自分が小学5、6年のとき、兄貴とばあちゃんと3人で家に居たんだよ。
両親は共働きだったから、帰ってくるのは二人とも午後9時くらいだった。

んで、確か午後7時位だったかなぁ?ばあちゃんが風呂入って部屋に行った後に家の電話が鳴ってさ。
電話を取る前は、親のどっちかが「帰りに何か買ってこようか?」って電話だろうと思って、普通に取ったんだよね。

そしたら受話器の向こうからは何にも聞こえないで、ちょっとしたら「ブツッ」って切れたんだよ。
まぁでも田舎だし、携帯の電波が悪かったんだろうって思ってたのね。

そしたらその5分後位にまた電話がかかって来てさ。今度は兄貴が取れよって言って兄貴に取らせたわけ。
そんで兄貴が受話器を取ったわけなんだけど、兄貴は凄く怯えた様な、変な顔をしてさ、すぐ受話器を置いちゃったんだ。

どうかしたの?って聞いたら、何か変な声がしたから切ったって言うんだよね。
当時家の電話は、変な勧誘が怖いからって電話帳にも載ってなかったんだ。だから、きっと何かの聞き間違いか、兄貴が俺を怖がらせようとしてるんだって思ってた。

そして、その後また電話がかかって来た。お前が出ろって兄貴に言われて、受話器を取ったら、受話器の向こうから
「ワタシ、メリーチャン。アナタノウチニイルノ」って機械音みたいな声で喋りかけられた。

流石に怖くなってすぐに受話器を置いたら、兄貴がお前も聞いたか?って言ってくるんだ。
どうやら兄貴も同じようなことを言われたらしい。

俺らは怖くなってまた電話がかかってきてもシカトしてたんだ。そしたら5分おきぐらいに、親が帰ってくるまでずーっと電話がかかってた。
俺も兄貴も涙目で耳塞いでたんだ。そしたら玄関のドアが開いて、ふすまが風でゴトッって動いたんだ。

びっくりしてそっちを凝視してると、何のことはない、親父が帰ってきたんだよ。
そんで、親父に事の顛末を話したら、怪談「メリーさん」を真似たいたずら電話だろうって言って、未だ鳴り続けてる電話を取ったんだよね。