21 無名さん
>「ガッデム」

女子高生らしかぬ悲鳴とともに起床すると天子は三十秒で家を出た。起床からの身支度オリンピックがあれば銀メダルぐらいは狙えそうであった。金?上には上がいますからな……と思う天子は妙なところで謙虚であった。寝癖とか芸術の域であるが構っている暇はなかった。父は夜勤で母は昨日から温泉旅行であったことを忘れていた。起こしてくれる家族は今日はいなかったのだ。

「いいいいいかん!遅刻はいかん!!……ギョッ!?」

良いタイミングで来た電車に「サンキュー日頃の行い」と叫びながら乗車し下車して雄英まで走っているとなんと遠目に見える門が閉まっていた。閉まるっけこの門!?予鈴まではまだ数分あるはずだ。しかもなんか人だかりができていて近づくに近づけなそうだけど事態は一刻を争うので失速するわけにもいかない。どうしよう。と群れの中の校門ばかり見ながら走っていたらぬっと視界に現れた人物に激突した。

下品な夢主