>>83
案の定、出発して間もなく軽い頭痛が来て、実家が近づくにつれ次第に激しくなり吐き気にまで襲われ運転することも厳しい状態になりました。
しかし事前に聞いていたので慌てはしませんでした。
ただ、やっぱりそうなのかと確信めいた気持ちになって、帰郷の際に必ず身に付けるよう母から送ってもらっていたお札を胸ポケットにしまい込み、
「いい加減にしろっ! Sなんだろ?」
と大きな声で言った途端に、急に視界の真中以外が万華鏡のような感じでチカチカして視界が狭くなってしまい、とても運転出来ずに車を停めました。
どうしたんだ? 目が疲れたのかな? と、シートを倒しかけた時のことです。
「まだだよ……」
それは耳から聞こえてきたのではなく、直接頭の中に響くような声でした。
さすがにこれには飛び起きて、後席を含めて周りを見回しましたが誰もいません。
そしてやはり母からの手紙を震えながら取り出して、書かれていたお経を唱えました。
我が身を守る経とのことで、必ず自分の口で唱えないと効果がないと言っていました。
何処からか見られているような気配と視線は消えませんが、目は治ったようなので実家へ急ぎました。
実家の近くで母へ連絡すると、「家では対処出来ないのでKさん宅へ行く」とのこと。
案内のため、待ち合わせ場所で兄が運転する車で来た母が私を見た途端、目を細くしてウン、ウンと大きく頷き
「よく我慢したね、でも思っていた通り大変だわコリャ」
と腕を組んで何かを覚悟する様子でした。
私はというと、安心したせいか恥ずかしいですが泣きそうでした。
母が案内するというKさんとは、地元ばかりではなく有名な霊能者です。
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案の定、出発して間もなく軽い頭痛が来て、実家が近づくにつれ次第に激しくなり吐き気にまで襲われ運転することも厳しい状態になりました。
しかし事前に聞いていたので慌てはしませんでした。
ただ、やっぱりそうなのかと確信めいた気持ちになって、帰郷の際に必ず身に付けるよう母から送ってもらっていたお札を胸ポケットにしまい込み、
「いい加減にしろっ! Sなんだろ?」
と大きな声で言った途端に、急に視界の真中以外が万華鏡のような感じでチカチカして視界が狭くなってしまい、とても運転出来ずに車を停めました。
どうしたんだ? 目が疲れたのかな? と、シートを倒しかけた時のことです。
「まだだよ……」
それは耳から聞こえてきたのではなく、直接頭の中に響くような声でした。
さすがにこれには飛び起きて、後席を含めて周りを見回しましたが誰もいません。
そしてやはり母からの手紙を震えながら取り出して、書かれていたお経を唱えました。
我が身を守る経とのことで、必ず自分の口で唱えないと効果がないと言っていました。
何処からか見られているような気配と視線は消えませんが、目は治ったようなので実家へ急ぎました。
実家の近くで母へ連絡すると、「家では対処出来ないのでKさん宅へ行く」とのこと。
案内のため、待ち合わせ場所で兄が運転する車で来た母が私を見た途端、目を細くしてウン、ウンと大きく頷き
「よく我慢したね、でも思っていた通り大変だわコリャ」
と腕を組んで何かを覚悟する様子でした。
私はというと、安心したせいか恥ずかしいですが泣きそうでした。
母が案内するというKさんとは、地元ばかりではなく有名な霊能者です。
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