69 無名さん
>>67

「おー、お前ら静かにしろー。今日は先週も言ったが転校生が来ている。俺のクラスのイメージを悪くするんじゃないぞー」
「センセー! 男子ですか、女子ですか!」
「あー、女子だ」

 なんか楽しそうだな。明るいクラスっぽくて良かった。と、ドキドキしながら扉の前で待機しつつ盗み聞きする。

「可愛い?」
「美人?」
「ちょっと男子! あんまり期待したら可哀想でしょ!」
「そうだよっ! でもこんな中途半端な時期に転校生でしょ? もしかして訳あり!?」
「あれか! 不良!? 非行少女!?」

 なんかすごく好き勝手言われてるよ……。どうしよう、すごく入りにくい空気!

「落ち着けお前ら。不良どころか、お前らとは比較できないくらいの優等生だぞ」

 ちょっ! 担任!! 何ハードル上げてんの!? 私別に優等生じゃないし! やめて!

「しかもすげえ美人だ。虐めんなよ? 特に女子!」

 担任〜!!? 何言ってんの!? 何、言ってんのぉおおお!!?

「何なに? 嫉妬に狂った女子たちが集団で虐め?」
「昼ドラかっ!」
「あははは!」

 おいおい、楽しそうに話してるけどさ、私にとっては切実な問題なんだけど。

「っと、これくらいにしとかねぇと転校生が教室に入りにくくなっちまうな!」
「センセー! もう充分入りにくいと思います!」

 誰だか知らないけどよく言った!! ものすごく入りにくいよ! もう帰りたいくらいだよ!

「つーわけで、転校生、入ってこーい!」

 何が「つーわけで」なんだよ!! と、心の中は荒れ放題だが、私は一度深呼吸をして自分を落ち着かせた。殴り込みする勢いで入ったらクラスでの私の第一印象が最悪になっちゃうからね。
 ふぅ、と息を吐いた私は覚悟を決めて、ガラッと教室の扉を開けた。


痛々しい流れだなぁ