67 無名さん
『それって、昼休み
私に言ってた
“蘭の”』
「蘭って呼ばないで」
今まで黙っていた蘭が私に向かって
ピシャリと言い放つ

『…はぁー
じゃあなんて呼べばいいの?
蘭さん?蘭ちゃん?蘭様?』
「オメーいつまでも
ふざけてんじゃねぇぞ」
とそう言う工藤くんの表情は
まるで親の敵を見るようなものだった

『ふざけてないよ』
「ふざけてんじゃないっ!
普通に苗字で呼べばいいでしょ!!」
『はいはい、三人が幼馴染で
仲がいいのは分かったから、
同じところで反応しなくていいでしょ
話が進まないから

あ、鈴木さんあなた
理解力に乏しいようだから
犬に躾けると思ってもう一度言うけど、
こんな近くにいるのに、大きな声で
言わなくても聞こえるよ
それと、私も一応毛利だからね
蘭と区別つかないじゃん』

「毛利さん、でいいわ
あと、私たちあなたの事を
苗字も名前も呼ぶつもりないから」

そういうのは蘭
しかし美人なこの無表情って怖いね