54 無名さん
>「別に勝利に固執してないだけっすよ。ただあそこですぐに負けるのも、対戦者にとって意味ないものになるでしょう。だから少し遊んでみただけです。まあ、少々大人気なかったとは思いますけどね。」
納得のいかなそうなオールマイトは顎に手を置き、考える素振りを見せる。あーもうめんどくさい。この人は私の本音が聞きたいのだろう。みんなが憧れるヒーローという職に就きたくないという私の本音を。
「オールマイト。平和の象徴を呼ばれるあなたにこういうことを言うのはどうかと思いますが、私は自らをヒーローと名乗る存在が嫌いです。あなたのように平和の象徴がいることにより、現在のような秩序ある世界があることは重々承知です。でも、それは自らが名乗るものではない。正義主張というものはある程度偏りがあれど、人によって異なるものでしょう。そのなかで自分の主張を用い相手の主張をねじ伏せるのは、エゴですよ。所詮敵と呼ばれる存在だって主張があるかもしれない。正義の御旗を振りかざし、自己承認欲求を満たすために暴行を加えている者もいるでしょう。私は、そういうものはヒーローとは呼ばないし呼びたくもないです。持論ですがヒーローないし英雄というものは自分で語るものではないんですよ。持論ですが英雄というのは、後から続いてくるものなんすよ。」
すべて言い切り最後の煙を肺いっぱいに吸い込む。こちらの主張は伝えた。もしこれで納得されてもされなくてもかまわないのだけど。

ヒーロー科やめろや…