63 無名さん
>>62
なんてひどい言いがかりなんだろう。慌てて取り繕ったそんな見え見えの嘘、だれだって信じないだろうに。しかし彼女は首を振るだけでなにも言わなかった。どうやらこれ以上の面倒事は嫌みたいだ。僕は一先ず杖を振って固まったままの彼女の呪文を解いた。そして勢いよく振りかざされた手を掴む。状況がわかっていない彼女にびっくりしたよね、ごめんとだけ言うと彼女は顔を赤くした。ブラッドストーンは嫌そうな顔をしている。僕は場を収めるために罰則を与えるから席を外してほしい旨を伝えると、彼女たちは喜んで去っていった。一気に肩の力が抜ける。ほんとうに、よかった。