今から10年程前に友人のお姉さんが体験した話です。
そのお姉さんは当時、大学を卒業したお祝いに仲の良かった男女5〜6人で卒業旅行に行ったそうです(何処に旅行に行ったのかは聞きませんでした)。

そして旅行先で宿を探し、飛び込みで適当なホテルに入りました。
そのホテルは最近新館を新築した大きなホテルでした。
そこの支配人は飛び込みだというのにも関わらず快く泊めてくれたそうです。

あいにくその日は本館が満室のため、お姉さん達は新館の方に案内されました。
支配人の話によると、その日新館の宴会場では大きな会社の宴会が2〜3件入っているため少々騒がしいかも知れないという事でしたが、当のお姉さん達も飛び込みで来た手前、その事は了解して泊まることにしたそうです。

その後、お姉さん達は料理に舌鼓を打ち、お風呂に入ったりしてくつろいでいたそうです。
ですが、部屋の2階にある宴会場で行われている宴会は夜の10時を過ぎても終わる気配がありません。

さすがにこの時間になっても宴会が続いているというのはちょっとおかしいと思ったのか、メンバーの1人がフロントに電話したところ、宴会はもうとっくに終わっているというのです。
しかし相変わらず2階の宴会場からは騒がしい声が聞こえてきます。
おかしいと思い、メンバーはその宴会が行われていると思われる大宴会場に足を運ぶことにしました。

2階の大宴会場の前に着くと、その扉の内側からは相変わらずザワザワと騒がしい声が扉の外まで聞こえています。
得体の知れない声を前にメンバーが恐る恐る扉を開けた瞬間

………………

それまで聞こえていた声がウソのように宴会場は水を打ったように静まり返っていました。
そう、宴会場には誰もいなかったのです。