>>84

そちらへ行くと事情と段取りは母がしてくれていたようで、私を見たKさんはひと目で「大事に至る直前」だと一言、そして奥の部屋へ通されました。
その中での出来事(浄化)はあまり外に話さない方がいいよと言われています(私も体験していながら信じられない思いです)。

浄化が終わり、我に返った私の目からは止め処ない涙が溢れていました。
悲しい? 安心したから? いや、その両方共に違う意味の涙とか言いようがありません。

Kさんによれば、生霊の念は私の上半身を覆ってしまう状態だったらしいです。
全身を包むまで恐らくあと2〜3ヶ月だったろう、そうなったら手遅れかもねと言われました(手遅れって……)。
よく写真に写り込む白い霧(煙)は先祖の庇護系が多いが、赤は警告か危険、そして黒は怨みらしいです。

母には、私の後ろにピッタリと寄り添うように女性の姿が見えていたらしいです。
それはKさんからも同じように言われました。
その容姿を聞いてSの写真を見せたところ、両人から「この人だね」です。
ただ、相手は生霊だけに根を絶たないと浄化した後も再び来るだろうとのこと。

終わってはいなかったのです。

夏期休暇を終えて再び上京してからは平穏な日々を送っていました。
それまで住んでいたアパートを引き払い、Sが知るはずもない町へと引越しました。

念のために新築に拘り、更に念を入れてKさんからいただいた正確な四方へ貼るお札も、方角を測ってから貼って備えました(ちなみに東西南北ではありません)。
そうしてから「根を絶つ」べく、以前住んでいた町の公衆電話からSに連絡を取りました。