今から二年ほど前、当時私は高校まで電車で通っていました。
私の降りる駅に直通で行ってくれる電車の数は少なく、途中の駅で降りて、乗り換えをしなくては帰れませんでした。その日も、いつもの電車に乗りいつもの駅で一度降りて、地元の駅まで行く電車を待っていました。
時刻は夕方。涼しくなってきたホームで、ベンチに座り退屈しのぎに本を読んでいました。私はいつも最後尾の方に乗るので、ホームの後ろの方にいました。後ろの方には、私の他に誰もいません。
しばらく読書をしていると、ホームの地面に夕焼けにうつされた影が見えました。どうやら、その影は一人のようで、頻繁に右左右左…とうろうろしています。
(何をそんなにうろうろしているんだろう?)
気になった私は振り向いて見てみました。ですが、誰もいません。
影が私から見える、ということは影の人物は絶対に私の後ろにいなければいけません。そうでなければ、この影の存在は成立しないのですから。
見間違えだったのかと、改めて目の前の地面に目線を落とすと、影は変わらずうろうろと行ったり来たりを繰り返していました。驚き振り返れども、やはり先程と同じ。誰もいません。
もう一度目の前の地面に目線を落とすと、影はもう、うろうろと行ったり来たりなどしていませんでした。こちらを見ていたのです。私の真横に立って。
シルエットだけの影なのに、完全に影と視線があい、そこで初めて怖いと感じた私は、丁度来てくれた電車に飛び乗りました。
(電車だったら速いし追いつけないだろ)
普通に考えたら、幽霊相手に速さもないんですけど… 30分程で地元の駅に到着し、30分前の出来事も変なことあったな程度にしか考えていませんでした。
→
私の降りる駅に直通で行ってくれる電車の数は少なく、途中の駅で降りて、乗り換えをしなくては帰れませんでした。その日も、いつもの電車に乗りいつもの駅で一度降りて、地元の駅まで行く電車を待っていました。
時刻は夕方。涼しくなってきたホームで、ベンチに座り退屈しのぎに本を読んでいました。私はいつも最後尾の方に乗るので、ホームの後ろの方にいました。後ろの方には、私の他に誰もいません。
しばらく読書をしていると、ホームの地面に夕焼けにうつされた影が見えました。どうやら、その影は一人のようで、頻繁に右左右左…とうろうろしています。
(何をそんなにうろうろしているんだろう?)
気になった私は振り向いて見てみました。ですが、誰もいません。
影が私から見える、ということは影の人物は絶対に私の後ろにいなければいけません。そうでなければ、この影の存在は成立しないのですから。
見間違えだったのかと、改めて目の前の地面に目線を落とすと、影は変わらずうろうろと行ったり来たりを繰り返していました。驚き振り返れども、やはり先程と同じ。誰もいません。
もう一度目の前の地面に目線を落とすと、影はもう、うろうろと行ったり来たりなどしていませんでした。こちらを見ていたのです。私の真横に立って。
シルエットだけの影なのに、完全に影と視線があい、そこで初めて怖いと感じた私は、丁度来てくれた電車に飛び乗りました。
(電車だったら速いし追いつけないだろ)
普通に考えたら、幽霊相手に速さもないんですけど… 30分程で地元の駅に到着し、30分前の出来事も変なことあったな程度にしか考えていませんでした。
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