>>15

人里離れた峠に、しかも時刻は0時を回っていたそうです。
周辺には商店はおろか、人の住んでいる家は一軒だってありません。

不気味に思いながらも他のグループを待っていました。
まだ携帯もそれほど普及して無かった時代ですから、他のメンバーとは連絡がとれません。

すると猛スピードで合流地点をバイクが駆け抜けました。
A番目のグループのバイクです。

「ドジだなぁ。合流地点ここだぞ」

などと兄達が話していると、他のバイクも猛スピードで通りすぎて行きます。

ただならぬ雰囲気を感じていると、友人のバイクが近づいて来て

「おまえら早く走れ!」

「早くしろ!」

「いいから走れ!」

と叫んでいます。

最初は「ビビらそうとしてんだろ」などと話していたそうですが、余りの形相に全員山の麓まで走ったそうです。

広めの駐車場に全員停車し、訳を聞くと

友人「あのヘアピンカーブあるだろ」

兄「おう」

友人「あそこに人が立ってたんだ」

兄「俺たちも見た」

友人「…」

「うちらのグループの1人が面白がってスピード緩めて引き返したんだ」

「したらスゲー早さで追いかけてきて、アクセルふかしてんのに着いてくるんだ」

「明らかに人間じゃねぇよあれはヤバい」

「何とか降りきれたみたいだけど…」

そして。