日目かを迎えた。子ども達の笑い声…照り付ける太陽…流れゆく白い雲…。平凡だと信じた日常の中で、私は終わりを感じている。
世界は残酷だ。全て忘れて眠ろう。あの時のように。しかし、今度は永久の眠りに。
これからは自由。そう、自由だ。眩しすぎるくらいの日光を浴び我々は好きに生きよう。
まず、話すことができる幸福を知った。ある者はひたすら泣きわめき、ある者は上手くもないのに歌い続ける。もはやそれらは雑音と化していた。
そして本能からかやはり異性を求めてしまう。たしかに我々の最終目的は子孫をのこすことである。女を探し、自らをアピールしなければならない。男達はさらにうるさくなるのだった。
しかし…自由とはいえ、いまだに周りには敵だらけである。油断をすれば、死亡したり、または捕縛されてしまう。危うくなれば失禁すらしてしまうだろう。
やがて、私と共に目覚めた者達は次々といなくなっていった。相変わらず空は眩しく、澄み渡っている。
私もいずれは死んでしまうだろう。そう…まるで眠るように。
そして、覚醒後の何日目かを迎えた。子ども達の笑い声…照り付ける太陽…流れゆく白い雲…。平凡だと信じた日常の中で、私は終わりを感じている。
世界は残酷だ。全て忘れて眠ろう。あの時のように。しかし、今度は永久の眠りに。
年の離れた弟ってうざくない? 可愛いじゃないかって? あんたは子供好きで、保育士志望だからそう思うのよ。それに一人っ子なんだもん。
いいよね〜両親は弟にばかり甘くて冷たくすると怒るし、つきまとわれてうざいし…ん? その雑多な環境がいいって? 羨ましいって? 冗談じゃないわ。
この間のテストの点が悪かったのも、勉強中に部屋で騒がれたからよ? 遊んで遊んでってうるさかったからよ。なのに親からは、集中力が足りないからだとか言われるし、横で泣きわめかれてどう集中しろって言うの? 本当にうざい!
あんまり頭にきたからこの前ちょっと脅かしてやったの。お姉ちゃん困らせてばかりいるとバリーが来るって。バリーって何かって? 何か〜あっちではいじめっ子とかじゃなかったっけ? あいつ単純で怖がりだから“うそだよね?”って怯えちゃってさ。私嘘じゃない! って、大きな声であいつの頭をつかんで窓の方に向けると目隠しして言ったの。
たっぷりとどんなに恐ろしい姿や声をしているか吹き込んだ後“ほら、この手を離したら窓の外にバリーがいるのが見えるよ〜?”って言うと“やめて! やめてよお姉ちゃん!”ってべそをかくの。本気にしてるんだもん。おかしくって、しょせん子供よね。
必死で私が手を離そうとすると、小さな手で押さえ込もうとするのよ。もちろん無理に引きはがしてやったわ。その時のあいつの本気で怯えた叫び声ったらなかったわ。大笑いよ。すっきりした。
薬が効いたみたい。あれ以来おとなしくなって、私の部屋に入り浸らなくなったわ。そういえば変なの。あいつ自分の部屋のカーテン開けようとしないの。それ以外の部屋では窓に背中を向けてるし他に人がいないと入って来ないの。
ベランダから呼んだ時も知らんぷりするから、手を引っ張ってこっちを向かせたら、顔中目玉にして凍りついたみたいになっちゃって震えた声で“お姉ちゃん、お姉ちゃん…”とかブツブツ言って動かなかったのよね。
えっ? ちゃんと嘘だって冗談だったって言ってあげたかって? 言わないわよ。何でわざわざ。幼いほど純真だってわかってるのかって? 何よ、いきなり? 子供には、はっきり口で言って聞かせてあげなきゃだめ? だから何よ? わっかんないんだけど?
「いいから終わらせてあげて!!」
いいよね〜両親は弟にばかり甘くて冷たくすると怒るし、つきまとわれてうざいし…ん? その雑多な環境がいいって? 羨ましいって? 冗談じゃないわ。
この間のテストの点が悪かったのも、勉強中に部屋で騒がれたからよ? 遊んで遊んでってうるさかったからよ。なのに親からは、集中力が足りないからだとか言われるし、横で泣きわめかれてどう集中しろって言うの? 本当にうざい!
あんまり頭にきたからこの前ちょっと脅かしてやったの。お姉ちゃん困らせてばかりいるとバリーが来るって。バリーって何かって? 何か〜あっちではいじめっ子とかじゃなかったっけ? あいつ単純で怖がりだから“うそだよね?”って怯えちゃってさ。私嘘じゃない! って、大きな声であいつの頭をつかんで窓の方に向けると目隠しして言ったの。
たっぷりとどんなに恐ろしい姿や声をしているか吹き込んだ後“ほら、この手を離したら窓の外にバリーがいるのが見えるよ〜?”って言うと“やめて! やめてよお姉ちゃん!”ってべそをかくの。本気にしてるんだもん。おかしくって、しょせん子供よね。
必死で私が手を離そうとすると、小さな手で押さえ込もうとするのよ。もちろん無理に引きはがしてやったわ。その時のあいつの本気で怯えた叫び声ったらなかったわ。大笑いよ。すっきりした。
薬が効いたみたい。あれ以来おとなしくなって、私の部屋に入り浸らなくなったわ。そういえば変なの。あいつ自分の部屋のカーテン開けようとしないの。それ以外の部屋では窓に背中を向けてるし他に人がいないと入って来ないの。
ベランダから呼んだ時も知らんぷりするから、手を引っ張ってこっちを向かせたら、顔中目玉にして凍りついたみたいになっちゃって震えた声で“お姉ちゃん、お姉ちゃん…”とかブツブツ言って動かなかったのよね。
えっ? ちゃんと嘘だって冗談だったって言ってあげたかって? 言わないわよ。何でわざわざ。幼いほど純真だってわかってるのかって? 何よ、いきなり? 子供には、はっきり口で言って聞かせてあげなきゃだめ? だから何よ? わっかんないんだけど?
「いいから終わらせてあげて!!」
幼なじみのメール
いい加減にしてよ!
さむいギャグとか
ダサイ服装とか…
クシぐらい入れなさい
手間かけさせないでよ!
つまらないのはいいけど
あたしまで巻き込むな!
気分が悪いわよ…
ついでだから言うけど
素足で靴履くな!
できるだけ靴下はいて!
きたないったらないわ
すぐに直しなさいよ!?
幼なじみだからって母親気取りかよ…
昨日も合コンに入れてやったのにこの言いよう…。
さて、今夜も合コンだ!
いい加減にしてよ!
さむいギャグとか
ダサイ服装とか…
クシぐらい入れなさい
手間かけさせないでよ!
つまらないのはいいけど
あたしまで巻き込むな!
気分が悪いわよ…
ついでだから言うけど
素足で靴履くな!
できるだけ靴下はいて!
きたないったらないわ
すぐに直しなさいよ!?
幼なじみだからって母親気取りかよ…
昨日も合コンに入れてやったのにこの言いよう…。
さて、今夜も合コンだ!
世界征服を目論む悪の組織「ツョッカー」にいる怪人Aはある悩みを抱えていた。
怪人A「なぁ、俺達は世界征服してその後は何をするんだろう?」
怪人B「何ってあれだよ、税金を上げたり、職員を解雇したり、労働基準法を廃止したり…」
怪人A「それなら別に俺達がこんな姿である必要なくね? 政治家に任せればよくね?」
怪人B「そうだなぁ…よし、将軍殿に聞いてみよう」
怪人A,Bは、将軍に尋ねた。
将軍「何っ? 世界征服した後? それはだな、えっと、世界征服はノリで言ったっつーか、なんか響きがカッコいいってゆーか…」
怪人A,Bから冷たい視線を感じる…
将軍「えーゴホン、世界征服した後は人々を逆立ちで歩かせ、男は目隠し、女はスカート以外を履いてはいかん法律を作る! どうじゃ、まさに地獄絵図!」
…いいなソレ。
その後、そもそも怪人数十人位の規模で、どうやって世界征服するんだと思った怪人A,Bはツョッカーと袂を分かち、政治活動に力を注いだ
怪人A「なぁ、俺達は世界征服してその後は何をするんだろう?」
怪人B「何ってあれだよ、税金を上げたり、職員を解雇したり、労働基準法を廃止したり…」
怪人A「それなら別に俺達がこんな姿である必要なくね? 政治家に任せればよくね?」
怪人B「そうだなぁ…よし、将軍殿に聞いてみよう」
怪人A,Bは、将軍に尋ねた。
将軍「何っ? 世界征服した後? それはだな、えっと、世界征服はノリで言ったっつーか、なんか響きがカッコいいってゆーか…」
怪人A,Bから冷たい視線を感じる…
将軍「えーゴホン、世界征服した後は人々を逆立ちで歩かせ、男は目隠し、女はスカート以外を履いてはいかん法律を作る! どうじゃ、まさに地獄絵図!」
…いいなソレ。
その後、そもそも怪人数十人位の規模で、どうやって世界征服するんだと思った怪人A,Bはツョッカーと袂を分かち、政治活動に力を注いだ
私は科学者。花の品種改良を研究のテーマとし、私の研究室では今日も多くの研究員が骨身を削り研究に力を注いでくれている。
そのお陰で研究はとても順調に進んでいる。彼らの力無しでは、この研究は成り立たなかっただろう。
研究テーマは
「桜に何を与えれば紅色の花弁になるか」。
研究室の庭に聳える立派な桜の樹。
研究員達の白い顔に降る花弁は血のように赤かった
そのお陰で研究はとても順調に進んでいる。彼らの力無しでは、この研究は成り立たなかっただろう。
研究テーマは
「桜に何を与えれば紅色の花弁になるか」。
研究室の庭に聳える立派な桜の樹。
研究員達の白い顔に降る花弁は血のように赤かった
俺には妻がいる。子どもはいない。というか、できなかった。
妻は自分のせいだと泣いた。俺は彼女と恋人だった頃から、子どもがいる家庭を夢見ていた。でも、妻を責めることはできなかった。
その代償なのか、愛は急速に冷めていった。いつからか俺は下ばかり見て歩くようになっていた。未来から目を背けるように。
家に帰っても最低限の会話しかない。二人きりの生活で、これほど気まずいことはない。離婚すら考えた。
だがある日、神様と名乗る男に出会った。そんな話普段なら信じられないが、酒が入っていた俺は話をしてみることにした。
奴は聴き上手だった。俺は妻のこと、不妊のこと、ギクシャクしていることなど、すべてを話していた。何だか心がスッとした。奴は「前だけ見なさい」と呟き微笑んだ。まるで夢を見ているような感覚の中、気がついたら奴はいなくなっていた。
その晩、俺は帰った後、妻と朝が来るまで話をした。初めて出会った時のこと、ある日俺が告白したこと、何もかもが楽しかった日々。二人でも幸せだったじゃないか。俺達は涙が止まらなくなっていた。
それから俺はまた前を向いて歩いている。以前よりも転倒しそうになることは増えたが、そんなの気にしない。
これこそが彼女を愛する証にもなるのだから。
ありがとう、神様。
妻は自分のせいだと泣いた。俺は彼女と恋人だった頃から、子どもがいる家庭を夢見ていた。でも、妻を責めることはできなかった。
その代償なのか、愛は急速に冷めていった。いつからか俺は下ばかり見て歩くようになっていた。未来から目を背けるように。
家に帰っても最低限の会話しかない。二人きりの生活で、これほど気まずいことはない。離婚すら考えた。
だがある日、神様と名乗る男に出会った。そんな話普段なら信じられないが、酒が入っていた俺は話をしてみることにした。
奴は聴き上手だった。俺は妻のこと、不妊のこと、ギクシャクしていることなど、すべてを話していた。何だか心がスッとした。奴は「前だけ見なさい」と呟き微笑んだ。まるで夢を見ているような感覚の中、気がついたら奴はいなくなっていた。
その晩、俺は帰った後、妻と朝が来るまで話をした。初めて出会った時のこと、ある日俺が告白したこと、何もかもが楽しかった日々。二人でも幸せだったじゃないか。俺達は涙が止まらなくなっていた。
それから俺はまた前を向いて歩いている。以前よりも転倒しそうになることは増えたが、そんなの気にしない。
これこそが彼女を愛する証にもなるのだから。
ありがとう、神様。
彼女の親友達でも彼女の味方はしない。顔をしかめて言う。
「ひどい人ね!」
私の気の合う友人達も家に遊びに来たいとは言わない。誘っても断られる。
「雰囲気がね…」
そして誰もが口を揃えて言う。
「本当に悪妻だよね」
私の家庭は楽しくない。君はいつも不満の種を探して私を詰る。外出先でも何に腹立ち傷つくのか、ヒステリックに怒鳴り公衆の面前で遠慮無しに、その魅力的な脚で私の向こう脛を蹴る。何度人前で平手打ちをくらったか…。家の中ではギャラリーがいない分攻撃に拍車が掛かる。
君は言う。気が利かないし女心もわかってないし行動もスマートじゃないし、あなたなんか最低−! だと。そんな私にも取り柄はあるらしい。君のわがままを許し一生付き合っていく事。
言いたいだけ言いすっかり疲れきった君は、ソファーの中で私に寄り添い眠る。私は君のお守りだと云う。
私に安らぎがあるのかって? 君が罵倒するのは私一人だけだ。そして君はいつだって悪口を言われる側だ。だから安心して一緒にいられるんだ。
「ひどい人ね!」
私の気の合う友人達も家に遊びに来たいとは言わない。誘っても断られる。
「雰囲気がね…」
そして誰もが口を揃えて言う。
「本当に悪妻だよね」
私の家庭は楽しくない。君はいつも不満の種を探して私を詰る。外出先でも何に腹立ち傷つくのか、ヒステリックに怒鳴り公衆の面前で遠慮無しに、その魅力的な脚で私の向こう脛を蹴る。何度人前で平手打ちをくらったか…。家の中ではギャラリーがいない分攻撃に拍車が掛かる。
君は言う。気が利かないし女心もわかってないし行動もスマートじゃないし、あなたなんか最低−! だと。そんな私にも取り柄はあるらしい。君のわがままを許し一生付き合っていく事。
言いたいだけ言いすっかり疲れきった君は、ソファーの中で私に寄り添い眠る。私は君のお守りだと云う。
私に安らぎがあるのかって? 君が罵倒するのは私一人だけだ。そして君はいつだって悪口を言われる側だ。だから安心して一緒にいられるんだ。
「皆様、こんにちは。リポーターの佐野です。今日はかの有名な名門学校へ来ています。若者の様々な問題や事件、学力の低下が見られる中で此方では最先端の思考に基づく生徒指導を実践し、ほぼ100%の卒業生を有名進学校へと送り出しています。と、いう事で本日は此処での指導の様子を伺っていきたいと思います! あ、その指導を考え出し実行してきたご本人の久米さんですね。今日は宜しくお願いします」
「ようこそ。此処の校長をさせて頂いています久米です。では早速校内を案内しましょう」
「天井が高く清々しい校内ですね…おや、此処に張られているのは試験の結果…順位表ですか。この80点より上と下で色が違いますね。80点以下は赤字ですがこれは…」
「赤字の生徒は脱落者ですね。ほら、あそこの窓の外に大きな焼却炉があるのが見えますか? 脱落者に関してはあそこで処分される事になっていますから」
「成る程。いや、しかし赤字がこれだけ少ないとはお見事」
「ハハハ…うちの生徒は皆勉強熱心だからね…ほら、煙が上がってきた」
「ああ本当だ。しかし素晴らしい教育ですね。此処には生徒を本気にさせる教育方針が根を張っていらっしゃる。是非他でも実践していって欲しいものですね」
「私達は生徒と本気で向き合う事を一番と考えています。そうすると自然と生徒達も本気を出してくれるのです」
「成る程。正に目から鱗。これこそ日本教育の正しい姿です! さて、では一度CMです。 その後は学年トップの生徒さんのお話と、脱落者生徒さんの処分の様子を特別生中継です。お見逃しなく!」
「ようこそ。此処の校長をさせて頂いています久米です。では早速校内を案内しましょう」
「天井が高く清々しい校内ですね…おや、此処に張られているのは試験の結果…順位表ですか。この80点より上と下で色が違いますね。80点以下は赤字ですがこれは…」
「赤字の生徒は脱落者ですね。ほら、あそこの窓の外に大きな焼却炉があるのが見えますか? 脱落者に関してはあそこで処分される事になっていますから」
「成る程。いや、しかし赤字がこれだけ少ないとはお見事」
「ハハハ…うちの生徒は皆勉強熱心だからね…ほら、煙が上がってきた」
「ああ本当だ。しかし素晴らしい教育ですね。此処には生徒を本気にさせる教育方針が根を張っていらっしゃる。是非他でも実践していって欲しいものですね」
「私達は生徒と本気で向き合う事を一番と考えています。そうすると自然と生徒達も本気を出してくれるのです」
「成る程。正に目から鱗。これこそ日本教育の正しい姿です! さて、では一度CMです。 その後は学年トップの生徒さんのお話と、脱落者生徒さんの処分の様子を特別生中継です。お見逃しなく!」
ある発明家が転送装置を発明したと聞き付け、私は沸き上がる興奮を押さえ切れず彼に会いに行った。
「あの噂は本当かね」
「………はい」
「もしそうなら私に売ってくれ」
彼は嫌な顔をしてかたくなに拒んだ。恐らく、技術を盗まれるのが嫌なのだろう。
私は彼の前に大金を積み上げたが、やはり首を縦には振らない。もしやと思って聞いてみた。
「まさか何か欠陥があるんじゃないか?」
「………実はそうなんです。人体に危害はないのですが」
「だったら一度使わせてくれないか?」
彼は渋っていたが、使用料として破格の値段を提示すると心が揺らいだようだった。
「頼むよ。何が起きても自己責任にするし、君を訴えたりしないから」
「………わかりました」
彼は私を銀色の装置の前に連れてきた。装置の前には一メートル四方の板が置かれてある。
此処に物を載せて、機械のパネルで転送先を入力してボタンを押せば転送出来るとのことだった。
私は自らそこに乗ると、自宅の住所を打ち込んでボタンを押した。
だが何も起こらない。パネルには転送完了の文字が光っている。私は何回もボタンを押したが、やはり何も起きなかった。
酷い欠陥品だ。まさか失敗作とは。道理で売らなかったわけだ。
私は腹を立てて発明家を呼んだ。
彼は困ったような顔をして私に言った。
「実はこの機械はファックスの原理を利用してまして………」
「あの噂は本当かね」
「………はい」
「もしそうなら私に売ってくれ」
彼は嫌な顔をしてかたくなに拒んだ。恐らく、技術を盗まれるのが嫌なのだろう。
私は彼の前に大金を積み上げたが、やはり首を縦には振らない。もしやと思って聞いてみた。
「まさか何か欠陥があるんじゃないか?」
「………実はそうなんです。人体に危害はないのですが」
「だったら一度使わせてくれないか?」
彼は渋っていたが、使用料として破格の値段を提示すると心が揺らいだようだった。
「頼むよ。何が起きても自己責任にするし、君を訴えたりしないから」
「………わかりました」
彼は私を銀色の装置の前に連れてきた。装置の前には一メートル四方の板が置かれてある。
此処に物を載せて、機械のパネルで転送先を入力してボタンを押せば転送出来るとのことだった。
私は自らそこに乗ると、自宅の住所を打ち込んでボタンを押した。
だが何も起こらない。パネルには転送完了の文字が光っている。私は何回もボタンを押したが、やはり何も起きなかった。
酷い欠陥品だ。まさか失敗作とは。道理で売らなかったわけだ。
私は腹を立てて発明家を呼んだ。
彼は困ったような顔をして私に言った。
「実はこの機械はファックスの原理を利用してまして………」
俺は世間で言うところの完璧主義者だ。
とは言っても初めからそうだったわけではない。普通に生活をしていた。ただ少しずつ変わっていった。
まず外の世界に嫌気がさし完璧主義者の俺は外に出なくなり家で生活するようになった。
今度は外から聞こえてくる雑音にイライラするようになり完璧主義者の俺は家中を防音にした。
今度は窓から入ってくる日の光にイライラするようになった完璧主義者の俺は家中の窓を外し家中を壁だけにした。
今度は家具にイライラするようになった完璧主義者の俺は全てを捨てた。
今度は鏡に写った俺にイライラするようになった完璧主義者の俺は…。
とは言っても初めからそうだったわけではない。普通に生活をしていた。ただ少しずつ変わっていった。
まず外の世界に嫌気がさし完璧主義者の俺は外に出なくなり家で生活するようになった。
今度は外から聞こえてくる雑音にイライラするようになり完璧主義者の俺は家中を防音にした。
今度は窓から入ってくる日の光にイライラするようになった完璧主義者の俺は家中の窓を外し家中を壁だけにした。
今度は家具にイライラするようになった完璧主義者の俺は全てを捨てた。
今度は鏡に写った俺にイライラするようになった完璧主義者の俺は…。
※女性から見た男のダメ姿ランキング トップ10
1位.飲食店などで、店員に偉そうにする(態度がでかい)
2位.割り勘で10円台まできっちり請求してくる
3位.蛾やゴキブリが出現したときに大騒ぎする
4位.食後に爪楊枝で思いっきり歯の掃除をする
5位.オフィスの机の上がフィギュアだらけ
6位.下着代わりの柄モノTシャツが、ワイシャツの下から透けている
7位.車の駐車が下手
8位.職場ではスーツ姿が決まっているのに、私服がイマイチ
9位.電車の中で携帯ゲームに夢中になっている
10位.おしぼりで顔を拭く
1位.飲食店などで、店員に偉そうにする(態度がでかい)
2位.割り勘で10円台まできっちり請求してくる
3位.蛾やゴキブリが出現したときに大騒ぎする
4位.食後に爪楊枝で思いっきり歯の掃除をする
5位.オフィスの机の上がフィギュアだらけ
6位.下着代わりの柄モノTシャツが、ワイシャツの下から透けている
7位.車の駐車が下手
8位.職場ではスーツ姿が決まっているのに、私服がイマイチ
9位.電車の中で携帯ゲームに夢中になっている
10位.おしぼりで顔を拭く
※ワイシャツの下から大騒ぎするランキング トップ10
1位.職場で、フィギュアに偉そうにする(携帯ゲームがでかい)
2位.下着代わりの10円、Tシャツがおしぼり
3位.電車の中で蛾やゴキブリが柄モノスーツ姿が決まっているのに
4位.歯で思いっきり車の掃除をするが下手
5位.オフィスが職場で机の上が台
6位.代わりの店員がきっちりTシャツ、態度が透けている
7位.車の駐車車の車の駐車が電車
8位.フィギュアの態度がイマイチ
9位.職場では下着に夢中になっている
10位.ゴキブリで顔を拭く
1位.職場で、フィギュアに偉そうにする(携帯ゲームがでかい)
2位.下着代わりの10円、Tシャツがおしぼり
3位.電車の中で蛾やゴキブリが柄モノスーツ姿が決まっているのに
4位.歯で思いっきり車の掃除をするが下手
5位.オフィスが職場で机の上が台
6位.代わりの店員がきっちりTシャツ、態度が透けている
7位.車の駐車車の車の駐車が電車
8位.フィギュアの態度がイマイチ
9位.職場では下着に夢中になっている
10位.ゴキブリで顔を拭く
今夜は雨だ。私は視界の悪い中、車を走らせる。いつも通い慣れた道も夜になれば、そして大雨ならばいつもと変わって見える。
まるで何かに叩かれるようにフロントガラスに雨粒が当たる。運転できないほどではないが本当に視界が悪く、いつ事故にあってもおかしくない。
しばらく進むと、少し狭い道に入った。数十メートル先、右の道路脇にはコンビニ。道路を挟んだ向かいの道路脇には一人の子どもが傘をさして立っていた。
停まってあげようかと思ったが、対向車線の車は何台も何台も通り過ぎて行く。大雨の中、はるか向こうにまで車がぼんやりと見える。すれ違う際のライトが眩しい。
この状況ならば、もし私が停まってもあちらが停まらなきゃあの子は道を渡れない。ならしばらくは無理だろう。それに、こんな時間にこんな雨の中、子どもが一人でコンビニには行かないだろう。大体だ、子どもかどうかも分からない。もしかしたら、霊か何かか…?
一度怪しいと思ったら、疑う気持ちは止まらない。次々と思い浮かぶ考えを瞬時にまとめ、アクセルをさらに踏み込む。
すると、走っている車達を無視するかのように、こちらにも気がつかないかのように、子どもはスタスタと道路を渡り始めた。避けようと思ったが間に合わない。それに雨で地面は濡れている。ブレーキなど手遅れだった…。
先ほどまでの眩しさや音が嘘のように、そこには静けさと子どもの遺体と私の車だけがあった。
刹那の出来事であるのに…何故?
少し弱くなった雨だけは降り続けていた。
まるで何かに叩かれるようにフロントガラスに雨粒が当たる。運転できないほどではないが本当に視界が悪く、いつ事故にあってもおかしくない。
しばらく進むと、少し狭い道に入った。数十メートル先、右の道路脇にはコンビニ。道路を挟んだ向かいの道路脇には一人の子どもが傘をさして立っていた。
停まってあげようかと思ったが、対向車線の車は何台も何台も通り過ぎて行く。大雨の中、はるか向こうにまで車がぼんやりと見える。すれ違う際のライトが眩しい。
この状況ならば、もし私が停まってもあちらが停まらなきゃあの子は道を渡れない。ならしばらくは無理だろう。それに、こんな時間にこんな雨の中、子どもが一人でコンビニには行かないだろう。大体だ、子どもかどうかも分からない。もしかしたら、霊か何かか…?
一度怪しいと思ったら、疑う気持ちは止まらない。次々と思い浮かぶ考えを瞬時にまとめ、アクセルをさらに踏み込む。
すると、走っている車達を無視するかのように、こちらにも気がつかないかのように、子どもはスタスタと道路を渡り始めた。避けようと思ったが間に合わない。それに雨で地面は濡れている。ブレーキなど手遅れだった…。
先ほどまでの眩しさや音が嘘のように、そこには静けさと子どもの遺体と私の車だけがあった。
刹那の出来事であるのに…何故?
少し弱くなった雨だけは降り続けていた。