これは実際に経験した話です。

高校の時友人の団地で花火をしました。夜の11時に雑談しながら花火をしていました。

最後の〆に線香花火勝負して、負けた人は飲み物を奢るというルールで盛り上がっていました。すると子供の笑い声が聞こえました。

『こんな時間に子供を外に連れ出してる親もどうかしてるな』と友人Tが言いました。確かに深夜のコンビニに親子(小学生以下)で来ているのをよく見かけるのであまり不自然とは誰も思いませんでした。

しかし子供の笑い声がどんどん大きくなり何かを踏み付けている音もしました。自分が何かおかしくないかと友人に話し、声のする場所へ向かいました。

すると団地の近くにある自転車用の車庫に着きました。そこから声がしたのです。皆で車庫の中を懐中電灯を照らして見ましたが誰もいません。

『???』と思いながら外へ出た時、ドンッ!と屋根に何かぶつかるような大きい音がしました。皆でまさかと思い屋根を見たらうっすらと子供らしき人影が見えました。

ただ暗いため上半身は全く見えませんでした。『何故こんなところに?』辺りを見ても車庫の屋根に登るような足場など一切ありません。屋根自体も高く大人でも梯子が必要なほどです。

子供が高所にいるのは危ないと思い皆で『危ないから降りなさい』と言いましたが、笑い声だけで聞く気配がありません。友人Tが『俺の所へジャンプするんだ』と足場が無く子供への気遣いなのかそう言いましたが、それでも反応ありません。

ずっと足踏みしながら笑い声だけが辺りを響かせます。流石に不自然に思った俺達は皆で懐中電灯を使い子供に照らした時です。

子供の頭がありません。いくら照らしても注意して見ても頭がありません。その時笑い声から

『イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ』と泣き声に変わり、やばいと悟った俺達はその場から逃げました。

そう、あれは人間でなく幽霊だと皆が理解したのです。自分は第六感の無さに自信あったのだが懐中電灯を照らした時はっきり見えたのです。