今回紹介するお話は僕の先輩に聞いた話です。

僕は学校の寮に住んでいるのですが寮の門限は20時になっています。20時になると点呼が行われ皆戻っているかの確認があります。が、しかし。年に一度の祭りの日だけは21時までになります。

これは僕が入学する一年前の祭りの日に起きた話です。

その先輩(以下S)は同じ学校に付き合っている彼女(以下M)がいます。Mは自他共に認める霊感少女で強い霊感を持っているそうです。

その日、祭りを一通り見終えた2人は21時まで多少時間があったため学校の近くの海へ行ったそうです。その海には砂浜と堤防があるのですが、2人は堤防の先端の灯台の下でお話をしていたそうです。

その時S先輩がふと砂浜に目をやるとワンピースを着た長い髪の女が目に入りました。よーく目を凝らして見てみるとその女は体育座りをしており、ゆっくりゆっくり左右に揺れているそうです。

S先輩は何してんだろうなぁとしばらく見ていたそうです。するとM先輩が「S、あれねあんま見ない方がいいよ」と言ってきたそうです。

S先輩もM先輩の霊感の強さは承知していたのですぐに目を離しましたが、気持ちが悪いので早々に帰ることにしました。帰る途中に車用のカーブミラーがあるのですが、そこにさしかかった時。

M先輩が「S、後ろ見ないでね」と言ってきました。

S先輩も見る気はありませんでしたが、見るなと言われたら見たくなるのが人間です。M先輩にバレないようカーブミラーを覗き込むと並んで歩く2人のすぐ後ろにさっきの女が。

体と体が触れているのではないかと思うほどに近い所でユラユラと左右に揺れながら後ろを笑いながらついてきていたそうです。その瞬間S先輩は急に気分が悪くなったと言っていました。

寮に着いてもそのモヤモヤ感は取れることなく、すぐにイライラして周りにあたったり急激な頭痛や吐き気、めまいや貧血をよく起こしたそうです。その間M先輩は必死でなだめたりしたそうです。