>>58

オリエンテーリングの内容はいたって簡単。
日暮れまでに、先生達が置いて来たスタンプを配られた紙に押してくること。

スタンプの置いてある場所は配られた紙の裏に書いてあった。
なぞなぞみたいな感じで正直つまらなかった。

他の皆は楽しそうにしてたけど、やはり俺と同じようにつまらなそうな人もいた。
うちの班の奴らもつまらなそうで、そんな時に班長が言い出した。

「沼の方に行かない?」

スタンプの大半を押し終わっていた俺達は班長の言葉に頷いた。みんな飽きていたんだと思う。

沼に続いてる道はあったけど、獣道っぽくて行くのが大変だった。

それでも歩き続けて沼に着いた。
他の班の子の声も聞こえたから、結構近くにあるんだなって思った。

どろっとした感じの水がたまったような、そんな場所だ。
見た感じ深さもわからない。
でも水に触れてみようとかそんな気はしなかった。

なんか気持ち悪かった。
だって、聞いた話では身体が見つかっていない死体があったんだから、もしかしたらここにあるのではないか? とかそんなことを思ってた。

たしかにそこには壊れた傘とかとび職の人が履いてそうな靴とか落ちていたけど、今思えば警察が一回調べてるだろうしそんなはずないんだけど、沼の中が気になって仕方がなかった。