>>32

いったいどこから来たのでしょう。
あの場所から出てくるには、車でもっと山の上まで登らなくてはならないはずです。
なのに、2人には連れがいる様子もありません。どんどん近付いてきます。

よく考えたら、ふつうこんな人気のない墓場で不良グループに遭遇したら向こうも怖いはずです。
しかし、彼女達は無表情のまま俺達の目の前に来て止まりました。

言い様のない恐怖が襲いました。
理屈ではありません。ただぞっとするというのはこの事だと思います。
それは他のメンバーも同じようでした。

「おまえらどっから来たん?」

リーダーのMが聞きました。

2人は無表情のままゆっくりと、同時に山の頂上を指差しました。
どっと嫌な汗が吹き出ました。

するとそこに、どこからともなく犬が走ってきました。
しかもその犬、白内障なのか、目が白く濁っているのです。

あまりにもタイミングよく現れたので、危うく叫びそうになりましたが、すぐ後ろから飼い主らしきおじいさんがやってきました。

そのおじいさんはこの近くに住んでるらしく、いつもこの道を散歩コースにしているそうです。
おじいさんの散歩に付き合うように、自然に俺達6人と少女達は歩き始めました。

おじいさんと少女達が前を歩き、何か話をしています。
おじいさんは土の盛り上がったところをガシガシ蹴飛ばしながら、