31 無名さん
http://nanos.jp/yumenoato/novel/8/109/
最早名物となった小競り合いに、兄とは違っていつまでも取り乱す。可愛いけれどたまに嫌な気持ちになるのがたまらなく辛い。いくら妹のポジションが羨ましくても、成り代わって満足なんてできるはずがない。

「いいんだよ晴子ちゃん、あれで」
「なにが?!」
「だって、よく考えてみて」
「え?!」

憎らしくも羨ましい彼女の隣でゆったりと壁に寄りかかる後輩を見た。何とも穏やかな、まるで母親のような眼差しで、殴り合う流川を見ているあきら。

『藤井あきらです!よろしくお願いします!』

元気いっぱいな可愛らしいコだった。いつもにこにこしていて、よく働いた。部員一同、可愛いマスコットだと微笑ましく見ていた。

「今までに楓があんな風に花道に絡むことなかったでしょう」
「え、」
「一言言い逃げはやってたけど、面と向かってあんなことなかったじゃない」
「……………………」

誰もがそう思っていた。可愛い可愛いあきら。

彩子まで晴子sageでワロタ