>>9
左右どっち側から聞こえてくるのかもよくわからない。上からだと言われればそうだったかもしれない。
しかもその声は、オレたちが道を進んで行っても、ずっとついてくるように依然として聞こえ続ける。
さらに奇妙なことに、オレがその声のことを話そうとしても声が出てこない。
金縛りにあった時のように力を込めても体全体が固まった感じで声が出ない感じとは違い、喉にしゃべろうという意思が伝わらない。
足はしっかりと歩き続けているのだが、口がなぜか開かない。
自分自身もなぜかどうしても話さなきゃという意思が湧いてこないのだ。
気づいてみれば、他の2人も山道に入ってからはずっと無口。
ひょっとして前の2人にもこの声は聞こえているのか。
そしてついに頂上の広場に出た。
その頃にはいつの間にかボソボソという声は聞こえなくなっていた。
頂上広場でようやく口を開くことが出来た。
本来は真っ先に、ずっと聞こえていた声のことが話として出てくるはずなのだが、その時はなぜか
「……頂上かな」
「……ああ」
「……だな」
というような会話にしかならない。
3人ともほとんど黙り込み、沈黙が続く。
月明かりで周囲もお互いの顔も良く見ることができる。
→
左右どっち側から聞こえてくるのかもよくわからない。上からだと言われればそうだったかもしれない。
しかもその声は、オレたちが道を進んで行っても、ずっとついてくるように依然として聞こえ続ける。
さらに奇妙なことに、オレがその声のことを話そうとしても声が出てこない。
金縛りにあった時のように力を込めても体全体が固まった感じで声が出ない感じとは違い、喉にしゃべろうという意思が伝わらない。
足はしっかりと歩き続けているのだが、口がなぜか開かない。
自分自身もなぜかどうしても話さなきゃという意思が湧いてこないのだ。
気づいてみれば、他の2人も山道に入ってからはずっと無口。
ひょっとして前の2人にもこの声は聞こえているのか。
そしてついに頂上の広場に出た。
その頃にはいつの間にかボソボソという声は聞こえなくなっていた。
頂上広場でようやく口を開くことが出来た。
本来は真っ先に、ずっと聞こえていた声のことが話として出てくるはずなのだが、その時はなぜか
「……頂上かな」
「……ああ」
「……だな」
というような会話にしかならない。
3人ともほとんど黙り込み、沈黙が続く。
月明かりで周囲もお互いの顔も良く見ることができる。
→