53 無名さん
>「い、イケメンすぎる…!いやでもダメだ!流石に新品のパンはもらえない…!」
「じゃあ…」
腹の虫を鳴らしながらも拒否する花音に、轟は引き下がったのかと思いきやパンの袋を破り、かぶりついた。一口食べた後にスッと花音の目の前に差し出して、
「ほら」
「へっ!?」
「ヒュー、やるじゃん轟」
「大丈夫の意味がわかりません!!」
「俺は一口食べた、あとはやる。これなら俺の飯がなくなったことにはならねぇし新品じゃないだろ?」
こてん、と首を傾げる轟に花音はもう恥ずかしくて茹で上がりそうだった。ここまでしてパンをくれる理由は何なのか。轟は天然なんだろうか、もしかしてわざとなのか。それはわからないが、食べかけのパンをもらうということは必然的に間接キスをするということで。
「やっ、あの、その、か、かかか、かん、間接、き、きす……!」
「俺は小松となら大歓迎だが」
「!?……もうだめ、」
「花音ちゃん!?」
「あーあ、轟のせいだよ」
「俺?」
空腹も羞恥心も限界の中、轟の言葉が決め手となり花音は気を失ってしまった。

Liccaたんこんなのが好きなの…?