73 無名さん
>バンッ!と勢いよく閉められた扉を背に、爆豪はスタスタと自分のベッドへ行き座る。ルーシィは綺麗に片付けられた部屋を見渡しながら先程言われた言葉を奥底で思い出しては顔を赤くさせていた。

「誰も襲わんわ」
「わかってるわよ!!!」

それでも気まずいのだから仕方がない。余計な事を、と舌打ち混じりに言った爆豪はバンバン、と爆豪が座っている隣の隣あたりを叩いた。来いと言っているのだろう、赤い瞳がルーシィをはなさない。

「し、失礼します…」

大体何故爆豪の家に来なければならなかったのか。先程まで一緒にいた切島と上鳴はこの後峰田達と合流してカラオケに行かなくちゃなんねーんだけどと言って誘ってきたが、ルーシィが断る前に爆豪が「行くかクソが」と言ってルーシィを連れて行ってしまったのが始まりだった。あんな事があってからは歌いたいという気分も無く、正直クラスメイトだろうが男しかいない(かもしれない)室内には入りたくなかった。だからこそ爆豪の行動は有り難いものだったのだが。

「あの、送ってくれるんじゃないの?」
「は?アホかテメーは」

何で俺がと言いながらもついて来なかったら鋭い眼光で睨みつける爆豪にルーシィは仕方なくついて来ていたのだが、ついた先は爆豪と書かれたとても立派な一軒家だった。

隣の隣あたりを叩くって誤字もそうだけどなんで暴漢二人に襲われて男しかいない室内は嫌と言いつつ爆豪の家言って部屋に入ってるのか…
と言うか「爆豪と書かれたとても立派な一軒家」って聞くと表札とかじゃなく家に直接爆豪って書かれてんのかと思って笑ったわ