19 無名さん
>「外で自由に動くことができればいいのにね」

ぽつり、と独り言のように呟いて月の光から顔を背ければ扉の外に気配が一つ現れる。

「こんな夜中に女性の部屋に来るものではないわよ、Monsieur」
「オヤジからの頼みだよい」

コン、とノックをされたことにベッドを下りて扉を開けると数週間ぶりに見る男が立っていた。

「久しぶりね、マルコ?」
「ああ。部屋に入っても?」

ちらり、と部屋の中へと視線を向けてから聞くマルコに「どうぞ?何もないけど」と横にずれる。

突然のフランス語に草なんだけど
氷雨たんってフランス語好きだっけ?