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と、内心に思ったそうです。
というのも、Tは家族の中で一番寝相が悪く、隣で寝ている父は、たびたびその被害にあっていたからです。

「いい加減にしてくれよ…」

と、のしかかって来るソレを押しながら振り返った瞬間、異様な光景にゾッとしたそうです。

かぶった布団の隙間から、何かが見えている。
父曰く、例えるなら、人間が寝袋を頭まですっぽり被って巨大なイモムシになったような変なものが、父とTの間でモゾモゾと動いていたそうです。

(ヤバイ…これ見ちゃ駄目なやつだ!)

と、目をつぶろうとした瞬間、強烈な金縛りに襲われました。
すると、ソレが突然ピタリと止まって、

「ドサッ!!」

と、再び父にのしかかってきました。
成人の大人ぐらい(布団ごしの感覚で)はあるソレは重く、次第に息苦しくなり、

(もうだめだ……)

と、意識を手放しかけたころでした。
急にフッとその気配が消え、同時に父は咳き込むように息を吸い、しばらくその場で呼吸を荒くしていました。

(なんだよ今の! 何で僕ばっかりが……)

と、その時、何か違和感を感じます。
息も荒いまま、ゆっくりとその先に視線を送ると、

「ぅ…うああああ!!!」