私が昔住んでいた団地には、全体に霊道が通っていたんですが、この霊道、続いているんです。私の通っていた小学校に。

1階にある5年生の教室前と、3階の音楽準備室は確実なんですよ。

だって5年生の教室前は、いつも白いモヤがかかっていて、何だか廊下の先が見にくいんです。とても肌寒く、何かが体に張り付くような感覚がして、どうにも気持ち悪い。

そして、音楽室。ここは、今でも覚えています。


ある日の昼休み、私は友達と3人で音楽室に遊びに行きました。

音楽室には常に音楽教諭のA先生がいて、霊感のある私は何度か助けていただいたことがあります。

このA先生はとても霊感が強くて有名で、日光修学旅行の時はK滝で倒れてしまいました(後日お祓いを受けたそうです)。

そんな先生と話がしたくて向かった音楽室。しばらく会話していると、突然ガタガタと準備室から音がしたんです。

「何?今の音。楽器落ちたんじゃない?」

そう言って友人Mが準備室に向かおうとすると、「いや、大丈夫」と、先生は止めました。

しかし、また直ぐにガタガタと音がしたために、「やっぱり見てくるよ」と、親切心からまた見に行こうとしました。この時点で私は背筋がゾクゾクしていて、半泣き。

その次の瞬間。

「きゃあああ!」

突然、スイッチの入っていない電子オルガンが鳴り出したんです。

友人二人はパニック。私は半泣きでいたところ、先生は1人冷静でした。

「ほら、戻りなさい」

誰もいない場所にそう声をかけると、ピタッと音は止みました。私も何かが準備室に戻るのを感じ、泣き止んだんです。

「今の何ですか?」

震える声で聞くと、先生は苦笑いで教えてくれました。

何でもこの学校の音楽準備室には霊道があり、子供が住み着いているらしい。あまりにも授業妨害するらしく、困ったA先生が準備室に結界をはったそうです。