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テープレコーダーを聞き終えた後、Hさんはゆっくりと口を開きました。

H『実はさ、お前んちに居候する前、近くの通りで変な影を見たんだ。しかも、その影が結構ヤバめでさ…。しばらくは忘れてたんだけど、一昨日、部屋の隅っこに居たんだよね…。ちなみに今、この部屋にはそいつの他に4体いるんだわ。黙ってて悪い!』

Sさんは、一気に血の気が引いていったそうです。

Hさんは、事態を深刻に感じたため、Hさんよりはるかに霊感の強いHさんのお姉さんに連絡しました。

H『あ、ネェチャン? 実はさ…』

H姉『あんたさ、最近なんか見なかった?』

H『なんで分かんの?』

H姉『いや、実はいやな予感がしたんだよね…。そこにいるやつ、早く祓ってもらった方がいいよ。祈祷師さんにお願いしとくから』

Hさんのお姉さんの話によると、Sさんの家にいる霊たちは全てHさんに憑いていたようです。
幽霊というものは、霊感の強い人に憑いて、自分たちの念(?)をなんとか伝えようとするそうです。

電話を切った後、HさんがこのままSさんの家に居座るのは迷惑がかかる、ということで、Hさんはその日の内に地元に戻りました。
幸い、除霊をしていただいたことで、憑いていた悪い霊は成仏できたようです。