高校の修学旅行で沖縄に行った生徒の話です。

体験したのは黒澤くん(仮名)です。
彼ら一行は学業の一環として『ヒメユリの塔』や『ガマ』に見学していました。

学業と言っても殆ど旅行みたいなものなので、多数の生徒は遊び半分で見学していました。
特にはしゃいでいたのは河野くん(仮名)と林くん(仮名)でした、『ヒメユリの塔』では他の見学者であるおばあちゃんに「不謹慎だよ、静かにしてね」と注意されましたが、彼らは全く反省してない様子でした。

次に一行は『ガマ』へ向かいます、相変わらずはしゃいでいる河野くんと林くんに嫌悪感を抱いている人がいました、小倉くん(仮名)です。
彼はよく色んな生徒にからかわれているいじめられっこの立場にいました、ですがこの時は、まるで親の敵を見るような目で河野、林を睨んでいました。

彼は何時も無気力で厄介事は避けようとしていたので、明らかに気分を悪くしてる様な顔を見た事ありません。
気になったので黒澤は「どうしたの? 気分悪そうだけど…」と聞きました。

小倉は「いや…あいつ等がさ…結構やばい事してるから…」と言います。

黒澤「河野くんと林くんの事? 確かに不謹慎だよね、さっきも怒られてたし」

小倉「うん、黒澤くんもあいつ等から離れてた方がいいよ、巻き込まれるかもしれないから」

黒澤「ん?? あぁ、また怒られそうだからね、とばっちりは嫌だから離れてるよ」

小倉「いや、怒られるだけならいいんだけどね…」

黒澤は含んだ言い方をする小倉に「どういう事? 何かあるの?」と聞こうとしましたが、先生の

「ハイつきましたー、これから洞窟になるので足元に気を付けて下さいねー、あとくれぐれも騒がないこと! 特にそこの二人!」

で遮られました。