20 無名さん
甲斐くんが私の名前を呼んだ。彼は私の手を引いたまま、再び海に潜った。そして海のなか、私を抱き締めた。甲斐くんの温度が伝わってくる。温かくて目を閉じる。すると私の耳に、口を寄せた甲斐くんが何かを言った。

「   」

それは泡となって消えていった。私は目を開ける。光差す水面を背後に、甲斐くんは笑っていた。


甲斐は結局なんて言ったの?こういうオサレ小説辞めろよな