12 無名さん
http://sif.60225.novel.r.xria.biz/?guid=on&t=373579
仲直り()シーン
悔しそうに下唇を噛んでから彼女は小さな声を絞り出す。
「羨ましいんです」
「うらやま?」
急になんの話だ?首をかしげると彼女は少し昔の話をさせてくださいと前置きをした。
「小さい頃から私がすごく好きな本があるんです」
「ほん」
「ええ。有名な本なのでご存知かもしれませんが、ドールという本です」
「うーん知らないです」
「そうですか」
意外そうな顔をした八百万さんに難しい本?と聞けば絵本ですと答えられた。絵本なのか、意外。
「その本はドールという名前のシカが森のいろんな動物の悩みや心の闇に寄り添うお話で」
「へぇ、読んでみたいかも」
「…私はずっとドールみたいになりたかったんです」
「なってるじゃん」
「え」
八百万さんはしっかり者で、いつも正しくて、みんなを助けてあげてるイメージだ。
「皆の話聞いて、助けてあげるんでしょう?八百万さんそのものだよ」
「ち、ちがいます…!」
えぇー。違うのか。そんなハッキリ否定されるとちょっと申し訳なくなっちゃう。
「貴女はドールそのものなんです…相澤さん」
「わたし?」
「はい」
頷く八百万さんに全力で眉を寄せて首を傾げた。
「私全然そんなんじゃないと思うけどなぁ」
「自覚がないのもそっくりです」
「ありゃま」
「私はずっとなろうとしてもなれなかった…人の話を聞いても自分の価値観で見てしまうし、その人の気持ちに寄り添えない。すぐに人と打ち解けるのも苦手で知らないうちに壁を作ってしまってお友達作りも一歩遅れてしまいました」
「んん?そうかな…?」
「異性のクラスメイトと気軽に話したりふざけあうのも苦手で…距離感が分かりません」
原作でヤオモモが「ドール」という本を読んでいる描写は全くありません
仲直り()シーン
悔しそうに下唇を噛んでから彼女は小さな声を絞り出す。
「羨ましいんです」
「うらやま?」
急になんの話だ?首をかしげると彼女は少し昔の話をさせてくださいと前置きをした。
「小さい頃から私がすごく好きな本があるんです」
「ほん」
「ええ。有名な本なのでご存知かもしれませんが、ドールという本です」
「うーん知らないです」
「そうですか」
意外そうな顔をした八百万さんに難しい本?と聞けば絵本ですと答えられた。絵本なのか、意外。
「その本はドールという名前のシカが森のいろんな動物の悩みや心の闇に寄り添うお話で」
「へぇ、読んでみたいかも」
「…私はずっとドールみたいになりたかったんです」
「なってるじゃん」
「え」
八百万さんはしっかり者で、いつも正しくて、みんなを助けてあげてるイメージだ。
「皆の話聞いて、助けてあげるんでしょう?八百万さんそのものだよ」
「ち、ちがいます…!」
えぇー。違うのか。そんなハッキリ否定されるとちょっと申し訳なくなっちゃう。
「貴女はドールそのものなんです…相澤さん」
「わたし?」
「はい」
頷く八百万さんに全力で眉を寄せて首を傾げた。
「私全然そんなんじゃないと思うけどなぁ」
「自覚がないのもそっくりです」
「ありゃま」
「私はずっとなろうとしてもなれなかった…人の話を聞いても自分の価値観で見てしまうし、その人の気持ちに寄り添えない。すぐに人と打ち解けるのも苦手で知らないうちに壁を作ってしまってお友達作りも一歩遅れてしまいました」
「んん?そうかな…?」
「異性のクラスメイトと気軽に話したりふざけあうのも苦手で…距離感が分かりません」
原作でヤオモモが「ドール」という本を読んでいる描写は全くありません