13 無名さん
続き

あんなに完ぺきに見える八百万さんにもこんなにたくさん悩みがあるなんて意外だ。

「それなのに貴女は…初日からどんどん友達を増やして、今ではうまく話せないのは私くらいです!」

いや轟くんともしゃべれません。

「私は貴女を見てると劣等感でいっぱいになってしまって…っ、せめて成績では勝とうとしても貴女はなんでもできてしまいます」
「そんなことない!」
「ありますわ!初日の個性把握テストも、戦闘訓練も…っ挙句の果てにはUSJでも轟さんや爆豪さんと肩を並べて敵に立ち向かっていたと蛙吹さんに聞きました…!」
「肩は並んでな」
「私は!そんなあなたがうらやましくて、見てるのが辛くて、嫌なはずなのに」

八百万さんは涙を流しながら私を見た。