31 無名さん
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>「私も!私もガンヘッドさんとこから指名きたよ!」

ハワワーと頬を紅潮させそう言う麗日に天子はえっと瞬いた。

「指名二人って……あ、合ってるのかな……?」
「アワワ私すっかり浮かれてもうた……間違いだったらどうしよ……」
「いやいやお茶子ちゃんは大丈夫じゃて」
「いやいや天子ちゃんこそ」
「いやいや」
「……聞いてみたらどうだ?」

轟の提案に頷いた二人は、放課後希望体験先を書いた提出用紙を持って職員室の相澤のもとに走った。

「指名は2票入れられんだよ」

相澤の一言に、二人してホッと胸を撫で下ろす。どうやら一事務所につき二人まで指名できるということらしい。相澤は用紙に書かれた希望先をペラペラとめくって確認しながら、そんな二人を一瞥した。

「……そういや、体育祭はどっちも爆豪とだったな」
「はいっ」
「……しっかり学んでこいよ」
「はいっ!」

仲良く元気に返事をすると職員室を後にした二人。まだ事務所に正式に受理されたわけではないので確定ではないが、来たる職場体験先もほぼ決定ということでいよいよ胸が高鳴る。それとは別に地味に気になったことを遠慮がちにそっと麗日が口にした。

「……ガンヘッドさんて、女子好きなんかな……」
「なんか……イメージとちがうよね……」

筋骨隆々の彼からは想像できない自分たちへの指名にガンヘッドの意外な一面を見たような気がして、どんな人なんだろうかと天子もまた緊張とわくわくを重ねるのだった。

ガンヘッド女好きに捏造されて可哀想