>>26

深呼吸すると、どうすべきか考えました。

僕には霊をどうこうする力なんてありません。
警察に行ってもまともに取り合ってもらえる内容でもないし、警察でどうこうできる内容でもありません。
しかし話の流れから、なにもしなければYさんは今夜2時になにかしらの理由で死んでしまいます。

「ちょっと待ってて」

僕はJとYさんにそう言うと、喫茶店から外に出ました。
こんな時に頼りになるのは1人しかいません。
携帯を取り出すと、僕は爺ちゃんに電話し今までのいきさつを話しました。

「……というわけなんだ、どうしよう爺ちゃん!」

「ふ〜む。そりゃ、いかんわなあ」

爺ちゃんはしばらく何かを考えるように黙りこくったあと、

「あれじゃ、前に大畔(おおぐろ)の坊主に書いてもらったお札があるじゃろ。あれをポストとドアのノブ、部屋の窓という窓に貼るんじゃ。たぶんそいつは招かれ神の類じゃ。中から招かんかぎり悪さはできんはずじゃ」

「夜中、部屋に戻らないようにしてもダメ?」

「だめじゃな。外じゃ余計にいかん。四角く封ずる門がないぶん連れていかれ放題じゃ」

僕はJとYさんに先にYさんの部屋に戻るように言い、家にお札を取りに戻りました。