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先生も流石に変と思ったのか明かりを付けました、河野と林がいません。
…いや、立ち入り禁止のロープの奥にいました、二人は、

「いやだぁぁぁ! やめてくれぇぇぇ!」
「それは俺のだぁぁ! とらないでぇぇ!」
「やめろ! やめろぉ! そんなのたべたくない! そんなのたべたくない!」

と泣き叫びながら地面を素手で堀返しています。

先生は「なぁ! …なにやってんだ!」と駆け寄り、抱きかかえようとしたが、二人は振り払い

「だめだぁぁ! あんたは何も知らない!! 何も知らない!」
「いやだ…こんなこと…たべるのはだめだ…あぁぁぁ…」

と叫びながら一心不乱に地面を掘ります。

「やめてくれぇぇ…人でなしぃぃ…」

と言いながら、河野と林は先生二人と生徒三人がかりで取り押さえられ、洞窟から連れ出されました。

他の生徒も続いて出て行きます、外のベンチには俯いた小倉が座っていました。

小倉は「あいつ等おかしくなったんでしょ? 自業自得だな…」と言ってきました。
黒澤は「小倉くん、何か見えたんだよね、何が見えたの?」と聞きました。

小倉「頭だよ…人の…笑顔だったり怒ってたり、泣き顔だったり…青白い人の頭が…俺達が入ったとたん、地面からニョキ〜って生えてきて…ゆらゆらと動き出したんだ…」