75 無名さん
キャンバスには、緑で塗りつぶされた大自然が描かれている。大樹の周りには沢山の緑が生きている。
それを潰してしまえば....、そう考えてしまう自分を振り切った。
大体、今の部長だって正式な部長ではない。 
本来の部長は体が弱く入院中なので、代わりとして部長の座に居座っているだけであるのに。何故そんなにふんぞり返って偉そうに出来るのだろうか。

どうせ、正式な部長が帰ってくればヘコヘコと頭を下げて媚を売るに違いない。

部長が居ない間に井上がまたー…、なんてありもない話をでっち上げられたらどうしよう。
ふと窓を見上げると、雨が降っていた。傘があるか、考えるが答えが思い浮かばず不安になった。
とりあえず折畳み傘があるか確認しよう。

「....教室に忘れ物をしたので、取って来ますね」

そう告げても返事はない。
いつもと同じ。私は腫れ物扱いだ。

扉を開けて、廊下に出る。

天才、なんて昔から囁かれて来たけどそんな素晴らしいものじゃない。
腫れ物扱いされて、嫉妬されて。
だから、あの赤髪の人のように自分の才能をチヤホヤされるだけの人が羨ましい。
私はチヤホヤされても、影では悪口混じり....いや、ほぼ悪口だろう。

妬み、嫉妬嫉妬嫉妬、歓喜、劣等感。
今までに受けて来たのはそんな視線ばかりで。

(なんて、息苦しいの)

自分をきちんと受け入れてくれる人は周りにはいない。美咲だって、影では悪口を叩いている。
大事な友人を疑いたくはないが、期待しても損だろう。

気付けば、私は人間不信になっていたのかもしれない。


この話の夢主の独断があまりに不愉快だったから全部晒してみる
こんな性格だから人間不信になったんじゃね?
今まで円満な人間関係を築いてこれなかったんだろうな