夏休みで学校に宿泊したときの話です。

夜暗くなってきた頃にみんなで他の教室に移動することになりました。

先生の話では離れた所の校舎にあるらしいのですが、みんな場所がわかりません。
そこで、みんなでその場所を知っているというY子についていくことになりました。

今いる校舎を出ると辺りは真っ暗でなにも見えません。外灯もついてませんでした。
仕方ないのでみんなで電灯を持って出ることになりました。

ところが、不思議な事にY子だけは電灯を持たずその真っ暗な道をすいすいと歩いていきます。
自分は道を知っているなら当然だろうかと思って、はぐれないようにY子の後ろへついていきました。みんなは後ろの辺りをビクビクと歩いてました。

真っ暗な木の生い茂った校庭を抜け運動場を抜け、真っ黒なY子の歩くスピードはだんだんと速くなってきました。
あまりにも歩くスピードが早くなってきたので、途中でみんながはぐれないようにと、自分はY子とみんなの中間辺りのスピードで歩くようにしました。

200mぐらい歩いたでしょうか。3階建ての真っ暗な校舎に着きました。
Y子はその校舎の中へスーッと入っていきました。

自分はこんなところに大きい校舎があったんだなあと思って、すぐには入らずに外で待っていました。
しばらくすると友達が一人やってきました。他のみんなはまだ、だらだらと歩いているのか、懐中電灯が遠くでチカチカと光ってるのが見えます。

その友達と教室を覗くと真っ暗な教室の中にY子だけがポツンと一人だけ机の前に立っていて、ジーッとこちらを見てました。
友達は早く教室に入ろうぜといって窓から入るように言いました。

自分はいったん窓の上に登ってその教室に入ろうとしましたが、何か不気味さを感じていて入れませんでした。
しばらく窓の上で立ってうろうろしていると、その教室に数名の真っ黒な生徒が入ってきました。

この時、真っ暗な教室に入ってきたのに、電気すらつけないで椅子に座るのはおかしいんじゃないかと思いました。
自分はハッとなって教室に入らずに窓から降りて外に出ました。