17 無名さん
 それはともかく、私にはなぜか昔の記憶がある。
 この世に生まれてからたったの三年だと言うのにも拘らずだ。

 ボールを上へと放り投げて、私は思いっ切りラケットを振り下ろした。
 子供が打ったとは思えないほどのスピードが出て、裕太君はもちろん、審判の先生や観客だったみんなにも何が起きたのか理解できなかったらしい。
(何だろう。この感覚、妙に懐かしい)


昔の記憶あるんじゃないの?矛盾してない?