>>77

「もう二度とこの劇はしたくないなぁ」

全ての劇団員達はそう思っていました。当然稲川氏も同じ気持ちでした。
しかし最終公演を終え打ち上げをしている稲川氏達に、劇場からとんでもない依頼が入ります。

「……追加公演をしてくれ」

次にここでやる事になっていた舞台が突然中止になったのです。だからいまやっている舞台を追加公演してもらえないかと。
スタッフと出演者達は大反対!
しかし人形使い前野さんの異常なほど強い希望により、追加公演をする事になるのでした(その前野さんのお父さんが急死されたのが次の日でした)。

舞台がなんとか無事に終了した数ヶ月後、この話をTBSの番組「3時にあいましょう」が聞きつけて怪奇シリーズで放送する事になりました。

人形使いの前野さんがあの人形を保管していました。
番組撮影のために人形を持って現れた前野さんは、少しおかしくなっていそうです。
その人形をまるで生きているかのように話し掛けていたり……。

やはり怪奇現象が起こりました。
まずは番組リハーサル中に照明用のライトが落ちてきた。そして生放送の番組中には人形の上にバックに吊っていたカーテンが突然切れて被さり……女性スタッフ達は恐怖で泣き出してまともな番組にはなりませんでした。

その後、その番組のスタッフ達に怪我をする人が続出し、この番組に関った関係者達はバラバラとTV局を止めていったそうです。