これは兄貴が体験した話。

青森県にある浅虫温泉近くに何でかわからんがウルトラマンAの像が昔あった。今は無いらしいがあるかわからん。

三十年前、ひい婆ちゃんの家に夏休みに遊びに行った時の話。
当時は自分はまだ生まれて無いのでわからないが浅虫温泉近くに住んでいたらしく、父親と母親、兄貴の三人で里帰りでひい婆ちゃんに会いに行った。

夏休みの宿題に昆虫採集を選ぼうとしてひい婆ちゃんの裏の山で虫取りをしていると、誰かに呼ばれた気がして
辺りを見回すと、白髪頭の気味の悪い婆ちゃんが近づいてくる。

鼠色の汚れた着物を着ていて顔が鬱血して紫色になっていて気持ち悪い。
見た目が異常に怖いので走って逃げ出したが、その婆ちゃんは異常に足が早く捕まってしまった。

転んだ所足を掴まれそのまま引きずられ、山の奥へ引きずられながら助けを呼んだが山の中なので誰も来ない。
必死に逃げようと抵抗したがダメだった。

放せババアみたいな事を言ったら引きずるのを止めて、手に持っていた包丁の柄の部分で豆を潰す様に顔を何度も叩かれた。
前歯を折られ鼻を折られガードした手の甲の骨や腕の骨が突き潰された。顔は血だけになり意識もなくなりかけた。

婆ちゃんいやババアは歓喜にも似た奇声をあげながら太もも部分に包丁を突き立てた。
激しい痛みと恐怖でパニックになり悲鳴と助けを乞う叫びが辺り一面にこだまする。

お父さん助けてと叫ぶが誰も助けに来ない。
このままだと殺されると這いつくばって逃げようとしたが馬乗りになられ、逃げられないと思った時

拳を突き上げているウルトラマンAの像が見えた。
思わず助けてAと叫んだ。

何者かがババアを蹴り飛ばした。銀色に光り輝く人。
思わずAと聞くとこちらを向いたその顔は紛れも無いウルトラマンAだった。

頷いた後そのままAはババアに跳び膝蹴りそのまま殴る殴る。特撮の怪獣をボコる様に殴る。
そして首を掴んで投げ飛ばす。

ババアも負けじとデカイ包丁を振り回し奇声をあげながら迫る。
Aが不意に水平に手を挙げる。スター???と言ったと同時に手から何かを飛ばした。それはババアの持っていた包丁に当たり木っ端みじんに。驚いた。