66 無名さん
>「でもきっと緑谷くん、自分が思ってるよりすごいんだよ君は。私はそう思う。だって緑谷くんは轟くんを変えたから……」
「…………」

そう言ってまた遠くを見つめた天子が「轟くんからいろいろ聞いたんだ、」と続けたので、緑谷は彼女が何を言わんとしたのかをなんとなく察して眉を寄せた。

「ありがとうね、緑谷くんのことほんと尊敬してるんだ」

そうして突然奢られたジュースの意味に気づき、緑谷は困ったように俯いた。

「……いや、そんな、僕のしたことなんて、最早ただの自己満足というか……」
「そ、それなら私が今こうして君にジュース飲ませてるのも自己満足だよ!」

どこまでも謙虚を押し通す緑谷に、天子は拳をふるって力説を始める。

「私は緑谷くん、轟くんをなんとかしてくれてありがとうと思ったからさ。そういうのに助けられてる人もいるってことだよ。緑谷くんは気持ちだけじゃなくてそれを実行できる勇気も言葉も力もあった、それってすごいよ、ほんと。すごいことだよ」

夢主謎の上から目線