幽霊ではなく人間でしたが、年月が経つにつれ自信がなくなっていく思い出です。

俺が19歳の頃の話です。
高校は卒業していましたが、これといって定職にもつかず、気が向いたら日雇いのバイトなどをしてブラブラしていました。

その頃の遊び仲間は高校の時の友人グループで、その日もその内の1つのグループの奴の家に集まって、だらだらと遊んでいました。

そのグループの連中は、地元では結構有名な悪い奴らの集まりでした。
俺はケンカも弱いしバイクも持っていなかったけど、そのグループのリーダーが幼馴染で家も超近かったため、たまに遊んでいました。

夜もふけてきたので、俺達は肝試しに行くことにしました。
皆幽霊なんて信じていなかったし怖がってもいませんでしたが、行く途中に女の子でもナンパできたら連れて行こうぐらいの軽いノリでした。

1人がバンで来ていたので、それに6人全員で乗り込み出発です。
幾つかある肝試しスポットのうち、一番近い所に向かいました。そこは山の中にある墓場で、頂上に向かって墓場が広がっています。

入り口に降り立ったとき、その墓場の一番上に何か白い影が見えました。
よく見るとそれは2人の人間で、近付いて見ると、まだ中学生ほどの少女でした。

髪は長くパサパサで手入れをしている様子はなく、まるで人形の髪のようだと思ったのを今でも覚えています。
顔にも髪がかかり、表情は読めません。顔のつくりは違いましたが、2人ともそっくりに見えました。
白く見えたのは夏服のセーラー服姿だったからです。