友人から聞いた話、友人の親父さんがある大学病院の医師でその親父さんの話。
友人は医師でなくただのサラリーマンだけど(笑)


30年近く前、親父さん(以降T医師)がまだ駆け出し医師の頃の話、T医師は悪性腫瘍の除去手術に立ち会った。
執刀医は当時T医師の指導医師として20年近く医師をしてきたF医師だった。

手術を開始して黙々と手術は続く、F医師が「これだ」と一言。
それは脳のある部分に脂肪のように付いた悪性腫瘍、その時にF医師が

「あ〜・・・こりゃアレだな、いつもの頼んでおいてくれ」

F医師はそう言うと悪性腫瘍の除去に入る。無言で頷く看護婦。

「ヒギャアアアアッ!」

T医師が叫び声に驚いて「うわあっ!」と叫ぶとF医師が

「T君、聞こえたのか」

T医師は頷きながら回りを見たが無論、患者は麻酔で静かだし、まさか看護婦などが叫ぶはずもなく・・・F医師は手術をしながら

「T君、終わったら3階の休憩室に来なさい」

その間も

「ンゲェェェ!」

「ヒィエァァァァ!」

と叫ぶ声が聞こえるがF医師を始め他の医師や看護婦は取り乱さない。

「よし、もう大丈夫だ・・・T君、行くぞ」

F医師がそう言うと他の医師に残りを任せて手術室を後にした。

T医師が着替えてF医師がいる休憩室に入るとF医師がお経を唱えながら塩を舐め、時に背中や肩にふっていた。

「おっ、来たな・・・よし、ここに座ってくれ」

F医師はお祓いをするかのようにお経を唱えながら塩をT医師に舐めさせ肩や背中にふった。

T医師も唖然としつつもF医師に何が何だか分からないので教えて欲しいと聞いてみた。

以降F医師より

「あの悪性腫瘍は「病魔」。

病魔はいわゆる悪霊の一種だが物理的に引き剥がせる、だが引き剥がすだけで病魔そのものは存在していて近くにいる者にとり憑く、特に霊感が強いと憑かれやすい。