>>63

まず、私の撮影です。
コレは上手くいきました。

次のYさん。
上手くいきました。

問題はその次のI君でした。
1度目で撮れた写真は、さっき撮ったのより、なんとなく赤みが強くなっているように見える写真でした。
そこでもう1回。
今度は、なんだかI君の周りに、赤ではなく黄色に近い色の薄いビニールのような物が、なんとなく写っている写真でした。

気味悪がりながらも、I君はもう1回撮るようにT君にお願いしました。
そして出てきた写真を見て、T君は「なんだあ、なんか変だ!」と言って、私達の方に駆け寄ってきてその写真を見せました。

その内容はかなり凄惨なもので、I君の手や顔はほとんど隠されるほどに、数え切れないほどの黄色い手がI君の体に四方八方から絡んできて、さらに黄色の手に絡まれていない下半身の部分も、鮮烈な赤色に染まっていました……。

I君はこれを見せられた後、1つの事実を告白しました。
その内容は、次のようなものでした。

「今日、昼休みの後、印刷室でコピー機を回してる間に木箱をいじっていたら、ついに木箱が開いたんですよ。だけど、中からはぼろぼろの布袋が出てきて、それに『天皇ノタメ 名誉の死ヲタタエテ』と書いてありました。開けてみたら大量の爪と髪の毛の束が出てきて、不気味だから焼却炉に捨ててしまいました……」

私達はすぐにその写真をお寺に持って行って、その話をして、写真を供養してもらえるように頼んだんですけど、お寺の住職さんは

「あなたのした事は、とても危険なことです。あなた方の持ってきたその写真を供養しても、霊の怒りは静まりません。その木箱を持っていらっしゃい。それを供養してあげれば、中に閉じ込められていた魂も救われます。ぜひ持ってきてください」

と言って、寺の住職にひとまず今日は帰るようにと促されました。