83 無名さん
>>73
http://nanos.jp/rururi819/novel/1/3/
「絶対訴えてやる、セクハラパワハラどころじゃない、立派な暴行罪だ……傷害にもなり得る……」
右耳の痛みに気をやっているうちに左耳にもファーストピアスが打ち込まれ、じくじくと襲う両耳の痛みにぐすぐす泣いた。親に貰った身体に傷をつけてしまった、ごめんよ母さん。
「これ消毒の塗り薬です。朝晩必ず塗るんですよ?膿んでしまいますから」
私の渾身の呪いは何故か安室モードの彼に完全に黙殺された。ずるいことにこの人は自分に都合よく入れ替わるきらいがある。
「もうやだ降谷さんやだ、安室さんとっちめてよ降谷零とかいう男は飛んでもなく凶悪です……」
「降谷零?ああ、彼は僕なんかでは遠く及ばないほどいい男ですよね」
何をいけしゃあしゃあと!!
そうこうしているうちに、今日も今日とて多忙な降谷君はひらりと手を振ってデスクを去って行った。
私のデスクには彼が置いた塗り薬と、クリスマスの夜のレストランの予約が記された処方箋が残った。
これは間違いなく、クリスマスまでにピアスホールを安定させなかったら殺される。