>>37


「アホなことするな。いじめか? 俺らがそいつらシメたるから、はやまるな!」

俺達の問いかけにも彼女達は首を振るばかりです。

「じゃあ原因はなんやねん」

「……べつに」

「別にって!!」

「生きてるんももうええって感じやねん」

またあの遠くを見つめるような無表情です。
2人とも同じ顔をするので、ますますそっくりに見えます。

「とにかくもうこっちも眠たいからお前等送ってくわ。はよ家までの道言え。送ってったる」

降りると言う彼女達に強い口調でMは言い、車を発進させました。

彼女達は地元の子達なのか、帰り道を代わる代わる「右」「左」で告げます。
2人同時に「ここ」と言いました。ハモるように同時にです。

止まった場所には家等ありません。

「おまえらホンマにここか? 家の前まで送ってくぞ」

Mが言いましたが、少女達は「ここ」とだけ言って車を降りました。

そこは、ちょうどさっきの丘の上の神社の裏側のようです。